ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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凄いの観ました
脚本、俳優、撮影、照明、音楽、編集全てが素晴らしい。
無駄なカットが全く無く、最初から最後まで引き込まれっぱなしです。
コロナで新作映画不毛時代の中、タイミングが最悪の中、勇気を持っての上映決断に心から感謝します。
描かれているのは人間です。
ヤクザという背景はたまたまで、映画ではとことん人間が描かれるのみです。
演じている俳優が誰も損をしていない稀有な映画で、その演技を引き出した監督にはただただ敬意を表しますし、俳優陣にも感謝しかありません。
好きなセリフ、好きなシーンがいっぱい詰まった珠玉の作品です。
あと2回は観に行くと思います!
「追伸」
2回目見に行きました!
1回目にも感じましたけど、エンディングのテーマ曲が近年稀に見る最高のマッチングです。
安っぽい歌謡曲じゃなく、映画の世界観そのままの詞と曲で最後まで席を立ちたくありませんでした。
"排除思想は拳よりもはるかに強い"と伝える力作だけに、上映開始5秒が台無しすぎる…
基本褒めです。よくできてます。なので、最初にほぼ唯一にして最大の不満点。詳しくはネタバレになるので避けますが、上映開始のシーンと終盤のシーンが見事にシンクロします。となると、開始5秒くらいで「ヤクザと家族 The Family 制作委員会」って出るんですよ…。これ本当に悪手。最初に出すんだったらまだしも…監督名(fujii mitihito film)なら主張したいのもわかるけども…なんで製作委員会の名前をあのタイミングで入れる必要があったのか非常に不満です。映画の世界に没入させるべきです。ましてや、オープニングが重要な作品なのでなおさら。ちなみに、タイトルバックの出し方は必然を感じたし、演者の名前を手際よく音楽とカットに合わせて出していくのは良かったと思います。
ヤクザや任侠映画はあんまり得意ではないのですが、そこに力を入れた作品ではないので非常に見やすく仕上がっていると思います。とはいえ、前半は「これはどうやってとったんだ?」というワンカットチェイスシーンなど迫力も内包しており、さすが藤井道人監督だなと思いました。『デイアンドナイト』でも感じましたが、藤井組(ヤクザ映画なのであえてこの書き方をします)は色彩の使い方が非常に豊かで、白と黒とその中間色の使い方で、その登場人物の心理を暗に示すという点で非常に優れていると思います。また、カメラの撮り方も非常に面白かったです。主人公が葛藤しているところでは、不自然に揺らして撮ってみたり、急に主人公目線で下から見上げる形で撮ってみたりと、非常に工夫がなされていると思いました。
さて、自分はヤクザは大嫌いです。不良も大嫌いです。街で喧嘩しているチンピラもご時世関係なく飛沫飛ばして大声で喋る人間も嫌いです。ヤクザにならざるを得なかった、ヤクザにしか居場所がなかった主人公のような人間もいることは理解しているつもりなのですが、基本的にはいなくなればいいと思ってます。大方がそう思っているでしょう。そういう思想だからこそ刺さる作品でした。
自らがヤクザになることを望み、絆を深め、血縁関係を超えた家族的な繋がりを構築するも、時代が進むにつれて法の整備・社会通念のアップデートによって居場所をなくしてしまうという実は社会的なメッセージを含んだ作品でした。決してヤクザ善として描くわけではなく、問題提起するには非常に絶妙なバランスで描かれていました。
ヤクザが絡んだ家族は携帯電話すら契約することが出来ない、足を洗ったといっても少しでもかかわりがあったと思われるだけで職場からも居場所を失っていく、SNSが同調圧力を生んでいく…果たしていいのかということで、面白かったですね。
SNS描写については、直近で『許された子どもたち』を見たところだったので、ややリアリティにかけるかなと思ったところもありましたが、『新聞記者』よりは良かったです。
綾野剛さんはもちろんですが、尾野真千子さんの娘を演じた小宮山莉緒さんの透明感に驚きました。今後も注目していきたい女優さんです。
ラストカットは居場所を見つけたと解釈しても良いし、こうでもしないと見つけられなかったのかとも解釈できるし、それでも見つけられたという喜びもちょっとあって、ビターハッピーエンドでした。いい余韻です。
なんとも悲しいストーリー
ヤクザの「哀」
金子正次の「竜二」を思い出しました
封切り初日、仕事帰りに期待に胸を膨らまして観に行きました。主演の綾野剛さんは圧巻の演技です。途中から山本賢治そのものに見えてきました。1980年代に観た伝説のやくざ映画である「竜二」を彷彿とさせてくれました。既に死を覚悟した金子正次が(封切り後まもなく癌で亡くなりました)、悲しさと焦りのようなものを一身に体現していた「竜二」。あの作品は僕は傑作だと思っていますが、本作は綾野剛さんの熱演で「竜二」に勝るとも劣らないと感じました。
また、北村有起哉さんも本当に良い。浅田家!でも家族を津波で亡くしてどうしようもなくなっているおじさんを好演していましたが、本作でもどこか寂しさを身にまとった感じが滲み出て、すごく良かったです。磯村勇人君も思いのほか素晴らしい、彼は良い俳優になれると思います。
一方、われらが舘ひろしさんはキャラが立ちすぎていて、やくざの親分というより、「舘ひろし」のままでした。彼が出てくると、一気に映画の中から現実世界に戻ります。今にも組事務所でハズキルーペをかけそうでドキドキします。こんなダンディーな日焼けしたやくざの親分は本当にいるの?とつっこみたくなりました。「暴力教室」の非行少年でも舘ひろし、刑事を演じても舘ひろし、「終わった人」でも異常にダンディーな現実離れした定年退職サラリーマンの舘ひろしでした。
とはいえ、昨年観た「ミッドウェー」では山本五十六を好演し、あの映画では舘ひろし臭さが抜けて本当に山本五十六になっていて、国村準さんにも負けておらず「オォ!」と感じたのですが、それは外人監督が日本のビッグスターに遠慮しなかったことで生じたものかもしれません。もちろん、僕は舘ひろしさんが大好きです。クールス時代の「朝まで踊ろう」はレコードも持っています(脱線しました)。
藤井監督は本当に才能に溢れていると感じました。これからもどんどん映画を撮ってください!応援しています。
ヤクザとは何なのか
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父親がヤク中の中自殺し、チンピラとして街をウロウロしてたところ柴咲組の親分に拾われた山本を平成から令和にかけての時代と共に描く話。
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私はヤクザ映画が大好きで、コワモテのおっさん達が罵りあったり、親子兄弟の盃を交わしたり、殺しあったり、とことんいかつくて口が悪くて凶悪な感じが面白いんですね。
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ただ、私もこのおじさんたちがなんでこんなことをしてるのかはよく分からず見てて、劇中2回ぐらいヤクザって一体何してるのかと聞くセリフがあるように、そんな「ヤクザとは一体何なのか?」を今作を見てそれぞれの答えを出す映画。
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前半の90年代から00年代はまだ、ヤクザへの取り締まりが厳しくなるちょっと前で、まだヤクザの勢いがある。なので私の好きなヤクザ映画の要素があって、掴みは最高。特に山本が盃を交わすシーンの音楽とこれぞヤクザという絵面とスタッフの名前が縦書きの明朝体(?)で出されるとこめっちゃ好き。
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後半は山本がある事で捕まり刑務所から出てきた2019年代を描くんだけど、暴対法の改正で時代は変化し、かつて勢いのあった柴咲組の衰退具合が悲しい。
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私は親分と兄弟のおっちゃんが前半で威勢よくクソガキとか言ってたのが、砂浜で金になるなんか(何探してたんだっけ?)探してる姿が辛すぎた。翼が柴咲組と敵対していた組に乗り込んで脅されても全く翼に効いていない、あそこも虚しい。
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社会はヤクザを完全悪として排除したけど、その人達は元々弱者でどこにも行き場のなかった人達。『鬼滅の刃』で言ったら、いろんな事情で鬼にならざるを得なかった/鬼になることを選んだ人達。そんな鬼に炭治郎は優しさを与えたりもして、『鬼滅の刃』が好きな日本人ならきっとこの映画も理解できるはず。
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ヤクザというものを排除したとて、歌舞伎町でキャッチしてるようなヤクザに変わるような勢力は出てくるし、盃を交わすという行為はないもの翼と山本は兄弟の関係だし。目に見える悪を排除したって、根本は何も解決しない。
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初めは白い服を着た山本がヤクザに入り真っ暗なスーツを見にまとい、出所後はグレーの服を着ている。その色でもヤクザの存在が善か悪か限りなくグレーであることを表してるのかな。
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最後の主題歌も最高すぎた!.
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ヤクザの生き様
冷たい暴力
2021年、これを超える邦画は出ないでしょう
いくら時代が経とうと家族は家族
藤井道人監督の最新作。
びっくりしました。「宇宙でいちばんあかるい屋根」みたいなファンタジーで心温まる作品を作ったと思ったら次はヤクザだもん。でも、どっちも良い作品です。
ストーリーについては言うことなし。終盤の畳み掛けは最高でした。そんなこと以外は僕の語彙力では表現できません。脚本がしっかりしています。
そして役者陣の演技!これもまた上手いんですよ。一つ一つの表情や言葉の言い方、体の動かし方。全ての人がそのキャラクターになりきっています。子役の子も演技がうまかったです。綾野剛等々は言うまでもなく。
ラストは本当に記憶に残りますし全員に感情移入できる最高のラストでした。
是非見ていただきたい作品です。まっすぐな人間から潰れていくって本当に理不尽。
画力はある。役者もいい。けど話が面白くない。 といういつもの藤井作...
画力はある。役者もいい。けど話が面白くない。
といういつもの藤井作品だった。
主人公が家族、特に父親を求める背景が一切描かれず、家族というものが彼にとってなんなのかもわからないまま。
そこを描かないから結局単にステレオタイプのヤクザ像、家族像を壊すことがない。
主人公がヤクザになって初めて知る家族であったり、組長に惚れるエピソードとか、組員とのいざこざを経て絆を深めていく様とか、ユカとの生活への違和感だったり、いろいろドラマは作れそうな要素があるのに。
だから全然主人公に思い入れできず、冗長なアップの連続、大袈裟すぎる音楽に徐々に辟易してくる。
こういう結末を迎えても、まぁそりゃそうだろね、としか思えない。
それと街の描き方が気になった。
ヤクザって市民と切っても切れない関係だからこそ、実在の街か、どこをモデルにしてるのか想像させる何かがないと、14年の変化が伝わりづらいんだよな。なんか嘘くさくなっちゃう。
少し話そっか
ラストが素晴らしい!
煙草と血の匂い
結末を連想させるオープニングシーン
綾野剛の顔がいろいろ違って見える
こんなにいろいろな表情というより、顔をする役者さんっていないと思う
綾野剛がヤクザ?どんな演技をするのかなって、そこは疑いながら観てましたが、すごいですねー
最後まで緊張感もって観させていただきました
木村翼演じる磯村勇斗も魅力的でした
特に最後のシーンは涙腺が緩んでしまいました
ただエンディング曲はいただけない
せっかくの最後の感動の余韻に浸りたいところ、やかましすぎてぶち壊しでした
後、喫煙シーンがこれでもかっていうくらいあるのが気になりました
スクリーンから煙草の匂いがするくらい、多かったです
ヤクザの世界も時代とともに変わっていく
やっぱり普通の幸せがいいなって思わせてくれる映画でした
音楽も効果的に使われていたと思います
観てよかったと思えるいい映画でした
家族と愛に憧れた男の物語
バイオレンスでシリアスな、現代のヤクザ映画……
これは良さそう! と予告を見た時から見ると決めてました
2時間ちょっとはあっという間に過ぎたのですが
これまた今の世知辛さを映す
つらいつらいつらいのオンパレード
普通に生きていたら手に入ったかも知れないものも
普通に生きられないから手に触れる事すら難しい。
唯一のホッとするシーンは
綾野剛と尾野真千子の出会いのシーンくらいか
出演者みんな魅力的だが、大きく包み込むような存在の舘ひろし、繊細で美しくかつ、危うい雰囲気ながら、根底では熱く、愛情深い役を演じた磯村勇斗が特に良かった。
ヤクザを馬鹿にも美化にもしない描き方も良い。
この作品を見て警察に何か思った方は
「日本で一番悪い奴ら」と「ポチの告白」もどうぞ。
今回ヤクザとして出ていた、綾野剛と菅田俊が警察として主演を務めています。
ヤクザ映画の終焉
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