劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のレビュー・感想・評価
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映画としてはよく出来ている
テレビ放送の録画で鑑賞。原作未読、テレビアニメ視聴済み。
当時の社会現象についていけず、見る前は殆ど期待していませんでした。しかし、いざ見てみると大迫力のアクションシーンに引き込まれ、感情移入できるシーンも多く、映画としてよく出来ているなと思いました。また、各キャラをわかりやすく説明している部分も多く、テレビアニメを見ていない人にも優しい内容になっているようにも感じました。
個人的には、炭治郎が夢の中で死んだはずの家族と会うシーンが印象に残りました。ここでは、現実ではないから早く起きろと自身の心の声が聞こえたことで、泣きながら家族の元を去っていきます。これは、コロナ禍で苦しんでる人が多い中、安全な非現実の世界に囚われず、前を向いて進むことが大切だというメッセージ性を感じました。
また、身体や刀を使ったアクションが多いだけでなく、炎や水などのエフェクトにも力が入っていて、まるで絶叫アトラクションに乗っているかのような展開になっているので、終始飽きることなく楽しめました。
気になった点は、ラストシーンへの導き方が強引だと感じた所です。列車の鬼を倒したと思ったら急に別の鬼が出現し、煉獄を殺害して炭治郎が投げた刀が刺さったままその場を去っていきます。この展開があまりにも急過ぎるので、テンポが途中で崩れているように感じました。その後に泣かせのシーンが入っていても、「え?こんな終わり方でいいのか?」と思うぐらい不自然に終わったようにも感じました。
そういった不満点もありますが、作画は「これでもか!」と驚くぐらい綺麗でした。CGで描かれてた汽車などもリアルで、クリエイター達の本気が伝わってきました。
和風アクションとしては満足できる作品となっているので、少しでも気になった方は見て損はないと思います。
映画でやるべきエピソードだった
疾走する列車はスクリーンに映える。それが蒸気機関車ならなおさら映える。規則正しい車輪の回転に堂々と煙を噴き上げる先頭車両、闇を切り裂く光。列車と映画はとても相性がいい。舞台そのものが常に移動状態で画面に躍動感が出る。冒頭、無限列車が動き出すシークエンスだけでワクワクできる。そのワクワクと同時に物語が動き出す映画のアレンジも非常に良い。
冒頭と言えば、プロローグ的な位置づけのお墓のシーンも木漏れ日が美しさに惹かれた。ちゃんとキャラにも背景にも同様に当たっていて、なおかつ木漏れ日の揺れに応じて光が揺れていた。非常に丁寧なライティングをしていて、さすがufotableの撮影部という感じだ。光の美しさは、ラストの朝日が昇るシーンでも発揮される。朝日の昇るスピードも絶妙に遅すぎず速すぎない。昇りきった朝日が照らす煉獄さんの神々しいこと。あれは泣かせる。結末を知っていても、確かな作画と美術、撮影ライティングの確かさで盛り上げてくれる素晴らしい作品だった。
映像美×骨太の物語×声優陣の熱演、あらゆる要素が高いレベルで融合したエンタメ映画
いいものを見た、というのが鑑賞後にまず思ったことでした。動きや背景のディテールを愚直に描きながら新たな映像表現を追求していくufotableのアニメーション、めりはりの効いた真っ直ぐで骨太のストーリー、ときに「半沢直樹」を連想させる声優陣のケレン味たっぷりの熱演――あらゆる要素が高いレベルであわさり、キャラが立ちまくった王道のジャンプアニメでありつつも、単独のエンタメ作品として1本筋のとおった、非常に見応えのある映画になっていると感じました。
昨年エンタメ界を席巻したテレビシリーズ全26話の続きを描いた本作は、シリーズの蓄積があるからこそのサービスシーンや心揺さぶられる場面も多くありますが、映画で初めて見るという人も煉獄杏寿郎のドラマとして十分楽しめるはず。“煉獄さん”の戦いぶりと、鬼殺隊の柱として主人公・炭治郎に見せる背中に胸打たれると思います。
子供から大人まで万人受けし、社会現象化するのがよく分かるクオリティーの高いアニメーション映画。
「鬼滅の刃」は元々テレビアニメ版の段階でも映画として上映しても遜色のないクオリティーだったので、本作も当然ながらスクリーン映えしています。
「無限列車編」というタイトルですが、「煉獄杏寿郎編」といってもいいでしょう。
アクションシーン、人間模様、ギャグシーンなど、劇場版でもメリハリがきいていて1本の映画として非常に出来が良かったです。
中でも戦闘シーンは圧巻の一言で、「劇場版 Fate/stay night [HF]」シリーズに続き ufotableが非常に有能なアニメーションスタジオだと証明できた作品だと思います。
本作は、ある意味で「2部構成」ともいえるような仕掛けも面白いです。「夢」から自然に導入される「過去」によってキャラクターを深く描き出し、より観客が入り込みやすくなる仕組みも映画向きでした。
計算しつくされた音楽も含め、どのシーンも全く無駄を感じさせない完成度でした。
ここまで「名言」や「名シーン」に溢れた作品は、実写映画も含めて本作が初めてなのかもしれません。
良い意味で様々な感情が入り混じるので、劇場で何度か見たい(体感したい)と思える作品でした。
追記
3回見た時点の感想ですが、かなり盛沢山の内容で、初回は「興味深い」「面白い」「悲しい」「感慨深い」など多くの感情があり、感情が追い付かなかったほどでした。
2回目からはようやく感情が整理されてきて、見れば見るほど感情が深く動かされるのを実感します。特に煉獄杏寿郎は、最初にテレビ版で登場した際は、むしろ印象が悪かったのですが、本作では生き様と共に、どの言葉も深く入り込んでいき、印象が180度変わりました。
「世間で言うほど本作にハマれなかった」という人は、最低でも2回見てみると随分と感想が変わると思います。
映画館では観たことなかったんだけど、リバイバル上映があるって聞いて...
煉獄さんに心を燃やされた日 ― 無限列車編を観て
映画『鬼滅の刃 無限列車編』は、私にとって特別な一本になりました。
冒頭から映像の迫力に圧倒され、列車という舞台特有の閉鎖感と緊張感がスクリーン越しに伝わってきます!
炭治郎や善逸、伊之助の掛け合いには笑いもありつつ、それぞれの成長が描かれ、自分も一緒に旅をしているような感覚になりました。中でも煉獄杏寿郎の生き様は圧巻で、その熱い言葉や真っ直ぐな戦い方に胸を打たれました。彼の最後の戦いと別れのシーンでは涙が止まらず、映画館を出たあともしばらく余韻が消えませんでした。この感動をどうしても残しておきたくて、noteに書き留めたくなるほどの衝撃でした。
迫力あるアクションと深い人間ドラマが融合したこの作品は、アニメ映画を超えた心揺さぶる体験を与えてくれる傑作です!
大感動
心を燃やせ
IMAXで観ました。
原作既読済みなので、そこに対する新鮮さはありません。
ただ映画の題材としてはこの無限列車編は最適です。起承転結がはっきりしていて、何なら原作、アニメ未読としても楽しめるのではないかと思います。
内容としてはバトルシーン(特に煉󠄁獄VS猗窩座)の映像が素晴らしいのとバックミュージックが秀逸でした
原作知っていても、最後は泣けます
IMAX版の方が楽しめたかも?
鬼滅の刃は音楽や背景がとても綺麗でずっと気になってました。
IMAX版と4DX版で悩んで、4DX版を鑑賞。
ストーリーや映像(特に戦闘シーン)には引き込まれましたが、動きが欲しい場面で足りない時があったように感じました。(個人の感想です)
なので、無限城編はIMAX版で観る!
熱烈ファンには、申し訳無いが・・
基本、興味が無ければ、どんなにヒットしていても社会現象だと言われても観ないんですが、「無限城編」がヒットしていて周りにも「観た」「良かった」の声が多く、若干の興味が(アニメ好きなんで。)。しかし漫画もアニメも観たことが無く、最近諸事情から映画館に行くことが減り、代わりにネット配信ばかり観るようになってしまいました。
「無限城編」を観に行くならば、ストーリーや設定が分からないと楽しくないだろうと、TVシリーズを最初からNetflixで鑑賞。その過程で「無限列車編」を鑑賞。こちらも「千と千尋の神隠し」(ここに書いておいて何なのですが、実は「千と千尋の・・」もちゃんと観たこと無いんです。苦笑!)を超えて大ヒットした作品ですが、観て無かったので、この機会に観た訳ですが、「大絶賛」と言う程ではなかったです。
最近のTVシリーズからの劇場版なので、初見では意味不明。・・なのは、別に良いのですが、当時騒がれていた「煉󠄁獄杏寿郎」と言うキャラ、さぞかし感動的な描かれ方なのだろうと思っていたんですが、拍子抜けでしたね。(とか書くと罵詈雑言が返ってきそう💦)
ハッキリ言えば、取って付けた感があります。(原作通りと言われればそれまでなのですが。)ざっくり書けば、寝てて起きました、炭治郎助けました、何か急に強い鬼出てきて戦いました、死にました。ってだけです。主な登場が、最初と最後だけですので、炭治郎との絡ませ方が弱く感じました。
(作品に思い入れが無い為かも知れませんが。)
映像や動きは、流石と言えるのですが、これも最近のTVアニメのレベルが高い為、それ以上では無いんですよね。他のレビューでも書いたことありますが、最近の映画アニメって「映画ならでは」って部分が無くなりつつあるんです。(私が昔の映画アニメを知るオッサンだからかもですが。苦笑!)
好きな方には申し訳無いですが、作品そのものよりも所謂、社会現象が生み出したヒット作品なのかなと。「一作品」ではなくシリーズとしてヒット作品と言う意味で。
ハマりました
鑑賞したのが映画.com 登録前だったので、「無限城編 第一章」公開に乗っかり書いてます。
社会現象を巻き起こした、すごい作品が誕生したものだと盛り上がってる今、改めて思います。
この時も上映回数すごかったのを思い出します。
無限列車編の感想ですが…
・映画館へ行くまでに、存在を知らなかったため原作購入、アニメを配信で見ましたが、原作コミックス7~8巻辺りに相当するから追い付きやすかったです。
・「立志編」で最初の炭治郎が踏みしめる雪のリアルな映像に驚き、「那田蜘蛛山編」で月の美しさに目を見張り、素晴らしいアニメ技術に感動。→映画館が楽しみとなる。
・キャラが沢山出てこず煉獄さんに集中して分かりやすいし、熱くてとてもかっこいい。猗窩座も認めた彼のすごさ。闘うシーンはのめり込んで見てしまう。
・チビ煉獄さんと千寿郎君がかわいい。
・走る列車の上で闘うという古典的でハラハラする展開が良い。
・何度見ても煉獄母が語るところで泣いちゃう。
・心を燃やせ。俺は俺の職務を全うする。名言!
・LISA の「炎」がとても良い。
♪ウォウ ウォーォ ウォーウウォウォウ♪ (あえてカタカナ標記) ここのパートが好きで鬼滅と聞くとここを口ずさんじゃうwww
とても切なさが胸に迫り、映画を盛り上げるメロディである。
死を伴う自己犠牲を美化して、生きていく上でとても重要なことをおざなりにしていないか?
外崎春雄 監督による2020年製作(117分/PG12)の日本映画、配給:東宝、アニプレックス、劇場公開日:2025年5月9日。その他の公開日:2020年10月16日(日本初公開)
森林や雪の表現などはリアル且つ美しく、実に素晴らしいと思った。主人公炭治郎たち3名のキャラ設定も、まあ悪くない。
しかしながら、鬼殺隊の9名しかいない貴重な柱の一人である煉獄杏寿郎の自らの命を犠牲にしての戦い方には、全く納得が出来ない。大勢の日本の子供たちが見ることを前提にして、知力をおざなりにする害悪的描写と自分には思えた。
確かに、正義と悪が存在するとして、正義がいつも勝つとは限らないことを知ることは、若人にとって重要なことかもしれない。本映画の強敵のいきなりの登場も、予想外だった模様だ。
とは言え、凄い再生力と鍛え抜かれた身体を有する上弦の参であり、勝てる可能性が極めて低いことが判明した猗窩座に、何故何処までも真正面に戦って命を落とすのか?人望も有り鬼殺隊の最重要に近い人間で有り、生き残ることこそが長い鬼との戦いにおいて組織的に最重要でありながら、頭脳を全く使わない戦い方で、相手に何もダメージ無しで勇ましく死んでいくのは、美意識やヒロイズムに酔う、エゴの塊にすぎないと感じた。
前の大戦のことだが、必死に生きながらえて捕虜となって敵軍情報を盗み脱走を何度も仕掛け何処までも敵の弱体化を目指す軍隊と、万歳攻撃でアッサリと全滅する軍隊と、どちらがより本当に真剣に戦っているのか?答えは既に明らかに出ているはずだ。
乗客の命や炭次郎たちの命を守るためという理由づけだが、冷静に見れば猗窩座は少なくとも途中からは煉獄との闘い自体を楽しんでいた様に思われた。鬼が活動出来なくなる夜明けも遠くは無く、闘いの時間さえ引き延ばせば生き残れたはず。そして「お前も鬼にならないか」と誘われもした。相手の性格も踏まえて冷静に作戦を考えて、上手く逃げて追いかけさせて時間を稼ぎ、鬼になる気があるような気配も見せれば、サバイバルのチャンスは十分にあったのでは。究極的に、無駄に命を落とすくらいなら、禰豆子の先例もあるのだから煉獄は鬼となって人間の味方となる選択肢もあり得るのでは?
そもそも鬼殺隊の柱でありながら、なぜ敵の強さに関する情報を、正確に入手できていないのか?何故、柱たちは2人組を基本とする等、チームを組んで強敵に立ち向かわないのか?
実社会で活躍をしていく上で、多分最も肝要な、情報入手とチームプレイ、そして頭脳をフル活用した戦略・戦術の重要性が、この戦いの映画で全く描かれていないのは、非常に残念で、悲しく思えた。
原作が悪いということもあるだろうが、超人気アニメでありながら、こんな杜撰な、勇ましく自分に酔い自己犠牲を美化する様な脚本では、日本は世界ととても戦えないと思ってしまった。脚本制作がunfotableと、責任の所在が明確でないことにも強い不満を覚えた。
監督外崎春雄、原作吾峠呼世晴、脚本制作ufotable、企画岩上敦宏 、大好誠、プロデューサー三宅将典 、高橋祐馬 、藤尾明史、キャラクターデザイン松島晃、サブキャラクターデザイン佐藤美幸 、梶山庸子 、菊池美花、プロップデザイン小山将治コンセプトアート、衛藤功二 矢中勝 、樺澤侑里、絵コンテ三浦貴博 、外崎春雄、演出白井俊行、 竹内將、 細川ヒデキ、 外崎春雄、演出補佐下村晋矢 原田征爾 栖原隆史 恒松圭、総作画監督松島晃、作画監督松島晃 、緒方美枝子 、佐藤哲人 、塩島由佳 、小笠原篤 、田中敦士 、永森雅人 、南野純一 、秋山幸児 、菊池美花 、岡部茜 、岡部葵 、都築萌 、藤原将吾、 石後夏奈、 内村瞳子、 高橋聰 、橋本淳稔 、須藤友徳、原画作監補佐鬼澤佳代、 小林友衣、撮影監督寺尾優一、3D監督西脇一樹、色彩設計、大前祐子、編集神野学、音楽梶浦由記 、椎名豪、主題歌LiSA、制作担当
松本秋乃 、篠原啓吾、制作マネージャー鈴木龍、システムマネージャー笠原健一郎、制作プロデューサー近藤光、アニメーション制作ufotable。
声優
竈門炭治郎花江夏樹、竈門禰豆子鬼頭明里、我妻善逸下野紘、嘴平伊之助松岡禎丞、煉獄杏寿郎日野聡、冨岡義勇櫻井孝宏、宇髄天元小西克幸、胡蝶しのぶ早見沙織、伊黒小芭内鈴村健一、不死川実弥関智一、悲鳴嶼行冥杉田智和、産屋敷耀哉森川智之、産屋敷あまね佐藤利奈、竈門炭十郎三木眞一郎、竈門葵枝桑島法子、竈門茂本渡楓、竈門竹雄大地葉、竈門花子小原好美、竈門六太古賀葵、煉獄槇寿郎小山力也、煉獄瑠火豊口めぐみ、煉獄千寿郎榎木淳弥、煉獄杏寿郎(幼少期)伊瀬茉莉也、魘夢(下弦の壱)平川大輔、猗窩座石田彰、笠間淳
千本木彩花、江口拓也、山村響、広瀬裕也、高橋伸也、秋保佐永子、仲村宗吾、中恵光城。
人類の罪と罰と救いを描いている作品。感動した。
本作は少年漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の連載漫画「鬼滅の刃」(2016-2020)全23巻の一部のエピソードをアニメ化したアニメ映画作品である。家族を「鬼」に惨殺された主人公の炭焼きの少年竈門 炭治郎(かまど たんじろう)が家族の復讐と生き残った唯一の家族である妹の竈門 禰󠄀豆子(かまど ねずこ)の病気を救うために鬼を退治する専門部隊「鬼殺隊」に入隊し鬼と戦う物語。この映画では主人公の炭治郎が鬼退治の任務を受けて同僚の我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)、同じく同僚の嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)、上司の煉󠄁獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)、そして妹の竈門 禰󠄀豆子(かまど ねずこ)たちと汽車に乗り込み鬼と戦う。
点数:5.0。お勧めします。大きな見せ場が2回もあり見終わったあとの満足感が半端ない。陰鬱で重苦しい気持ちになる残忍な鬼の場面と人間の美しい生き様の場面とが対比され影と光のコントラストとなって観る者の感動の涙を誘う。
この映画の注目点は列車という高速で動く乗り物が人生の時の流れを表現しておりその車中で眠って夢を見るということはすなわち生きている時間を無駄にして娯楽を見続ける視聴者への比喩ともなっており視聴者にメッセージを投げかけている点だ。映画冒頭に出てくる墓場のシーンは墓場まであっという間の人間の短い人生の時間のなかで夢を見る意味とは?と視聴者に問うているようである。また、映画の終盤で煉󠄁獄 杏寿郎が鬼の誘いを断り人間としての死を選んだのも最初の墓場シーンにつながる良い展開である。煉󠄁獄 杏寿郎が人間としての死を選んだのはそれが鬼殺隊の戦死した者たちの墓が象徴する世代を超えた人間のつながりの素晴らしさを知っていたからである。古代人も現代人も未来人もそして家族や同僚や友人や日本社会や世界中の人もすべて人はつながって生きていて、その人類のつながりが人類の素晴らしさの源泉だと煉󠄁獄 杏寿郎は私たちに語りかけるようである。結論として本作品は人はなぜ夢を見るのか?人はなぜ死ぬのか?など見終わった視聴者に深く考えさせる超良作である。
さらに、本作品は人類の罪と罰と救いを視聴者に説明している物語だと私は思った。すべての人類は罪を負いながら生きている。人類の罪は罰されて許されないと人類は決して救われないであろう。人類は自らの罪を罰され許されて救われたいと潜在的に思っているからこの映画が大ヒットしたと思う。潜在的に人類の罪を罰して人類を救ってほしいという思いがこの作品の鬼と鬼殺隊の行動に視聴者が感動する理由である。たとえば鬼が人を苦しめ命を奪う行動はもとは人間のする無慈悲な行為である。人間の罪は罰され許されないと被害者も加害者も救われないという社会のルールが浸透しているからこの物語で鬼が倒されることに視聴者はカタルシスを感じるのだと思う。(カタルシスなのは現実では人間の罪がすべて罰され許されているわけではない不条理な現実があるからである。)逆に鬼が人を苦しめるさまも見方を変えれば鬼は(宗教的な意味で)罪深い人類を救っているように見える。閻魔大王のいる地獄で鬼たちが亡者をお仕置きする理由は人類が罪深いからである。本作の鬼はまだ生きている人間の罪を戒めている。本作品は人類の罪と罰と救いを説明した非常に優秀な映画である。
視聴:液晶テレビ(有料配信アニメタイムズ) 初視聴日:2025年7月29日(気になってはいたがやっと見た) 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で見た)
追記:
人間が鬼となって人類の罪を戒める内容の作品にアメリカ映画「ジョーカー」(2019年)という作品がある。この映画では、貧しいながら真面目で誠実に人生を生きていた主人公アーサー・フレックが理不尽にも集団ストーカーたちに人生を脅かされ我慢の限界に達し人類の罪を裁く鬼「ジョーカー」に変身する。映画「ジョーカー」(2019年)と映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(2020年)は鬼が人類を裁く展開がよく似ていると思った。しかし続編映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」(2024年)では鬼となった主人公アーサー・フレックが逆に人間たちに裁判で裁かれる。鬼が人間を裁き、人間が鬼を裁くという内容が鬼と鬼殺隊が戦いあうこの「鬼滅の刃」という物語とそっくりだと私は思った。映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」(2024年)では最後には主人公のアーサー・フレックは人間に戻り、人間に裁かれ、新たなジョーカーにも裁かれるが裁かれる事こそが人間としての救いであり幸福であるとこの映画は言っているかのようである。
人間としての救いや幸福とは
1 人類のつながりを大切にする事
2 人類の罪への裁きも適切に行う事
人間としての救いや幸福とは何か。映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(2020年)ではそれは家族や友人や他人を思いやり人類のつながりを大切にすることであると説く。煉󠄁獄 杏寿郎は人類のつながりこそがバトルでの強さや不老不死の欲を超えて人間に救いや幸福をもたらすと考えている。彼は家族や友人や他人とのつながりは自分の命よりも尊い人類の救いであり幸福だと考えている。映画「ジョーカー」(2019年)と映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」(2024年)では人間としての救いや幸福とは人類が裁かれることだと説いている。主人公アーサー・フレックは人類の罪を裁く鬼「ジョーカー」として人類を裁き、のちに人間に戻って彼自身が裁かれたので人類が裁かれることが人類の救いや幸福につながると考えている。まとめると、人間としての救いや幸福とは人類のつながりを大切にし、すべての人類が適切に裁かれることである、ということが映画からの啓示だと思った。
2025/8/4 追記2:人生とは無限列車のようなものである
「人生」は、人がこの世で生きていくこと、またはその間の生活や経験を指す言葉です。具体的には、生まれた瞬間から死ぬまでの期間、またはその期間に経験する出来事や感情、生き方全体を指します。(AI回答より)
人生とは通常は一個人を指す言葉であるが、私は映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(2020年)を観て人生とは他人や先祖や未来人をも巻き込んだすべてを人生というのではないかと思うようになった。煉󠄁獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)は鬼に負けて死んだがこれで彼の人生は終わったのではない。人生とは肉体の死後も永遠と続く無限列車(その遺志は未来へと連結して受け継がれる)だからだ。映画のタイトルの意味から作者は「人生とは無限列車である」と言いたかったのだと私は思う。たとえば、一人の人間が生きているなら彼のまわりには無限に他の人が関係している。彼の先祖や彼と同時代に生きる人々や彼が生きたことによって必ず影響を受ける未来人たちは彼と連結し無限に列車となってつながっているのだ。
追記3:
映画作品では珍しく本作品は宗教的な内容はほとんど入っていない感じがする。序盤の墓場シーンくらいである。そのかわり、宗教と似たような週刊少年ジャンプ的な思想が入っている。週刊少年ジャンプに掲載された漫画は少年誌ゆえに正義、友情、成長、愛などのテーマが描かれることが多く、それが宗教的な思想のかわりとなっている。たとえば、鬼を退治する鬼殺隊は正義、友情、成長、自己犠牲などの要素をもっている。この思想は読者の生きかたに影響を与える。海外の映画にはキリスト教的な思想が多くの場合入っている。たとえばアメリカ映画「ジョーカー(2019年)」にはキリスト教的自己犠牲や人類の原罪など映画の中でほのめかされている。主人公のアーサー・フレックは社会から理不尽な集団ストーカー行為を受け人類の罪を一身に背負った。これはイエス・キリストが人類の罪を肩代わりしたと解釈できる。またアーサー・フレックはジョーカーに変身して悪人を裁くのだが神となって悪人たちに天罰を下したと解釈もできる。これに比べて日本の漫画作品は独特の道徳や思想が入っていると思った。
追記4:暴力を正当化する人類が暴力の連鎖を生む
本作は鬼が人間たちに暴力をふるい、人間たちがその報復として鬼殺隊という組織を編成し鬼に暴力をふるう内容のアニメ映画である。人類が暴力を正当化するのはどういう場合なのだろう。一つ目は人類は暴力をふるわれた場合はこちらも暴力を正当化できると考えている。これは当然の権利のように思える。二つ目は人類は法律や宗教の戒律やなにか主義などのルールを破ったものは暴力を正当化できると考えている。ルールを破ったものは犯罪者とみなされ犯罪者は何をされても文句が言えないと考えられている。鬼たちは人間たちに暴力をふるい、人間たちのルールを破ったので暴力をふるわれても文句が言えないと考えられている。鬼たちの側も黙ってはいない。暴力の連鎖はこうして完成する。人類が暴力を正当化するメカニズムが詳しく解明されれば暴力の連鎖を止められるかもしれないと思う。鬼たちを同じ人間と見るか獣(けもの)として見るかによって結果は変わってくると思う。本作は場合によって鬼が人間に見えたり、鬼が獣(けもの)に見えたりすると思う。この感覚は不思議だ。禰󠄀豆子は鬼なのに人間に見える。童夢は完全に獣(けもの)の仲間に見える。相手を人間と見るか獣(けもの)と見るかで暴力は正当化されるかされないかが判断されているのではないだろうか。暴力の連鎖を止めるには、つまり人間の心に潜む「鬼」を滅するには、すべての人間を人間として見るように訓練しなければならないだろう。しかし、現在の法律や宗教は人間を時として獣(けもの)として扱う。現在の法律では犯罪者は獣(けもの)とみなされる場合があり、現在の宗教では暴力の連鎖は止められない。鬼を滅するには人類の変革が必要ではないだろうか。本作は最終的には鬼を滅し、鬼を人間に戻すことがテーマであると思うがその前段階として人間とは何か、鬼と人間の違いは何か、というのが本作「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(2020年)」である。人間は死ぬ生物なのであるが無限列車のように無限に人と人は幾世代にもつながっていてそのつながりが人間である、とこの物語は説いている。いっぽうで鬼は死なないがそのつながりはとても稀薄でそのつながりの希薄さが彼らの暴力的思想を生んでいるのであろうか。つまり暴力を正当化するには人と人とのつながりを一時的に断ち切って忘れている。人類に暴力を正当化させないためには人と人が関係していることをアピールする必要がある。現在、国内外で暴力や集団ストーカー犯罪などが行われているが人類はみなつながっているという教育が大切だと私はせつに思う。人類はみな同じ「無限列車」に乗っている乗客なのである。
追記5:呼吸について
呼吸とは剣術の流派のようなものである。呼吸は日から派生して様々な流派に分かれている。呼吸にはその技法を継承した柱と呼ばれるマスターがいる場合がある。基本的には不死身である鬼を倒すためには呼吸の剣技を使いながら特殊な刀で鬼の首を切り落とす必要がある。
日(ひ)の呼吸 源流:すべての呼吸の始祖
月(つき)の呼吸 源流:日
水(みず)の呼吸 源流:日 マスター:水柱
雷(かみなり)の呼吸 源流:日 マスター:鳴柱
炎(ほのお)の呼吸 源流:日 マスター:炎柱
岩(いわ)の呼吸 源流:日 マスター:岩柱
風(かぜ)の呼吸 源流:日 マスター:風柱
蛇(へび)の呼吸 源流:水 マスター:蛇柱
花(はな)の呼吸 源流:水 マスター:花柱
蟲(むし)の呼吸 源流:花 マスター:蟲柱
音(おと)の呼吸 源流:雷 マスター:音柱
恋(こい)の呼吸 源流:炎 マスター:恋柱
霞(かすみ)の呼吸 源流:風 マスター:霞柱
獣(けだもの)の呼吸 源流:風
追記6:血鬼術について
鬼は特殊な血液が流れている不死身の人間であるが、自分の血液を武器に変える技をもつ上位の鬼が存在する。その上位の鬼が使う技を血鬼術という。
心地よい夢
迫力のバトル 夢の世界を振り切り現実を受け入れて進む
原作漫画は読んでいません。
近々、無限城編を我が子と鑑賞予定のため、きめつの世界を予習しようとこちらを鑑賞しました。
展開は早くサクサクと戦闘に入っていきます。
前半の電車鬼編は、夢を見させて精神世界をはかいするんだとか。三段階に変形していき見応えがありました。
夢の中で生前の平和だったころの家族が揃うたんじろう、夢だと気づいて夢から出るのは嫌だけれど振り返らず、現実を受け入れて前へと進む姿は素晴らしかったです。そんなたんじろうの精神世界は清らかな天国のような世界でした。
一方黄色頭と猪頭の精神世界は真っ黒でした苦笑
そんなクスッと笑える場面もありながらの後半戦は、上弦の鬼あこざが現れて。
続編が有ることを匂わせます。
ラストあこざに向かって叫ぶたんじろうの台詞は仲間思いの感動の台詞で涙を誘いました。
キャラクター設定、夢鬼の姿や変形、迫力あるバトルシーン、今のアニメ技術はこんなに凄いんだ!とリアルな映像に感心。大人もハマる素晴らしい映画でした。
急に出てきた煉獄さんが目がほとんど動かず見開いたままで、お話もaiっぽい話し方で噛み合わず、キャラクターに慣れないうちにサヨナラとなり、感情移入出来ない所もありました。
夢鬼の最終形態があこざというわけでも、夢鬼を使っていたのがあこざというわけでも無く、夢鬼とあこざが脈絡無く連続して出場して漫画読んでないと良く分からない部分もありました。
全1185件中、1~20件目を表示