デニス・ホッパー 狂気の旅路
劇場公開日:2019年12月20日
解説
「イージー・ライダー」「ラストムービー」で知られる俳優・監督のデニス・ホッパーの半生を追ったドキュメンタリー。1969年に発表した初監督作「イージー・ライダー」の成功により一躍時代の寵児となったホッパーだったが、71年に手がけた監督第2作「ラストムービー」は一転、難解な内容のために理解されず、絶望したホッパーは酒やドラッグなどにおぼれていく。家庭生活も仕事も破綻したホッパーだったが、70年代後半から80年代以降、徐々にキャリア復活の兆しが見え始める。映画は、ホッパーの大ファンというニック・エベリング監督が、約40年にわたりホッパーの右腕だった男サティヤ・デ・ラ・マニトウを中心に、「アメリカの友人」のビム・ベンダース、「ブルーベルベット」のデビッド・リンチら、ホッパーと仕事をした映画人や家族、友人、知人などの証言を集めて収録。未公開映像などを交え、ホッパーの半生をひも解いていく。
2017年製作/101分/PG12/アメリカ
原題:Along for the Ride
配給:コピアポア・フィルム
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
ネタバレ! クリックして本文を読む
監督のエベリングは、子役をやっていた頃にたまたまデニス・ホッパーと遭遇したことから、ホッパーの才能の虜になり映像作家を目指したという。
一方、本作の語り部と言うべきサティヤという男性は、映画とは関係のない暮らしを送っていたが、ホッパーのキャリアを破滅寸前に追い込んだ怪作『ラストムービー』のラフカットを見せられたことで、ホッパーが死ぬまで裏方として支え続ける親友になった人物だ。
本作は、ホッパーの人物像や功績、偉大でありつつも迷走したキャリアを振り替えるドキュメンタリーであると同時に、世代は違えどホッパーに魅入られた男ふたりが出会い、ホッパーに取り憑かれた人生を検証する心の旅路でもある。
ふたりが『ラストムービー』の撮影が行われたペルーの僻地にたどり着くクライマックスに得も言われぬ感慨と感動が湧いてきたのも、本作が天才の影に隠れた名もない人物の生き様を伝えてくれているからだろう。
あと、伝説の爆弾椅子のパフォーマンスの貴重映像は、ホッパーファンであれば必見。ホントにイカれてたんだよなあ、ホッパー。
2022年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
初監督作で、思いがけず大成功、蟻が群がるように人が集まってくる。
次回作は大失敗でオクラ入りとなり・・・。
才能はあったのだろうが、最初の成功が大き過ぎたのが、尾を引いたような気がした。
2020年5月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
異端児デニス・ホッパーは枠組みも制約も破壊することなく、何かを変えるための革命を起こそうとした。んですよね、多分...
映画としての公開は2017年。イージー・ライダーは1969年。ラストムービーの製作が1970年前後。地獄の黙示録は1979年。2010年にロサンジェルスで死去。
ホッパーの大ファンだったと言うニック・エベリングが製作したドキュメンタリーは、ラストムービーの編集を行っていた時期から、その後の数年間の映像集(登場するクルマの年代から推測すると少なくとも1975年までの映像が使用されている)。ほぼ全部が、デニス・ホッパーの日常、語りで埋め尽くされていますが、そこからは、1970年代のアメリカの姿の一部が垣間見られ、かなり興味深い内容になってました。
プレイボーイのプレイメイトとの文化論。ハリウッドとの契約で「ラストムービー」の編集権だけは渡したくないと主張するホッパーの姿。ホッパーが撮影した1900を超えるシーンで、映画として使うのは59個で良いとホッパーに伝えるプロデューサー。
ホッパーに"拾われた"女性料理人。ホッパーに纏わりついて一時も離れようとしない恋人。フィルムチェックをしながら編集の指示を飛ばすホッパー。荒野に向かってコルト・パイソンとM16A3を撃つホッパーと親友。30人の女性を集め、3人の女とバスタブに入り濃厚なキスを交わす姿。女性達と「何も秘密を持たない事」を共有し集団ヒステリーに陥って行く場面。原爆製造の街、ロスアラモスでいきなり服を脱ぎだし全裸でシボレーC-20に乗り込む姿。
時に。カメラに向かって毒づく姿。ただ、いかなる場面においても、この人の言葉は流れ落ちる水の様に、留まることが無い。
個人的には、興味深い内容でした。デニス・ホッパー個人に対する興味がなくとも、「時代を映す鏡としてのドキュメンタリー」とてしての価値はあると思う。ちなみに、ベトナムは一切合切出て来ません。かすっても居ません。逆に、そこが斬新でもあり驚きでもありました。
女の子達へ。君たちの為に、俺は映画を撮っている。男性諸君へ。ブラブラブラブラブラ(何言ってたのか憶えてません)。
これなんか、男の真理だったりするかも知れないなぁ。って思いました。コロナ明け二本目。盆踊りに打ちのめされた頭ん中が、少しだけ回復したw
それと、この邦題考えた人。
本作、見てないでしょw
2019年12月26日
iPhoneアプリから投稿
デニス・ホッパーの右腕であり親友だったサティヤ氏のインタビューを軸にホッパーの足跡を追ったドキュメンタリー作品。
デニス・ホッパーの秘話をたくさん聞くことができて面白かった。特にヴィム・ヴェンダース監督による「アメリカの友人」撮影時のブルーノ・ガンツとの逸話は面白かった。他にも「地獄の黙示録」や「ブルーベルベット」撮影時の話しなど興奮するものばかりだった。
映像のクオリティの良さも印象的で、アーティスティックな雰囲気の映像作品だった。サム・ペキンパー監督のドキュメンタリーのような雑な作りではなく、しっかりとしていてとても観やすかった。