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誇大宣伝に要注意です、アクション大作ではありません、ホームレスになった元軍人の末路を綴った社会派ドラマに近いB級映画。
戦艦(USSノースカロライナ)は出てきますが飾り物、陸に係留された第二次大戦の記念艦ですし現役時代でも最強の戦艦ではありません。奪還と言っても数人のテロリストを船内で倒すだけ、貴重な記念物なので火薬を使った撮影は出来なかったのでしょう。そのせいかは分かりませんが、わざわざ武器を捨てての格闘シーンがやたら多いのは出演者たちの多くが元プロレスラーだから見せ場を作りたかったのでしょう。
プロットは国の為に戦った退役軍人に冷たい政府、政治家への不信からホワイトハウス襲撃を企む過激派と落ちぶれても同胞を守る愛国心の強い元軍人らの攻防戦、舞台となったノースカロライナも内乱には因縁の土地柄。
何故同じ町の同胞たちが殺し合うのかについて劇中でも語られていたがノースカロライナは南北戦争で最も多くの兵士の血が流された因縁の土地だと言っていた、独立戦争でも独立支持派とイギリス支持派の植民地人の間で激しいゲリラ戦が起きた。そんな因縁で映画の舞台に選ばれたのでしょう。
大事には至らなかったがトランプ支持派の国会乱入などでもアメリカの内部事情が垣間見えますね、映画もその辺の根深い国民意識をひねっているのでしょう。
タイトル偽装? 「ジャーヘッド」を語っているがシリーズとは別物、もっともジャーヘッドは海兵隊のスラングなので一般名詞、戦艦も飾り物。スキンヘッドやブロンド女性など見掛けの似たような輩が多いキャスティングなので敵味方が判別しがたく困惑、やたら人が死ぬのだが訳が分からない。
主人公は竜巻で家族を失いホームレスにまで落ちぶれた元海兵隊中尉、荒んだ暮らしぶりを延々描いた末にこの結末、英雄鎮魂歌のようなB級兵士ドラマでした。