劇場公開日 2020年6月19日

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「男が作った男を泣かせるためのハートフルコメディ」サンダーロード カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0男が作った男を泣かせるためのハートフルコメディ

2020年7月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

ブルース・スプリングスティーンの Thunder Road の歌自体は流れない、けど、
最後
フィドルが効いた哀愁のある曲がしっとりと流れる。
瞼が熱くなってしまった。
ばか野郎、泣かすんじゃないよ。
最後はまたあのダンスが流れる。
教会の葬儀でのひとりダンスの妙なストイックさはイーサン・ホークの「魂のゆくえ」のストイックさに通じる何かを感じた。影響されたのかもしれない。

愛すべき不器用な男の奮闘モノ。
失読症のエピソードや妹の壊述もジンときた。刑事ではなく、町のお巡りさんなのがいい。
娘のクリスタルも父親に似て、学校でなにかとやらかす。
担任教師との面談もむちゃくちゃだが、担任が一瞬のスキを逃さずにズボンの尻ポケットに子供がつかうハサミをそっと忍ばせるシーンなど、細かいネタも良かった。
それは私の遺伝です。
身につまされる。
悲哀と共に溢れ出る娘への愛情。
なんか懐かしい感じ。なんだ。この映画。
一生懸命やってきたんだよ。
わかる、わかるよ。
そう自分を責めるなって。
と言ってあげたい。

池中玄太80キロ
パパと呼ばないで
のような懐かしさ
どっちも子役は杉田かおるじゃんか
でも、こっちは全然子役頼みではなかった。とても可愛いかったけど。

ある程度歳を重ねた男はみんな観るべし。この監督/主演好きになった。

カールⅢ世