サヨナラまでの30分のレビュー・感想・評価
全127件中、81~100件目を表示
特別な時間
まずはじめに、演者の方々に最大限の敬意を表したい。
ひとつひとつの表情から本気度が伝わってきた。
また、ランク付けのような形になってしまうのは心苦しいが、北村匠海という俳優には本当に驚かされた。この映画ではある種の1人2役を演じているが、どこか新田真剣佑に寄せた演技は本当に偉大だった。
ストーリー自体はとても鮮明でわかりやすい。
最初は少し状況への戸惑いもあったが、言葉ではなく映像でその戸惑いは自然と消えて行く。また中盤から終盤にかけては、細かな伏線が回収されていき、見終えた際に何の疑問も抱かなかった。心にすっと落ち着くストーリーであった。
「時間は平等ではない。」
そうた(北村匠海)が劇中でこう語る。
音楽を聴いている時間は普通の時間よりも何倍も濃くて何倍も美しいと。
そんな音楽に助けられたそうたが、あき、そして、そのあきと作ってきたバンドメンバーとの曲を通して、新たな人生をスタートさせるような映画だ。
この映画を見た私に特別な時間をくれた演者、製作者に感謝したい。この時間は他の誰よりも濃い時間になったから。
青春映画の良作!!恋愛模様も最後までヨカッタ
上書きしましょう、アキさんを。
冒頭の疾走するようなカメラワーク、一気に時間を共有させるその演出の上手さ。
「おれ、幽霊?」あたりでは、コメディ路線で行くのか、シリアス路線で行くのか半信半疑。ネガティブ思考の颯太と、超ポジティブ思考のアキの対比はありきたりで、熱量の高すぎる青春ものか?との懐疑心も、颯太が歌いだしたときに吹っ飛んだ。なに、こいつ歌うま!!って。それも、へえって微笑むくらいの上手さじゃなくて、涙がこぼれてくるほどだった。曲もキャラにあっていた。
展開は王道ゆえの安定感、そこにバンドメンバーの見事な成りきりぶり、ちょくちょく挿し込まれる切なさの予感。
いやがおうにも感情が高ぶっていく。
アキってウザいなあと思わせといて、「上手くいかなかったら、上手くいかすんだよ。」の台詞で引っ張っていく。
このご時世にカセットテープ?とこちらが失笑しそうな設定を、「あったかいだろ!」で納得させる。
アキの心情や、ストーリー展開を「百万回生きたネコ」の絵本や、曲のタイトル「真昼の星座」で暗示させる。
アキとカナの心の通い合うシーンを、"トロイメライ"でロマンチックに彩る。もしかして、かつて亡命していたホロヴィッツが何十年ぶりに帰ったモスクワで演奏した、あの名演を想起させようとしているのであれば心憎い。
颯太の身体を借りることで起こり出す肉体と感情のすれ違い。
その心情を、新田が繊細に顔に出す。しかも、絶妙な距離で。手から零れ落ちるようなタイミングで。
山崎まさよしとの共演「影踏み」のときとは真逆のキャラを演じる北村は、トラウマを克服していく過程の変化がいい。いつのまにかカナに恋をしているのも初々しく。
そんな二人の演じるアキと颯太が交互にカナと積み重ねていく新しい思い出は、カナにとっては、アキとのものではなく颯太とのもの。颯太のなかにアキを見つけて、颯太に心を許すということは、アキを忘れていくということなのだ。そこにお互いが気付いた時、徐々にお互いに対して嫉妬を覚えだす切なさもいい。
これじゃあどっちかが身を引く辛い結末が待つのか、と焦れながら、なるほどだからカセットテープなのか、デジタルじゃなくアナログなのか、って納得させる道筋は見事。ちょっと匙加減を間違えば嫌味になるところを、三人とも確かな終着点を見つけることができたラストはここち良かった。
最高でした
なかなかのもの
若い人にも中高年にも沁みます
熱中出来るものがあるっていいですよね。趣味であれ何であれ、その道のプロにならなくても。生きる原動力になったりもします。
私は音楽の授業は大嫌いでしたが、大人になってからヴォーカル教室に通いました。打ち込んだとはとても言えませんが、長くやっていたから、「ヴォーカルのレッスンって何やるの?」と聞かれました。そもそも歌なんて、習わなくたって歌えますからね。でも発声練習のその先を説明しにくい・・・教室によってやり方は違うと思いますが、ポピュラーヴォーカルはこれが正解だというのがないので、先生はお手本で歌ってはくれないし、「こう歌いなさい」と指示されたこともないです。自分なりに歌ってみて、悪い所は指摘してくれ、「ここをこうしたいのにうまく出来ません」と言えばアドバイスをくれます。どうしたいかわからない場合、私の素人考えですが、いいお手本があるなら、まずはとことん真似してみるのもアリです。繰り返し歌っていると、自然と自分の歌い方になってきます。
といったところで、この映画です。
バンドをやっている若者たちの愛と友情と信頼の話ですが、ギラギラとしたアツい話ではありません。
ある不思議な出来事が起き、二人の青年が、一人は人との関わり合いの中で、閉ざしていた心を開き、もう一人は皆の心の中にキラキラした思い出を作った、という物語です。カセットテープが重要なアイテムですが、昔の話ではありません。
北村匠海さんがとても歌が上手く、ほかの人も演技も歌もとても良いです。大人たちも素敵、ちょっと出来すぎかも。
バンドも良くて、メロディがきれいで、話にじんわり感動しながらも、この曲歌ってみたいなと思いながら聴いていました。もちろん、難しそうだし、こっちはただのオバサンなので、あんなにステキには歌えませんけど。CDを出してくれるかな。さすがにカセットテープはね。CDをステレオにセットして、さあ聴くぞ、っていうのがやっぱり良いんです。
全く期待せず見たけどすごく良かった
音に震えた
北村匠海のベスト
オリジナル脚本good! 最近は、漫画や小説など元々の原作がある作...
もう……あの頃には戻れない……(涙)
高校生の頃、仲のいいやつらとなんとなく始めたお遊びのバンド
最初はコピーばかりで、カラオケの延長だった
良いメロディが思い浮かんだりしたら書きためて
いつしか文化祭ではそれを披露することになる
そのあとは下北沢のライブハウス
プロになれたら良いなとなんとなく思い始めていた
気になってた人とは結局付き合えなかったけど
その人を思って書いた歌は、バンドを象徴するヒットソングとなった……
.
.
.
.
なんて青春は、私には無い。
とにかく眩しくて眩しすぎた作品でした。
もう戻れない……あの日、と思ったけど
そんな青春時代を送ってきたわけでもありませんでした。
なので、せめて映画館で擬似体験を。
音楽も映像も出演者たちも皆美しく、キラキラした映画でした。
かぁ〜っ
バンドやりてぇ〜っ!
年明け観た邦画では、一番いい作品でした!
2人の信頼する映画フリークが、2人とも寝落ちしたって書いてたドン・キホーテは、パスして・・・
異様に鑑賞評価の高いこの作品レイトショーチョイスしました。
フリークの1人、某ラジオディレクターは、僕の前の回を観てたようで、NICEな更新してましたが、絶対コレ系は観るって思ってたもう1人は、女子高生向けだから観ないと返信来てたw
でもジャニーズもLDHも出てないし、レイトショーなので、客層も全く女子高生向けでもなかったです。
過去コレ系の作品で、良かったのは、NANAとBECKでしたが、上書き確定w
アプローチは、全く違うんですけどね。
W主演の真剣佑と北村匠海の歌声がいいし、バンドの面子も上記2作品を凌駕するチームワーク感がいい!
劇中の提供楽曲も最高にGOOD♬
WALKMANでのカセットが、鍵ってのが昭和世代にもハマるシナリオで、松重さんの最後の台詞にソレが詰まってる。
そして、筒井道隆と牧瀬里穂に、トレンディドラマ世代はニヤリ間違いない。
今年まだ数本しか観てませんが、邦画では一番良かったです。
カセットテープが主人公。
今でも愛すべきカセットテープ・・・何それ?と言われそうなくらい年代ものだ。AXIA、マクセル、色んなカセットテープが登場する。が、数年間バンド“ECHOLL”を録音し続けたウォークマンとともに、何度も上書き録音されて、いくつもの季節を過ぎて忘れ去られる・・・オープニングの2013年からの年代別アーカイブだけでも、おっさん的には涙チョチョ切れ、序盤では完全にウォークマンとカセットテープに感情移入してました。泣くまでに3分かからなかったよ…
颯太は何学部?天文学の授業と超新星爆発の講義とともに、これは超新星が絡んでるに違いないと予想した通り、ラストでは美しくも儚く燃えさかる超新星のごとくアキが歌いあげていた。大質量の恒星が最期を迎えるときに起こす大爆発。それならなぜ“新星”と言う?それはそれまで地球からは見えなかったのに「まるで新しい星が生まれたかのように」明るさを増していくから。上手い伏線だと思ったのですが、もうちょっと説明が必要だったかもしれませんね。
カナとのデートはよかったなぁ。季節外れのウォータースライダー?から眺める天体ショー。プラネタリウムみたいに綺麗だけど、肉眼ではあれほど細かく見れない。だけどいい。ファンタジーなんだから。ファンタジーなんだから、ウォークマンの電池だって入れ替えなくても平気なのです!
松重豊の言う通り、上書きされても全てが消えるわけじゃない。ただ、何百回と聴いているとテープが伸びきってしまったり、回転数にムラが出てきたり、酷使すればするほど可哀そうなカセットテープ。あぁ、人生にムラがあるのは俺だった・・・
デジタルとアナログ。このちょっと根暗ではあるが打ち込みシーケンサーを愛する颯太。バンドはかなりアナログなだけに対比が見事でもあるのです。ギターの葉山奨之のエフェクターもアナログだし、シンセサイザーなんてのも使ってない。ジルジャンとフェンダー、マーシャルがあればバンドだぜ!みたいな懐かしい感覚に陥ります。
これ以上入れ替わりをしたらアキが本当にいなくなってしまうと確信した颯太。そしてフェス直前の「バンドを辞める」宣言。葉山くんが朝迎えに来るシーンではおっさんでも号泣。ただ、なんとかの星座ってラストの曲が残念。AとEadd9を繰り返すドミナントモーションだらけの曲は平たんになりがちであり、途中大胆に転調しなければメリハリがないものです。観客も一緒に歌ったりしてたけど、すぐに忘れてしまうメロディはちょっと勿体ない。
記録から記憶へ
いつもの月曜メンズデーだしなんか観よか的に
かいつまんで鑑賞
謎ラリー映画オーバードライブの生意気主人公と
ライバルレーサーですね
感想としては
すいませんナメてました非常に良かった
ただ惜しい所もありました
メジャーデビュー直前にメンバーとケンカしたまま
不慮の事故死を遂げたバンドECHOLLの
リードボーカル宮田アキ
彼の使っていた古ぼけたテープレコーダーを
独りになれる隠れ家で拾ったのは
心を閉ざした就活生窪田颯太
そこから奇妙な出会いが始まります
テレコを再生した時間だけアキは颯太の身体を借りられ
アキはバンドが解散してしまった理由を聞くために
颯太の身体で動き回りますが当然相手にされません
そこで勝手に組んだライブに飛び入りして歌うことで
アキが入り込んだかのようなパフォーマンスで
周囲を感動させ(実際入り込んでるんだけど)
颯太をボーカルとしてひとまずECHOLL活動再開を決意
ただピアノのカナだけはライブハウスに来ていたものの
相変わらず意に介しません
身体を貸した颯太も苦手な面接などを陽キャラのアキに
やってもらうことを条件に身体を貸すことを了承します
あとはアキの歌声に絆されたのもあるでしょう
颯太は入れ替わってる間傍観し続ける事で
アキ自身や仲間との関係について徐々に理解していきます
そうして颯太とバンドメンバーや徐々に打ち解けてきた
カナとの距離は(アキが入り込んだ事で)縮まり
ふとしたキッカケで颯太も個人的に触れていたピアノ
繋がりでカナとの距離が一気に縮まります
するとテレコ再生で入れ替われる時間が徐々に
短くなっている兆候にアキが「気が付き」ます
その後ECHOLLは野外フェスのステージを確保
カナに参加を呼びかけるべくテープに録音した曲を
届けようとしますがカナは聞こうともせず
アキを思い出すのが辛くて拒絶していたことを明かし
颯太も心を閉ざした理由を打ち明け距離は更に接近
その様子を複雑な気持ちで見つめるアキは密かに
録音動作しているテレコにも「気が付き」ます
その後カナは歌詞とコードの紙が入ったテープを聞き
筆跡?からも颯太がアキそのものである確信を持ち
練習スタジオに姿を見せ問いただします
そこで颯太は僕はアキじゃないとスタジオを
飛び出していきます
その後颯太にアキによってテープが上書きされて
自分が消えゆくかもしれない事を打ち明けますが…
ここです
この作品ここがダサい
颯太はアキやメンバーによって
自分に変化が起こっていることや入れ替わる時間が短く
なっていることも自覚している描写は十分で客にも
伝わっているはずなのになぜ解説タイム作っちゃうかなと
そんなら冒頭のアキが死ぬまでの部分をもっと細かくやるべきでした
細かなとこをバンドのメンバーが説明するハメに
なっちゃってましたからね
颯太はアキが消えてしまうことも知っていたし
アキの存在にカナが気が付いたこともしまったと思ったし
自分のカナへの恋心にも気が付いてしまったはず
そしてアキに消えて欲しくない気持ちも強くなっているのは
そこまでの描写で十分わかっていましたから
もっと客を信用して欲しいなと思ってしまいました
あとアキにテレコの仕組みを理解させてしまうのは
ちょっと違うかなと
彼は天真爛漫で居続けるべきでした
とはいえそこからもストーリーは見事でした
最後のライブステージ
最後の入れ替わりでアキが颯太としてECHOLLの
今後を皆に託すシーンは覚悟が伝わってきて感動しました
ただ前述の天真爛漫キャラを押し通していたら
もっと破壊力があったと思います
そして最後の歌の途中でアキは消えてしまいますが
元に戻った颯太はそのまま曲をアキの分も歌い上げ終わります
良い終わり方じゃないですか
なんか筋を殆ど書いてしまいましたが
ECHOLL結成から解散の部分を端折ってしまった事や
自分らの描写を信用しきってない解説タイムのダサさは
気になりましたが全体の完成度は高いです
ラブストーリーというよりひたすら
バンドメンバーの友情ストーリーじゃないでしょうか
少女漫画雑誌の読切シナリオのようにも感じました
北村匠海も正直髪型と言いBase Ball Bearの小出祐介に
見えてしょうがありませんでしたが良い声してますね
こないだのティーンスピリットのエル・ファニングに
全然負けてなかったですよ
これは予想外の良作
おすすめです
色が綺麗。
この手の映画はきっと好きだなと思って鑑賞。
北村匠海が歌うんだから歌は良いだろうし…、と。
音楽が関わる不思議な話で思い出すのは「君と100回目の恋」だったけれど
それよりも好きだった。
冒頭のアキたちのシーンはもうMVで、大きいスクリーンで観ているのが少し不思議に思えるくらいのMVだった。
現れてからすぐのころのアキの大型犬のような表情とうるささが良い。
それが最後の方になればなるほど、大人な、俯瞰したような優しい表情も出てくる。
自分がしたいことをする!と、少し自分勝手だったアキがメンバーと颯太を想って自分のことを明かさなかったのが寂しいけど良かった。
カナとデートしたり、バンド練習したりしているシーンで
アキのときと颯太の時で画面全体の色味が変わっていた演出が綺麗ですごく好きだった。
時間の経過の描き方は、今まで観た映画でも上位になるくらい好きだった。最初のカセットテープのも含めて。
フェス当日、颯太を迎えに行った時
「迷惑です。」と返された健太が言った、
「迷惑かけるよ!!だから颯太も俺たちに迷惑かけろよ!」という言葉がとても良かった。
一番加入を嫌がっていた幸輝が、「アキじゃないけど、あいつの背中みてると落ち着く」とカナに伝えに行くシーンもとてもいい。
上手くまとめられないけれど、普通に好きな映画だった。みてよかった。
青春映画好きなら、見るべき!
星4.5だけども、満点に近い。
マッケンも、ハンサム。タクミも美男子で、
どっちもただ見ているだけで癒やされる。
そして、特に山の神こと、久保田紗友が素晴らしい。
自然な演技で、しかも美しい。
目が綺麗、鼻筋が通ってスッキリしている。
未来の大女優だ。なぜ今まで知らなかった?
ちなみに、走る姿もよい。
あと、映画のなかの音楽も珍しく全て良い。
歌もみんな上手い。バンド仲間たちの演技も
なぜだか、みんな上手い。
青春時代の悩み、不安、希望、輝きが、
音楽とカセットテープという小道具を通して、かんじられて、大きく胸を打つ。見ないと損だぞ!
唯一脚本上不満だった点。
息子が就職試験に行く時、バンド仲間が必死に、
バンドに戻るように、迷惑かけてもいいから、
戻って来い!と家に来た。
その時、父と食事中だった。
それを聞いていたにもかかわらず、
父は、就職試験頑張れって、送り出した。
こんな父なら、わざわざ筒井使う必要ないじゃん。
「ここで、普段はお前のやる事黙ってみているが、
今回は違うぞ!
人生で一番大切なのは、親友だぞ!
よく考えろ!」とかいえば、大きな見せ場できたのに。
なぜ筒井使った?
2人とも異常に歌が上手いのでビックリ。
ひとりは本職みたいだったけど。
もっと上手く宣伝しろとか思う。
全127件中、81~100件目を表示