望みのレビュー・感想・評価
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自分の家族に起きたら、何を望む
前に「人魚の眠る家」のレビューで「当たり外れの落差が激しい堤幸彦監督」と書いたが、本作は“当たり”だ。まず石川家を演じた堤真一、石田ゆり子、清原果耶がいずれも感情の起伏を大仰になりすぎない範囲で効果的に表現し、観客を引き込み飽きさせない(長男役の岡田健史も悪くないが、出番が少なかった)。
そして、第5の主要キャラクターと呼びたくなるほどの存在感を放つのが、堤演じる建築士・一登が自ら設計した石川邸(外観は実在の家だが、室内はセットを構築)。アイランドキッチン、妻の仕事スペース、2階との行き来が一目瞭然な階段など、開放感あふれるリビングの空間構成は一登の理想の具現化だが、長男の失踪後は3人の食い違う“望み”が衝突する修羅場と化す。
行方不明の身内が殺人犯か犠牲者かという両極端の可能性に翻弄される家族を、マスコミ・ネット・世間が追い込んでいく光景は、悲しいかなこの国の現実を確かに映している。
まさしく望みだね
タイトルなし(ネタバレ)
冗談抜きで終わりまで残り1時間からずっと泣いてた。じわーっとする感じじゃなくてずっと号泣。
残り30分くらいからは規士がただただ真っ直ぐで良い人って事が分かっていって、号泣。なんだよ、ほんとに。お父さんの話ちゃんと流さずに聞いてて、夢も見つけて行動して、言葉をメモまでして。あの話をされた時はもう殴られてたってことは事態が大きくなってて、いろいろ思い詰めて俺がどうにかしないとってきっと規士の事だから思ってただろうから、そんな時にお父さんに言われた事、すごい助けられたんだろうな。
加害者で良いから生きてまた会いたいお母さん、規士はそんな事絶対しないって言じるお父さん、受験できなくなるし環境が変わってしまうから加害者でいて欲しくない妹。そして子供が加害者だから依頼をやめていく人達、、もう出てくる人全員の思ってること分かるから苦しかった。記者さんが悪い人じゃなくて良かった。この映画は裏切りとかなくて、そういう気持ち悪い後味が無くて良かった。
★号泣ポイント
・刃物が引き出しから見つかった(こっから1時間ずっと涙)
・お母さんと喧嘩して部屋で泣いていた雅の手に握られてた
合格祈願のお守りは規土から貰ったと言った時(いい人確定)
・規士の同級生から絶対加書者じゃないからって言われてずっと加害者でいて欲しかったお母さんが、そんな事するはずないのにって思って涙を流したとき
・規士の回想全て
・お通夜に行くけど追い出されて沢山の記者の前で絶対やってないって泣きながら言うとき
・死体と会う時
・疑っていたおじさんがごめんなって謝ってきたとき
などなどなど
ほんとに、こんなに泣くつもりじゃなかったを本当に見てよかった。ニュースで見る加害者の親もこんな気持ちなんだろうなと思うと胸が苦しい。素敵な映画でした..
母親と父親の違い?
加害者でも良いから生きていて欲しいと思う母、その逆の父親。
最悪の結果、加害者だけど仲間割れで殺されたを想像してたけど、被害者で殺される息子。
しかし、まだ加害側とも被害側とも判明してないのに、父親のインタビューをテレビで流すかねぇ。まぁ、実際にはそこまで無いだろうけど、現実にはその段階で自宅を取り囲んでピンポン攻撃して、VTR溜めて逮捕されたら流すぞって待ち構えてんだろうなぁ。
痛み
誰が何を望むのか。
息子を思う親の気持ちは、同じはずなのに、父と母でこんなにも違う。なんか悲しく切ない。そして妹も、兄が被害者であることを願い、事実が判明した後、罪の意識で涙するのであった。
加害者と決めてかかるマスコミ、報道を鵜呑みにして嫌がらせをする一般人、醜悪で恐ろしい姿だった。突然こんな状況に追い込まれたら、と思うと恐怖で身がすくむ。そして、ゴミは置いていくなよ。
友達のために正義を貫き、プライドを持って事に向き合った規士くん。夢をかなえて欲しかったなぁ。少年たちよ、大人に助けを求めるのは恥ずかしいことではないから、自分達だけで解決しようと思わないでね。命を守ることが一番優先されるからね。
BSテレ東の放送を視聴。
家族とは
一級建築士の石川一登と校正者の妻・貴代美は、高校生の息子・規士や中学生の娘・雅とともに、スタイリッシュな高級邸宅で平和に暮らしていた。
規士は怪我でサッカー部を辞めて以来、遊び仲間が増え無断外泊することが多くなっていた。
ある日、規士が家を出たきり帰ってこなくなり、連絡すら途絶えてしまう。
やがて、規士の同級生が殺害されたニュースが流れる。警察によると、規士が事件に関与している可能性が高いという。行方不明となっているのは3人で、そのうち犯人と見られる逃走中の少年は2人。
規士が犯人なのか被害者なのかわからない中、犯人であっても息子に生きていてほしい貴代美と、被害者であっても彼の無実を信じたい一登だったが……(解説より)
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父、母、そして妹、それぞれが異なる感情や視点を抱えながらも、真実を求めて葛藤する姿が描かれている。
加害者、被害者、どちらでもあっても欲しくないという「望み」
加害者でも被害者でもいいからただただ生きてくれてさえいればいい、という「望み」
事件を通じて、家族がこれまで気づけなかった想いや秘密が浮かび上がり、愛とは何か、家族としての「望み」とは何かを問いかけられる展開。
サスペンスとしての緊張感だけでなく、家族のあり方を深く考えさせられる温かさと切なさが同居する作品。
観終わった後には、家族の大切さを改めて感じるとともに、日々一緒にいることだけでさえ幸せなことなのだろうと気付けると思う。
望みの意味が分かります
親の氣持ちを観る
生きてこそ?正しい人であれ・・・
いや〜、考えさせられます。
ある日、高校生の殺害事件が発生し、現場から逃げ去る2人の姿が目撃される。
ところが、その日から行方の分からない関係者が3名いる。主犯格が判明していることから、1人は加害者で、もう1人は被害者の可能性がある。
行方の知れない我が子はどちらなのか?
加害者の家族に対する風当たりは強い。
執拗に押し掛けるマスコミ。
家や車に落書きをされ、卵を投げつけられる。
心ないネットへの書き込み。
仕事もキャンセルされ、私立高校への受験も危ぶまれる。
もしかしたら、被害者かもしれないという想いは誰も持たず、加害者の家族として迫害される。
だが、それでも母親は(たとえ、犯罪者であっても)、生きていてくれることを望む。
家族の中でも亀裂が生まれる・・・
自分ならどうだろう?
家族を守ってあげたいという気持ちはあっても、犯罪者でない方を望むと思う。それが死を願うという行為であったとしても、残された家族のことを考えてしまう。結局は、自分がかわいいってことだろうが、それでも(たとえ家族であっても)悪人を許す気は無い。
但し、犯罪者の家族に対しては、特別視してはいけないと思う。この作品における心無い行為の数々には、怒りが込み上げた。
特に、匿名性の暴力には、尚さら腹が立った。
【ネタバレ】
息子が、取り上げていたナイフを持ち出していたことに気付いた父親は覚悟した。やるせない想いに包まれいた矢先、息子の部屋でナイフを見つけた父親は無実を確信した。
被害者のお悔みに出掛けたのだが、邪険に扱われてしまう。
そんなところに警察から連絡が・・・
遺体確認に出向いた両親に明かされる真相。
息子に誤った行動はなかった。常に正しく、優しい行為は、自分たちが普段考えている息子、そのままだった・・・
いや〜、切ない。涙が溢れ出ました。
その、失ったものの大きさに。
犯罪者でなかった安堵感に。
最後まで信じきれなかった不甲斐ない想いもあったんじゃないだろうか。
そして、新たな道を考えていた息子の叶わなかった未来に。
すっごく後味が悪いのに、なぜかスッキリしてしまう不思議な感覚でした。
とは言え、ちょっと的外れな話ですが、彼の無実を信じ続けていたのが、女子高生達だったってとこに、イケメンの特権って過っちゃいました。
見応えあり
気になっていたが重い気持ちになるだろうと思い劇場には見に行かなかった作品でした。加害者、被害者どちらに転んでも希望のない事件ですが、大好きな家族が加害者だったという方が不幸具合が大きいのではないかと感じました。その後の家族の人生も考えると現実的には。この感じ方は人によって大きく異なりますね。
事件がまだよくわからない状態の頃からズカズカ取材と称してカメラやマイクを向ける報道陣にもゾッとします。実際にも起こっているのかと思うと…
石田ゆり子さんの元々の美しさが邪魔してなのか、やつれた感があまりなく髪もツヤツヤなのは説得力に欠け、もう少し考慮した方がよかったのではと思いました。
現実にもこういった事件が起こっていると思いますが、最悪の結末を回避できるかエスカレートするかの地点があるはずです。しかしそれは後にならないとわからない。渦中にいると最善の判断、最善の行動だと思っていて、その時は、その瞬間は、生きていたのに…
BSテレ東で見た キツイいたい
非常によかった
なんか葛城事件のような嫌〜な内容を想像していたが
被害者でなく加害者であってほしいと願う複雑な両親の気持ちがとても感動してしまった、結末は願いもむなしい感じだったが、息子さんの事、詳しく把握できないもんね親って
ちゃんとお父さんの言葉、通じていたの泣けてくるね
それにしてもマスコミやsnsでの噂や憶測はほんとにむかつくね
これは現実でもあると思うけど、家族からしたらたまらないよね
仕事や、私生活に悪影響を及ぼす
事件起こした本人以外の家族に責任あるん?
そんな人間を育てたってことはあるかもしれないが、それを問う前に明らかにやった本人が悪いよね
今回は加害者の側に立ってなかったが、やったように見えてくるのがなかなか見事で、この家族はどうなってしまうんだろう?って気持ちもあり感情移入してしまったね
すごく面白かった
役者がよすぎるよね、ものすごい気持ちが刺さった
無情な世の中でもそれが現実
重く深く考えさせられました。
息子が加害者かもしれないという可能性だけで受ける様々ないやがらせ
映画ですが現実にも起こっていることだと思いました。
映画では石田家に感情移入してしまい
周りの人が冷たく感じるかもしれませんが
もし現実に起こっていたら自分はどのように事件を見るのだろうと
考えてしまいました。
あれこれ憶測を立てたり心の中では犯人かもと思っていたかもしれません。
ですがそれが被害者だと知ったとき
自分の考えに恥じ、「かわいそう」と思うだろうと。
そんな状況でも息子を信じたいと思う父や
犯人でも生きていてと思う母の心情にはぐっときました。
特に堤真一の父親役はとてもよかったです。
ナチュラルにでも熱く演じているなと感じました。
色々な人の感情が交錯して観終わったあとも
苦しい気持ちになりますし決してハッピーエンドでは
ないと思いますが
人を最後まで信じぬく先には…というものが観れたと思います。
少し泣いてしまいました。
とてもいい映画だったと思います。
どっちに転んでも…映画NO1
行方不明の息子が渦中の事件の加害者か被害者らしい
既に死んでいる被害者であって欲しい父→殺人をしない息子を信じたい
今も逃げている加害者であって欲しい母→殺人犯でもいいから生きてて欲しい
どっちも地獄
警察やマスコミやネットの情報に揺れ動きながら、不安メーターは上がっていき「もう元の生活に戻ることは一生ないんだな…」って追い詰められてくる
色が違うだけでどっちに転んでも最悪の結果ってしんどすぎるぞ
望みってのが僕が普段思う「ああ〜毎日14時間くらい寝てえ」なんてもんじゃなく「“地獄の中の最後の”望み」ってイメージ
家に卵を投げつけられるのは本当にムカつくけど、よく考えたら僕は賃貸だから別にいいかも。敷金引かれないよね?
家の壁にスプレーアートされんのは許せないな(バンクシーは例外)
シーンのほとんどが家の中で撮られていて舞台みたいだった
頑張れば一日で撮影できちゃった系?予算は卵くらい?
「望み」とは?
息子タダシの仲間が何者かに刺され、遺体で発見された。
警察の捜査上に浮かび上がった「タダシ」は、もう2日間も帰ってきていない。
ざわつき始める周囲と、誹謗中傷の渦の中に巻き込まれてゆく家族。
誰もがタダシは犯人じゃないと言うが、心の中は半信半疑だ。
父は、タダシが小刀を持って出た情報から、信じていると言いながらも疑心暗鬼が募る。
母は、犯人でもいいから生きていてほしいと望んだ。
この微妙なスタンスが、家族を引き裂いてゆく。
このどんよりと思い流れが後半まで続く。
タダシも、少年AとBによって殺害されていた。警察は両親に、「子供の本当の姿を知ったとき、一番悲しいのです」という。
さて、この作品のタイトルの「望み」とはいったい何を指すのか?
この作品という条件で言えば、起きてしまった事件後の「望み」なわけで、それが両親の中で違ったニュアンスがあり、それが亀裂の原因でもあった。
救いは、タダシは家では何も話さなかったが、将来の展望や尊敬する父の言葉を大切に押していたという、彼の本当の姿が美しかったことだろう。
私の息子は小児がんで生まれて、何度も腸閉塞で入院手術という経緯がある。
私が息子に望むのは「ただ生きていればいい」だけ。
大学生になってもゲームが好きで、帰省した時は一日中遊んでいるが、それでいいと思っている。
息子が入院していた時、そこには奇形の奇形といわれるような子供たちがたくさんいた。
肛門がない、腸がない…
その親たちはみな、生きてほしいとだけ願う。健康を願う。
これ以上のものはないと思う。
それだけで十分だと私も思う。
親が子供に「望む」のは、それだけでいいと思う。
子供がどれだけ正義感が強くても、死ねば、空になってしまう。
あの、家族写真のように。
そうなってしまえばもう何も望めない。
全339件中、1~20件目を表示











