サンダーロードのレビュー・感想・評価
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鉄板ジャンル「笑うに笑えないコメディ」にまた傑作が現れた!
人間のダメさ、愚かしさを赤裸々に活写するコメディは傑作の宝庫だ。『サンダーロード』も、痛々しくて、到底笑っていられない瞬間の方が多かったりするが、可笑しさと哀しさの濁流に放り込まれるような、さしづめ感情のローラーコースターみたいな映画なのだ。 主人公の警官ジムが善良か否かは、正直自分には判断がつかない。不器用な善人とも言えるが、近所にしればはた迷惑な隣人だろう。ただし、確実に言えるのは、良き父親、良き夫、良き息子、良き市民であろうという必死だということ。、なんならいつだって善行を積もうとしているのに、すべてが裏目に出てしまう、善人であることがあまりにも向いていない人物なのだ。 ジムくらい無様に失敗を繰り返すのは簡単ではないが、ジムは、誰もがハマりかねない落とし穴に真っ先にハマってくれる男でもある。個人的にはショーン・ペン主演の『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』を思い出したが、人間の愚かしさに心が震えてしまう人たちすべてに激推ししたい傑作だと思う。
【”空回りする人生。”愛する母の葬儀でブルース・スプリングスティーンの”涙のサンダーロード”を曲なしに踊りだした不器用で憎めない男の人生が空回って行く様を描いた作品。ラストシーンには救われます。】
■愛する母の葬儀で悲しみに暮れるテキサス州の警官・ジム(ジム・カミングス:監督・脚本・編集・音楽も担当)は、母が敬愛したブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダー・ロード」をカセットデッキが壊れてしまったので、無言で踊りだし顰蹙を買う。 別居中の妻と娘クリスタルの親権を争っていた彼は、葬儀で踊る姿を奇行の証拠として提出され、親権を失ってしまう。 ◆感想 ・序盤の母の葬儀のシーンから、クスクス笑える。 ー 涙しながら、母の思い出を語りつつ、最後はブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダー・ロード」を踊るジムの姿。 あんな人が居たら、可笑しい。- ・ジムは、娘キャロラインの週に数日だけ会うが、ナカナカ意思疎通が出来ない。 ー そのうちに学校から呼び出され、キャロラインの素行の悪さを注意されるジム。- ・更には、警察も行き違いから自ら辞める事になるジム。 ー 上官から叱責され、警官の上着を脱ぎ棄て、最後はハンケツで歩いて行く姿が、クスクス笑える。- <親権を取られた妻が、キャロラインが居ながらオーヴァードーズで自宅で自死してしまうシーン。ジムは娘を気遣いながら、勝手に死んだ妻の頬を引っぱたくのである。 そして、娘のキャロラインと再び新しい人生を歩んでいくことになるであろジムの姿が印象的な作品である。>
これコメディなのかな?
何が主人公の本音なのか分かりづらい。 ああ言った行動や発言を本気でしているのか? 面白かろうと思ってダダスベリしているのか? はたまた頭がおかs...? 笑わせるつもりでやってるっぽい行動も情けなかったり寒かったり。全く笑いどころがなく.... 戯言か本音か分かりづらい事をベラベラ喋り続けるので、もう観るのをやめようかと思ってきたところで少しづつ話が先に進んで、終わりに向かうにつれ良くなっていったと思う。 最後の娘とのシーンは良かった。
とても彼を笑うことなんて出来ない
うまく生きられない、不器用な男の物語。 情緒不安で全て空回ってしまう男の姿が描かれており、それが見ていてすごく辛いです。 少し向きを変えればコメディなのかもしれないけど、とても笑えないんですよね。 少なくとも彼は良き市民に・父に・夫になろうとしているんです。 ずっと喋りっぱなし、癇癪持ちだし、近くにいたら結構めんどくさいでしょう。 でも全て裏目に出てしまうだけで、とても彼を笑うことなんて出来ない。 やがて巡り巡って小さな幸せを手に入れる、それでも少し彼の寂しさが残る作品でした。 あ、娘とのやりとりで「パパは貧乳派だっ!」には笑いましたwww
笑えない…
主人公は、悪いヤツじゃないが、 癇癪持ちで、口下手で、不器用。 そんな彼が日常で七転八倒する姿を描くのだが、 イタい奴過ぎて、見てられない。 もっとコメディタッチなら、 路線は違うが、ジム・キャリーが主演して、おバカ系に振り切ってしまえば、コメディとして楽しめただろう。 だが本作は楽しめない。笑えない。 主人公の苦悩を描くモノとしては「マンチェスターバイザシー」とかあるが、あれとも全然違う。
うーーーん
失読症の警官が母親の葬式で音の出ないラジカセのせいで無音で踊り変人と思われて娘の親権を妻に取られる所から始まる話。 最初の長回しから、合わない、って感じだから、終始退屈だった。 娘を元妻に取られ自暴自棄になり、警官をクビになり、酒飲んでブラブラしてた主人公。 最後は何が起こったのか、見落としたのかもしれないが、なぜ元妻が・・・??? 主人公の言葉ばかりで、自分には合わなかった。
イタくて滑稽な生き様が妙にしみる
母親の葬式でスピーチするテキサス州の警察官・ジム・アルノーの挙動不審な振る舞い。彼は感情がコントロールできなかった。 この作品のタイトルがブルース・スプリングスティーンの同名曲から取られたことを彼のスピーチで知る。 娘と二人だけのときは結構まともなんだけどなぁ。 別居した嫁さんとの親権争いに絶望したあげく、警察官の同僚との言い争いの最中に銃を抜いて解雇された。 ジムのイタくて滑稽な生き様が妙にしみた。 鈍い感動があった。 これは極端に観る人を選ぶ作品。 心が健康な方にはオススメしない。
笑っていいのか迷ってしまう。
冒頭12分間の長回しで、亡き母への弔辞と踊りを披露するジム・アルノー。母の思い出を語るところには悲しみが詰まってるとはいえ、踊り出したときには引いてしまう。全体通しても、コミカルとシリアスが混在しているため、笑うに笑えない作品でした。 大学に入るまで失読症だったことも明かされ、精神面でのトラブルは彼の人生において絶えなかったことだろう。そのため、ジムの精神的疾患や時折キレる性格に注目しながら見てしまいました。ハリウッド俳優にも多い失読症。その彼がが警官となってしまうのだから、通常は問題なしなのだが・・・ そんな彼も愛情だけはたっぷり。ちょっと過敏すぎるところもあるが、10歳の娘クリスタルに対しても別居中の妻に対しても愛はあるのです。ちょっとしたことでキレるという点だけが問題で、相棒とのケンカでも拳銃に手をかけてしまう。 何もかもリセットして旅に出る。B・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」そのままに人生の勝者になるため新たなスタート。スプリングスティーンの歌が聴けないのは残念だったけど、誰しもが経験する人生の岐路を見事に演じていた。愛する娘と一緒なんだから未来は明るいはず。
終盤、自分のマスクの下がほっこりした笑顔になってるのに気づいた
じんわり効いてくる良い作品。 コミュ能力が欠落している男性がすぐに怒ったり謝ったり。大きな出来事は起こらない。 けど必死に喋ってる/生きてるのを見るとジュワンと胸を掴まれる。 帰り道にMitskiを聴いたら今までで一番心に染みた。そんな映画。 怒りを押さえられず、思ったことが口に出てしまう男性が主人公。 カウンセリングが必要なレベルでちょっと変。 でも謝ることもできる。必死に生きてる。 よくある”実は良いヤツ”でもない。 正直近くにいて欲しくはない。けど胸がざわつく。 不思議な主人公でした つい口が出てしまって、転げ落ちていく主人公はコメディ風。めちゃくちゃ面白い。のに一度も吹き出したりはしなかった。笑っていいのかわからない、の極地。 ただ終盤、自分のマスクの下がほっこりした笑顔になってるのに気づきました。 うん、良い作品。 冒頭が終盤に見事な形で生かされてるのには感動しました。 ”あぁ、この映画好きっ!”ってなった。 最後までひねくれた形でブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」を使う。 全然”サンダーロード映画”じゃないようでど真ん中に”サンダーロード映画”なのです。 アンビエント/ニューエイジ系のBGM。これが素晴らしかった。 コメディの後ろで鳴る美しい音。それが主人公のエキセントリックを”笑う”より”心に響く”モノにしてました。体感する映画。 マック赤坂の映画がBGM効果でエモ散らかしてた感覚を思い出しました。 基本はアンビエント系のBGMだけど、後半にかかるカントリー/フォーク系のBGMも素晴らしい。 躍ってるようで、悲しい。 調べたらBon Iverの曲のストリングス・アレンジなんかも使ってたのですね。センスあるー。 英語がわかったほうが面白いシーンは多いかも。主人公のエキセントリックさは特に。 ”クソ野郎!”の訳の元は”Shit Head!”。 この絶妙なニュアンスが最高なんだけど日本語にするのは難しいか……。 ってか今作の翻訳はかなり攻めた意訳をしてます。ある意味おもしろかったです。 主人公を務めるジム・カミングスの演技は素晴らしい。ほぼ彼ひとりの振る舞いで成り立つ構成の映画。 しかもこの人は監督・脚本・編集……さらに先ほどべた褒めした音楽まで担当しております。 基本ほぼ無名のインディーズ上がりの人らしいけど……マジヤバ。 主人公に感情移入はしない。 ド派手なコトが起こらない。 大爆笑があるわけでもない。 でも見終わったら身体のなかが優しい夕焼け色になった感覚がありました。 めちゃくちゃ好きな作品かも。 体感する映画。 好き嫌いはあるだろうけどとりあえず”見てみ?”と。
なんか残ってる...
終始、微苦笑。 オープニングの、ジムの不運の始まりを表すかのような葬儀で踊ってしまった行動を、 個人的に、まったく奇行だと思えなかったので、 そこが、がっつり、ストーリーに入り込めなかった要因でもある。 とりあえず、クレイジーなのか?クレバーなのか?? グレーゾーンど真ん中ながら、一生懸命なジムの不器用さは応援するに値し、 ここまで不運になる理由もない気がしますが、これまた、人生何があるか判らない。 ラスト 最愛の娘 クリスタル との新しい始まりで、めでたしめでたし、なのかな。 しかし、観終わって二日経った今、ジムの憎めなさと、 作品の独特な個性が、ジワジワと効いてきてます。
なんだかなぁ。
冒頭の話が伏線にはなるが、色々唐突すぎて理解しにくい。主人公もずっと泣いているか、わめいているし。後ろの客が面白くもない場面でずっと笑っていたが、その彼女も含めて、『本当の幸せってなんだ!』で良いのかな?
うーん。。。
主人公がとにかく生きるのが色々とへたくそな奴だということはわかったけど、それだけだった。 冒頭の葬式のシーンを長回しするんだったら、駐車場での暇つぶしのシーンを長回ししてほしかったくらいだ。眼の保養にはなる。
笑っていいんだかどうだか
うまい宣伝に乗せられてしまった。何も期待せずに見たらもう少し面白かったかも。PFFの最優秀作品を観たって感じがした。ま、映画には色んなのがあって、こういうのも良いよね、ということかな。
人生快調だよ。今ならワ二と戦ったって勝てる。
人生、思い通りにいかないってこと。それを受け入れつつ、ちょっとでもいい生き方をしたいって願う。けしてユーモアを忘れずに。そんな、悪い奴ではないけれど、ちょっと社会適応力に欠ける彼。そこを愛おしく思えるか、歯がゆく冷めた目で眺めるか。 僕にはちょっと退屈でした。
男が作った男を泣かせるためのハートフルコメディ
ブルース・スプリングスティーンの Thunder Road の歌自体は流れない、けど、 最後 フィドルが効いた哀愁のある曲がしっとりと流れる。 瞼が熱くなってしまった。 ばか野郎、泣かすんじゃないよ。 最後はまたあのダンスが流れる。 教会の葬儀でのひとりダンスの妙なストイックさはイーサン・ホークの「魂のゆくえ」のストイックさに通じる何かを感じた。影響されたのかもしれない。 愛すべき不器用な男の奮闘モノ。 失読症のエピソードや妹の壊述もジンときた。刑事ではなく、町のお巡りさんなのがいい。 娘のクリスタルも父親に似て、学校でなにかとやらかす。 担任教師との面談もむちゃくちゃだが、担任が一瞬のスキを逃さずにズボンの尻ポケットに子供がつかうハサミをそっと忍ばせるシーンなど、細かいネタも良かった。 それは私の遺伝です。 身につまされる。 悲哀と共に溢れ出る娘への愛情。 なんか懐かしい感じ。なんだ。この映画。 一生懸命やってきたんだよ。 わかる、わかるよ。 そう自分を責めるなって。 と言ってあげたい。 池中玄太80キロ パパと呼ばないで のような懐かしさ どっちも子役は杉田かおるじゃんか でも、こっちは全然子役頼みではなかった。とても可愛いかったけど。 ある程度歳を重ねた男はみんな観るべし。この監督/主演好きになった。
予習して望んだが
ビジュアルだけでバッファロー66とイメージが重なっていたが、うまく行かない境遇と母性愛に飢えた男の物語。あながち間違ってもいない感触だ。 突発的な行動と言動は側から見るとシュールで面白おかしく、ちょっと哀愁を感じた。 予習もむなしく名曲は劇中で聴けなかったが、元ネタの短編は正に想像していたそれだった。 思いが凝縮されたインパクトが凄い短編、おかげでサンダーロードがしばらく鳴り止まなかった。
タイトルなし
あぁ、いとおしやジム・カミングス 先々週の土曜日に鑑賞 上映館が少いことや映画館に行けなかったこともあり、予告を観る機会が無かったので、どんなお話しなのか楽しみにしていた作品。 結論から先にいうと ジムカミングスの魅力に魅了されまくった 92分間でした。 主人公のジムの悲喜こもごもなあれこれに 共感出来たり出来なかったり バディの家族との食卓もあ~ぁやっちまったなぁって感じだし 署の前でのバディとのやりとりもあぁぁ、、 (アレが破れて一瞬笑ってもうたし、 勢いで放っちまう「What!!!!!」ってとこほんと好きだけど) それでも情緒不安定で周りとはちょっとズレた感の彼が憎めなくて、、 観尽くしてきた感のあるテーマばかりだけれども、手遊びや机のくだりにちょっと泣けて笑えて、、 あぁこれぞ人生よなと。 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のように哀愁が漂う作品でございました。 監督、脚本、主演、編集、音楽を担当した ジム・カミングス。 次の作品はどんな角度で見せてくれるのか 大いに楽しみです。
曲が流れない
母親の葬式でThunder Roadをかけながら踊る映画って聞いたら、ボス好きだったおじさんとしては観たくなる! で、その葬式のダンスシーンから始まるのだが、ラジカセの調子が悪く無音のまま踊っててThunder Roadは流れない。なんだそりゃ!? 本作を観終わった後、原案となっている短編を観たのだが、そこではキチンと曲に合わせて主人公が歌い踊っていた。なぜ長編にしたときに曲を流さなかったのだろう。めっちゃ気になる!このシーンは短編の方が断然いいのに。 さて、葬式後に日常が戻るのだが、この主人公がめちゃくちゃ生きづらさを抱えていた。母の死後の処理、娘との手遊び、同僚や上司との関係、パトロール中の女子高校生への接し方。マジメなんだけど不器用な彼を見て、笑えなくなっていく自分がいた(葬式のシーンでは少し笑ってしまうところもあったのに)。 コメディとも思えないし、ハートウォーミングな話でもない。本当に妙な話。絶賛なんかできないけど、嫌いにもなれない。 ただし、ボス好きおじさんの思いは不完全燃焼。公開をひかえているBlinded By The Lighit(カセットテープダイアリーズ)に持ち越すことにする。
哀しき男の生き様
イマイチピンときてないけど、まぁまぁな感じ まっとうな人にも見えるのに、ちょこちょことやらかす 葬儀のシーンはそこまで違和感を感じなかったり 踊り出すところも、なんとなく理解できた パッと見たところ普通の人なのに、なんやかやと不幸が舞い込む 夫婦のこと、友だちのこと、子どものこと、なんとかしようと足掻いても思うようにいかないのが、見てて辛くもありもどかしい 何かの歯車がちょっと狂ってるんだろうな 男の人なら何か共感できたりするのでは? 腹立ちも、やるせなさも、対岸の、、という感じで傍観者でした
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