大怪獣のあとしまつのレビュー・感想・評価
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鉄腕アトムの幻が見えた
◉まず戦う
怪獣との戦闘シーンから始まっても、よかったかなと思いました。「倒すよりムズくね?」と問い掛けたのだから、倒すまではシリアスで、死骸になってからはコメディ色が着いてきて、ラストは司令部に対して、やはり後始末は命懸けなんだ!と、現場のシリアスを訴えて締めるみたいな。
怪獣が死骸で登場することで、象徴性が強くなりすぎたような気がします。お片づけのテーマを面白く哀しく描いた作品でよかった。
でも、私としてはこの作品の宙ぶらりん感も嫌ではなかったです。ギャグも下ネタを多めにすることで、逆にスルーしやすかったです。
◉胸躍ったエンディング
土屋太鳳演じる雨音ユキノは光の柱を見上げて感極まった後に、凛々しく敬礼した。その時私の脳裏では、山田涼介演じるアラタが、ロケットを抱いて太陽に向かったアトムの勇姿に重なりました。アトムは地球を救わんと、ロケットで太陽を破壊するために、天空に上ったのです。
爽やかなユーモアすら湛えた、聖なるエンディング!
特撮と観客舐めんなよ!
まぁ、わかってましたよ。良い映画ではないことくらい。
世間から酷評されてるのも聞いてました。
確かに「令和版デビルマン」は言い過ぎだと思います。
ただそれを踏まえても、あまりにもつまらない!
時効警察の三木聡監督のオリジナル特撮映画。
自分は時効警察を観ていないので彼の作風は知らない状態で観ました。
ですが、酷評する前に好きだった点から。
俳優陣の演技は何人か良かったです。
特に、主人公を演じた山田涼介は台詞回しや敬礼のポージング等でしっかりとした自衛隊員を見事に演じていました。
彼はジャニーズというのを抜きに、演技で頑張れる方だなと改めて感じました。
オダギリジョーに関しても、風変わりなキャラクターが似合っていました。
あと良かったのは土屋太鳳が可愛かったのと、怪獣の臭い問題についての焦点が当てられた事くらいです。
…あとはゴミでした。
この映画、やりたい事は解ります。
ゴジラ並みの怪獣が死んで動かなくなった後、どう処理すればいいのかというのは個人的に興味深いですし、その処理に関する自衛隊や政治家らのてんやわんやをバカバカしくコメディ調で描きたかったのだと思います。
ただ、あまりにも酷い要素が多いです。
シン・ゴジラのオマージュのように描きたいのなら政治家や自衛隊の描写はしっかりやれよ!
怪獣等のCGが酷いのはまだ理解出来ます。
日本なので圧倒的に少ない予算の中で怪獣の出来を良くするのは至難の業です。
ただ今作、脚本構成もダメダメです。
主人公が3年前に行方不明になって突然戻ってきたという特殊な経緯は全く目立たずに描いてしまってるし、登場人物達の群像劇としてもわかりにくいです。
撮影もクソです。
手持ちカメラが多い割には背景が上手くない上にカメラワークがブレブレです。
てか、途中なんてブレすぎて観にくいわ!
何よりも致命的なのが、怪獣パニックものとしての緊迫感が圧倒的に足りない!
一応、怪獣の死体が爆発してしまうということで甚大な被害に合ってしまうということでハラハラ出来る要素があります。
なのに、肝心な怪獣はあまり映らないし下らない人間のストーリーがメインになってしまうので緊迫感よりも徒労感が起きてしまいます。
そして、今作で一番酷評されてるポイント。ギャグシーンです。
もうこれは前時代的だとかセクハラだと批判されても仕方ないですね。
今どき、下ネタだけで笑わせられると思っていたら筋違いも良いとこです!
蓮舫と小池百合子を彷彿とさせる女性政治家が怪獣の上に乗って傷口の所に落ちてスカートが捲れる場面は怒りを通り越して呆れました。
てか、政治家達のてんやわんやを下ネタ含めたギャグシーンで笑わせようとすんなよ!
挙げ句に韓国をバカにしたような描写もあったりと、あらゆる部分で舐めた描き方をしてました。
そして、クライマックスの部分。
ネタバレになるので言いませんが、ここ最近観た新作映画で一番バカげてました(笑)
いやいや、お仕事ものでずっとやってたのにあの超展開で全てが台無しだし、何であの展開でいこうとしたんですかね?
総じてまとめると、
B級映画的な感じで観ようとしてもギャグシーンが寒いし、真面目な感じで観たらバカバカしいし、誰に勧めたらいいかも全然わからない駄作でした。
とりあえず監督に言いたいです。
特撮と観客舐めんなよ!!
監督の風味を知らないので
初めて予告を見て(やっと子どもの頃からの疑問が解けるのか)と楽しみにしてた。
シリアスだと思ってたんです。
見終わって思ったのは
いや、下らないコメディ必要だったな。と
終始シリアスだと疲れるとこだったな。と
集合体無理なんでキノコ人間にすべての毛穴持ってかれた。
首相に「これはキノコではありません。」って言いながらモニターに写った股関部分を隠す手が軽く
ニギニギしてる土屋太鳳ちゃんに(なぜこの役を)と照れた。
てか清純派であろう女優さんに何言わせてるんだか
ラストはまぁあれだったけど。
宇宙ゴミにはしてないよね?
評価低いのを自分で確認したかった。
「ウンコなんですか?ゲロなんですか?」「限りなくウンコに近いゲロ」
いたく前評判の悪い映画。たぶん、酷評をする人たちはこの映画になにか神聖なものを期待したのでしょう。でも、考えてみれば、「時効警察」の監督が、オダギリジョーや岩松了やふせえりを起用してまじめな映画を作るわけがない、という読みさえあれば内容は察しがついたのではないかと思う。おまけに、浜ちゃんとスーさんが政府トップのコンビを組んでるなんてコントでしかない。いや、こっちもコントを期待しちゃうし、見事にそれに応えてくれている。染谷夫婦もおふざけにどっぷりと便乗しているし、いい役者を気持ちいいくらいに使い捨てしてくれているし。ここで山田涼介だけがクソ真面目に演じるからこそ、また強烈に楽しめる。
で、ラスト。そうそう、消えた2年間の謎が、そういうことだったのか。雨音(濱田岳)の態度のわけも、それに気づいていたからか。バカバカしくて、それでいてちゃんとオチを用意していて、じゅうぶん面白かった。
語りたくなる映画
見終わった後に友達と語り合いたくなること必至!まだ観てない人には是非観てくれとおすすめしたくなります。ただし、おすすめされた友人が怒り狂って関係が悪くなっても私は知りません。
映画を観ている間ずっと、何を観させられているのかわからなかった。スタッフも何を作らされているのかわからなかったのではないか。
まず、予告を観て期待を膨らませていた人は期待を裏切られることになる。誰が、どのように、怪獣の後始末をするのか。責任を押し付け合う政治家や現場で奮闘する人々を描いていると思うでしょう?おおむねその通りなのだが、思っているのとは違うと思う。
シンゴジラのようなシリアスな展開は、ない。予告は全て嘘。本作はコメディである。衝撃のラストどころか序盤から「騙された~!」とどんでん返しを食らうことになる。
政治家をバカにしたいのは伝わるのだが、それにしてもバカすぎる。コントかと思うぐらいにやりすぎ。うまく例えたつもりの例え話や比喩表現はことごとくスベり、それも政治家をバカにしたいからなのかとは思うがやりすぎてくどい。
かと思いきや主人公だけは終始シリアスで、政治パートと特務パートに落差が大きすぎてコメディと割り切って観るのを邪魔している。
個人的にお気に入りのシーンはたかが2MBのファイルをアップロードするのにステータスバーの動きが遅いところ。いつの時代のインターネットだよ。
あと土屋太鳳ちゃんが可愛いのでそれが救いですね。
ああダメだ。色々言いたいことはあるが、これは観た人とでなければ語り合えない。一方的に書いたところでこの映画の素晴らしさは伝わらないと思う。
是非、みんなで観に行って、大いに語り合って欲しい。
笑えてホロリ…映画の醍醐味を味わった
大学院生の息子(23歳)が、「クソ映画だって評判らしいよ」と言っていた。それを聞いて、こりゃ、自分の目で確かめよう、と。平日の昼間、「午後は在宅勤務に切り替えまーす」と言い残して職場を出て、東京城東地区の映画見巧者が集まる映画館に向かった。
例によって、この映画についての知識は極力入れないまま客席に座った。
冒頭、富士山がスクリーンに広がり、「あー松竹の作品か」と思うやいなや、岩礁に打ち寄せる大波が映る。えっ。松竹と東映??
そんな映画って過去にあったのか?
見ている劇場は、TOHOシネマズだし…。
それはともかく、監督の三木聡はテレビドラマ「時効警察」の仕事ぶりは知っているし、登場する役者も、オダギリジョーをはじめ、そのテーストをまとった連中が多数出演。
おもしろくならないはずがない…。
見終わって、その期待は十分に満たされた、と思う。
最後は、怪獣ヒーローものの、お約束的な自己犠牲みたいな部分も描かれて、少なくとも僕の琴線には触れた。
本来なら、30年、40年前にできていてもよい映画だと思う。
怪獣映画という、日本の文化資産の一つといえるものを、こうして料理したのは立派だ。
この映画を、面白いと思えない連中がいる…というのがどうにも不思議である。
平日の昼間、僕以外に頭が真っ白のシニアがいたほかは、20代前半、学生風の客ばかりだったが、確かに入りはいいとは言えない印象。
繰り返すが、松竹、東映がタッグを組み、東宝の劇場で見る―というオールジャパンの映画業界が力を入れる作品だ。
見て損はしないよ!!
おもしろく滑ってもなかった
特撮部分は本当に良かった!あとはひたすら残念!
特撮部分は最高のリアリティ!若狭さんの才能がガッツリ生かされている。大怪獣を見せるカメラワークも演出もめちゃめちゃ良い!
オダギリジョー氏もワイルドな役柄にピッタリハマる。
主演の山田さんも演技力があるし、軍人的な動きが美しい。アクションも良い。
特撮部分、アクション部分の格好良さと対比して、政府側のドタバタは、キャスティングからしてもう少しコメディ色が強くなるのかと思ったが、ちょっと肩透かしな感じ。というか、コメディであろう部分が上滑りしている感じ。
コメディが不得意な監督なのかも。
笑いが、下ネタで喜ぶ小学生男子レベルでガッカリ。
主演の山田さんも土屋さんもシリアスとコメディをガッツリ演じ分け出来る役者さんなのに、勿体ない。西田さんの魅力も半減。本当に勿体ない。
そう!映画を観た後の最大の感想が
「勿体ない!」
役者さんの味を生かしきれていないのが、本当に残念。
つまらない、くだらない、面白くもなんともない。
出てる役者に同情する。
どんなシガラミがあれば、この仕事を受けねばならなかったのだろうか…?
クソみたいな脚本だった。
スベリ芸というジャンルがあるらしいが、まさにソレ。腕のない芸人を救済するかのようなジャンルではあるが、内輪でウケてるだけで見てる側には不快感しかない。まぁ、物の見事に芝居が滑ってく。
よくやったよなホント。
演出されててバカにされてるような感情は抱かなかったのだろうか??
逆に俳優陣のプロ根性の賜物かもしれない。
昨今稀にみる酷い作品だった。
最近、韓国ドラマをよく観てて…芝居の質や発声やら雲泥の差もいいとこだ。
クサい…鼻につく…。
作品の内容とも相まって、みっともないったらなかった。…ああ、腹立たしい。
逆に、「内容もなくクソみたいな話でもアイドル使ってりゃ、そこそこ興行収入は稼げるんですよ。ね、頭使ってあれこれ考えてるのバカらしいでしょ?コレが日本映画の現状っすよ」みたいなメッセージなのだろうか?
だとしたら、大怪獣ってのは、現状のシステムそのものなのだろうな。
あー、いやだ、いやだ。
面白かった。ちょっかい出しまくる。
「土屋太鳳好き」
予告観てレビュー観てなかったら怒ってたかも
予告を何度も観ていて面白そう!と思って楽しみにしてたんですが、公開直後のレビューの荒れ方を観て一瞬思いとどまり、見方を変えてどこまで酷いのか確かめるために鑑賞。
監督の名前を観てコメディだと分かったはずというレビューを拝見しましたが、そんな知識を全くもたない私はシリアスな内容だと思ってました。
(観終わった後、観る前に出演者をよくよく見ていたら、シリアスな内容では無いと分かったかもしれないとは思いましたが。。。)
が、始まってみたらシリアスなのはオープニングタイトルまで。
そこから続くクスリともできないお粗末で下ネタも多いギャグの応酬に辟易。
体中からキノコが生えだすシーンでもう我慢の限界。
まともな映画だと思うのは止めました。
(耐えかねた私が体を動かしてたら、前の方に座ってた方も同じように体を動かしてて(笑)。そうでもしてないと観ていられない。。。)
終わり方も終わり方だし、面白かったという意見はよほどこの監督作品が好きな方かと。。。
小学校低学年の男子なら笑って喜ぶかな。。。
配給的には評価が低くても話題性があって興収が上がれば問題無いわけで、大成功なのでは?
ただ私としてはまんまと引っ掛かった感が否めず、何だか悔しい限り。
内容的には0点でも良いのですが、予告は良かったのと、怪獣の造形は素晴らしかったのでそれぞれに0.5点ずつ合計1点の評価で精いっぱい。
それほど悪くは無い
"えっ!これってコメディだったんですか?てっきりシリアスドラマだと思ってました。だって休日の劇場内は水を打ったように静まり返ってましたもん"
と、先ずは軽いブラックジョークでレビューを始めてみよう。
まあ正確には笑いは起きてた。ごく一部に。
"失笑"トイウヤツデスガ。
ネットでは
「豪華キャストの豪華な無駄遣い」
「腐り果てたシン・ゴジ」
「最後まで席を立たなかった自分を褒めたい」
等々散々な云われようの本作。
ここまで評価が悪いと逆に興味が湧いてくる。怪獣映画好きだし。
大丈夫。自分は「デビルマン」を最後まで観たんだ。劇場でな。
うん、まあ期待(?)していたほど酷くは無かった。映像は見応え有ったし役者陣の個々の演技も悪くは無かった。
スベり倒してはいたが。
"笑い"を甘く見るな。
何度か書いている事だが映画で観客を笑わせるというのは泣かせるよりも難しいのだ。
テレビで芸人のコントや漫才で笑えるのは何年も下積みをして"笑い"に特化した"笑い"のエキスパート達だからだ。そのエキスパート達だって次々消えて行くのが"笑い"というジャンルなのだ。
そんな才能が監督は自分に有ると本気で思っていたのか?
演者が派手に転ぶだけで客が笑うと本気で思っているのなら、二度とコメディには手を出さないほうが身のためだろう。
この映画はシリアス寄りに作った方がきっと上手くいったと思う。その方がシニカルな笑いも自然と起きたんじゃないかな。
それにあのオチはせっかくのアイデアを台無しにしてるよ。そもそも読める作りだが。
最後に
土屋太鳳さん、漸くセーラー服から開放されたようで何よりデスネ。
山田涼介さん、何故地雷映画ばかりに主演するんですか?マゾなんですか?
西田敏行さん、終始座っていてお尻大丈夫ですか?
濱田岳さん、意外と口髭似合ってますね。
以上感想でした。
繰り返しますがこの映画はそんなに酷くはありません。観る拷問とまで言われた「デビルマン」に比べれば、遥かにまともな映画です。
なのでB級映画好きなあなたは是非劇場へ!
非現実的なのにリアル・おふざけなのに真剣
酷評と聞いていたので期待していませんでしたが、かなりよかった。
これを酷評している方々は特撮も喜劇も悲劇も映画の遊びも理解してしていないライト層なのかな?だとしたら残念です。
この映画にこれだけお金をかけられる会社があってよかったと邦画に安心した。
批判している層のおかげで映画の中の国民とリンクしてより一層この映画の面白さが増してます。たしかに下ネタやギャグという意味では人を選ぶ作品ではあるのかもしれませんね。でもその謎のギャグもリアルというか·····。あとしまつのための残念な作戦もついつい昨今のコロナへの政府の対応と重ねて見えて風刺効いてました。しかしこの映画はコロナ前に制作を開始したと読んで驚きました。
真剣におふざけしてるからこそリアルな非現実作品を作ることができるんだなと関心し、どう考えてもおかしい作戦なのに映像も音楽も作り込まれているからこそしっかりとハラハラさせてもらいました。
内閣府の静の劇パート、現場で処理する動のドラマパート、このコントラストも見事でした。そして内閣府がおかしなことをすればするほど、アラタの最後が切なくてしょうがない。
この映画こそ考察部隊が沢山出てきていいのでは?というほど緻密な伏線そして脚本。
評価に惑わされて面白くないと一蹴したひとたちこそ、色々と考えて見て欲しいし語り合いたい。
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