花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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人の価値観は変わっていく
結婚は 早とちりか 勘違いか 若気の至りでするもの
勢いとタイミングを付けて踏み切り、その後の事は運と努力。
これが私の持論です。
相手の家の本棚が まるで 自分の物のようだ。
そんな人に会えた奇跡は 完璧すぎて
だからこそ 時間が経つにつれて色褪せてしまったのだ。
ナレーション多用の脚本は
やり始めると 手放せない。と言う。
見始めて数分で 「あ、これって」と気づいた。
知ってたつもりが時間たって忘れてた。
坂元裕二脚本は 今夏ドラマの「初恋の悪魔」で今までとは違う感想を持った。
初回はもう全くダメで、見てられないくらい。
続けて見る気持ちは持てなかった のが
録画を溜めて置いた間に 評判がウナギ上りに。
じゃあ見てみるかと思ったのはラスト三話って感じの頃。
一気に見始めて どっぷりハマった。
面白かった〜〜。
やっぱり 坂元さんだった!
それに比較するとこの作品は 坂元カラーは出だしから容赦ない。
若い頃にこんな恋がしてみたかった
そう思う気持ちの反面 こんな恋は怖くて生きた心地がしないような気もした。
2020年に死んだ夫は、私と重なる趣味など何一つない人だった。
海水魚と淡水魚が河口付近で暮らしてるような
そんな結婚生活だった。
初めて会った時
今までの私の生活にないものばかりの生き方をしてるから
珍しくて惹かれた。
若気の至り です。
21で結婚し22で子どもを産んだ。
そう
彼女が 妊娠してしまわなかった事
そこに この恋愛の終わりがあったんだと思う。
男の側が 夢を捨てて就職し
会社の雰囲気に丸ごと染まって 言ってみれば いわゆるオトナになっていくのを 彼女はつまらないと感じるっていうのが うーむ、、、
こんな事はリアルに実在するのだろうか
という違和感は湧くかもなあ、、、
そう、、、
つまり 彼女は あの 社長みたいな男を 求めたせいで
彼に 冷めてしまったのだ。
子どものいない女が冷めたら 早い。
女は子どものいるいないで 別人になるからね。
別人に
なるべきだとも思うし。
坂元裕二さんも 評判を重ね
違うもの 違うもの と 食指を広げて
様々なチャレンジをされている気がする。
恋愛の綺麗なとこだけ束ねられたら
こんな感じで別れられるのかもね。
初期の距離が縮まっていく過程は恋愛した人誰もが懐かしく感じるとこだと思う。
主人公の2人が穏やかな性格なんで、泥沼にもならずに淡々と距離が遠ざかっていく。
個人的には先輩が死んだ時の2人の感情の違いに共感が出来た。
サブカルあるあるのてんこ盛りに胃もたれしたけど、そうそう!って思える自分もいた…笑
そこまで同じ趣味思考の人いるかよ!って思ってたけど、これも恋愛あるあるで当時は好きなフリしてたというのがリアルで良かった。
男女の違いを感じる映画
最初の出会いは恐ろしいほど趣味・趣向が一致する事への驚きと感動から始まる。それが2年続くが彼氏のほうが就職してから歯車が狂い始める。
価値観が似た者同士だと、少しのズレが生じると、そのズレが大きく感じ、その積み重ねでやがて修復不可能になる。
この映画の場合もそうだけど、別れるまでに関係維持に努力しようとする気持ちは女性のほうが大きい。だからもう無理!となったら女性のほうが踏ん切りが早く、別れた後も引きづらない。男のほうはというと、忙しさや面倒くささにかまげたり、意固地な部分があり、努力しようするエネルギーを女性ほど使ってないので、別れる時や別れた後も悔いと情が残って引きづってしまう。
私も20代の時にそんな恋愛をしたのを思い出しました。
今では、その当時の彼女に、「有難う!」と「幸せになってね!」という気持ちです。
一番ジーンときたシーンは、出会った頃の二人と同じような会話をする清原果耶のカップルの場面でした。ただ、ちょっと似すぎている点がマイナスでした。
あの光景を見て二人が涙した理由は「後悔」ではなく「情」だと思いました。
★1つマイナスなのは、こういう恋愛映画で不可欠な音楽が不足していた点ですね。素敵なサントラだったら90点だったと思います。
取るに足らない
おじさんでもグッときました
大学生から大人への恋のロードムービー
どこかにありそうな、友達に聞いたことあるような恋愛物語。
音楽のMVとか、カラオケの後ろで流れてそうなあるあるって感じでもある。
けど、配役がめっちゃハマってて、テンポが良くて、1出会い、2進展、3マンネリ、4別れの気持ちの動きがすごく伝わってきて、スッと物語にはいれて面白いかった。満足です。
最後のお店のシーンは個人的にはめっちゃ好きです。対照的な2組のカップルによって、1出会いと4別れがすごく切なく伝わってくる。
きっといつまでも思い出の中で相手のことが残るんだろうなって、余韻がなんともいえない。
嫌いになったわけじゃないけど、別れてしまう。恋愛って、人って不思議。
大学生と社会人とか、見る時の年代によっても見方、感じ方の変わるだろう映画だと思います。
収まりのいい恋愛映画でした😊
くるしい
趣味合い過ぎもいかがなものか。
~さよなら興行~「テアトル梅田を彩った映画たち」にてリバイバル上映。
ヒット作ですがあまり観ないジャンルなのでスルーしてました。せっかくの機会なので思いきって行ってみたけど、やっぱり好みじゃなかった。
もう同じような展開でダラダラし過ぎてて途中からかなり飽きモード突入。ただ猫はかわいかった。猫にだけは幸せになってほしい。だいたいいくら意気投合したからとて初対面で聞かれてもないのに「好きな言葉は替え玉です」ってあざと過ぎるでしょう。互いにサブカル好きをアピールし合う感じも逆に嘘臭かった。
花束ってのもそれぞれの感じ方で私はどっちかと言うと否定派(それなら食べ物とかが良い)なので花束みたいな恋=素敵な恋というイメージはない。
ほころびが速い!!
坂元裕二が現在にアップデートされて、ミーハーな饒舌っぷりが健在でした。出会った頃の「~ですね」口調が好きです。一般的な東宝の恋愛映画よりレベルが高いですが、別れる事が決まっているので、中盤からのほころびは出だしに比べて繊細な描写では無かったと思います。また麦が男らしくなく、お前しかいないという思いを感じませんでした。終盤で語る結婚観もまさに広告会社のそれにすっかり毒されていて、がっかりしました。絹も血迷って正社員から派遣に切り替え、直接的な描写は無いですが浮気をする等素敵には見えなくなりました。最後はしょんぼりするので、その後の気取った台詞も鼻につき、何か好きかもで始まった映画も、観終わったら二人が嫌になりました。現実の、ラストダンス殺人事件(1983)の方が切ないです。
やっぱりそうだよなと思ってしまう
知人に勧められて今更ながら鑑賞。
出会ってから偶然に偶然が重なり、二人は付き合った。
こんな風に好きなものが悉く同じなことなんて現実にはないだろうなと思ってしまう
一部は現実と比較して、一部はこんな風になりたかったな、と願望をのせて観ていた
付き合い初めは写真に映えるようなキラキラとした瞬間の連続
楽しかった思い出がフィルムのようにどんどんと残されていく
二人が好きなものを一つずつ持ち寄って、花の束を作っていくように二人の世界ができて、二人の生活が続いていく
二人は二人の生活を続けるために、人生の分岐点で選択をした
絹は趣味を楽しみながら、自分ができることで暮らしていくこと、
麦は生活のためにお金を稼ぎ、責任を持ち、社会に同調して生きること、
をそれぞれに選んだように見えた
当然のことだが、学生から社会に出ることで生活は一変し、ずれが生まれた
二人の生活を楽しむ時間と体力、仕事にかかる責任、スケジュールの調整、所属するコミュニティの違い、これらの差にぶつかり合うことは必然であり、映画の中の二人もそうだった
わかっていた展開だが、なんとはなくこうなってほしくなかった
作品中は実名、作品名がかなり登場する
"素敵な二人の物語"ではなく
きっと"どこにでもいる、誰かの物語"
でもあるのかというくらいリアリティに富んでいた
数年一緒にいることでマンネリズムも避けては通れない
家族のようになれることに良い面と悪い面があり、麦はそれを肯定的に捉え結婚という選択肢を提示したが、絹はそうではなかった
この作品は、綺麗な思い出の描写の方が多い。
すれ違い、何度も何度も耐え忍び、別れる決断に至るまで
どれほどの葛藤と悩みがあったかは計り知れず
それらを想像することで胸が苦しくなった
男女の考え方の違い、現代の恋愛観もよく表されていて、同じような世代を過ごした自分にとってはかなり共感できる部分があった
最後のファミレスのシーンでは、絹の主張が少ない。
前のシーンまでのセリフで心情を考えるしかなかった。
あの頃は良かったなぁ、は誰でも思うことであり、もう少し言葉を聞きたかった、
物語の中で何を思っているか、よりも
何を伝えたかを見たかった
始まりから終わりまで
菅田将暉×有村架純
このペアは、見た目が美しいので、眼福!
大学生で出会い、そこから同棲〜就活〜社会人と、カップルが二人の時間を過ごしていく。
鑑賞しながら、なんだか懐かしくなり。感情移入しながらみてしまった。
この映画、現在付き合い始めたばかりのカップルが見れば、二人でこんな最後想像できないね〜❤となるかもしれないし、倦怠期を迎えている熟年カップルは、なにかのキッカケになるかもしれないし。山あり谷ありいろんなことを経験しているカップルにとっては、、、どう感じるかなぁなど、鑑賞しながら、いろんな立場の人が見たら良いななんて思った。
うまく行ってるときは、本当にその存在が心地よくて、心強くて、本当に幸せなんだけど、環境が変わっていく中で、変わらない部分が同じならうまくいくのに、一度歯車が合わなくなると、変わってしまう。
経験したことがあるからこそ、このストーリー展開はなんだか、他人事では終わらなくて、切なかったなぁ。
麦くん(菅田将暉)が、就職して、良くも悪くも大人になって、”普通の大人”になってしまったことが、絹ちゃん(有村架純)にとっては物足りなく感じてしまったのだろうな、、、物足りないっていうか、変わってしまったことが寂しかったのかな。
タイトルの”花束みたいな恋”にすごく共感できた。花束になったときは、その花の一番美しい状態で、でも、その花は時が経っていくと、枯れてしまう。そのままドライフラワーにしてしまったとしても、もともとの花束のような美しさとは異ってしまう。
それはそれで味が出てくるのだけど、今回は、そうはならなかったみたいね。
ラストの二人の別れ話のシーンはとても見ていて切なくて。若かりし頃の自分たちのようなカップルのシーンはちょいくどかったけど(笑)でも、その後の抱き合いながら泣いてしまう二人にキュンときた。せつなーい。
自分の人生の中で、たった一時でも、相手のことが大好きで、花束のように美しい恋愛をすることができたことは自分の財産になり、不思議なことにいつまでも色褪せることがないのです。
なんか苦笑いが浮かびます。
コミュニケーションツールが違うだけで恋愛の仕方は古風だなと思った
小説や音楽や映画などは昔から共通の趣味として恋愛のきっかけになることが多いのでこの恋愛の仕方が今風という印象はあまり感じなかった。むしろ、アラサーの私たちが学生の頃にしていた恋愛に近いのでどちらかと言えば懐かしい恋愛の仕方という気もした。
この作品で印象的なシーンの一つがイヤホンの話。
「LとRで鳴ってる音は違う、片方ずつ聴いたらそれは別の曲なんだ」というニュアンスのセリフ。
作品のメッセージ性を考えるのならこの説教は正しい。二人で同じ方向を向いていたつもりだったけど、実は違う方向を向いていたというこの作品の結末への収束としてはあってる。
ただ、恋愛している立場からするならば、作り手への敬意や聴いている音楽がどうとかよりも、好きな人とイヤホンで繋がっているという状況そのものが幸せでそれどころではない。
初めの頃は距離があるから引っ張って相手のイヤホン抜けないかなという気遣いをする。だんだんと距離が縮まって、肩を寄せ合いながら心臓の鼓動聞こえてないかななんて考えていることが幸せだった。
まったく同じ音楽を聴くことにそこまで意味はなく、○○という曲をイヤホンを分けて心臓の鼓動を気にしながら聴いたみたいなのが甘酸っぱくていいんだよなと思う。
この曲あいつ(元カレ、元カノ、片思いの相手)と聞いたなって人なんてごまんといると思う。
冒頭の注意しに行くシーンは他人の恋愛に水差すなよとはちょっと思った。
今はもう完全ワイヤレスのAir Podsなどがあるのでケーブルを気にすることも少ないだろうと思うと少し寂しい気もする。
個人的にこの作品で一番すごいと思ったのは作中の挿入歌。
カラオケのシーンで1回目はキノコ帝国さんの「クロノスタシス」と2回目はフレンズさんの「NIGHT TOWN」が使用されている。
これは私の妄想に過ぎないかもしれないが、付き合う前の1回目のカラオケで歌っていた「クロノスタシス」のPVでは冒頭画面中央に女性が夜の街を一人で歩いているシーンから始まる。別れる前の2回目のカラオケで歌っている「NIGHT TOWN」のPVでは同じように夜のシーンを男女が歩いている所から始まる。こんなシャレたことをしているのかとびっくりした。
本作で共感してしまったところが、終盤に向けて二人が大喧嘩をするシーン。
「麦の言葉で就活をあきらめて好きなことをして生きていきたい絹」と「絹と暮らすために就職して社会性や協調性を身に着けてしまった麦」。
絹からすれば「あんたが就職しなくていいって言ったんじゃん」になるし、麦からすれば「社会人、大人になるっていうことは社会性や協調性持つこと、俺は甘く見てた」ということだと思う。
正直仕事を辞めたいと思っている私にとってはどちらも強く胸に刺さってしまった。
「仕事をするために生まれてきて人生の大半を仕事に捧げて死んでいく人生でいいのかという自分」と「生活していくためには金が要る、嫌でやりたくない仕事でも生きていくためにはやらなければならないという自分」の葛藤。
麦は好きなことを仕事にできずに就職をしたが、私は好きなことを仕事にしたがだんだん好きじゃなくなってきた。
人生なんてそんなもの。好きなことを仕事にしても楽しくもなく楽でもない。大半の大人は社会性や協調性をもってやりたくもない仕事をこなしているだけでまともに働いていると思い込んでいる。
絹のように甘い考えでも最低限生きていける環境があるのならそれが人生一番楽しいかもしれない。
作中で気になっていたことは、ミイラ展とガスタンク。
"あれもこれも同じものが好きなんて運命みたい"な感じだったが、ミイラ展とガスタンクだけはお互いに微妙な空気が流れていた。それでもお互い初めの方は興味ある風を装っていたが結局お互い興味なかったということが終盤に明かされていた。
本作品では小説や映画に関しては作者の名前とか作品名とかなどの薄っぺらい情報のみで意気投合しており、逆にガスタンクやミイラといった本人たちがより興味を持っていることにはお互い興味がなかったので実は大して運命的な出会いでもなかった。
ほんとに細かい所まで表現しているなと思ったのが、ミイラ展の感想を話し合っているシーンの後の足元が映っているシーン。
絹の足は閉じて麦の方をしっかり向いているのに対して、麦の足は八の字開いている。
男性の足は大体そんなものと言えばそうかもしれないが、このシーンを敢えて描画しているのであれば心理的描写なんだろうなと思う。
ひざやつま先がそっぽを向いていると興味がないということを表現していたのだと思う。
総評としては面白い作品でちょっと懐かしくもあり楽しめた。
こうゆう恋もあるよねという目線で見ても面白かったし、大人になるというのは人生から楽しさや華やかさが失われていくもんだよなというのも再実感した。
「クロノスタシス」と「NIGHT TOWN」といういい曲にも出会えた。
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