「【奇跡の映画 大切な想いを抱えて生きる事の大切さと、年齢を重ねる事はとても美しきことなのだという当たり前のことを思い出させてくれた作品。】」男と女 人生最良の日々 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【奇跡の映画 大切な想いを抱えて生きる事の大切さと、年齢を重ねる事はとても美しきことなのだという当たり前のことを思い出させてくれた作品。】
ー 数十年前、名画座で。そしてつい最近、DVDにて"男と女"を再鑑賞した上でのレビューです。ー
主要キャラクターが53年前と同じ。
あの海岸で戯れていた幼子二人もだそうだ。驚く。
主要キャラクターを演じた
・アヌーク・エーメ(アンヌ)
53年前の映像の中の彼女は、信じ難い程の美しさ。
今作では、その美しさに加え、慈母の様な優しさが滲み出ている。
・ジャン=ルイ・トランティニャン(ジャン・ルイ)
53年前は、レーサーとして出演。
今作では、多少ボケた”フリ?”をしながらも、相変わらずハンサム(で、ちょっと変わり者)。
そして、彼ら、彼女らの子供。”私たち、兄妹になり損ねたね”の二人。
クロード・ルルーシュ監督も変わらず。(一体、何歳であの映画を撮ったのか?)
信じがたい・・・。
それにしても、アヌーク・エーメと、擁護施設に入居したジャン=ルイ・トランティニャン(これ以降、一部役名ではなく実名で記載する)との会話の粋な事と二人の衣裳の素敵な事。(取り分け、アヌーク・エーメ)
そして、アヌーク・エーメのロングヘアをかき上げる仕種を眩しそうに見ながら、ジャン・ルイは徐々に、過去の忘れ難き彼のミューズを思い出す・・。(この辺り、私の推測がかなり混ざっています・・。)
そもそも、素敵なのはジャン・ルイの息子の頼みで、彼に会いに行くアヌーク・エーメの姿である。
普通は躊躇うでしょう・・。
けれど、彼女は足を運ぶのである。
そして、ジャン・ルイの観る”現か幻か分からない”光景の数々。
二人で訪れる13×2の26号室・・。
そして、ジャン・ルイを訪れるもう一人の美女。
誰の娘かも覚えていないジャン・ルイに妖艶な美女は微笑みながら、”エ・レ・ナ”と囁く・・。モニカ・ベルッチである・・。
これ以上の、最良の人生があるだろうか・・・。
<最後半の、若きジャン・ルイが”遅刻は嫌いだ”という言葉とともに、アンヌを迎えに、早朝のパリを200キロで十数か所の赤信号と一時停止を無視して、”吹っ飛ばす”車のフロントからのローアングルの長回し映像は、その迫力と共に、あるレーサーの”人生”を暗喩で描いたのではないかと思った。
そして、フランス映画の懐の深さに敬意を覚えた作品である。>
ー追記ー
<出来れば、1966年の「男と女」の粗筋を思い出しておくと、より今作に入り込みやすいかと、私は思いました。>