ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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「ヤクザと憲法」を彷彿させるリアリティ
私的には2021年暫定1位、新しい視点の現代ヤクザ映画として歴史に残る映画となって欲しいと感じました
20年の月日を同じ役者が演じる演技力もさることながら、ヤクザ全盛期から反社と扱われる現代の変貌をテンポよくかつ鋭く描いた秀作です。
見ていて大阪の追い詰められていくヤクザを描いたドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」を思い出しました。
監督は今後の日本映画界に間違いなく影響を与える人になっていくでしょう。これからの作品が楽しみになってきます。
個人的には主役クラスだった市原隼人が脇のポジションではあるが存在感を出しているところにグッときました
動と静の綾野剛なかなかやるな。
ヤクザと社会。
ヤクザは現代社会において 弱者なのかもしれない
前半は 見応えあるヤクザドラマ
後半は 胸が痛くなる程の人間ドラマ
一人の男がヤクザであるがために
関わった人々の人生が 全て台無しになって行く
その様は
ヤクザ・極道 そう呼ばれていた人々が
今後社会から淘汰されて行くだろうと思い知る
暴力と声を荒げ 他者を威圧することでしか
生きる術を見つけられない彼等は
現代社会において 弱者なのかもしれない
兄貴分・中村が 生きて行くため『じゃあ俺はどうすれば良かったんだよ!』と叫ぶ
ヤクザであれ一般人であれ
生きることは容易ではなく
社会の中で 自分はどう生きて行けるのかと
考えさせられる
ヤクザという世界を通じ繁栄と衰退を描いた良作
少しでも報われたのかな…。
因果応報と言うけれど
血のつながりだけが家族じゃない
愛を求め、守ろうとした男の物語
舘ひろしのゴッドーファーザー感がぴったりはまっていた。
男気、重厚感、包容力、カッコよかったです。
こんな漢なら一生着いていきたいっと思うのも納得。
反社会的勢力はあまり好きではないが、彼らには彼らの生き方や信念、極道を選んだ理由があるのだなと改めて考えらせられた。
綾野剛は半グレ→ヤクザ→カタギの三役をしているが主人公の成長をしっかりと演じ分けれていたと思う。
市原隼は数年前まで主演映画多めで、個性的だから脇役とか難しいと思っていたが、いつの間にか脇役でも主役を引き立てる存在になっていてよかった。
二ノ宮隆太郎は今一番舎弟が似合う男だと思う、ちょっとバカだけど憎めないお調子者はまり役。
今作で一番よかったのは磯村勇斗、仲間に見せるリーダーの顔と、憧れの男に寄せる尊敬のまなざし、敵にに見せる冷酷な態度、すばらしかった。
中でもラストシーンの表情は心を掴まれました。
ドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」でも描いていたけれど、社会に必要だからヤクザが在るのに、次第に抹消されてしまう理不尽さがなんとも悲しい。
社会に爪弾きにされた者同士が生きるために選んだ道を「害悪」だからと排除してしまうのは根本的解決にはならないのだと考えらせられた。
日常で反社には絶対かかわりたくないけど、彼らを過剰に恐れたり軽蔑したり一方的に憎むのは当事者の権利であって部外者は公平に物事を見極めないといけないと思った。
愛がなければ憎しみが増す、愛の形が家族であり、愛を求めるのは当然の権利だと主張するいい作品でした。
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劇中セリフより
「ちょっと話そうか」
受け継がれる物語の中に生きた証がある
誰かの心に生き続けられるような人生を歩みたいものです。
時代。
老若男女に見て欲しい
行くとこあんのか?ケン坊。
こちらの期待値にしっかり応えてくれた映画。役者が皆、成りきってて。舘ひろしなんて、こうゆう役しかもうできないだろうけど、その役が板についていて美しいとさえ思えた。役にのめり込んじゃった感のある綾野剛は、このあと役がちゃんと抜けるのか?って心配さえしてしまった。
ある知人が、「なんでヤクザは義理だ人情だっていうか知ってるかい?彼らは自分たちにそれが欠けているのを知ってるからこそ、声高に求めるんだよ」と言っていた。そういう意味では、ヤクザには心休まる"家族"がないのだろう。親父や兄貴や舎弟を「家族=身内」として大事することは、廻り回って自分を守ることなんだよなあ。
昨今でいえば、ヤクザ社会のキリキリした空気なら「孤狼の血」のほうが上を行ってた気はする。だけど今どきのヤクザは、暴対法この方、めっきり世知辛くなってしまってて、その世相を見事に描き込んだ今作は、その盛衰と悲哀を映しきったヤクザ映画だった。
ラスト、溜めた末に言う台詞に涙。その言葉こそ、痛みを知る者がかける言葉だよ。
別感想として。
たぶん、NHK「カーネーション」放送当時、NHKらしからぬ叶わぬ恋のストーリーに驚き、胸を焦がした身としては、綾野剛と尾野真千子の二人が同じスクリーンに映っているというだけで、ついつい目が潤んでしまったことを付け加えておかないとね。
全力の魂
演技が素晴らしいし、監督の手腕がさすが。
最近映画館で観るものが不作気味だったところに。
きました、これは素晴らしい。
綾野剛の役幅って広いですね。印象に残っているのは「怒り」の気弱な役ですが、今回はバリバリのヤクザ。めちゃくちゃ似合ってる。
サマになってるだけでなく、暴れ放題の若い頃から、組に拾われてヤクザになり、服役してカタギになるまでの年月を見事に演じ切る。
舘ひろしも良かった。比較的少ないセリフの中に何とも言えない暖かさとドスを含むのだけど、大きな手で頭をクシュッとしたり抱き寄せたり、本当の息子のように結ばれた関係に胸が熱くなる。
ヤクザって・・・
好きでやってるわけじゃないんだな・・・
皆ああなるしかなかったのか・・・
ヤクザの人権て… 考えたこともなかった…
組を抜けても、たとえ改心しても、世間にはなかなか受け入れてもらえない…
生きる場所が、他にないのか…
色んな事を感じながら迎えた終盤。
結末がショックすぎた。
あと1人、主人公を慕う食堂の可愛い男の子が成長して半グレになってからを演じた磯村君の演技がとても光っていた。これからが楽しみな若手俳優だと思う。
彼の目の演技、ちょっとすごいですよ。
さすが「新聞記者」の藤井監督。34才なんですね。
凄い才能と技量です。
次の日まで引きずるほどの魂がえぐられるような作品に出会った
1999年から2019年までの20年をヤクザの世界の男たちの栄枯盛衰と愛を求め続けた一人の男の半生を描いた作品、と言えばシンプルに聞こえるが、これはただのヤクザモノ映画ではない。ヤクザ×社会派映画。それは愛と憎悪、義理と人情、金と名誉、差別と偏見、そして社会の変化によって排除されて消えゆく者たちのとんでもなく切なく、まるで魂をえぐられるような、見終わった後その場からしばらく動けないほどの深い深い余韻に包まれる。人によってはその場で叫びたくなるような、もう、とてつもない傑作だ。
愛に飢えた弱く儚い部分と、義理堅く人情に溢れた温かい部分を併せ持った山本という男を演じた綾野剛の生き様が表れた渾身の演技×舘ひろしの包容力と渋みのある演技は観るものを惹きつけ離さない。
◎前半のtheヤクザ映画的なシーン、男のロマン溢れるシーンには女の本能が掻き立てられる。男は強くとか、女を守るものだと言うとフェミニストに怒られそうだけど、やっぱり女って強い男が好きなわけで、ヤクザもの好きには堪らないであろう。
◎2019年からのシーンは社会派映画、反社会勢力によって彼らの存在さえも認めてもらえないような社会でなんとか生きていく柴崎組や山本たち。
足を洗いせっかく手に入れた幸せさえも、社会派の波や圧力に飲まれてあっという間に壊れてしまう。
◎寺島しのぶ、尾野真千子演じる、その男達を愛する女達にも注目だ。
愛してはいけない男を愛してしまうこと、愛する男の命をつなぐこと。
山本は金も、社会的地位も、生きる場所さえも失っても、「家族」と「愛」と「義理人情」だけは最後まで持っていた。
負の連鎖が引き起こしていることも本作から忘れてはならない。
やるせない、切ない。涙なしでは見られない。
全力でお勧めする。是非劇場でこの臨場感を味わってほしい。
ヤクザの勃興と衰退から置かれた立場をどう解釈すべきか、これは悲劇か必然か
「エリートすぎる映画」に映り、何度反芻しても消化不良を起こす。どちらかというと、出来すぎていて感情を生む隙がない。圧倒されすぎて、感想を書こうとしている今も。
健坊が家族として迎え入れられ、のしあがっていく様は圧巻。時代が変わろうともヤクザという地位は不変だと思われていた。しかし、14年でガラリと変貌する。黒塗りのセンチュリーやセルシオからプリウスに変わったように、社会を義理人情で治安維持にする姿などまるでない。悪しきレッテルだけが貼られる。そこに寄り添うヤクザと言う名の家族はすっかり痩せ細り、幸せどころか人権をも失う。これは社会が孤立させているのか、因果応報なのか。悶々とした感情が彼らの遠吠えから問いかけられる。その一方で、「半グレ」が対等する今も透けており、生きるには形を変えて適応することの必然性も垣間見える。そうした感情の錯綜が作品全体のメッセージをぼんやりとさせている。よって、圧倒されただけに留まってしまった。これは相性の問題だとは思うが。
現代に突き刺す「ヤクザ」の行方。「The Family」の副題からも分かるように、ヤクザはもうそこにいない。「家族」だけは途切れることのないものとして残っている。では、彼らは今どんな存在にならねばならないのか。現代の無情は仕方なしと思ってしまう自分もいるのだが。書き終えようとする今も、整理はつかない。
平成と令和とヤクザと
脚本も演技も見応えがあり、ズシリときます。
まともなヒューマンドラマ
休日天気が悪いと、映画の日。
天気の良い日が続いてたので、作品はノーチェック
物色してて、これは無いなとレビューを見ると、そんなに?ってぐらい高評価で、決定。
任侠ヘルパー的な物をイメージしてがが、どんどん進むにつれて、これはまともなヒューマンドラマで、なるほど良い映画で、役者も皆さん良い表情❗
ただ、、、良い映画と思えば思うほど、、すいません。。舘ひろしさんじゃないだろ。。と。。
見た目は良いのにねぇ、、、
好い人過ぎて任侠っぽさが無い。。
もっと往年の迫力ある役者さん居るだろ、、、と残念な感じも。。
例えば、役所広司とか、西田敏行さんとか小林稔侍さんとかだったら、任侠親分も優しいお父さんも本気な演技が出来てたであろう。
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