天国にちがいない

劇場公開日:

天国にちがいない

解説

「D.I.」の名匠エリア・スレイマンが10年ぶりに長編映画のメガホンをとり、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で特別賞と国際映画批評家連盟賞を受賞した作品。スレイマン監督は新作映画の企画を売り込むため、故郷であるイスラエルのナザレからパリ、ニューヨークへと旅に出る。パリではおしゃれな人々やルーブル美術館、ビクトール広場、ノートルダム聖堂などの美しい街並みに見ほれ、ニューヨークでは映画学校やアラブ・フォーラムに登壇者として招かれる。友人である俳優ガエル・ガルシア・ベルナルの紹介で映画会社のプロデューサーと知り合うが、新作映画の企画は断られてしまう。行く先々で故郷とは全く違う世界を目の当たりにするスレイマン監督。そんな中、思いがけず故郷との類似点を発見する。

2019年製作/102分/G/フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ合作
原題または英題:It Must Be Heaven
配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス
劇場公開日:2021年1月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第72回 カンヌ国際映画祭(2019年)

受賞

コンペティション部門
スペシャル・メンション エリア・スレイマン

出品

コンペティション部門
出品作品 エリア・スレイマン
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(C)2019 RECTANGLE PRODUCTIONS - PALLAS FILM - POSSIBLES MEDIA II - ZEYNO FILM - ZDF - TURKISH RADIO TELEVISION CORPORATION

映画レビュー

3.5ステレオタイプとはなにか

2024年4月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

パレスチナの日常を他国に置き換えると滑稽よね、というのと、日常どこの人もやっているようなことを拡大するとパレスチナの話になるのよね、というのと。そういった中で、「意識高い」系の人たちが自分の中のスティロティピカルな“パレスチナ”によってインかアウトかをジャッジする傲慢さも印象的。/小鳥とのやり取りが面白かったんだけど、あれはなにの謂だろうか。

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ouosou

2.5ニーナ・シモンの『アイル・スペル・オン・ユー』

2023年8月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.5メタファーが読み解けないので。

2023年6月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

宗教的メタファーだとわかっても理解できる知識がない為、何を揶揄ってるのかがわからずもどかしかったし、やっぱりこういう作品は文化的・政治的背景がしっかりわからないと見てもだだ漏れだなぁ、と我ながら恥ずかしくなった。
それでもくすっと笑ってしまうような、大らかなユーモアがそこかしこに溢れてて素敵♡と思える作品でした。

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胃袋

3.5パレスチナをめぐって

2022年11月4日
iPhoneアプリから投稿

さらに政治的緊張感の増したロイ・アンダーソンと形容できそうな映画だった。

笑いとは、言い換えれば社会一般的な認識(=常識)と眼前のできごとの落差に対する違和感の表れであり、落差があるということは、どちらか片方が決定的にズレているということだ。すなわち現実が良識を凌駕してしまっているか、あるいはそもそもその良識自体に誤謬と欺瞞がある。

エリア・スレイマン監督はパレスチナ問題をめぐる常識と現実の間に横たわる落差をシュールレアリスティックに引き延ばし、ことさら強調する。たとえばパリの街中を戦車が走り抜けるシーンや、武器を携えた一般人がスーパーで呑気にショッピングするシーン。なんとも不審で不可思議な光景に思われるが、今なおユダヤ人との人種間対立が続くパレスチナ人たちにとっては、こうしたキナ臭い光景が当たり前の日常なのだ。

あるいはスレイマン監督が黒人運転手のタクシーに乗るシーン。スレイマンがうつらうつらしているうちに窓外の景色はいつの間にか整然としたオフィス街から寂れたスラム街へと変わっている。黒人が峻厳な表情でスレイマンに「あんた何人だ?」と問いかけ、車内に危うい人種的対立の緊張が走る。スレイマンがおずおずと「パレスチナ人」と答えると、黒人の表情がパッと晴れる。黒人はパレスチナ人に対する個人的な友愛を語ると、運賃までタダにしてくれるという。黒人が思わぬ「同胞」に出会えたことを素朴に喜ぶ一方で、スレイマンは安堵とも焦燥ともつかないなんとも微妙な表情を浮かべる。

といった具合に、本作ではパレスチナ問題をめぐる当事者と部外者の認識のズレがシュールコメディという形式によって鮮明に炙り出されている。

ただ、パレスチナにもフランスにも関係ないところで生まれ育った私にとっては拾いきれないトピックも多々あり、途中で何度か寝かけてしまった。政治的コノテーションを度外視してもなおに面白い作品かと問われると、正直首肯しがたい。だったらロイ・アンダーソンのほうがよくできてるなあと思う。

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因果

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