夕陽のあと

劇場公開日:

夕陽のあと

解説

豊かな自然に囲まれた鹿児島県長島町を舞台に、産みの親と育ての親である2人の女性を中心に織りなされる物語を描いた人間ドラマ。1年前に島にやって来た茜は、食堂で働きながら地域の子どもたちの成長を見守り続けていた。一方、島の名産物・ブリの養殖業を夫とともに営む五月は、赤ん坊の頃から育ててきた7歳の里子・豊和との特別養子縁組申請を控え、本当の母親になる喜びに胸を膨らませていた。そんな中、児童相談所の職員により、豊和はかつて東京のネットカフェで起きた乳児置き去り事件の被害者だったことが明かされる。そして、その事件の被告人である産みの母親は、島の食堂で働く茜だった。茜は7年の歳月を経て、再び息子を取り戻すべく島にやって来たのだ。突然の実母の登場に動揺する五月だったが……。茜を「くちづけ」の貫地谷しほり、五月を「アレノ」の山田真歩がそれぞれ演じる。監督は「海辺の生と死」「二十六夜待ち」の越川道夫。

2019年製作/133分/G/日本
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2019年11月8日

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(C)2019 長島大陸映画実行委員会

映画レビュー

3.5生みの親と育ての親。本当の親とは何か!

2024年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

重い、ただ重いテーマの映画でした。

二人の母親の悲しき争いは、お互いに全く譲らず(譲れないが表現として正解かも)泥沼化状態で、解決策が無いように思え観ていて本当に辛くなりました。どちらが正しいかの回答なんて無いのですよね。どちらにも言い分はあります。それは分かるのです。でもね、途中で余りにも二人の母親の主張が強すぎて、子供の気持ちが全く置き去りにされてないか!?と観ていて少し腹が立ってしまう事もありました。

単純に考えてみると、生みの親といっても一度見捨ててしまったのですから、いまさら出てきて母親になろうということ自体、自分勝手で都合が良すぎるとしか思えないですよね。愛情たっぷり育ててきた、育ての親からすると身勝手と思うことはしょうがないことなんです。

でもなぜでしょうか。この映画では茜の事を決して身勝手で悪者と思うことができないのです。それは茜の健気さと真剣に我が子の事を思う純粋な行動に表れています。あぁ、この人も被害者なんだなと。もちろん、演じてる貫地谷しほりの素晴らしい演技力のおかげでもりました。迫真の演技は見事でした。

それが故に、鑑賞していても正解にたどり着けないのです。どちらかに肩を持たせてくれた方がよっぽど楽か…。結局、どちらにも肩を持つこともできず、正解も出ないまま、一緒に苦しんで鑑賞せざるおえず、何とも言えない苦しい時間が過ぎていきます。

正直、途中まで悲しい結末にしかならないのではと諦めすら感じ始めました。どんな残酷な結末になるのかと。ただ、二人を溶かしたのも、また子供である豊和なんですよね。豊和の純粋さには、本当に心が洗われる思いでした。

ただ、ラストの結末は、本当に両者共に納得した結果なのかな!?っと少し疑問には思えました。かなりの妥協が入った気もして、後々後悔の念に駆られないかなぁっと。もちろん、誰もが悪者にならない唯一の優しい結末であったとは思いましたが。

総じて、非常に考えさせられた映画でした。たまにはこういう真面目な作品も観て感情を揺さぶられるのもいいなぁっと思った次第です。

タイトルにもあるように、非常に綺麗な夕陽のシーンがこの映画の見どころにもなっているので必見でしたね~。

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だいふく

4.0思ったこと

2023年8月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

難しい

育てた家族だけでなく役場の人も育ての親を優先させるのが子供の幸せと断定していたのには、違和感を抱きました。また将来島を出る時には、と言っていたけれど、この島は高校から出て行くのでしょうか?五月がうまいこと島から出さないように仕向けるかも、とか考えてしまいました。
というのも、祭で豊和が太鼓を叩くのをにこやかに見守る育ての家族と対比して暗い顔でバスに一人乗って行く産みの親。結局育ての親は以前と変わらぬ暮らしが続くのに産んだ親は、取り返しがつかない絶望感で寂しく去る。和やかに解決したかのようで産みの親が身を引いた、
という印象。

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りか

3.0オーソドックスな、あまりにオーソドックスな・・・

2022年7月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

設定から来る演技が過剰。鹿児島弁の方言が下手すぎて、気になって仕方ない。最後に持ってかれたなぁ~鰤の子育て、これぞ長島かぁ~😅ただ全体にセンスをあまり感じることは出来なかったものの、生真面目に取り組んだ正攻法の映画作りは好感が持てた🎵

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mark108hello

3.5特別養子縁組の詳細がわかる

2022年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 映画・ドラマではよくある話だけれど、8歳までにしなければならないとか法的根拠のあるしっかりしたストーリー。そして、やっぱり海は偉大だ。

 最近観た『ベイビー・ブローカー』でも「生まれてきてくれてありがとう」という言葉が印象的だったけど、この作品では「生んでくれてありがとう」。絶妙にニュアンスが違い、生みの親と育ての親との心理が交差する。

 将来どうなるのだろうか?茜に惚れてしまう男もいいし、俺だってそうありたい。小さな島であるがゆえに皆で育てる気持ちも温かく伝わってくる。かつて茜が受けていたDVの酷さを描いてくれたらもっと良かったとも思う。

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kossy