ディック・ロングはなぜ死んだのか?

劇場公開日:

ディック・ロングはなぜ死んだのか?

解説

田舎町で起こったある殺人事件の顛末を描いた、「スイス・アーミー・マン」のダニエル・シャイナート監督によるダークコメディ。売れないバンド仲間のジーク、アール、ディックは、練習と称してガレージに集まり、いつものようにバカ騒ぎをしていたが、ある原因によってディックが突然死んでしまう。誰もが知り合いの平穏な小さな田舎町では、事件の噂がまたたく間に広がり、人びとの話題はディックの死でもちきりになる。殺人事件として警察が捜査を進める中、ディック死亡の真相を知るジークとアールは、なぜか彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。

2019年製作/100分/PG12/アメリカ
原題:The Death of Dick Long
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2020年8月7日

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映画レビュー

2.0感想を聞かれても困るが、気持ちは吐露したくなる映画

2024年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

アメリカの片田舎で起こった殺人事件。その被害者の死の真相を追うサスペンスといったところなのですが、主人公がやっている中年バンドの練習風景から始まるこの映画。

彼らのバンド「ピンク・フロイト」のグダグダな演奏が披露された後は、練習もそこそこに「ハメ外すか?」と飲酒して花火を打ち上げ、空き瓶・空き缶を的に射撃をし、焚火に小便をかける。と、いい年してこのノリで楽しいのかな?と思うのは自分が根暗だからなのか?と思っている間にシーンは移り、バンドメンバーの1人ディックが重傷を負ったため、病院へ運んでいく主人公とその友人。ところが何故か病院の前に重傷を負ったディックを放っぽり、その場を離れてしまいます。
結果ディックはそのまま死んでしまうのですが、ディックが重傷を負った理由を知っているハズの主人公と友人の2人は、これまた何故かディックに何があったのかを隠蔽しようとするのです。

ところがオープニングで見た印象の通り、2人とも別に知恵がまわるタイプではないので、短絡的なアイディアと嘘で施された隠蔽工作はほころびだらけ。だが事件を追う保安官側も、のどかな田舎の保安官のため、のんびり捜査を続け、直ぐには真相にたどり着かない。
こんな感じで特に緊張感もなくヌルい展開なのに、ナチュラルに墓穴を掘りまくり、いつの間にか追い詰められた主人公はとうとう自分の妻に事件の真相を告白するのです。
そこで明かされた真相があまりにもあんまりな内容のため、もう観ているこちらは笑うしかありません・・・。
しかし当人達は悲惨そのものなのです。こんな真相が小さな田舎町で周知されたら明日からどの面下げて生きていけばいいのか?そのことに思いを馳せると何ともいえない気持ちになるのですが、幸いなことに真相が真相なだけにあまり共感ができない!
もうこちらの気持ちは戸惑いながら森へと消えていくコメットとシンクロしています。

別に見る映画に毎回人生の糧になる何かを求めている訳では無いのですが、こんな話を見せられてどうしろというのか!?
かつての木曜洋画劇場の解説者 木村奈保子さんに「あなたのハートには何が残りましたか?」と問いかけられたらこれ程困る映画もありません。(いや、木曜洋画劇場で放送された映画は結構答えに困る作品が多かったのですが…)

しかし世の中には、あぁ面白いなぁ、楽しいなぁという感想を抱いてもエンドロールが終わった瞬間から内容を忘れてしまう映画というものもありますよね?
そのような映画に比べたら、コレはいったい何だったのだろう?と思わせる、尾を引く映画です。お勧めはしませんが得難い経験をさせてくれると思います。

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モアイ

2.5なんだこれ?

2023年9月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とにかく馬鹿話
どこまでも馬鹿話
笑いどころがない馬鹿話
静かに馬鹿話
ミステリーっぱい馬鹿話

そんな映画でした。

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zem_movie_review

2.0おバカ映画は嫌いじゃないけど

2023年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この手の性癖はあまり好きじゃないんで。
嫁さんがあまりの馬鹿さに茫然自失するさまと
警官がえ?!ひょっとしてこういうこと?
にたどり着くところなんぞ笑えるが
この手の性癖はあまり好きじゃないんで。(強調)
40点
アレックスシネマ大津 20200908

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NWFchamp1973

3.5妙な哀愁

2023年6月12日
PCから投稿

とある事件をファーゴ風に語っていく。

あきらかにおかしいのに、つくっている人も演じている人も笑わず笑わせようともしない──を徹底すると、コメディになりえる。たとえばジャームッシュやジャーヴェイスのThe Officeみたいな感じ。

ポイントは「笑わせたい欲」を完全に払拭しにじみ出させもしないこと。ばあいによってはコメディだと認識される必要すらない。日本だとはねトびみたいな感じだが、総じてオフビートはあちら(海外)の方が得手だろう。

今最も旬の監督コンビといえばDaniels(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート)。オフビートの(斜め)上をいく「なんだこれ」なクリエイターだと思う。

映画The Death of Dick Longはシャイナートの単独仕事だが「なんだこれ」なエスプリを含有しつつ、主人公が陸続として苦境にはまっていく演出が巧かった。

──

バンドもやっている仲の良い三人の男。それぞれ恋人や妻子をもつ善良と言っていい男たちだが、秘密がある。
飲んでハメを外すと厩舎で馬を掘ったり馬に掘られたりする。
トリオ「ピンク・フロイト」はじつは獣姦仲間だった。

話は実際にあった事件から翻案されている。

獣姦は変態行為だが、男たちはそのこと以外は、いたって穏やかな家庭人であり、だからこそオフビートが加速する。

失策を糊塗しようとして、さらに失策をかさね、にっちもさっちもいかなくなっていく演出が上手だった。

太って緩慢な警官はファーゴを思わせたが、映画はコメディよりも哀感へ振っている気がした。

映画内の男たちは要するに酔ってやらかすわけだがその意味ではマンチェスター・バイ・ザ・シーに似ている。

むろん突飛な比較対象なのは解っているが、酔って途方もないことをやらかし、その後の顛末を哀感でつづっていく──ゆえに両者は近似プロットだった。

スイスアーミーマンやエブエブをクリエイトしたDanielsのテーマのひとつはおそらく人間がもっている複雑さだと思う。

獣姦を習癖としてきたジーク(Michael Abbott Jr.)だが、素は妻子を愛する穏やかな家庭人だ。であるなら、無垢な娘の視点から、獣姦で捕まった父親はどのように見えるのか、どのように納得すればいいのか。──その複雑さに対する哄笑と哀愁がDanielsの狙い、ではなかろうか。と思った。

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津次郎

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