パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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知らずに期待していたのかも
お勧め作品とは思えなかったです。
そもそもの設定である何故彼等が貧困に喘いでいるのか分からない。
兄は極貧の家庭の割に浪人までして大学進学を目指していて家庭教師が出来るぐらいの学力がある。
妹は容姿も悪くない設定で、ネットで心理学のさわりぐらいは学ぶ力があるのに働いていない。
父親は車の運転は有能で人当たりも良いが働いていない。
母親も体力に自信があり、家政婦としてもそつなくこなせるのに働いていない。
つまりこの家族は働ける素養があるし仕事をしたいと思っているのに仕事をしていない人達である。
横たわる格差
ある金持ち家族に身元を偽って雇用された一家族が、四苦八苦しながら取り繕うさまを滑稽に描く序盤。貧乏家族が金持ちを騙し留飲を下げるドラマかと思いきや、さにあらず。
格差や学歴社会、生まれた環境による越えられない壁など、非常に風刺のきいた表現で社会の闇をえぐりつつ、次第にサスペンスやホラーの様相を帯び、どこに連れていかれるのかわからない怒涛の展開。
最後は、痛さだけが残った。
テーブルの下で聞かされる金持ちの愛撫。「貧乏人は臭い」という言葉で、元スポーツマンの矜持がガラガラと崩れていく負け組の痛々しさを、父親役のソン・ガンホが好演。地頭はいいのに金がなく、進学できない兄妹。口は悪いが、決して悪人ではない肝の座った妻。
決して根っからの悪人ではない彼らをパラサイトと呼ぶ比喩は、世界中の大多数の層を指す言葉でもあり、ひどく攻撃的な響き。
だが、社会が資本主義だろうが共産主義だろうが、大多数の人間は富が集中した場所に群がらざるを得ない。一つのパイをみんなでカツカツと切り分けて生きている。
「環境が違えば、私たちだって違う生き方をできたはず」。妻のセリフに、誰もがそう思う。
人間の矜持は一体どこに持てばいいのだろう。どれだけ貧乏でも、人から情けないと思われない生き方とは一体なんだろう。
「足るを知る」という言葉で自分を慰めても、富む側の存在そのものが傷つける。時代劇に登場する「清貧」という言葉が似合う求道者のような生活をするには、自給自足することすらままならない現代では、それも難しい。
完全な平等社会に近づくには、生まれた時に衣食住の完全に同じ施設で育てられ、教育の機会を等しく受けるか、成人後に必ず受け取れる保証金制度を設けるなど、「機会の平等」を享受できる構造にしなければならないだろう。
しかし、そんな社会はSFのなかでしか存在しない、夢物語。
だから、キムの「成功して家を買い、父親を地下から解放する」という独白は非常に残酷なラストだ。
人を騙したり欺くよりまともな考えだけど、その未来はほぼ来ないだろうと思ってしまうから。
彼の前に横たわる越えられない格差は、私の前にも横たわっている。あの地下室の闇がこちらを見ているようで、怖い。
日本では作れない
明確な格差社会を表している。でもあからさまに批判しているわけではない。
半地下に住む一家は、ヒトを惹きつけたりハウスキーパーとして力を持っているにもかかわらず失業している。何だろうなー、こんなに差がついちゃうんだ。一方では大雨が暮らしや命までも脅かされ、また一方ではただキャンプできないなーくらいの人たち。そして半地下はいつでも地下に落ちる危険も。結末も、残酷なはずがほのぼのしてしまう。
助けて
雨の降りしきる美しい庭に張られたテントの中、地下からの「助けて」という信号に気づくダソン。
彼のバースデーパーティーで起こる惨劇。
まるで地下の住民だったあの男を救い出したかのように思えた。男はそれまで自らと妻を寛大に、あるいは愚鈍に迎え入れてくれたこの家に住む家族たちへお礼するかのように寄生生物を駆除してみせた。妻を亡き者にされた復讐もやや果たし家主への愛を叫んで死んでいく。男は本物の寄生生物だ。
男は最下層である地下での暮らしが永遠に続くことを望んでいた。現状を打破する行動も計画もなく地上での生活に憧れるでもなく冷たく汚れた地下での暮らしに幸せを感じていた。時折訪れる住人の不在時には地上へ出て妻と太陽を浴び踊ったがそれすらもその生活を謳歌しているように見えた。
そして現れる暖かい太陽の指す美しい場所に憧れる半地下の住人たち。綿密な計画と行動力を持ってあっという間に寄生したかのように思えた。しかし寄生以上の生活を夢見ていた。「この家に住むならどの部屋がいい?」
地下に住む寄生生物の幸せな日々が壊れた。
最後、半地下の人間であったキムギテクは本能から最下層の地下に生きる寄生生物となった。
半地下に暮らす息子はまたあの明るい陽の差す美しい庭で父を抱きしめるという途方もない夢を見て。
もっと色々なことを感じ取りたい。
製作者の意図と合っているかどうかは知らんが。
この映画を見た日から、私もまだ夢を見ているよう。
今の自分からはどんな匂いがするんだろうな。
トントン拍子からの
無職一家があの手この手でトントン拍子に寄生計画を進めてゆくコミカルな前半から、不穏な急展開に怒濤のクライマックスまで、どうなるかと目が離せませんでした。
俳優陣もそれぞれに良かったと思います。
父親役のソン・ガンホの、普通の調子のいいオッサン感からのクライマックスの緊迫感、やはり良いです。
主人公達が雨の中、夜の街をひたすらひたすら階段を下りて自宅に帰る場面は、富裕層との距離感、格差を象徴するようで、とても印象的でした。
冒頭にも主人公達の半地下の家と高級住宅との対比が示されていましたが、後半での富裕層と貧困層の対比、断絶、無関心を示すような描写は、やはり根強い格差社会の問題を意識させられます。
日本も他人事ではない社会情勢かと思いますが。
コミカルに描写されていた半地下の家が悲惨な描写に変わる喜劇と悲劇の表裏一体感、不穏な場面や暴力的な場面でも漂う妙な滑稽感など秀逸です。
バーベキューの肉を食べる犬とか、やはり適度にブラックなテイストも素晴らしいと思います。
父親の台詞で計画云々とありますが、計画を「希望」という言葉に置き換えられそうで、切なくなります。
ラストは、一応、息子に希望が感じられましたが。
上層から下層に流れ落ちる濁流が象徴
韓国社会の歪みを視覚的に描いた洪水のシーンが見事。上流階級の住む高級住宅街から、ひたすら下へ下へと階段を降りていく引きのカットに、韓国社会の経済格差が一目でみてとれました。陰惨なシーンのある映画は苦手ですが、社会派映画として記憶に残る映画でした。
楽しめました。
話題の映画、情報をほとんどいれずに観ました。
面白かった。
ただ、キャンプに行けず帰ってきてからの話は嫌い。
妹が死んじゃうのも嫌い。
ラストもあまり良くない。
そして、ちょっと話が長い。
拭いきれないにおい 宿主からの脱却
ヒトは望みを抱かなければ、失望も芽吹かない。
計画も立てなければ、失策して焦ることもない。
日々移り変わる景色にただ、身を任せ
自然の流れに乗って、その都度立ち回ればいい…
だが、はたしてそうなのだろうか?
名匠、ポン・ジュノ監督が
なぜ、自国韓国を舞台に選んだのか?
そこには日本より顕著な学歴社会があり
就職難の憂き目に合うヒトたちもいたり
(それなのにサービス業など一部の業種が
人手不足に陥るという皮肉じみた現状は
日本にも通じる)
労働格差、貧困格差が強まる社会と併せ
隣国・北朝鮮の存在があったからに
ほかなりません。
そして、それらの要因を見事に作品に
落とし込んだ作劇をみせていました。
フィクションだから、他国の出来事だからといって
自国にとってよそ事には済ませない強度があり、
切実な社会問題と人間社会の〈寄生 = 依存〉の関係性を
巧みに織り込んだ作品だと思いました。
必ずしも〈寄生 = 依存〉が悪いとはわたしは思いません。
会社だったり、施設だったり、家族だったりと
少なからずわたしたちは何かに頼って
生活しているのだから…
宿主たる拠り所の存在の裏には
必ず努力したヒトがいるのだから…
そういうヒトたちに
〈リスペクト〉を忘れてはいけない。
息子は父親をリスペクトしていたのに
父親は宿主をリスペクトしていなかったから
悲劇は起きてしまった…
水石、雨、景色を写し出すそれぞれの窓など
〈象徴的〉な使い方が巧い!
有能なのに職に就けず雑多な街の半地下に住む家族が
成功して財をなしデザイナー住宅に住む家族に見た理想は、
なりたくてもなれなかった家族の肖像…
生きる手段として寄生した、裕福な家族への憧れが
いつしか裕福な生活の象徴としてのデザイナー住宅への
存在依存にすり代わり、父親を助けたい想いも手伝って
住宅所有の目標という望みが芽生える
やはりヒトは望みがなければ、生きていけない。
語るべき理想もなければ、ヒトは強くなれない。
…と、思いました。
特異な感想("半"の意味)
あくまで主観でしかないレビュー
まず作品について
リズムと構図で全てが美しく構成されている映画
これはどのプロな方々の論評を見ても書かれていること。
だからこれは言わずもがな。
なにより素晴らしいのは半地下という物凄く曖昧な言葉と
終盤にやってくるセリフ「ここに似合ってるか?」
生活ができない、という地下ではなく
生活できるのだが、目の前に金があると求めるという部分。
それが地上のきらびやかな所だし、地下はその名の通り、汚くて底。
ちょっと思い出話。
昔、あるひょんな出来事、というよりある人から言われた言葉で「格差」を感じ、幼き時に本当に悔しくて悔しくて涙が止まらなかったことがあった。
もちろん誰にも言えなかったし、なぜ生まれてきたのかということをずっと考えていた時期があった。
いわば多感な時期というやつ。
その時、まさに感じたのが「自分はここに似合ってるのか?」という問い。
偽りだけで簡単にカモフラージュでき、それを微塵も感じさせない"技"を身につけた。
間違った"技"。
でもそれは取り返しがつかなくなるもの。
チェ・ウシクの笑い、なにか名状できないのだが
笑う理由が少なからずわかる気がする。
いつまでも半地下なままのような感じというか…
ソン・ガンホがナイフを手に取った瞬間
あの時を思い出し、消せないという現実がとても悔しかった
映画の感想に戻すと
これが映画だなと
現実になってはならない、しかし現実にしたい
そんな思いを表現する
人間味、まさに「臭さ」
ポン・ジュノ さすがパルム。
オスカー向きじゃないかな。笑
なによりキム・ギウ、パク・ソダムが可愛い!
以上!
エンドロールから涙腺が崩壊しました。
ネタバレ禁止の方が面白さマシマシのエンタメ+ドラマな作品です。
昨年末から公開の話題の韓国映画をやっと鑑賞。
ネタバレ禁止との事で、ネタバレが全然大丈夫な自分ではありますが、殆ど予備知識もなく鑑賞しました。
で、感想はと言うと面白い!
むちゃくちゃ面白いです。
観る前からポスターの意味深な画像で鑑賞意欲をそそられましたが、確かにこれはネタバレ禁止だわw
古くは「シックス・センス」的な感じのネタバレ禁止が中盤から怒涛の展開を繰り広げ、「カメラを止めるな!」的な流れでテンポが一気に良くなる。
富裕層と貧困層の絶対的な階級は生き方や振る舞いはその人自身にまで息づいている。
このカタルシスは息をする様に根付いていて、業の様にへばりついている。この辺りは「ジョーカー」を見る様な虚無感。
今年のアカデミー作品賞にも初の外国作品としてノミネートされてますが、その価値は十分にあると思います。
半地下に居住するキム一家は無職かも知れないが、働けない訳ではない。
それなりのスキルと適応力があり、仕事が無いのは国の経済状況と言うしかない。
だから、最初は小悪党な感じで社会に寄生するパラサイトで小銭を掠め取る様な感じ。
スマホは持っていても通信料は払っていなくて、家の中でフリーWi-Fiを探して、通信をやっている。
食うに困る程の貧乏でもない。
社会の弱者にはなるかもしれないけど、全て貧乏のせいにする程ではないから、どこかシニカルに笑える。
それが悪知恵と策略を張り巡らし、次々と仕事を獲得していく。
大富豪に寄生するパラサイトとはよく言ったもんだと高をくくっていたら、大富豪のパク一家がキャンプに行ってからが事態は急加速。
事件が起こる様なフラグが立ったと言えばそれまでだけど、よ~く考えるとなんとなく伏線はあった。それが“こうなるだろうなぁ”と思っていたら、物凄い展開。ここからは二転三転どころの騒ぎではない。完全にやられました。
個人的にちょっと引っ掛かるのはキム一家のそれぞれの持っている特筆すべきスペックはそれなり以上の物があるのに、それを描写する前振りが薄いかなと。
また、家庭教師のギウとダへが恋仲になるのが早くない?w
高校2年生の女の子を手玉に取るなんてお手の物かもしれないけど、そんなにギウは男前でもないしw、プレイボーイな素振りもない。
出来ればそこに至る過程を写す描写がちょっと少ない。
他の設定での伏線を張り巡らし、それを回収するのが実に上手い作品なだけに細かい所ではありますが、惜しいです。
韓国映画は国の経済情勢や南北での緊張関係、国家と民族性を訴えかける作品が多いですが、この作品はそう言ったテーマとのバランスが非常に上手いです。
あのラストはちょっとどうなんだろうか?と鑑賞後にいろいろと考えました。
ある意味目標を設定して、前向きになれる要素もあり、光を見出だせると思うんですが、これをオッケーとすると全ては貧乏と格差社会のせいとなってしまうのではないかなと。
いろんな伏線が貼られたラストとしてはアッと言わせるラストであるのは間違い無しなんですが、どうもいろいろと考えてしまう。
“エンタメ作品だから、そんなに考えなくてもいいじゃん”と思ったりするんですが、こんな風に感じられるのもこの作品の奥の深さかなと言うのにも気が付きました。
格差社会の現実を簡単に白黒に割り切れる物ではないからこそ、こう言ったラストにも様々な思いが出てくるのも、ポン・ジュノ監督の手玉に取られてるのかなw
人が生きる事で染み着く物。本来は当たり前な事でも無味無臭が尊ばれる中でそれは何かを失いかけていて、有味有臭が個性と文化と人格なのに、それを認めようとしない。
そんな格差社会の強者と弱者。歪みと隙間をライトにシニカルに描き、緩急を織り混ぜながら、一気に加速するスピード感。
いろいろと言いたいけど、この作品に関してはどれを書いてもネタバレになりそうで、それに面白さが半減するかもと思うと書くに書けないw
今回はそれくらい気を使って書いてみましたw
中東の貧困・移民問題を題材にした「存在のない子供たち」の様な何処か遠い国の様に感じる問題ではなく、日本でも起こりうる問題で決して他人事な話ではないと思います。
こう言った問題を真正面から捉えるとどうしても重くなりがちな所を楽しく緩急を織り混ぜながら製作されたのは見事。
この作品もある意味、観るべき作品なのかと思います。
先日鑑賞した「エクストリーム・ジョブ」や「EXIT」もむちゃくちゃ面白かったんですが、韓国映画はレベルが高い作品が非常に多い!
ネタバレ禁止の方が面白さがマシマシになる、ドラマとエンターテイメントを織り混ぜた一級品な作品で勿論どころかむちゃくちゃお薦めです!
社会派?単なるコメディだろ
全然深く無いしリアリティが無いんだけど、、、
絶賛する人って普段どの映画見てるんだろ
単に格差を対比したからって社会派と軽々しく呼ぶのはどうなんだ?
半地下やら完全地下やら高台やらその構図は面白い。この映画のアイコンでもあるし、見せ方や演出はエンタメの王道って感じ。
ただそれぞれが単なる事象で肉付けが薄いんだよね。
途中まではテンポが良くシンプルに進むので全く頭を使わないが半地下家族が詐欺を働く過程は批評家気取りのオタクだったら穴だらけて言うのでは?(この作品を観る層には居ないようだが)
特に前家政婦を陥れるには病院の写真てあれだけで信じるのか?裏取りしない金持ち妻の浅はかさ。
金持ち高台一家が越して来てからの付き合いの前家政婦との信頼関係を無視して、コネが一番だと言いながら、ぽっと出の運転手の言う事を鵜呑みにするのか?
金持ち妻は主人に相談できずにバレたら追い出されるみたいな言い方にも疑問符。
人の良い金持ち夫婦に見えてもそこにも上下関係が滲み出る。確かに家事が全く出来ないのに仕事もしてない顔が良いだけの奥さんとか完全下だけのペットと社長の主人が思ってても否定出来ない。無意味なエロ描写もあったしね。(会話は意味あったけどイチャつき程度で結構)
金持ち社長の主人についてはそこまで掘り下げは無かったけど、下の息子の遊び相手になるくらいには家族として成り立っているんだと思う。
そう言えば半地下長男は親友をナチュラルに裏切って金持ち娘を落とすのも天晴れだわ。
清々しく良心の呵責無し!
金持ち娘と親友の本当の関係は定かでないが、親友の言う通りなら娘は簡単に浮気するし、違くても簡単に落とされ過ぎだがテンポ重視でリアリティ無視だね。
金持ち息子はキーになりそうなネタを振り撒きつつも全くネタ回収しないし全然キャラ立ちしなかった。
半地下娘との初対面をキッチリ描ければ脚本に信頼性が出たのに描けなかったのかテンポ重視かカットだし、面白さ減だね。
まあでも初っ端から半地下家族はクズ一家だよね〜
貧乏だから許される?
何で家族全員で前のめりに詐欺をするんだ。誰も止めもしないし、全員全く良心の呵責は無いらしい。映画で語られる優しいか冷たいかという金持ちか貧乏かの次元でなく、犯罪かどうかの別枠で一線など見えないかのように軽々しく越えていく。
半地下長男の大学証明書の偽造なんて「そのうち合格する(決意)んだからちょっと早く証書を受け取っただけだ」とか何カッコいい風に言ってんだ?常人からすると詭弁を垂れ流すなて総ツッコミするところ。
これに共感してたら人としてヤバイ…
まあここまでは受け入れたとしても、金持ち家主の不在中に半地下家族が総出で不法侵入してここは俺らの家発言とかも下衆いな〜とか。
職にありつくだけじゃなくやり過ぎるのもリアルよりコメディだなと。
家主不在で勝手に前家政婦を家の中に入れる半地下妻も家政婦として駄目。まあそうしないとストーリー繋げられないし韓国内ではままあるものとして問題無いのだろう。
正直まだ前家政婦の方がスキルも評価も高いように見えたが低レベルな半地下妻は飼い犬への扱いも雑で人間的にも駄目。
ジャージャー麺でスキルの低さを露呈するかと期待したがそう言う綻び方面には行かず。
そして完全地下夫婦も出て来て二転三転するけど、そっちも結果狂人だし。
ただ狂う要因も察せられるし、こちらの方がまだ人間味あり。
前家政婦も結局庶民の出で借金だるまの夫を匿うのに不法侵入してるのは夫婦愛が間違ってるがやむを得ない事態に迫られてと思える。
前家政婦のほうは仕事は評価されるほど真面目にやって来たのに陥れられて同情すらする。
ただすったもんだの挙句、前家政婦の死が確定する前に完全地下夫が殺人し始めるのはいきなりの暴走に見えてしまった描写が悪い。あの時点で死んでたのが明確なら半地下家族への恨みの発露とは分かる。暴走前に亡き妻に号泣するカットでも入れれば良いのに。
殺人or未遂描写が前家政婦=半地下息子=半地下娘=完全地下夫=社長
が大差ない描写でコイツ死んだとは現場で不明。息子あれでよく生きてたなとか。
まあ文脈では分かるがそれじゃつまらないね。淡々と描いてるから何がしたいのか冷めた気分で見てた。
ただ半地下主人が成り行きで金持ち社長を殺害するのは酷すぎる。臭い差別で人殺しに至ったと文脈に納得できるなら世の中安易な殺人だらけだ。
もし結果が逆なら、半地下主人は逃れられない殺人に直面してパラサイトの露見を悟りその罪を家族に押し付けて自分は逃れたい→完全地下を隠れ屋にするよう自分が成り変われば良い→元中古物件なら殺人現場は売り出される→社長が死んだら資産が無くなり確実に売り出される、とここまで逆算しての殺人ならクレバーだったけど、度々の無計画発言や隠れ屋は思いついたとの言葉から社長へは衝動的な殺人以外の何者でも無く超ガッカリ。全く共感できない。
ちょっと悪口言われた子どもの逆ギレと同レベルで殺人するな。
こんなのに貧乏を言い訳に使うな。臭いと言う視点は斬新だが社会派と言う言葉は値しない。
まあ最後は半地下長男の妄想で終わったけど、日本ならどう考えても将来は無い。
絶対的貧困での格差では無く、前科者になったことによる自業自得でしかないが。
普通に努力して有名大学進学して一発逆転する一縷の望みがあったのに阿呆なもんだ。
最後はコメディとしても失速だったな。
まあ口直しに誰か本当の絶対的貧困を描いた作品を教えてください。
パラサイトはある
ハラハラドキドキのコメディ多めの密室ドラマでこのまま終われば笑って映画館を後に出来るのに。
地下から出てきた妻を殺された夫の殺意には同情の余地があるが、父の殺人の動機に格差社会が温床とまで同意できるものが無かったのが1番のモヤモヤ。
最近の映画は終盤の殺人に道徳をぶつけてくる。
落ちに皆殺し痛快な映画は沢山あるが、動機に必然性を考えさせるエンターテインメント映画が最近増えている。
何ハラスメント?とか考えながら見る映画。これも一つのムーブメント。
他者を意識し共存していくのが人間社会。パラサイトとは共存。この映画から学べることがあるとすれば、自己と他者に優劣をつけ一方が悪意をもつと共存が成り立たなくなるということ。
貧富の差は無くならないかもしれないが、共存していくことがハッピーエンドのコツかもしれない。
残酷なエンタメ
すごかったー。レイトショーで観て、興奮して眠れない。。
韓国映画をちゃんと観たのが初めて、というのもあるかもしれないけど、かなり衝撃的でした。
最初は、ポップな「万引き家族」みたいな感じかな?と軽い気持ちで見てたけど、ええ、そうなるの?!後半、怒涛の展開。
荒唐無稽かもしれないけど、振り切ってていい。エネルギーがすごい。
でもけして大味の作品ではなくて、いろんな複線が、人物描写が丁寧に織り込まれている。
そして貧困の描き方がえぐい。
大洪水で、半地下の家族たちは避難所にいる中、お金持ち一家は「雨のおかげてPM2.5もとんでない」って上機嫌で豪華なパーティーの準備してる。
人並みに働いても、見た目を取り繕っても、染み付いている地下の匂い…とか。
「もしこんな広い家で暮らしてたら、私だって優しくなれる」っていうのは、本質をついていると思った。
家族愛の深さ
地下に潜れば潜るほど家族愛と家族共有のにおいが強くなる構造が階層社会を良く表していました。家族仲が良いのが貧困をテーマにしたコメディを暖かい笑いにしていて好きでした。
上層、下層、最下層のすみ分けを視覚的な表現にとどまらず臭いで表され...
上層、下層、最下層のすみ分けを視覚的な表現にとどまらず臭いで表された事で、半地下と地下の住人の周りに漂う空気も澱んで見えた。
最後のパーティーで一層顕著に見せられる使う側と使われる側。観賞後にまとわりつく生々しい半地下の空気。コミカルに民主主義の成れの果てを描いていて納得のアカデミー賞優秀作品賞ですね。とジャージャー麺食べながらぐるぐる考えてます。
本物の映画を観た
ネット等で評判を知って観賞
韓国映画は劇場で見た記憶はないかも
感想としては
いやこれは面白かった
韓国映画のレベルの高さは知ってはいたとはいえ
相変わらずの見応えでした
半地下の家に暮らす家族がひょんなキッカケで
上流階級の家に取り入りその優雅な生活を乗っ取って
しまおうと画策する冒頭はコメディタッチ
そこから思わぬ展開にどんどん突き進んでいき
一気に引き込まれてしまいました
面白いのは半地下の家族
決して能力が無くて仕事がないのではなく
実際はかなり優秀なのにふさわしい職場に就けず
千載一遇のチャンスを狙わざるを得ない状況
そして明るい日の当たる地上の富裕層
日もwifiも少ししか入らない半地下の人々
そのさらに地下に人知れず暮らす…人々
それぞれの誰の味方もするわけでもない視点で
三層を描き観た客ごとにそれぞれ移入する先が変わりそうな
描写には舌を巻きました
その中には共通して韓国社会の現実や市中の人々の
悩みを内包したものでした
他国の政治等にそう口出ししたくはありませんが
韓国の政権は今一心に南北統一を目指していますが
経済政策はハッキリ言って失策を繰り返し賃金や
失業率がえらいことになっています
いったん就職に失敗すれば定職に就けず
政府は財閥いじめをガス抜きだと思っているだけ
つまり能力のある人がその能力で世に出て社会的地位も得る
社会を実現出来ない現実を作中で訴えかけています
チャンスすら与えられないのなら倫理に悖ろうとも
飛びつくしかない悲壮に徐々にえぐり込んできます
そんな三層の人々が「同じ高さ」に会すると…
作中のセリフで父親のキムが
「犯罪であろうと国を売ろうと無計画なら失敗にならない」
というものがありましたが
もうコレ完全に政治を揶揄してるなあと思いましたし
この作品の中で事前に計画したことはみんな失敗しているし
しないでやったことは全部成功していることに気が付きました
こうしたメッセージ性の強い作品が映画賞もらいやすいのも
わかりますが韓国の映画だからなどで敬遠せず
観てみると映画を作ろうという志の高さが伺えました
これはおすすめしたいです
美しいものは高く上がる。汚いものは下へ下へ流れる。
衝撃的なほど面白かった。
無職の4人家族が、裕福な一家に文字通り「寄生」していくという設定の妙に始まって、面白いほど簡単に金持ち一家を乗っ取っていく手際の良い演出と、そこから彼らの身分が知られてしまうか否かの展開に入っていくことは火を見るよりも明らかながら、実際の物語は少なくとも私の想像を遥かに超え、また小さな伏線の数々が絶妙に絡まりながら巧みに解けていくのが快感ですらあった。モールス信号、貧乏人の臭い、小さな小道具の数々・・・すべてが物語をすり抜けていく中で重大な鍵となり、効果的に機能しながら想像を超えた内容に発展していく。
私のような凡人の頭で考えたら、一家が身分を知られまいと嘘を重ねていくコメディを思いつくのが関の山。下手したらプロの脚本家さえ、地下室に隠された棲み処を発想するまででアイデアは終わってしまうかもしれない。しかしポン・ジュノはそこから先へと着想とストーリーを発展させる。そしてなるほどポン・ジュノがこの映画を通じて描きたかったのはこういうことだったのかと大いに納得する。一家が「半地下」に住んでいることさえも、伏線だったと気づくとほぼ同時に。
地上の暮らしは光が当たって暖かで大層平和である。一方で地下の暮らしはジメジメと薄暗く寒々しい。誰もが地上の豊かな暮らしに憧れるし、本来誰にでもそれを手に入れるチャンスはある。しかし一度何かの拍子で足を踏み外したりレールを踏み外したりすると、あれよあれよと地下へと転げ落ちてしまうことがある。一度地下に落ちてしまうと、そこから地上へを這いあがることは容易いことではない。美しいものは大抵高い方へ高い方へと上っていくばかりで下々の方へは届かない。その代わり、地上から掃きだされた汚いものだけは下へ下へと流れてきて、溢れ出る下水に塗れながら煙草を吸わされたりするのだ。
この映画には、画に描いたような「地上」で暮らす人と、「地下」で暮らす人と、「半地下」で暮らす人が存在し、下へ落ちた者はいても上へあがることを許された者はない。辛うじて「天上」に召された者がいるだけだ。やりきれない。けれどもこういった広がりゆく格差の問題は、韓国だけではない社会の厳しい現実であり、冷酷非情な社会の縮図そのものだと実感する。
パルムドールやらアカデミー賞やらといった情報が先走ってしまうと余計なフィルターで作品を観られてしまいそうで不安だが、私的にはこの映画はブラック・コメディとして楽しむのが正解だろうと思う。特に前半部分などは娯楽性を湛えた小気味良さがあるし、思わず吹き出してしまうようなブラック・ユーモアで溢れている。しかし気が付けば、現代の社会を鋭く風刺したテーマが胸の中に浮かび上がるという巧妙な仕組み。戦慄くくらい面白かったし、映画を終わった後もしばらくこの作品のことを考えていた。
作品を観てソン・ガンホのオスカー候補入りを切願していただけに候補漏れは残念無念だった。でも素晴らしい存在感でした。
祝ノミニーでも期待しすぎました。
前評判が非常高く、ポンジュノ作品ということで期待して見に行きました。確かに面白いし、今作るべきテーマですが期待が大きすぎました。
役者も個性的で演技も良かったのですが、前半のストーリーがうまく行きすぎで、いくら純粋とはいえ知り合いの知り合いをあそこまで安易に信用するのか?とか、そもそも真っ当に生きようとしない主役ファミリーに気持ちが入らなかった。上手く生きられない韓国の情勢も分かるけど、悪い事をしても仕方ない、がまかり通ればもはや無法地帯。
リビングで酒盛りしている時点で絶対戻って来るのほとんどの人が予想できたのでは?前家政婦のキャラもよかった。最後のソンガンホの咄嗟にとった行動は理解できる。根本はファミリーは善良なんだと思います。ラストも良かったと思います。
ケン ローチは演出はイマイチだったけどこちらはかなり優れているのはアカデミーノミニーが物語ってる。私の期待が大きすぎただけかも。
休日の昼ということもありましたが、中高年率が高い満席でビックリしました。ポンジュノを見に中高年が押し寄せた事が印象に残りました。有楽町でも新宿でもないのに。
ぐいぐい引き込まれた!
ポンジュノ監督とソンガンホのタッグは間違いないと思いつつ、予想以上におもしろかった。2つの(3つの?)家族は一人一人魅力的なキャラで描かれていて、なんとゆうか、意地悪な人はいないんだけど、節々で貧富の差を突きつけられて、我に帰るような感覚を覚えた。半地下の住居、豪邸の地下、におい、大雨。印象的なシーンでした。
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