わたしはダフネ
劇場公開日 2021年7月3日
解説
母親を亡くしたダウン症の女性が残された父と2人で旅をし、悲しみを乗り越えて互いに理解を深めていく姿を描いたヒューマンドラマ。明朗快活なダウン症の女性ダフネは、スーパーで働きながら両親と平穏に暮らしていた。しかし、母マリアが亡くなったことで生活が一変。年老いた父ルイジは自分が死んだら娘がひとり残されてしまうという不安にかられ、ふさぎ込んでしまう。そんな父にダフネは、一緒に母の故郷の村を訪ねてみようと提案。その旅は、母であり妻であった愛する人の死を乗り越え、父と娘が互いを理解しあうための、かけがえのない時間になっていく。監督は、長編劇映画はこれが2作目となるフェデリコ・ボンディ。2019年・第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で国際批評家連盟賞を受賞。ダフネ役のカロリーナ・ラスパンティは自身もダウン症で、ボンディ監督に見いだされて本作で演技に初挑戦した。
2019年製作/94分/イタリア
原題:Dafne
配給:ザジフィルムズ
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2022年3月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー 当時の資料を読むと、今作の監督・脚本を手掛けたフェデリコ・ボンディは数年前に偶然見かけたバスの停留所で立ち尽くすダウン症の女性と父親2人のイメージから、今作を着想したそうである。
だが、今作では、妻を突然失いふさぎ込むルイジ(アントニオ・ピオバネッリ)に対し、娘のダフネ(カロリーナ・ラスパンティ)は愛情の裏返しの様に、父に掛ける言葉はシニカルで厳しい。
けれども、二人の仲はとても良さそうだ・・。-
■カロリーナ・ラスパンティさんは、劇中のダフネと同じように地元のスーパーで働きながら、自伝本を2冊上梓する程、活発な女性だそうである。
ダウン症の映画俳優と言えば、近年ではザック・ゴッサーゲンの活躍が目に付くが、この女性にも、光が当たって欲しいと思った程の自由奔放な演技であった。
◆感想
・突然、妻を失い呆然とするルイジに対し、気丈にキビシイ言葉を掛けるダフネの姿が印象的である。
・そして、ある日ダフネは父に”お母さんの故郷を歩いて尋ねよう!”と提案する。
- 実際には、列車に乗ったり、親切な若い兵隊さんに車に乗せて貰ったりするが、ダフネは誰に対しても、ユニークさを忘れずに接する。-
・氷室を除いたり、漁師宿に泊まったりしながら、二人は母の故郷コルニオーレを目指す。
<父にキビシイ言葉を掛けつつ、ダフネは父の健康(喫煙)を気遣い、”頼りにしてね・・”等と言いつつ、一緒に山道を歩き、何気ない会話を交わす二人。
二人の仲間達の温かさや、旅の途中で出会った人々のさり気ない優しさ。
そして、二人は亡き母の故郷の家で、新しい生活を始めるのだろうな・・、と思った作品である。>
■ダウン症を蔑称で蒙古症と呼んでいた事を今作で初めて知った。
愛らしいダフネ。顔は可愛い訳じゃないけど、愛嬌がものすごくある。
だれからも愛されるダフネ。
旅に出るまでは少々長かった。
母親の故郷について少し経つとすぐエンドロールだったのでもう少し掘り下げて欲しかったような気もします。
総理の夫と迷いましたがダフネを見てよかったです。
2021年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
退院後、一発目に観たのが、この映画。
入院中と同じ、ダウン症の方を扱ったものであった。
ダウン症の方の中には、様々な才能のある方が沢山いる、「ザノンフィクション」でダンスのメチャ上手な方の回が確か2回あったが、彼は苦悩しながらも生き生きとしているものの、ご両親の心配さは半端なかった。
この映画のお父さんも、伴侶を亡くし、多分自分が先に死ぬので、同じような気持ちなのだろう。もはや、娘は妻であり、母であるのだ。
2021年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ダウン症の方の中には演技やダンスの上手い人も見かける。独立心の強いダフネの生き方は応援したくなる。高齢となったお父さんと生きてきた軌跡が映画を通じて伝わってくる。「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」と並ぶ心温まる作品。
すべての映画レビューを見る(全18件)