"That's the idea!!" ハハハ、それが人生さ! 意味不明支離滅裂悲劇的コメディ。常に流れるやたらと情緒的音楽に、脈絡ないセックス/ベッドシーンと、挨拶や胡散臭い笑い声と、フットボールと、説明セリフの羅列または執拗なほどの繰り返し --- かと思ったら突然「人生って〜」みたいな深い話したがる。ワ〜イ、ワ〜イ、ワ〜イ(Why)!? 友人マークは「彼は俺の親友だ」ばかり言って、婚約者リサは「彼を愛してない」ばかり言って、リサ母は「彼と結婚すべきよ」ばかり言う一本調子。まず主人公ジョニーを皆買いかぶるように色々褒めちぎる傾向にあるけど彼の人間的魅力がまるで伝わってこない。あと英語に流暢じゃなくても分かるほどのトミー・ウィソーの棒読み"演技"下手すぎる。全編ツッコミどころ満載で、それは一度見ただけでは追いきれないほど(ex. リサ母のガン、ジョニーの友人新キャラ出てきすぎ)。撮影や編集もあまりにヒドくて、言ってしまえばカットすべき無駄なシーンやグダグダした不毛無意味なやり取りしかない。屋上シーンは漏れなく雑コラ。本作を形作る全ての要素がしつこくクドく不自然ミスマッチでカオスに雑然と散らかっている。 "That's life." そういう風に本作の"笑いどころ"とはつまり(ヒドすぎて)"笑うしかない"というものであり、まさしく偶然の産物、怪我の功名的モノである。そして、そんな奇跡的チグハグ"笑える"部分以外は全体的につまらない。ちなみに個人的に本編中で初めて声上げて爆笑できたのはダニーのドラッグ問題を同じ質問で執拗に問い詰めまくるリサ&母の目まぐるしすぎるカットバック祭。それでもきっとトミー・ウィソー本人の頭の中では神話やシェイクスピア的悲劇を目指していたのかもしれない。普通の人は誰もこんなヒドいものを作ろうと思わないから --- だから本作は幸運にも前例が無かったために"カルト映画"という地位を得られたのだろう。そういう視点で見たときに、ある意味でタキシードでのフットボールのシーンは"真逆"『レザボアドッグス』のアイコニックなOPシーンのようでもある? ということで良く言えば反面教師だけでなくその実行力から映画作る勇気は貰えるかも。臆病者め、コーッコッコッコー。ところで君の性生活は?(←本当にコレくらい急カーブに放り込んでくるので笑うしかないです) "You're tearing me apart, Lisa!!" "Anyway, how is your sex life?" 今年有料鑑賞21本目