スクールズ・アウト

劇場公開日:

解説

サイコスリラー「欲しがる女」を手がけたセバスチャン・マルニエ監督によるフランス製の学園ホラー。名門中等学校で、生徒たちの目の前で教室の窓から先生が身を投げるというショッキングな事件が発生した。この学校に赴任してきたばかりのピエールは、6人の生徒たちが事件にあまりにも無関心であることに気がつく。6人の冷淡で気まぐれな言動や行動に奔走されたピエールは、6人がなにやら危険なことを企んでいると確信するようになる。「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」(19年10月11日~/東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか)上映作品。

2018年製作/103分/PG12/フランス
原題または英題:L'heure de la Sortie
配給:ブラウニー
劇場公開日:2019年10月25日

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(C)Avenue B Productions - 2L Productions

映画レビュー

3.5採石場と原子力発電所

2022年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 12人という少人数クラスの3年1組。優秀な生徒ばかりを集めたという実験的な試みだったが、その担任の先生が授業中窓から飛び降りて自殺を図ろうとする事件が起こる。代用教員としてピエール・ホフマンが赴任するが、6人の生徒が異様な行動を取っていたため監視を怠らなかった・・・

 最近の若者は世紀末でなくても「世界が終わる」という思想に憑りつかれているのだろうか、J-POPの歌詞にしても映画やドラマにしても終末思想がどこもかしこもそうした台詞が隠されている。セカオワなんてバンド名からしてそうだし・・・

 6人の優秀な生徒たちが作ったDVDがえぐかった。ディザスター、事件や自殺など、眼を背けたくなる映像満載。最も怖かったのは屠殺場のカットだった。これは先生に盗んでもらって見せるつもりで作ったのかもしれないし、いつかはドキュメンタリー映画として完成させるつもりだったのかもしれない。トランプの顔も登場したし、権力者が行動を起こすのは金と利益のみという主張も正しいと思うが、その行き着く先が集団自殺とは・・・?

 ある程度理解できても、彼らが自分たちが死の間際まで苦しむ様子を撮影するのは奇妙すぎて異常な性格だと思う。終末の古城への体験旅行に何かが起きる!といった展開。環境破壊、戦争、ディザスター、厭世主義もここまでくれば立派だ。

 カフカの論文を書いていたホフマン先生。ゴキブリにうなされるのもその影響だったのかもしれない。

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kossy

4.5呪いの映画

2019年10月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

真正面からまともに喰らうと生きるのが嫌になって飛び降りたくなる映画。
いや全然、食べて寝て起きて電気付けてガス燃やして映画観て生きていくけど。生きていくけども。けどさ。

不快感と不気味さと羞恥心に塗れ、神経も精神も常にゾワゾワと逆撫でされながら観られる、すごく良い映画だった。
103分の上映時間は体感だと135分くらいに感じたけれど、その内の1秒たりとも飽きはしない。面白かった。

担任の自殺というショッキングな冒頭から引き込まれた。
眩しい太陽と汗ばむうなじが強く印象に残る。
何かおかしい6人の生徒。
知的に早熟な彼らの生意気な言動には苛つきを通り越して恐怖すら感じる。

不可解な行動の奥にあるその正体、辿り着いてしまった答えの予想外の形。
幼いが故に見て見ぬ振りも出来ず、がんじがらめに縛られたその傾倒。
生きづらくて可哀想にと思いつつ、笑い飛ばすことも頭ごなしに否定することも出来なかった。
現実感がありすぎてオカルトホラーよりもよっぽど恐ろしい。

生活感のあるプチ怪奇現象はこれまた厭さ満点。
強制的に侵食され引き摺り込まれていく感覚がジワジワと身に沁みてきて、そのいやらしい追い詰め方に本当に泣きそうになった。
濁った水とゴキブリの吐きそうなくらいの気持ち悪さが堪らなく好き。
頭のおかしい人間が多く、思いもよらない方向からの攻めが地味にしんどい。

絶望感の中に可愛らしさと安堵を混ぜたラストにガンガンに胸掴まれた。大好き。逃げても無駄無駄。
掴んだ手は初めての信頼の証。
いっせーので死ぬのも不意に死ぬのも本当は怖いよね。

地球の上、そう遠くない場所で起きている汚い現実。
こんなふうに畳み掛けるように見せられるとノイローゼになる。
知ってた。全然知ってたけど。
目を背けていないと到底生きてはいけないから。
陰謀論みたいに掲げていたけど、そんな極端に考えなくても、地に根を張った問題だからガツンと来るものも大きい。

今朝、日本の世界遺産が燃え落ちるニュースを見て朝からめちゃくちゃ沈んだ。なんとなくリンクして感じてしまう。
見て見ぬ振りして生活していても、きっとこの映画は頭の中にこびりついてずっとずっと離れないんだろうな。
のほほんと生きる現代人への問題提起や警鐘というより、もっと性質の悪い呪いのような映画だと思った。

カメラワークや音楽は洗練されてクールだけど、さりげなくてドヤ感が無い。
そのナチュラルさの中に大きな不穏が入るアンバランスさが好き。

主人公ピエール先生がめちゃくちゃセクシーで発情待ったなしだった。
スティーブへの熱い視線にときめき。
さりげなく暴露される親友との関係にもめちゃくちゃ滾った。
呪いのような映画だけど、色んな意味でドスケベだし地味に欲望が渦巻いているところも好き。

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KinA

1.0ラップをムダ使いしないで下さいね

2019年10月27日
Androidアプリから投稿

難しい

成績優秀な生徒12人を集めた名門中学のモデル学級で、授業中に担任が突如教室の窓からダイブしたことから、代わりにやって来た教師とクラスの中の冷めた6人の生徒達の話。

学校の中でも浮いており疎ましがられている3-1と、ムカツク6人組を追う代理教師。
他クラスの生徒との揉め事や暴力被害も意に介さず。教師たちも面倒臭いし放置という有り様だし、弱者を助けたら左って…。

DVDで彼らの思想はすぐに判るけれど、イマイチそれとは噛み合わない奇行を繰り返すし、脈絡なくホフマンは追い込まれるし、何だそれ?な雰囲気作り。

サイコ的な恐さを堪能させようとしている訳ではないだろうし、結局のところ、環境問題やそれをを憂う彼らを哀しめば良いのか、冷ややかにみて賢いと宣う彼らの盲信を憐れめば良いのか…自分的には後者かな。

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Bacchus