哀愁しんでれらのレビュー・感想・評価
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白馬に乗った王子様<馬刺しを食べるお医者様
小学2年生の娘を持つ開業医と結婚した女性が、その家庭の「母親」になる話。
市役所で児童福祉の仕事(児相?)をする26歳の女性が、怒涛の不幸に見舞われた日にシングルファザーと出合い巻き起こって行く。
不幸の連続をみせる軽妙な展開から、娘の誕生日のプレゼントの後のミュージカルかアニメの様な凝った演出にと、キャッチーな序盤戦。
ニャンニャンて久々に聞いたわw
そして教室で泣く娘の様子からそれは始まって行き、怖いというより不気味だったり、鬱屈としていたり、連ドラとかでありそうな沼にハマっていく展開は序盤とのギャップもあって、良い意味でとても気分が悪くなる。
家に戻ってからの件は主人公の計算か?そして帰路の車中以降は夫婦でそれまでの経緯を全て共有したのか?と思わせての…えっ!?まさかのそんなオチ!!?こ、これってコメディだったの!!!?
黒さは好きだし、こんな終わり方も嫌いじゃないけれど、この空気感でやられたら、どんな気分で受け止めれば良いのだろうかというモヤモヤばかりが残った。
それにしても最近山田杏奈大車輪ですね。
【様々な”モンスター”を描いた作品。3度オファーを断った土屋太鳳さんの気持ちが分かるような気がした作品でもある。】
ー 子供の幸せは、親の育て方で決まる・・・ -
■様々なモンスター
1.幼い頃に苛められ、転校を繰り返し、たった一度だけ母に引っ叩かれたせいで、耳鳴りに悩む開業医、大悟(田中圭)。
ー 大悟の異様な部屋の意匠。幼い頃からの成長過程を自ら描いた画が、壁に掛けられている風景だけで、この人はオカシイ事が分かる。-
2.大悟が溺愛する、前妻との間に生れた赤い靴を履いている女の子ヒカリ(COCO)。個人的に、一番怖かった・・。
ー 前妻と、浮気相手は事故死したとされているが、”実はこの子が殺しちゃったのではないの?” -
3.大悟に遭った当初は幸福の絶頂にいたが、徐々に上記二人から、精神的に追い詰められて、狂気の沙汰に走ってしまった小春(土屋太鳳)。
- 土屋さんは、頑張ったと思う。あの役はやりたくないよね。見事な、女優魂でしょう。-
◆その他
・小春の父を演じた、石橋凌さん、太ったなあ。「ARB」を牽引したロックンローラーが、駄目じゃない、と思ったら・・。
・大悟の母を演じた、銀粉蝶さん。お元気そうで何よりです。けれど、ハンバーガーは健康上、どうだろう。この人も、息子に”捨てられて”壊れちゃったのかな・・。
<大悟と、小春が予防接種したシーンは、”そんな事できるわけないじゃない!”と思ったが、あれは所謂映画的演出であり、(それにしてもだが・・)本当にマネされたら困るからなあ、と良いように解釈した作品。
この映画のキーワードは”捨てられた人”かな と思った作品でもある。>
シンデレラのお母さん。お母さんはシンデレラ。
主人公の悩み、不幸、幸せが表情から伝わって来る。
少しずつ迫ってくる不協和音。崩れてゆく心。
ほっとするところも有ったのに。
靴が盗まれてからの展開はちょっときつい。
映画的にも、観客的にも。
母親として悩む土屋太鳳。累からさらに大人になりました。
「オッス、おら伏線!」「ぼくは伏線になりたいよ!」
注)エログロサスペンス耐性が、結構強めな人間の感想です。
すごく、実際に有り得そうな話ですよね…
親の再婚で(しかも前妻は曰く付きの事故死)、
心に傷を負い、実は狂っていた娘、
幼少期のトラウマにより、「完璧な父と母」になろうと狂気的なまでに心酔する男女。
3人の、世にも悲しい化学反応。
娘の狂気の根源は、再婚が原因なのか、母親の死か、父親譲りか。
ダークな御伽噺ということで、もはや作り手は娘の理由には目もくれてないのかもしれないですが、そこが気になるんだわたしは!
パラサイトするように、うさんくさい大悟や、序盤で大悟教に入信する家族にわくわくしつつ。
「足のサイズしか知らないのに結婚するなんておかしい」という、友人のシンデレラに関する批評や、
「死体をさわれないなんて愛がない証拠」という、展開を予想させるような大悟の言葉(ここで私は、前妻が元開かずの間にいるのを期待した)、
度々出てくる点滴(プラセボ効果かな?)など、
素敵な描写をガン無視して、
「オッス、おら伏線!」という顔をして立ってたインスリンくんが、最後を掻っ攫ってったのが寂しかったです。
30年も、自分の裸を模写し続けるなんて、なんか伏線として回収されなきゃ、模写の大悟くんたちが泣いてますよ。うさぎの剥製も号泣間違いなしです。
伏線の回収どころを私が見落としてたなら、まじで教えてほしい。
大悟の絵の技術も、趣味以上の理由がないならとても寂しい。
物足りないので私は、大悟があの性格で、これまでの彼女とかにヘマしなかったか妄想して帰ります…そういうスピンオフ絶対ありそう。
人の隠れた狂気にゾクッとくる
理想が高い完璧主義な人が、一つの小さな歯車が噛み合わなくなると、怖い。
土屋太鳳さんの今回の小春という役はとっても難しい役だったんじゃないかなぁと感じました。
でも凄い迫力で、幸せな小春、不幸な小春、壊れた小春、どれもとても凄い演技力だったと思います。
ひかりちゃんを演じてた子役の女の子は、表情の演技が素晴らしかったです。
ストーリーは、女の子が憧れるシンデレラストーリーの先に待ち受ける狂気を描いてますが、冒頭の不幸な日に起きるトラブルはコメディかと思う程の出来事でした。
親が抱える狂気と、子供が抱える狂気に、少し恐怖を覚えました。
小春が大ちゃんの気持ちを受入れて婚姻届を出した後のシーンは少し笑えました。
あのシーンを繰り広げる家族ならきっと普通じゃないだろう…と思っちゃいました(笑)
ブラックおとぎばなし
そりゃ、たおちゃん断るわ〜と思いながらエンディングを最後まで観ないで出てきちゃいました(-.-;)
結果的にあの役はたおちゃんで良かったとは思いましたが。
本当に最後の一歩手前までは良かったんです。
映像の感じとかが韓国映画みたいだわ…とも思いつつ、あの家族が形を変えていく様子も面白くどうなっちゃうんだろう、どう着地するのか考えているウチに、嫌な予感。
ちょっと安易な着地じゃないですか⁉️
ブラックおとぎばなしでした、チャンチャン♪
という事でよろしいですか⁈
最後だけイライラしちゃったので、マイナス2☆
その前までは、母親目線でいろいろ考える所もあり面白かったですよ。
真が強くて純粋だった小春が、実はいわく付きの開業医の大悟と結婚し、...
真が強くて純粋だった小春が、実はいわく付きの開業医の大悟と結婚し、夫の大悟とその娘のヒカリによって徐々にメンタルが崩壊して行く様は、映画を観ているこちら側にもある意味ホラー的に心理状態に圧迫をかけて来ますね。
ラスト辺りで、小春が点滴を眺めた後、大悟に耳打ちした時に嫌な予感はしましたが、やはり結果その通りになってしまい、、。
各々の過去のトラウマが招いた惨劇を描いてるようにも思えました。
なかなか面白かったです。
ツタヤの新人映画関係のコンテストか何かで選ばれた作品らしいです。 社会経験の浅い脚本家が頭の中で思いついただけみたいな、無駄に怒りが空回りする、そういうタグイの映画でした。
オープニングそうそう、一夜のうちに、祖父さんが倒れ、家は燃え、彼氏の浮気現場に行き当たる、みたいな、あと何かあったっけ? とにかく不幸が山津波のように襲ってきたというあたりまでは、ワクワクしながら映画に向かっていけたのですけどね。
登場人物の誰一人として感情移入を許さない、ヘンに突き放した作りなんですよ。
たぶん、社会経験の浅い浅い脚本家志望の人が頭の中で思いついただけみたいな、書き割り優先で無駄に怒りが空回りして、最後に死が濫発される、そういうタグイの映画でした。
それだけではとうてい商業ベースの映画にならないので、ダンナの不気味すぎる趣味だとか、娘の怪し過ぎる行動だとか、そういうのを盛り込んで話をなんとか盛っていこうとしているのですが、空回り感がおびただしく、ちっとも面白くも楽しくも怖くも何もありません。
登場人物の誰でもいいけど、いちどキチンと真正面から描いてみようよ。そうでないと、観客は客席に置いてきぼりになっちゃうから。
子供との関わりとは?
子供の頃のトラウマを抱える二人が、子供への異常な愛情へと。
子育てが、終盤になってきている私には、突き刺さりました。
子供って、素敵?怖い?
子供との関わりを考えさせられました!
映画「告白」を思い出しました。
おすすめです。
お伽話のその先もお伽話だった
西洋でも東洋でもお伽話というものは決して楽しい美しい話だけではない。むしろ救いようのない残酷な話もある。
シンデレラのストーリーのその先を描きたかったという本作。
前半部分に描かれる小春の不幸のオンパレード。全て一日のうちに起きることで展開にスピード感がある。
おまけに「王子様」大悟との出会いまでこの一連の流れに組み込まれる。
不幸の続きかのように思われたが、実は運命の相手とのシンデレラストーリーの序章だった。
プロポーズから入籍までの怒涛の展開、話題のダンスシーンもお伽話感があって面白い。
結婚生活が始まり、不穏な影が少しずつ見え始める。
大悟の部屋に最初は鍵がかかっているのも、すぐには襲ってこないホラー映画の敵のようでいい。
少しだけ残念だったのが、序盤のインスリンの話で伏線が見えたこと。
そして学校の校医として予防接種の話をした段階で「事件」が読めたこと。
だがそれも、くるぞくるぞ、きたー!的なワクワク感として楽しめた。
大悟に罵られ追い出され、だけど最後には迎えに来てくれた。この時点で今作は二回目のめでたしめでたしを迎える。
その後小春と大悟はとんでもない事件を起こすが、その場面はどこか現実から乖離している。
あのまま大悟が校医の立場にいたとは考え難いし、そのまま予防接種が行われるとも考え難い。
ここから先は私の妄想だが、あれは小春の中の、お伽話の一つの結末なのかもしれない。
ヒカリのために、みんな殺しました。めでたしめでたし。
でもヒカリのことを好きなお友達もいました。めでたしめでたし。
家族三人、仲良く暮らしました。めでたしめでたし。
現実かもしれないし、空想かもしれない。
どちらにしろ小春は、めでたしめでたしのその先は考えなかったのかもしれない。
小春の身に起きた不幸な出来事。
その締めくくりに起こった、大悟との出会い。
それは不幸の終わり、幸せの始まりではなくて、やはり不幸の続きだったのかもしれない。
だとしても、出会わなければ良かったと小春は思うだろうか。
大悟を愛さず、愛されず、ヒカリの母にもならなかった人生の方が良かったと思うだろうか。
それはめでたしめでたしのその先にある、小春の人生次第かもしれない。
全ての不幸な出来事すら自分の人生を作るもの、そしてこの人たちに出会えたならと赦せることが、「愛」なのではないかと思う。
この物語はお伽話だ。
お伽話とは本来、残酷で容赦ない、教訓を含んだ物語である。
追記。
パンフレットを読んでから、2回目観賞。
人物の見え方がかなり変わる。
解釈に正解も不正解もないとは思うが、自分の見たもの感じたものを疑うことも大事だな、と。
気になる方はぜひパンフレットを。
作品の美術に関する拘りが満載で、読み物として非常に興味深い。
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