劇場公開日 2022年2月4日

「笑えてホロリ…映画の醍醐味を味わった」大怪獣のあとしまつ トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0笑えてホロリ…映画の醍醐味を味わった

2022年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大学院生の息子(23歳)が、「クソ映画だって評判らしいよ」と言っていた。それを聞いて、こりゃ、自分の目で確かめよう、と。平日の昼間、「午後は在宅勤務に切り替えまーす」と言い残して職場を出て、東京城東地区の映画見巧者が集まる映画館に向かった。
例によって、この映画についての知識は極力入れないまま客席に座った。
冒頭、富士山がスクリーンに広がり、「あー松竹の作品か」と思うやいなや、岩礁に打ち寄せる大波が映る。えっ。松竹と東映??
そんな映画って過去にあったのか?
見ている劇場は、TOHOシネマズだし…。

それはともかく、監督の三木聡はテレビドラマ「時効警察」の仕事ぶりは知っているし、登場する役者も、オダギリジョーをはじめ、そのテーストをまとった連中が多数出演。
おもしろくならないはずがない…。
見終わって、その期待は十分に満たされた、と思う。
最後は、怪獣ヒーローものの、お約束的な自己犠牲みたいな部分も描かれて、少なくとも僕の琴線には触れた。

本来なら、30年、40年前にできていてもよい映画だと思う。
怪獣映画という、日本の文化資産の一つといえるものを、こうして料理したのは立派だ。
この映画を、面白いと思えない連中がいる…というのがどうにも不思議である。

平日の昼間、僕以外に頭が真っ白のシニアがいたほかは、20代前半、学生風の客ばかりだったが、確かに入りはいいとは言えない印象。
繰り返すが、松竹、東映がタッグを組み、東宝の劇場で見る―というオールジャパンの映画業界が力を入れる作品だ。
見て損はしないよ!!

町谷東光