国葬

劇場公開日:

国葬

解説

国際的に高く評価されるウクライナ出身の鬼才セルゲイ・ロズニツァ監督が、ソ連の独裁者スターリンの国葬を記録した貴重なアーカイブ映像を基に製作したドキュメンタリー。1953年3月5日、スターリンの死がソビエト全土に報じられた。その後リトアニアで、国葬の様子を捉えた大量のフィルムが発見される。200人弱のカメラマンによって撮影されたそのフィルムは幻の未公開映画「偉大なる別れ」のフッテージで、モスクワに安置されたスターリンの姿、周恩来ら各国共産党と東側諸国の指導者の弔問、後の権力闘争の中心となるフルシチョフら政府首脳のスピーチ、そしてヨーロッパからシベリアまで、国父の死を嘆き悲しむ数千万人の群衆の姿が鮮明に記録されていた。人類史上最大級の国葬の記録は、スターリンが生涯をかけて実現した社会主義国家の真の姿を明らかにする。

2019年製作/135分/オランダ・リトアニア合作
原題または英題:State Funeral
配給:サニーフィルム
劇場公開日:2020年11月14日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0人間の表情ほど面白いものはないと痛感させる

2020年11月29日
iPhoneアプリから投稿

怖い

11月14日に公開された本作は、コロナ禍にもかかわらずヒットスタートを切っている。ロシアを代表するドキュメンタリー作家、セルゲイ・ロズニツァによる"群衆"がテーマの3作の中の1本であるこの『国葬』が、なぜ人々を惹きつけるのか?この疑問に筆者自身の感想を以て答えたい。かつてソビエト連邦をその粛清政治によって統治したスターリンの葬儀を、無音のまま、延々の映し出す映画は、最初は少し見るのが辛い。だが、スターリンの遺体に別れを告げるため、モスクワ各地から(時には巨大な花輪を抱えて)集まってくる市民の表情を見ているうちに、人間の顔ほど面白いものはないことに気づくのだ。それも、並の数ではない。彼らはまるで蠢く昆虫にように一定の法則に則って列をなし、やがて、棺に近づくと、一目だけでもスターリンの死顔を見るために首を捻り、女性たちはハンカチで涙を拭う。それら、演出されたものではない民衆の顔、そして顔が、見る者の心をつかんで離さないのである。こんな映像体験は唯一無比。今は消滅した社会主義国家と、一部存続している独裁国家を形成する民衆心理を読み解く手がかりにもなるはずだ。

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清藤秀人

3.5【独裁者スターリンが亡くなり、何千万人もの人々が涙しながら葬儀を行う様を一切のナレーション無しに延々と描き出し、最後にスターリンの遺体がその後どうなったかをテロップで流す物凄いドキュメンタリー映画。】

2025年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

知的

難しい

ー 1953年3月5日 スターリンの死去が様々な方法で、ソ連の各地方に流される。驚くのはスターリンの死の原因が詳細に民に伝えられるところである。
  そして、ポーランド、フィンランド、中国、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、ドイツ、グレートブリテン共産党の要職者たちが、次々に飛行場に降り立つ。笑顔はない。
  スターリンは、共産党のシンボル色の真っ赤な棺に入っている。その死に顔をカメラはしっかりと捉えている。
  そして、広場にてマレンコフから始まる追悼スピーチが始める。涙する多数の女性達。このフィルムは、各地から取り寄せたモノだそうで、モノクロ、カラーとあるが、それを
セルゲイ・ロズニツァ監督は、違和感なく繋いでこの物凄い国葬を映し出しているのである。
  2時間が過ぎた所で、漸くテロップが流れる。そのテロップの文言は実にシニカルである。
  ”スターリンの独裁時代に、2700万人の人達が殺害、拷問、強制収容所に入れられた。1500万人が餓死した。(ウクライナで行われた、ホロドモールの事である。)1961年まで遺体はレーニン廟で保存されていたが、1956年のフルシチョフによるソ連共産党大会でのスターリン批判により、スターリンの遺体はレーニン廟から出された。”と流れるのである。

<延々と、物凄い規模のスターリンの国葬シーンを何のテロップ、コメントなしに流し続け、最後にスターリンの個人崇拝と独裁による多くの問題を指摘したフルシチョフによるスターリン批判により、レーニン廟から遺体は出されたというテロップを流す、セルゲイ・ロズニツァ監督が観る側に伝えたかった事が、物凄く良く分かるドキュメンタリー映画である。>

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NOBU

4.0観て良かったドキュメント

2024年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

配信で視聴。
ソ連(現在のロシア)のレーニンの国葬の様子。
情報が当時厳しかったソ連でここまで国葬の様子が映像で
のこっているとは驚いた。
ソ連や今のロシアの賛否は度外視して、ドキュメントとしては見事な作品。
観て良かった。

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ナベウーロンティー

5.0スターリンはロシア人ではない。マレンコフはマケドニア人。

2024年1月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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アンドロイド爺さん♥️