1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
全633件中、401~420件目を表示
Poor Wayfarings Stranger
美しい(きれいな)戦争映画だった。 今回、アカデミー賞10部門にノミネートされ、日本でもすぐ上映され、公開中に3部門(視覚効果賞、撮影賞、録音賞)での受賞が決まった。作品賞、監督賞、脚本賞はパラサイトに献上。なにをやってんじゃと思うけど、イギリス・アメリカ合作のこの作品を見に行った。 第1次世界大戦時の1日を切り取るように若きイギリス兵のスコフィールド上等兵とブレイク上等兵を中心に描いた 美しい(きれいな)戦争映画だった。くどい? 戦争映画としての特徴は塹壕の場面が非常に多かったことだろう。非常に多数の兵士を細かく描写し、帯同して移動しているような気分に長く浸れた。ネズミも怖かった。ドイツ軍の塹壕での爆破シーンは10㎝ぐらい飛び上がった気がした。わたしはブレイク上等兵に感情移入していたので、ブレイク上等兵が死んでしまってからは、スコフィールド上等兵は死なないだろうから、ちょっと安心しちゃって、スコフィールド役のジョージ・マッケイが佐々木蔵之介に似てるなあなどと思う余裕が生じてしまったが。 川を流されるシーンは、よく生きていたなと思う。沢登りしている人はわかると思うけど、ヘルメットなしで、あんな岩場を流されたらひとたまりもありませんよ。まぁ、ダメ出ししてもしょうがないけど、そのあと、大隊の兵士が集まって、中心の一人がPoor Wayfarings Stranger(有名なBlue glass調 country song)をうたっているシーンが哀愁にあふれ、欧米人の戦争に対する真っ当な感情を感じられた。映画の中でPoor Wayfarings Stranger を聞いたのはThe broken circle breakdown (邦題 オーバー・ザ・ブルースカイ)以来だけど。え、ここフランスでしょ。部隊はイギリスでしょ?違和感を解消せねばとWiKi を調べた。確かではないとしながらも、The Dowie Dens of Yarrow というスコットランドの民謡(バラッド)が元歌と英語で書いてあった。そうか、イギリス・アメリカ合作なんだよ。音楽監督はアメリカの人。65歳。この歌、オイラ、一番好きなのは Joan Baez (ジョーン・バエズ) バージョンです ! オイラ、そんなに齢じゃないけどね。劇中で歌っているのは俳優で歌手でもあるJos Slovick。男なのにすごくきれいな声で、哀愁感にあふれていました。YouTubeでもたっぷり聴けますよ。是非。 なお、本作のストーリーはサム・メンデス監督が祖父のアルフレッドから聞いた話を元にしている。大戦中、アルフレッドはイギリス軍で西部戦線の伝令を務めていた(WiKi)。 小説・西部戦線異状なしの最後に、戦争で死ぬのは別に畳の上で死ぬのと変りはない。ただ異常に惨たらしいだけだとある。若いひとがこの美しすぎる戦争映画を観て、勘違いだけはしないでほしいです。
ぜひ「彼らは生きていた」とセットで
ワンカット風かつ大半が一人で走ってるシーンなので、キャラの心情やバックボーンにやや分かりにくい部分があるのと、B級映画なみに撃たれても撃たれても当たらない主人公補正(笑)がちょっと気になりましたが、それを補ってあまりある凄まじい臨場感でした。 まさしく「劇場で見るべき映画」でしょう。 死体の描写が結構生々しいので、グロに弱い人は多少覚悟しておいてください。 そして時間に余裕があるかたは、ぜひ同じく第一次大戦の英対独が題材の「彼らは生きていた」も観てください。 彼らは…で、塹壕での戦闘や生活の過酷さ、泥や有刺鉄線の鬱陶しさ、地名が書かれた数々の板切れの意味…などなどを知っておくと、1917の作品としてのコクが格段に深まります。是非。
戦争は何も生まない
いわゆる戦争映画は「プライベート•ライアン」位しか真剣に観てない自分ですが、ワンカット撮影の謳い文句に釣られてIMAXで。
編集についてはあくまでもワンカット風に仕上げただけだろうと思いながら鑑賞していたので裏切られた感は全くありません。自分がさも2人の兵士の後を歩いているようなカメラワーク、この感覚なんだか見覚えのある感じだなぁと考えてたらわかりました。息子や娘の動画を撮っている時のあの感じです!!カメラを構えてひたすらに被写体を追いかけるあの感じ!!だから本当に最前線に行ってしまった臨場感が味わえました。
何人もの兵士が劇中に出てきますが、誰もがブレイクやスコの様な指令を受ける事もなくいきなり国の為とかで駆り出され、何のために戦っているのか理解できないまま亡くなった人がほとんどなんだろうなと。でもその人達にも家族がいて、色んな事情があって。恨んでもない人を殺めなければいけないってどんな人生なんだよって思ってしまう。今の自分は確かに戦っていますが(仕事してるって意味で)それはあくまでも自分の人生だから頑張れるってもんで、戦争なんて、よっしゃいっちょやってやろーって思う人いませんよね。
敵陣で接近戦もありましたが、やらないとやられるのはブレイクの件で経験してました。心優しい青年にそこまでさせてしまう戦争って、何にも生まないなって痛感させられる映画でした。
遠い昔からある戦争。
でも確かにあった戦争。
1人ひとりのドラマを想像すると、それは果てしなく苦しくてやるせない。
心に刺さる映画でした。
自分が観るところがおかしいのかもしれないが・・・
ワンカット風のシーンはまあまあ緊迫してはいるが騒ぐほどすごいとは言えなかった。 内容も大したことなく退屈に感じるところも多く眠くなってきた。 あと途中の敵に撃たれながら逃げ込んだ先に赤ん坊と女性がいたシーンは必要か?ありえな過ぎて苦笑いでしたよ。
2時間ワンカット
ストーリーは伝令を伝えるだけ。これだけ。 たった1日を丁寧に描く。 映像は私の大好物、ワンカットで進行。 どうやって撮影したのか、CGなのか? とにかく不思議なカメラ視点。 話は先が見えるが、戦争物は息が詰まる。 ポップコーン買わなきゃ良かった。
ブレイク上等兵って・・・
鑑賞中気になっていたのですが… この小太りのブレイク上等兵ってトメン王子ですよね。 父:ジェイミー 母:サーセイ 兄:ジョフリー 姉:ミアセラ あのラニスター家の御子息では。 以前、キングスランディングでお見掛けしました。 お久しぶりです。 立派になられました。
死臭や噴煙、えぐられた泥の匂いまで。
カメラワークの迫力に、戦地のえぐられた泥まみれの土、噴煙や埃臭さ、腐敗する人々の匂いさえもムッと漂ってきそうなほど。
ドキドキして先が読めない
のどこかなじーんとしみる黄緑色の大平原が 映し出されそこから広がる 人間たちの尋常ではない風景が ワンカットで描き出されていく まるで自分も伝令兵とともに戦火の中を 共にしているような体験 余計にドキドキして先が読めず 怖かった このような戦争映画は今までみたことなかった 今回は伝令兵を通して私たちに戦争とはどいうものかを 嫌というほど見せつける
違和感ない時間濃縮がもたらす没入感
日本公開5日目に鑑賞。
Colin Firth に始まり Cumberbatch で終わる道程に、バッチリ没入できました。
背中を追いながら、時折正面に回り込む映像も愉しい2時間でした。
感想を以下の4つのポイントに分けて、書いてみました。
1. 濃縮された時間に没入
2. 臨場感には経験が必要?
3. 友の死を悼み、敵を撃ち殺すのが戦争
4. Thomas Newman の音楽に揺蕩う
🎞️🎬🎥
1. 濃縮された時間に没入
劇場予告や前評判で散々聞かされた、ワンカット(っぽい)映像は、やはり見どころでした。
町山さんの指摘通り、背中を追う映像は表情の演技が犠牲になりますが、観客が主人公(もしくは背後霊)の視線になれる利点もあります。
時折前に回り込んだり、主人公の周りをぐるぐる回る映像も、照明さんや音声さんは何処?って感じの不思議さがありました。
爆破や気絶、河に飛び込む瞬間など、分かりやすくカットを割れる箇所もありますが、かなり長回ししているのは確か。
水死体役の人など、待ってんの大変やろなと随所で感じました。
ただ自分がそれ以上に感心したのが、自然な時間濃縮。
全体の尺が2時間なので、時の流れをリアルに描くと、実際に2時間で移動できる道程しか描けません。
ところが、冒頭に(正確には覚えてないけど)移動には8時間かかるとの台詞。
この時点で、時間経過をリアルには描かない事が分かります。
おまけに、爆破での生き埋め、戦友の死、気絶、母子との交流などでもタイムロス。
車移動や河流れで、大幅に距離を縮めたのかもしれませんが、映画上は短時間なので、時間は確実に濃縮されていました。
しかし、早すぎる筈の時の流れに全く違和感がありませんでした。
おかげで、主人公の視点で戦争を追体験でき、気づけば映画が終わっちゃったと感じるくらいの没入感がありました。
💣
2. 臨場感には経験が必要?
ただ、臨場感があったかと言われると、先週観た「Fukushima 50」には及ばない気がしました。
それは、映画に責任がではなく、自分の経験の乏しさが原因な気がします。
もちろん、全電源喪失(SBO)した原発の中での経験もありませんが、見えない放射能への恐れは、震災時にたっぷり体感しました。
なので、Fukushima 50 が現場でみせる慄きは、かなり臨場感ともに迫ってきました。
一方で、戦場での経験は皆無です。
銃撃も爆破も、ドラマや映画の中の出来事でしかありません。
近くの米軍燃料タンクが爆発して、小学校の窓ガラスが全壊した経験はありますが、ビックリした程度で、恐怖は感じませんでした。
なので、主人公の痛みや恐れまでは、感じ取れている自信がありません。
戦場に対する経験不足を実感しつつ、幸せを再確認しました。
☠️
3. 友の死を悼み、敵を撃ち殺すのが戦争
戦場は未経験ですが、肉親の命が突然絶たれた経験はあります。
なので、敵兵を助けようとした戦友が刺された場面、その死を兄に伝えるシーンでは、心の痛みがよく伝わってきました。
その一方で、友や自分に刃を向ける敵の命は、迷わず奪う。
地球より命が重いのは味方だけで、敵の命まで慮ると、自分が命を失いかねないのが戦場。
きれいごとを言っていられる平和が、ぬるま湯と言われようが、如何に幸せなのか感じ入りました。
🎶
4. Thomas Newman の音楽に揺蕩う
サントラ好きとしては、エンドロールでも流れたThomas Newman の音楽が、かなり心地よかったです。
席を立つ人が結構いたのが、ちょっと信じられないくらいでした。
曲名としては「The Night Window」と「Come Back to Us」。
Thomas Newman で有名なのは「The Shawshank Redemption」「American Beauty」やPixar作品だと思いますが、個人的には「Little Women」のサントラがハズレ曲なしで、結構愛聴してました。
本作の上記2曲も、是非ともコレクションに加えたい一品でした。
すごかった
助けたドイツ人が刺してきて、ドイツ人えぐい。最初主人公だと思っていた方の友達が死んでしまって、一人で目的に向かって進まなければならないのが心細い。
しかし、16キロなら普通に走れば2時間くらいでたどり着ける距離で、ライフル銃などの装備を減らして身軽にした方がいいのではないか。また、健脚の兵士を抜擢すればもっと早く到着できるし、味方の飛行機が飛んでいたので、飛行機を使って伝令はできないのだろうか。そんなことが気になったのだが、とても面白かった。
お兄さんが元気でいて、暖かい人物で感動した。
。
黄金体験。 圧巻の一言。 素晴らしすぎる。 ワンカットだからこそ魅せれる良さってものが満天だ。 ミリでも興味があるなら絶対映画館で見るべき映画。 マークストロング、コリンファース、ベネディクトカンバーバッチと良きおじさんも溢れてる。
何の為に戦うかのか?
第一次世界大戦時のお話。 劣悪な状況での、生死をかけた戦い。 映画自体は、ストーリーはわかりやすく、 見た人が感じたまま感じればよい。 雑感 よく、戦場での非人間的な行動について、 現在の平和の立場から批判される事がママある。 そんな事言う人は、こういう映画みろ! きつい訓練受けて、同じ飯を食って、故郷や、恋人、家族など、語り合い、戦友となって行く。 戦場で見る、悲惨な死人や、ケガ人。 明日は我が身。 そして、その友が、理不尽な理由でまさに、自分の隣で命を落とす。 自分でさえ、そんな立場になったら、非人間になる自信がある。 でも、それを抑えるのは、胸にある、家族の写真。 国の為の戦いだが、それは故郷の家族を、守ることにつながると信じて。 映画で言えば、自己犠牲の美談という事だけど、この1917もそうだけど、 アルマゲドンとか、 潜水艦のヤツもあった。 アルマゲドン感動したー!って思った世界中の人間は、 日本の特攻隊の現実知ってるのかな? これは、現実に起きた事実。 反戦映画を作るのも自由でいいと思う。 だけど、戦争美化ではなく、人間、日本人の行った 素晴らしい映画も見たい。 追伸 たしか、硫黄島、天皇とマッカーサーの初対面の話とかあった でも、どうして、こういう話、義務教育で教えないの? 知らない人は、知らないまま大人になってしまう。 知らないっていうのも本人の責任だ、って思うけど、 そのヒントぐらい教えてくれないと、 日本人が全部、反日日本人だらけになっちゃうよ。 ちょっと違うんじゃないか?とか言うと ネトウヨとか言われちゃうし。
心臓を鷲掴みされる
話題になっていた全編ほぼノーカットは素晴らしいと思います。ゲームのTPSのような視点から登場人物の顔が見えるようにカメラが動いたり、主人公の視線の先を示すようなカメラワークが印象的でした。さらにあえて映さないことで、主人公と我々の視界の外で起きるハプニングを強調するなど意欲的な表現に溢れていました。舞台が戦場なので突然の銃声やトラップ、敵との遭遇が唐突に盛り込まれ、次にどこから何が出てくるのかドキドキしながら視聴していました。またシーンごと明暗がはっきりしており、暗く悲しいだけが戦争映画じゃない、前線でもジョークや平和的なものが残されているという印象を受けました。ストーリーは捻りもなく普通で、若干序盤の説明調の台詞が気になりましたが、何よりも気になったのは予告でもあった前線を横切るシーンでした。あまりにも不用心にそしてタイミングよくシーンに移行するのでそれまでのハラハラした心は薄れて思わず笑ってしまいそうになりました。日本人には馴染みの薄い題材ですが、ゲームなどで戦争のシュミレーションが広く出ている昨今、戦場の緊迫感、主人公との一体感を味わえる良い映画じゃないでしょうか。
とても勉強になります
私は映画監督をやらせていただいています。 今回はワンカット風という作品の学びとして鑑賞させて頂きました。 この作品はワンカットをフレーズに注目を集めていますが物語の流れも見事だと感じました。 実話を元にしていることもあり、こちらも緊迫感を感じることができる作品です。 私自身は物語よりもワンカットという製作に注目して鑑賞させて頂きましたが、ある部分では理解ができない程の繋ぎでした。 正直言いますと、途中から話に飲み込まれてしまい私の目線も変わってしまいました。 本当に見事な作品です。 興味のある方は是非観て頂きたいです。 戦争映画が苦手な方は少なかなずとも驚く場面がありますので、お連れ様などと鑑賞される事をお勧めします。 個人的な話ですが勉強ともにとても満足させて頂きました。ありがとうございます。
すごくよかった…
まず終始、絵面がピクチャレスクですごくよかった。構図は長回しの腕の見せ所のひとつだと思うが、その点で本当に最高のクオリティ。腐った死体がわんさか出てくるし、ほとんど何もかも泥だらけなのに、決してむさ苦しくなく、戦場の恐怖や緊張、そして時には疲労感がむしろピュアに研ぎ澄まされて伝わってくる。スコフィールドが無表情なのもいいのかもしれない。戦争もの(しかも前線)でありながらクサさが一切ない。 音楽もまたよい。特にひねりがあるわけでもなく、場面場面で分かりやすく恐怖と緊張を煽ってくるのだが、これにも醜悪さが全くない。 この作品は、戦争を嫌悪の対象として醜悪に脚色するというよりも、ただひたすら恐ろしいもの・虚しいものとして描いている。そういう表現ができるのだということにとても衝撃を受けた。 何度も言うが、構図は本当によくもまあというくらい極上なので、それだけでも映画館の広いスクリーンで見る価値がある。
命をかけた伝令の先にあるもの
アカデミーでは撮影賞、録音賞、視覚効果賞を受賞したように、この作品の最も大きな強みと見られるのは技術面だと思います。 そしてそれらが最も力を発揮するのがIMAX。鼓膜の奥へ届き、心臓にまで響くような音の圧はIMAXで見てこそ。 水の滴る音や息遣いなどの立体感も深く味わうことが出来る。 映像面でも序盤から淀みなくワンショットで繋ぎ臨場感を見せつけてくれる。 アングルへの拘りも見て取れ、ただ撮るのではなく、視点を駆使しながらそれらを一つのシークエンスとして映しだし、ただ見るだけでも飽きることがない。 全体のテンポ感もよく、相手陣営へ近づいていくにつれ高まる緊迫感は自らがその現場にいるようであり、ズイズイとのめり込んでいく。 と、まあ長々技術面の素晴らしさを語ってきたものの、この映画の1番のメッセージは 命をかけ多くの命を救ったがそこで戦争が終わったわけではない ということだと思う。 あくまで一時的なものに過ぎず、救った命もいずれは消費されていくかもしれない。 そんな戦争のもたらす悲劇に対しての戒め。それらが込められていたと感じる。 ラストの悲哀を目にすると、それまで自分たちが追体験してきた出来事全てが前フリに思え、命を張った意味というものを改めて考えさせられた。 ワンショットという撮影技法に頼るのではなく、それを利用したストーリーも見事でした。
個人的には、パラサイトより◎
2月17日 レイトショーで観覧 ワンカット撮影、評価が高かったので観覧しました。
臨場感、音楽、ストーリー、良かったです。
ただ、戦場での理不尽な事をより描いていたら、より良い作品に成っていたと思いました。
話は変わりますが、日本でもしこの映画の企画があがっていたら、映画、製作されていたでしょうか? 上から目線ですみませんが日本映画の製作人の方々、チャレンジして下さい。一、映画ファンより🙇
全633件中、401~420件目を表示