ルース・エドガー

劇場公開日:

ルース・エドガー

解説

17歳の高校生ルース・エドガーの知られざる内面に迫り、人間の謎めいた本質とアメリカの現実に鋭く切り込んだサスペンスフルなヒューマンドラマ。バージニア州アーリントンで白人の養父母と暮らす黒人の少年ルース。アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服した彼は、文武両道に秀で、様々なルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている。模範的な若者として称賛されるルースだったが、ある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立するように。ルースが危険な思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母にも疑念を生じさせていく。「イット・カムズ・アット・ナイト」のケルビン・ハリソン・Jr.が主演を務め、教師ウィルソンを「ドリーム」のオクタビア・スペンサー、養父母をティム・ロスとナオミ・ワッツがそれぞれ演じる。監督は「クローバーフィールド・パラドックス」のジュリアス・オナー。

2019年製作/110分/PG12/アメリカ
原題:Luce
配給:キノフィルムズ、東京テアトル
劇場公開日:2020年6月5日

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映画レビュー

4.0不穏で、いい意味で人を不安にさせる

2020年7月31日
PCから投稿

学校で一番の優等生は、実は恐るべき存在ではないか? そんな疑念が雪だるま式に膨れ上がるミステリーだが、ミステリーを解き明かすことが重要な作品ではない。むしろ疑念は大きなるばかりで、すべては見た目とは違うという普遍的な真実と、それによって右往左往する大人たちの姿があぶり出されていく。タイトルロールの優等生ルース・エドガーについても、一体どんな人物なのかを明確に提示してくれたりはしない。少なくとも、劇中の親たちが思うような子供でもないし、先生が抱いた疑いも的中していたとはいい難い。ただ、押し付けられたイメージに抗う子供の底知れない複雑さに、観客として狼狽えるしかないのである。もちろんこの映画の背景には人種や差別の問題が横たわっているが、われわれが、普段いかに物を本質を見ることなく、都合のいいものを拾い集めて生きているかを突きつけられて、いい意味で不安になる映画だと思う。不安になれてよかった。

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村山章

4.0自分に見えていない部分に光を注ぎたくなる一作

2020年6月30日
PCから投稿
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牛津厚信

3.5やらない善よりやる偽善

2024年3月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

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jnk

4.0バランスとアンバランスの均衡

2023年11月4日
スマートフォンから投稿

アメリカという国は、一部の優秀な人間がその他の愚民を率いる教育方針だ。有能な者はどんどん引き上げ、ついてこれない者は次々切り捨てられる。
アメリカという国は、個人レベルから、自分の利益のためならばそれ以外がどうなってもいいと考える。自分が、自分たちが全てを得ようとする。
アメリカという国は、人種のるつぼだ。差別も根強い。差別への反発として抵抗意識も強い。

アメリカが抱える問題点や、アメリカ人らしい思考を巧妙に組み込んで、笑えるくらいにおぞましく恐ろしい脚本は関心するしかない。
ある意味で、アメリカという国を表現したらこうなりましたのような作品だ。

メチャクチャ面白いというわけではないので絶賛はできないけれど、当事者のアメリカ人ではないからこそ関心を持って観られる作品だったのではないかと思う。
アメリカ人にとっては普通の日常で、何が面白いのかわからないだろうから。
つまり、この作品に潜む不気味さがアメリカ人にとっては不気味に感じないということだ。

チラッと映る、アフリカ系だけのチアの面々が「私たちは出来る」と掛け声をかけながら練習に励むシーンなどは、更に凝縮された「濃縮アメリカ」のようで、面白くもあり気味悪くもある。
物語のバランスに対して、アフリカ系だけのチアというのは実にアンバランスだ。このバランスとアンバランスで均衡が取れているところが気味悪さの理由だろう。
なんともチグハグなのである。

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つとみ
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