望みのレビュー・感想・評価
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自分の家族に起きたら、何を望む
前に「人魚の眠る家」のレビューで「当たり外れの落差が激しい堤幸彦監督」と書いたが、本作は“当たり”だ。まず石川家を演じた堤真一、石田ゆり子、清原果耶がいずれも感情の起伏を大仰になりすぎない範囲で効果的に表現し、観客を引き込み飽きさせない(長男役の岡田健史も悪くないが、出番が少なかった)。
そして、第5の主要キャラクターと呼びたくなるほどの存在感を放つのが、堤演じる建築士・一登が自ら設計した石川邸(外観は実在の家だが、室内はセットを構築)。アイランドキッチン、妻の仕事スペース、2階との行き来が一目瞭然な階段など、開放感あふれるリビングの空間構成は一登の理想の具現化だが、長男の失踪後は3人の食い違う“望み”が衝突する修羅場と化す。
行方不明の身内が殺人犯か犠牲者かという両極端の可能性に翻弄される家族を、マスコミ・ネット・世間が追い込んでいく光景は、悲しいかなこの国の現実を確かに映している。
「望み」とは?
息子タダシの仲間が何者かに刺され、遺体で発見された。
警察の捜査上に浮かび上がった「タダシ」は、もう2日間も帰ってきていない。
ざわつき始める周囲と、誹謗中傷の渦の中に巻き込まれてゆく家族。
誰もがタダシは犯人じゃないと言うが、心の中は半信半疑だ。
父は、タダシが小刀を持って出た情報から、信じていると言いながらも疑心暗鬼が募る。
母は、犯人でもいいから生きていてほしいと望んだ。
この微妙なスタンスが、家族を引き裂いてゆく。
このどんよりと思い流れが後半まで続く。
タダシも、少年AとBによって殺害されていた。警察は両親に、「子供の本当の姿を知ったとき、一番悲しいのです」という。
さて、この作品のタイトルの「望み」とはいったい何を指すのか?
この作品という条件で言えば、起きてしまった事件後の「望み」なわけで、それが両親の中で違ったニュアンスがあり、それが亀裂の原因でもあった。
救いは、タダシは家では何も話さなかったが、将来の展望や尊敬する父の言葉を大切に押していたという、彼の本当の姿が美しかったことだろう。
私の息子は小児がんで生まれて、何度も腸閉塞で入院手術という経緯がある。
私が息子に望むのは「ただ生きていればいい」だけ。
大学生になってもゲームが好きで、帰省した時は一日中遊んでいるが、それでいいと思っている。
息子が入院していた時、そこには奇形の奇形といわれるような子供たちがたくさんいた。
肛門がない、腸がない…
その親たちはみな、生きてほしいとだけ願う。健康を願う。
これ以上のものはないと思う。
それだけで十分だと私も思う。
親が子供に「望む」のは、それだけでいいと思う。
子供がどれだけ正義感が強くても、死ねば、空になってしまう。
あの、家族写真のように。
そうなってしまえばもう何も望めない。
☆☆☆★★ 冒頭、『市民ケーン』のファーストシーンを意識するかの様...
☆☆☆★★
冒頭、『市民ケーン』のファーストシーンを意識するかの様なカメラワークから、映画本編は始まる。
原作読了済み。
これはかなり読み応えのある原作でした。
〝 自分の息子は果たして殺人犯なのか? 〟
普通の家族を襲った《世間からの厳しい眼差し》
「息子の無実を信じたい。だけどひょっとしたら…」との思いが拭えない父親。
「あの子は人殺しなんかじゃない。そんな子じゃない。」と、オロオロするしかない母親。
「どうするのよ!私、行きたい高校に行けなくなっちゃう!」と、憤る娘。
一見すると何の問題もない幸せな家庭だったのだが。実は事件の前から、夫婦関係であり親と子の間には、それぞれ小さな亀裂が入っていた。
その亀裂は、事件が明るみになるに連れ、次第に大きくなって行く。
だが、この原作が本当に面白かったところは…。
徐々にこの家庭に於いて、「ああしなさい!こうしなさい!」と、実権的な決定権を握っていた父親が。「どうすれば良いのだろう、、、」と、オロオロし始め。逆に、始めはオロオロするしかなかった母親が、父親とは逆に「私がしっかりしなければ!」とばかりに。次第次第に立場が入れ替わって行く辺り。
食べ残したチャーハンを三角コーナーのポリ袋に捨てる。
皿に残っている間はかろうじて食べ物のなりを保っていたチャーハンが、ポリ袋にはいった瞬間に穢れをまとい、グロテクスなごみへと堕していく。
(原作191頁より)
マスコミの餌食となり、徐々に世間から好奇の目に晒されて行く家族。
この家族を知る人達からは好き勝手な言われようを浴び、SNSでの言葉の暴力から、メンタルを削られて行く。
多くの〝 面白がる人達 〟から格好の餌となってしまう地獄の日々が続く。
父親は世間体を気にし始めた途端に、それまでの「あの子は無実だ、間違いないんだ!」との思いが揺らぎ始め。逆に「もしも犯人だったなら、今までとは全く変わってしまうんだ!」と、体裁を取り繕ろうとする。
ところが母親は、「寧ろ殺人犯の方が良い!母として生きていてくれるのを望む!」と、強い意志を露わにする。
この逆転現象が、読み進めて行くに従っての1番面白い部分だったと言えると思います。
だからこそ出来上がった映画本編を。単なる事件の結末から、お涙頂戴の家族ドラマに仕立て上げてしまったならば、この原作の面白い部分が観客には伝わらないのでは?…とゆう気がしました。
後半に於ける母親の心変わりによる〝 人間の業の深さ 〟
「絶対にこうだ!間違いない!」…との決め付けをしていた人達が、事件の全容が明らかになるに連れて(そこは原作には詳しくは描写されてはいないものの)どの様な気持ちで、この家族を見つめて行くのだろうか?
その辺りが、映画化に於いてはおそらく1番大事な部分なのでは?…と。
↓ 以下は、映画本編を観ての感想になります。
ん〜〜〜〜〜! そりゃ〜そうなりますかね(-_-)
オープニングとエンディングを映画的なカメラワークで「どこの家でも起こり得る出来事なんですよ!」…とばかりに、映画的な広がりを持たせて描写するのは良いと思います。
但し、やはり恐れていた様に、単純な《親子愛》を強調する作品になってしまったのは、残念なところでした。
まあ、ある程度は予想出来ました。その様に描く方が、なによりもお金を出して観に来てくれるお客さんには1番分かりやすいのだから、、、
その為に、色々と原作の部分をカットしており。原作の後半に登場する、中学生時代のサッカー仲間の男の子や、飼っているペットのクッキー。更には、マスコミ報道の加熱振りも細かな点でカットされていた。
マスコミ関連で言えば。原作では描かれていた、執拗に鳴らされる呼鈴や固定電話(仕事の為に必要)など。そこまで固執しなくても良い箇所も有るには有るが。2階の妹の部屋への盗撮で有り、愛犬には散歩させなければならないので、やむなくマスコミの前に出なくてはならなくなり。その事で一方的に(加害者として)責め立てられ、不条理な状況にドンドンと追い込まれて行く描写。
お通夜の時に暴力を振るわれ、マスコミの餌食にされた瞬間。自体が一変し、マスコミが一斉に撤収する慌て振り等は描かれてはいない。
それらの、SNSでの無責任な書き込みと並び。現代社会での加熱報道の行き過ぎが、映画本編ではないがしろにされていたのは、正直なところ少しガッカリとしました。
そして何よりも、映画本編で《親子愛》を強調した事で、原作が描写していた〝 人間の闇の深さ 〟 が薄まってしまったのが、、、
映画が原作との違いをはっきりと見せるのが、最後に明らかになる母親とジャーナリスト内藤。父親とリハビリ医師とのエピソードの順番。
映画ではこの2つの順番が入れ替わっており。父親の言葉が、息子の胸に届いてくれていたのが分かる、感動的な終わり方(の様に)に描いていた。
…しかし………
原作の恐ろしいところは。母親とジャーナリスト内藤とのエピソードで、「例え殺人犯だったとしても、母親として生きていて欲しかった、、、」とゆう、人間の闇の深さを露わにする言葉で唐突に終わる事で…。
〝 結末はこうなったものの、本当は逆の立場も有り得たのです。貴方ならば、その時にどちらの立場を《望み》ますか? 〟
…と、問われているところだと思ったのですが、、、
それにしても、この監督は相変わらずに光の描写が好き過ぎて、観ている間「おいおい!また光当てますか〜!」…と(u_u)
2020年10月10日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン3
被害者なのか加害者なのか最後まで分からない斬新な作り
原作を読んだので映画版も視聴。
原作の面白さの最大のポイントは「息子がいなくなった。そして近所で殺人が起った。息子が被害者か加害者か最後の最後まで分からない」というところです。
本映画はかなり原作に忠実です。原作の面白さを最大限に失っていません。
原作の解説にもありましたが、本来はこういう作品を作る時は「息子は被害者で別の犯人を両親が探し当てる」という物語にしがちです。
しかし前述の通り本作の最大の特徴は「本当に息子はやってないのか?」「本当なのか?」と最後の最後まで分からないところです。
未見の方はその驚くべき結末をぜひご確認下さい。
それどれの気持ちが分かるから辛い
試写会で鑑賞しました。
キャストさんが豪華で見入ってしまいました!
父、母、妹の視点での望み、家族の未来。
とても考えさせられました!
涙がポロポロと出る場面も、、、
ぜひ見てみてください!
最後まで観客が想像つかないシナリオ
自分の家族に犯罪者の可能性が浮上する。
そんな中、家族は何を思い、どう行動するかが繊細に描かれていました。
堤真一さんの演技が素晴らしく、特に被害者の葬式に参列しようとするシーンは、見ているこちらも胸が強く締め付けられ、被害者側の心情も、加害者と疑われている家族の心情も、痛い程突き刺さりました。
この手の映画は、不穏さを出す為に大袈裟なカットやシーンが良く見受けられるのですが、この映画は大袈裟では無かったです。息子の写真が街並みと共に映し出される冒頭のシーンは、不穏さも感じさせながら、何処か哀愁が漂っていました。その冒頭から観客を惹き込ませる技術。素晴らしかったです。
複雑な思い
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真一とゆり子夫妻には息子と娘がいた。やがて息子が行方不明になる。
さらに息子の友人の死体が見つかり、息子も事件に関係してることが分かる。
逃げてる犯人か、それとも既に殺されてるかの二択・・・。
真一らの家にはマスコミが押し掛けるわ、家に落書きされたり悲惨な状態。
友人の葬式に行ってが、犯人の親かも知れないわけで、追い払われる。
真一は自営業なので仕事も立ち行かなくなり、かなり追い込まれる。
しかも息子が犯人なら、億単位の賠償責任が生じる可能性が高い。
真一と娘は、息子が犯人よりは被害者であることを願った。
でもゆり子は、犯人でいいからとにかく生きてて欲しいと願った。
結局息子はいいヤツで、友人のために行動して巻き込まれて殺されてた。
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おれは男やし、真一とゆり子なら、真一側の気持ちになると思う。
自分達家族に不幸をもたらしてまで生きていて欲しくないと考えるだろう。
ゆり子の気持ちは母親ならではのものなんだろう。
好きな役者ばかり出てるから早々に見に行こうと決めてたこの作品。
色々考えさせられたし、おもしろかった。
信じる家族の物語
観る前はグロテスクだったらどうしよう。
後味悪かったらどうしよう。
って思ってたけど。
そういう映画ではない。
テーマは重いが、描写はグロテスクではないので、安心してください。
「日常」とは、有難いもの。
失ってから気づく尊さ。
家族にも、友達にも、日頃から感謝して生きようと。
教えてくれてる映画でした。
映画最高!
親の狂気から日本社会の狂気へとこの映画は昇華する。
言うまでもなく、親の狂気。
『経済的な障害から犯罪が生まれる』と言う日本映画の定石を外している所がキャッチーだと思う。
誰が犯人だとか、誰が悪いとか、警察やマスコミはどうするんだ。そう言った事がこの話の主題ではない。
どんな理由やあったとしても、被害者が惨殺された事が問題。事件をタブロイド的に捉えて、狂気そのものに描いているが、強烈なデフォルメ。鑑賞する者は『犯人だ』と言う者と『犯人であってもらいたくない』と言う者に二分すると思うが、誰一人惨殺された少年に対する冥福を祈る者がいない。
『被害者の事を』と最近叫ばれる様になったが、冥福は祈るべきだ。
『続 望み』と言う映画があれば、見てみたいものだ。
さて、誰が犯人だ!!
そうか!やっぱり日本映画ですね。続編が出来ない訳が分かった。
日本映画のど真ん中でした。
死して名を残す。殉職見たいな物。
先ずはこれはフィクションだと見るものは理解すべきだ。現実は加害者である可能性が高い。ご都合主義な映画だ。
作られたご都合主義なのは兄妹がいる事だと思う。つまり、この夫婦の救いは妹がいる事。
まぁ、偽善だ。
でも、そこまで計算に入れて作られた商業映画?
堤真一と石田ゆり子の破壊力
まあしんどい映画。昨日深夜に見始めたけど、間違えたな。リアル、というか人間の本性にどんどん迫っていくあのサスペンスな感じが面白かった。
やっぱり堤真一と石田ゆり子の破壊力は半端ない。夫婦の考え方がだんだん2つに分かれていくプロセスがとても自然だった。この2人の演技力だろうな。これはもう文句なしですよ、頭が上がらないというかアッパレというか。うん。
監督は堤幸彦か。「20世紀少年」「TRICK」の監督やな。まあ特に「20世紀少年」は、もはや漫画の域を超えた三部作になってたと思うから、すげえなあと思ってたけど。堤幸彦監督作品に対して持ってるイメージとしては、「妙に暗くて怖い」かな笑。映ってる映像は明るいところで撮ってたりするのに、妙に不気味な怖さを感じさせるよね。自分の見てる映画が偏ってるからかな?笑
今回は原作も雫井脩介(「検察側の罪人」など)で、かなり重厚なサスペンスになっていたと思う。検察側の罪人は多少荒唐無稽な展開も無きにしも非ずやったけど、今回はストーリー展開はとてもシンプルでわかりやすく、犯罪関係者の家族という特異な視点から進行していったから、安心してストーリーに浸かることができた。
岡田健史は出番少ないのになんで日本アカデミー賞の新人俳優賞取れたのかはさすがに疑問に思った。
心に残ってるのは、夕焼け(朝焼けだったかも?)のシーンかな。あんまり見たことない写り方だったから、へーって思いながらあの綺麗なシーンに見惚れてた。撮影は相馬大輔さん。名前は初めて聞いたけど、「何者」でも撮影担当してたんや。確かに「何者」の時も見たことない撮り方してたから、ストーリーより映像の方が印象に残ってるな。
あと女刑事役のポーカーフェイスがめっちゃイライラしたから、あの女優さん良かったな。早織さん、「キセキ-あの日のソビト-」にも出てるんや。えっ!「ゴジラ-1.0」に声だけ出演してんの?どこやっけ。わからん笑笑。正直、賞あげるならこの人にしてほしかったくらい良かった。
全体的に暗くて怖い感じやけど、人間の本性を炙り出していくプロセスはめちゃくちゃ共感したし、展開も自然だから普通に面白い映画。ただ、夜中に見るのはやめた方がいい。事実でないこと、デマとか噂とかに惑わされて、弱ってる人に対して匿名で攻撃を仕掛けてくる人間の悪いところが盛り沢山やから、深夜2時に僕はめちゃくちゃ怒ってた笑。
マスコミの報道により、 誹謗中傷を受ける夫婦と妹(清原果耶)。 捜査の行方が待たれるだけで、 家族は何もできないでいる。 原作の小説はベストセラーらしい。 映画化するとどうだろう?
動画配信で映画「 望み」を見た。
劇場公開日:2020年10月9日
2020年製作/108分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2020年10月9日
堤真一
石田ゆり子
岡田健史
清原果耶
加藤雅也
市毛良枝
松田翔太
竜雷太
平原テツ
堤幸彦・監督
雫井脩介・原作
一級建築士の石川一登(堤真一)と
妻・貴代美(石田ゆり子)はお洒落な家に住んでいる。
サッカー部員だった長男(岡田健史)はけがをし、サッカーを辞めた。
以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。
ある日長男は家を出たきり帰らなかった。
高校生が殺されたというニュースが入る。
家を訪ねてきた刑事(加藤雅也)たちによると、
さらにもうひとりの高校生も殺されているかもしれないという。
事件には長男が関与している可能性が高いという。
長男は被害者なのか?加害者なのか?
マスコミの報道により、
誹謗中傷を受ける夫婦と妹(清原果耶)。
捜査の行方が待たれるだけで、
家族は何もできないでいる。
原作の小説はベストセラーらしい。
映画化するとどうだろう?
見ていてつらいだけだった印象。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
どんどん追い込まれていく家族
堤真一扮する建築士石川一登は、自宅を客に見せながら新築のイメージを持たせようとしていた。一男一女の家庭だが、長男は怪我からサッカーが出来なくなり不穏当な行動が目立ってきた。テレビニュースで男子高校生がなぶり殺しされた殺人事件が報道されていて親として帰って来ない息子を心配していたところ警察が家にやって来た。
警察が来たり雑誌記者が来たり親の心配この上ないね。何も分からないからついついイライラしてしまうし泣けてくるよな。マスコミが押しかけたりしてこんな時は家族は結束しないとね。でもどんどん追い込まれていく家族。良い時もあれば悪い時も家族なんだから信じる事しか出来なくとも耐えなきゃね。かすかな望みにかけるしかないね。
どちらにしても元の生活には…
戻れない。未成年の殺害事件が起き、その間息子は行方不明に。加害者二人は逃走中で、もう一人被害者がいるらしい。親としてどちらを望むだろうか。息子の人格や、家族のその後の生活は守られるが、生きて帰っては来れない。あるいは本人のその後の人生や、家族の生活は全て失われるが、息子の命は守られる。究極の選択であり、息子を信じたいが、生きていてほしい。そんな家族それぞれの思い、葛藤が描かれていた。
受け入れられる
父は、自分の立場の為というより、
息子のことを思えばこそ人を傷つける人間であって欲しくない、そのためには傷つけられていても仕方ない、という一念。
母は、命あってこその人生だからと生存していることを切に願う。その為には人を傷つけていても仕方ない、と望む。自分の息子が人を殺めていても仕方ないのか!?自分本位な思いに賛同は少ないだろう。
相反するが、名誉と命、親だからこそ譲れないその二人の望み、父の望みが叶った。
人を傷つけていれば、周りはやはりと思うだけ。だが、真実が判明して周りの反応が一変した。
現実にあるから描かれていると思うが、
関係無い人間が家に落書きしたり韓国みたいに卵を投げつけたりネットで誹謗中傷したり、
真実が判明しない前から憶測で決めつけて関係を断つ人々がいたりと汚い人間模様。
父は望みが叶ったせいか社会人として人間ができているのか、酷い人達を赦す。
作品として世に出すからには加害者であることより被害者であれ、としないとまずいのか?
親の望み
ある事件に息子が巻き込まれたと知った時、妻と夫は親としてそれぞれ違う望みを抱く。我が子にはたとえ犯罪者となったとしても生きていて欲しいと願う気持ち、我が子が人を殺めるはずなどないと信じる気持ち、どちらも親なら当然に感じる望みでありこれには正解がない。子育てをしていると、この子は親の言葉を本当に聞いているのか、と言いたくもなる事が多いものだが、この映画には父の言葉がちゃんと息子の心に届いていたのだとわかるシーンが丁寧に描かれていたりと、子育て中の親として最後まで引き込まれる内容だった。
一つ違和感を感じたのが、事件がまだ未解決な段階の市毛良枝演じる祖母があまりにも穏やかだった事だ。実際に孫が事件に巻き込まれていると知ったら、もっと取り乱したり、怒りを露わにするのが自然でないか。まるで仏様の表情でちょっと非現実的な存在だった。
マスコミは変わらずマスゴミとして描かれる中、松田翔太演じる記者が、事件解決後に妻にとった行動は、なかなか実際にはあり得ないであろうが、救われる形となったように思う。
これから三人となった家族、とくに妹には兄の分もしっかりと生きてほしいと願わずにはいられないラストだった。
現実同様胸糞悪い展開
映画としてのできは良い
マスコミや警察、その他本来関係者とは言えないような周囲に1番辛いはずの被害者と遺族が追い詰められる展開は本当にリアリティがあると思う。
ただ、映画としての綺麗さを演出するためなのかもしれないが、遺族の物分かりが良すぎると感じた。
警察に明言はしないものの犯人扱いをされ、捜査に関して警察がマスコミに漏らしたであろう情報から無関係な人間からも攻撃・口撃を受けたのに…。
あのような晴れやかな結末を描いたことは少し違和感があります。
この状況はつらすぎる。
何も真相がわからないまま憶測だけが独り歩きし、
正義者ぶったマスコミや野次馬、そして一般人だけでなく
知人までもが いわれのない牙を家族に向ける。
被害者かもしれないのに、この状況はつらい。
そして緻密によく書かれている。
未成年による凶悪犯罪も どうかならんのかな。
未成年を保護するとか言ってはいるが、結局一部を保護する
為に最も被害を受けるのは、弱い立場だったり正しい行動を
しようとした「未成年」。
両方未成年なら「法」は諸刃の剣、相手もやったもん勝ちは同じ。
だからやる側になると決めたら、極振りする。
未成年の過剰な保護をやめた方が、世の中 生きやすくなるのでは?
一部の悪ガキと、そいつらを食い物にしているアウトローたち、
そして一部の弁護士は困るかもしれんけど。
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