劇場公開日 2020年10月30日

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罪の声のレビュー・感想・評価

全412件中、381~400件目を表示

3.5昭和世代は見るべき

2020年10月31日
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昭和の未解決事件をモチーフにした二人の主人公の人間ドラマをフィクションとは思えない見ごたえのある推理劇に仕立てた作品でした。
小栗旬と星野源という主役二人は当然ですが、多くの名脇役達の演技が光ります。高田聖子、原菜乃華、宇野祥平は特に良かったです。
さらに昭和時代の大御所達も見応えがある姿が見れたのは楽しかった。梶芽衣子、宮下順子、浅茅陽子、日野正平、宇崎竜童は私世代には嬉しい限り。
重厚な原作を映画に合わせて校正した野木亜紀子さんの脚本も良かったです。昭和世代は必見の犯罪推理劇です。

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Yoji

3.5作品の質は高い、でも共感はしにくいかな…

2020年10月31日
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原作未読。

役者陣は良かった。
無駄に泣き喚かない、大声で怒鳴らない、不必要に走り回らない、抑えた演技。
目立たないキャラクターたちにもちゃんと存在感がある。

そしてさすがの脚本。
犯人グループを筆頭に、かなりの数の人名が登場するが、物語が整理されているのでまったく混乱しないで済んだ。
これだけでも特筆に値する。

とはいえ、前半は主人公の二人が過去の事件を追うことに終始するので、(前述したとおり、ちゃんと解る様にできているので今思えばそんな必要もなかったのだが)一時「疲れ」との戦いも乗り越えなくてはならない。

最後は家族のドラマに収束していくんだけど、我々観客が心を寄せるべきこの事件に巻き込まれた被害者たちの境遇やその経緯がかなり特殊なせいもあって、正直なところ感情移入の前に「気の毒だなぁ」が先行してしまい、かなり客観的に観ている自分がいた。

ささやかながら幸せを築いている主人公が、わざわざ自分の不穏極まりない過去をあえて探ろうと執着する辺りも私にはあまりピンと来なかった。

野暮を承知で言えば、これだけたくさんの見ず知らずの人々の証言が集まって真相に辿り着くという設定が、令和の現代としてはやはり無理筋と言えなくもない。今や、田舎のご老人でもこんなに口は軽くないよ。

色々気になって私はノれなかったが、映画としては良くできているのは間違いない。

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キレンジャー

4.5心で叫ぶ

2020年10月31日
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記者と共に、私も真実を探る時間のように感じた。

出会う大人によって子供の未来は変わる。

自分は正義だと思う大人に、翻弄される。

すべての役者さんが、主役。

観ている私も。

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ムーミン

4.0「いまさら掘り返す意味あります?」

2020年10月31日
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リアルでこのニュースを観ていた世代としても「なんでいま?」って言う感じは正直思ったけれど観劇後「こう言う切り取り方をしたんだ」と大満足。
さらに小栗旬がとてもいい。知らないうちにいい役者になったんだなぁ。挫折や理不尽な事を経験してきたであろう働き盛りの記者を上手く演じていて観る人を引き込んでいた。

そしてこの事件を知っている世代のハートを掴んだのは「刑事くん」じゃないでしょうか。そうです「刑事くん」の桜木健一が元刑事役で出演しているのです!
昭和ボーイズ&ガールズにオススメしたい映画です。

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にゃす

3.0面白さという意味では今一つだが

2020年10月31日
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魂が籠った演技には心が動かされた。
主役の二人ではなく、周りの人々の熱演に魅了された。

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ムーラン

4.5怨嗟の円環

2020年10月31日
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鑑賞方法:映画館

この作品は日本現代史の一側面である。この円環は今なお途切れていないことに戦慄を覚えずにいられない。役者陣にとっても生傷であるかもしれないことを思えば、膨大なエネルギーが作品に込められているように思う。ヨークの町を最後の舞台に選んだのも歴史俯瞰につなげる意図があったのだろう。

■書き直し■
「怨嗟の円環」

この作品は日本現代史の一側面を捉えている。
現実に起こった事件をモチーフにしているが、事件構造は全くの架空である。
(『リアル』な表層に『バーチャル』な構造を埋め込み、『リアル』な現代史構造を表現して見せる)という『入れ子』構造が本作の鍵であり、成功している。
年嵩の役者陣にとっては尚疼く古傷であるかもしれないことを思えば、膨大なエネルギーが作中に込められているように思う。蛇足のようだが、これも『入れ子』と見れば、複次元的な『入れ子』が完成する。

その複雑な構造を持ってストレートなメッセージを直球で放り込むところに本作の魅力がある。原作は未見で恐縮だが、先ずは脚本の秀逸さを称賛したい。
作中、黒澤明『天国と地獄』への言及があるが… 深読みに誘われた。
作品の“ありよう“とて提示したのではあるまいか?
まさに“複眼“的な本作の特徴を思い、手前勝手に納得してしまった。

怨嗟の円環は断ち切ることができるのか?
最後の舞台となるヨークの町は、シェイクスピア史劇に象徴されるように、「繰り返された戦火」を想起させる。人間俯瞰につなげる構造的意図があったのだろう。そこで語られるメッセージに重さを与えている。

小栗旬の、“人間臭い“ 中に “青さ“ を持った芝居が良い。
星野源やその他のキャスティングも的を射ている。

本作が発するメッセージは是非、劇場で確認して頂きたい。

コロナ災下、目先の経済や衛生管理が大切であることには論を待たない。
しかし、私たちの“ありよう“を俯瞰的に再確認することもまた、大切なことではないだろうか?
本作のような力強い作品が公開されることを嬉しく思う。

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nob

4.0メチャクチャ胸を締め付けられた作品。

2020年10月31日
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真実を知る事が正解なのか?
考えさせられた作品。

基本、新聞記者の小栗旬さんとテーラーの主人の星野源さんがメイン。
ある事件の真相を二人が別々に究明する中、途中からバディーとなり進む展開。

何人もの関係者に話を聞きながら真相が徐々に明らかになって行くんだけど、難航する事が無くスムーズ過ぎ(笑)
だけどテンポが良いので許容範囲内。

話を聞く人々の人生ドラマが皆さん凄すぎた。
ひとつの事件で何人もの人の人生が狂っていく姿が印象的。

観賞中に気が付いたんだけど、過去に実際にあったキャラメル会社の事件がモチーフになっていて、その事件をググって復習してから観賞した方が良かったと反省。

仕立てスーツを3割引にしなければこの事件の真相は究明されなかったかもしれません( ´∀`)

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イゲ

5.0初見的感覚感想。

2020年10月31日
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悲しい

知的

原作本未読者の感想です。脚本担当の方の作品は兼ねてより拝見しており、巧みな物語の立て方に信頼を置いておりました。しかしながら前作は前作、今作は今作と、作品たちを混同してその人の描く脚本だからいい、と過大評価するのは視点ズレの色眼鏡かとおもいますのでそれら抜きのお話です。
初めから予告映像にもある、あの特徴的な子供の声を使い、開始10分ほどで物語が立ち、進展していき、進展し続け2時間20分の映画。よくある伏線を散らかすだけ散らかし、回収しない作品になることもなく、撮るべきところを撮り、伝えるべきところを伝える、大変筋の通った脚本に感じられました。
今作の出だし、巧みかつ、「最初からクライマックス」な、初見で見ても「どうなるんだろう?」と興味の湧き立つ立て方だったのではないかとおもいます。
私は後述のひとりですが、邦画特有の陰気なライティングに加え、クドイほどの尺使いなどが苦手な方にも今作はかなり見やすい作品かとおもいます。
ちょこちょこイギリスのシーンがあり、おしゃれな風景が出てきて、星野さん演じる曽根のテーラーもおしゃれです。映画全体のライティングも明るく、「冬の美しい背景」で描かれるので見やすいです。
2時間20分、知り合いに誘われ観覧しましたが、邦画としては評価できる作品だったとおもいます。
映画評価±0が★3つなら、今作は2段階評価を上げてもいい気がしました。

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ざここ

4.5初の組み合わせ聖域に挑む

2020年10月31日
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三億円でこの種の作品は数多くあったがこのテーマはあなり聞かない警察でもない二人が事件の全容に踏み込むのだが35年もたち必死の捜査でも解明出来なかった事を2人だけでこんな数ヵ月で解決?あんな寄せ集め組織で組織犯罪可能か
時効になったとはいえ当事者が初対面の人にこんなすらすら話すのかご都合主義も多いが全て円満に解決パッピーエンドよりも不鮮明な部分を残した方が現実実があって良かったのではところでキツネ目の男は何者でどうなったんだっけ?

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ゆたぼー

5.0トイレに行きたい!でも、トイレに行けない。

2020年10月31日
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なんだこの映画は。
長めの映画だったけど、気持ちが途切れることなく、最後まで駆け抜ける感じの映画だった。

こんなに気持ちを持っていかれた映画は初めてだった。
事前に小説を読んでたから、より、ぐっと気持ちが入ったかもしれない。

犯人の言い分もわかるし、一方で、その結果振り回された人たちの悲劇も切なすぎて、憎しみをどこにぶつけたらいいのか、気持ちのやりどころに困る。
それが、すごくリアリティがあって、脳が痺れる感じがした。

ただ一つ欠点があるとすれば、2時間半の映画は長くて、途中でトイレに行きたくなって、でも、画面から目を離せなくて…。多くの人が映画終了後に、トイレに駆け込んでいました。
それくらい、夢中になれる映画でした。

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ざおとん

3.5すごく面白かったかというとそうでもなかったが、本当に丁寧に作られて...

2020年10月31日
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すごく面白かったかというとそうでもなかったが、本当に丁寧に作られていて、重厚で?があまりなく2時間20分観れたという事で星3.5です。観て損はない作品だと思った。

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おれ

4.0見応え充分

2020年10月31日
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予告見て一目惚れ(予告の作りや歌に惹かれ)したので見てきた。
予想はしていたがやはり内容は重たかった。でも見応えあり良かった。

ストーリー展開に何とも言えない感情にもあったし見ていてこうあってほしいなぁと思うも……
自分が当人だったらと思ったら絶句

ただ色んな人の思いなどを感じ誰が悪いとは一概に言えないのかなぁとも思えた。自分もその時代に生きていたら……

星野源の京都弁?なまり?がなんか心地良かった😁ただ子どもとの接し方に自然な雰囲気を感じなかった😣
あと他のドラマや映画の影響か、星野源と小栗旬のコンビが刑事に見えた😆😆

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すなぎも

4.5【点と点、80年代】

2020年10月31日
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グリコ森永事件をモチーフにして、少しずつ真実に迫る謎解きを展開しながらも、どこかノスタルジックな感覚を覚える作品だ。

そういう意味で、80年代の雰囲気をよく伝えていると思うし、更に、子供の声を主要なファクターに据え、その子供たちの成長や運命を見つめる重厚な作品になっていたと思う。

80年代は、ある意味、混沌とした時代だった。

多くの謎を残し、この作品のモチーフになったグリコ森永事件もそうだが、70年代の学生運動の残り香もあちこちにあったような気がする。

バイトしていた都心繁華街の居酒屋の近くにあるバーのオーナーが、学生運動に傾倒した人物で、「腹腹時計」という爆弾の作り方を記載した地下雑誌を所有しているという噂を聞いたことがあった。
70年代の三菱重工ビル爆破事件の爆弾の作成工程を記したものだ。

あの居酒屋は、ビルを建て替えてまだ営業している。
今度、バーがどうなっているか探してみようと思う。

また、80年代は、金融市場が激変した時代でもあった。
為替のプラザ合意。
後半は、バブルに突き進んだ。
しかし、株式市場も、まだまだ未成熟で、仕手やインサイダーといった禁じ手に手を染める連中がいて、取り締まりも不十分な時代だった。

そして、確実に儲かる話というのもあって、株絡みのうまい話に政治家が擦り寄って来ていたというのは、リクルート事件でも明らかになったところだ。

企業がらみで言えば、佐川急便事件で、政治家の金丸信が90年代初めに逮捕起訴されたが、実際の贈賄が行われたのは80年代だった。

そんなことを考えると、この作品で、株の空売りの資金の金主が政治家と推測される場面があるが、80年代であれば、ありそうな話だとさえ思えてくる。

こうして、この作品では、時代の雰囲気を表す特徴を点と点で結び、僕達のノスタルジーが刺激されるのだ。

そして、子供の声。

僕達は、キツネ目の男の似顔絵や、人を食ったような脅迫文、次から次に標的にされる食品関連企業に注目しがちだったように思う。
でも、声を利用された子供たちの、その後の運命など考えたことはなかったのではないか。

どのように声は調達されたのか。

この劇場型とも言われる事件の闇の深さを改めて思い知る。

グリコ森永事件では、当初、録音された声の主は、30代の女性と言われていた。
しかし、再鑑定で、これは10代のものとされ、他に幼い2人ないしは3人の男の子の声があったと報じられていた。

幼い子は記憶も確かに曖昧かもしれない。
だが、10代と思われる女の子は、記憶も鮮明なはずだ。
彼女は、何を感じていたのだろうか。
今も、怯えながら生きてるのだろうか。

興味というより、胸が苦しくなる。

ストーリーは、子供たちのその後の運命にフォーカスし、時代や時代の雰囲気に翻弄された周りの人を照らしながら、声の主たち…といっても残されたのは2人だけだが、彼らを罪の意識から解放していく。

阿久津と曽根が繋がった。
そして、京都のテーラーとヨークのブックストアの店構えがとても似ていたのも、点と点が繋がるような気がした。

この作品では、事件がさまざまな事柄や人と繋がっていた。
実際のグリコ森永事件はどうなのか。
一体、社会の何とか繋がっていたのか。
改めて興味が湧く。
しかし、子供のことを考えると、実は謎のままの方が良いような気にもなる。

ただ、一方で、キツネ目の男をすんでのところで取り逃したとして左遷された警察幹部は自死を選択した。

なかには、事件が永遠に終わらない人もいるのだ。

グリコ森永事件とは一体何だったのか。
僕達は改めて考えることで、日本の社会の歪んだ暗い部分を心にに留め置くことになる。

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ワンコ

5.0久々に胸にズドン!と来た作品でした

2020年10月31日
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公開初日の舞台あいさつ全国同時中継回を
観てきました。

映画の宣伝番組で星野源さんだったか小栗旬さんだったか、どちらが仰ってたかはハッキリ覚えてないのですが…

高田聖子さんのシーンが印象的だと言われていたのが実際に観て納得でした。

そこからが涙が止まらなくって…
私には この事件は最初のターゲットになった会社の名前が入った事件名が印象が強すぎて、他の会社の事を含め 具体的には覚えていない事も多かったのだけど、でも今回の作品を観て改めて記憶の奥底にバラバラに眠っていた記憶のピースが正に埋められた感がありました。

あくまで事実を題材にしたフィクションではあるのでしょうが、でも…
自分の知らない内に"罪の声"に使われてしまった人や その人に関わった人がこの世の何処かに存在されていて、それが原因で長い間 辛い思いをされていたのだとしら…。

その何とも言えない切ない思いが、前述の高田聖子さんのシーンから溢れてきてしまって…。
本当に舞台あいさつで星野源さんが言われていた通り、時間を感じさせない作品でした。

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fys

5.0子どもの未来を奪うことへの作り手の怒りが伝わってきます

2020年10月31日
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・自分が感銘を受けた原作のどの部分をどう掬い取りどう表現したのか。
・個人的に極めて重要だと思っている、弱い立場の子ども達への眼差しはどうか。

この二点で唸らされた作品は、私の場合、無条件に満点です。

原作は文庫で500ページを超える緻密な構成の作品です。真相は本当にこうだったかもしれない、と思わせる筋立てで圧倒された記憶があります。
映画という時間的制約のある中で、最大限に原作の厚みや深味を映像化していたように感じました。
さすがにやや急ぎ足の感はあるものの、破綻をきたさずに新聞記者の取材と真相を知りたいテイラーの二元中継で、糸を手繰り寄せていく展開。
自分の知らない新聞社という世界の雰囲気や、ちょっとしたロードムービー風の交流の中で信頼関係が深まる様は、確かに人間の付き合いってこういうこともあるよな、と感じさせる説得力。

生島の娘と息子に関しては、原作より感情移入を強めるドラマ性が付加されていたようですが、過剰な感じはなく、子どもを親の自己都合優先の事情(それは決して犯罪とは限らない)に巻き込むことは子どもの未来を奪う可能性がある、ということがストレートに伝わってきました。

2000年に制定された『児童虐待の防止等に関する法律』では、児童虐待の定義が下記の4種類に分けられています。
①身体的虐待
②性的虐待
③ネグレクト(保護の怠慢・拒否)
④心理的虐待
子どもを犯罪に巻き込むのは、結果的に①や④に繋がるわけで、紛れもなく児童虐待だと思います。

【リアルで怖い夢を見たので、忘れないうちに追記】
2020.10.31

それはこの記事が現実に報道されていて、聡一郎さんや、匿名の洋服店店主S氏が、ネット上で攻撃されていること。
曰く、
・聡一郎さんの悲惨な人生については、「バチが当たっただけじゃね?」
・Sって、○○町の△△という店らしい。
犯罪で儲けた金で作った店なんだろ❗️
などと、なんの根拠もなく決め付けて、他人まで煽るような攻撃に晒されていました。
本当に怖くて目が覚めました。

夢とは関係ないのですが、もうひとつ。
事件や事故、災害などに巻き込まれて助かった方が、亡くなった方や、自分より不幸な状況にある人を知った時に、
自分だけおめおめと生きていていいんだろうか。
みたいな罪悪感を抱くことがありますが(最近では『ホテル・ムンバイ』でも感じました)、キリスト教圏なら、告解室で懺悔したりそれなりに救われそうですが、日本だとなかなかその方面のケアが難しいように感じます。そんな時に『星の子』のような新興宗教に走ってしまうのは、また別の話ですが。

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グレシャムの法則

4.0予告が1番面白いパターンのやつやん

2020年10月31日
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原作未読です
邦画にしてはなかなか長尺で、集中してみないと置いていかれそうにもなる
が、飽きることはなかったし、意外とあっという間の140分だった

ただ、実際にあった事件を元にしているといっても、フィクションはフィクション
もっと泣けるストーリーを正直期待していた(ある意味予告のミスリードか…)
良作であることは間違いないが

聡一郎役の子役の男の子がインディアンスの田渕さんにそっくりすぎて話が入ってこなかったことは内緒です

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にゃたろう

5.0緊張感の途切れない秀作

2020年10月31日
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悲しい

知的

原作は未読である。忘れ難いグリコ森永事件をベースに、その犯人像を想像して話を展開させる手腕には感服した。非常に良くできた話であり、脅迫で持って来させた金の受け渡しに失敗しても、実は他にも金を手に入れる方法があったという点は、見ていて目から鱗だった。いかにも有りがちな話だと思った。犯人たちの目的と動機がバラバラだったというのも頷けるし、金以外の目的で参加した者たちの薄っぺらな正義感と復讐心には心底から憤りを覚えた。50 年以上前の学生運動で革命とかほざいていた連中の思慮の足りなさ、独善性を痛烈に指摘した描き方が痛快であった。

テキストの読み上げ機能など遠い未来の話だった当時、話者特定を困難にすべく、脅迫文の読み上げに3人の子供を使った犯人グループとその協力者は、その子らが後でどんな不幸を引きずるのか、全く理解も想像もしていなかった。その想像力の欠如、我が子を不幸にしてまで、社会に一矢報いたいと語る身の程知らずの行動には、非常に腹が立った。3人のうち、最年少の1人を除き、あまりに悲惨なその後の話は目を覆うばかりであり、胸が痛み、深い同情を禁じ得なかった。

上映中、途切れることのない緊張感は、子役を含む俳優陣の好演の賜物であろう。小栗旬は、原色好きの変な映画監督の太宰役で見て以来だったが、力みのない演技が別人のようで、いかにあの女監督が異常な演技を強いていたかがよく分かった。成人後の聡一郎役の俳優は、特に印象的で、悲嘆に暮れる際の血管を浮き立たせた演技の迫力には度肝を抜かれた。望役の原菜乃華さんの美しさは、物語の痛切さをいや増していた。あと、聡一郎の子役のほうが星野源に似ていたので、やや混乱した。

佐藤直紀の音楽は、登場人物たちの不幸に想いを寄せて寄り添っているようで、非常に好感が持てた。演出は非常に見事で、根っから根性の腐り切った悪人から、インテリを気取っているくせに他人の人生にまで考えが及ばない無自覚な悪人まで、良く描き分けてあった。事実が次々に明らかになる度にカタルシスが落ちる想いをし、それが連打で来るので、大変に見応えがあった。
(映像5+脚本5+役者4+音楽5+演出5)×4= 96 点。

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アラカン

2.5大作ではあるがやや物足りない

2020年10月30日
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予告編を見た時は殺人事件を捜査する刑事物のミステリーなのかなと思って期待していたのですが実際はグリコ森永事件をベースとした物語だったのでちょっと肩透かしを食らいました。
結局半分実話、半分フィクションな訳ですからなんか中途半端さを感じてしまいました。
もちろん本作品はかなりの大作ではあるのですが、怖さ、悲しさ、せつなさみたいなものが少し物足りないと感じました。
また、登場人物が多くて全体的に少し間延びしている感がありました。
違和感も多少ありまして、そんなに小さな頃ではないはずなのにいつ誰のお願いで録音したのか覚えていないというのはちょっと変かなと感じました。
グリコ・森永事件を知らない世代の方のほうがむしろ楽しめる映画なのかもしれませんね。

途中でアイコムのIC-232というアマチュア無線機が出てくるシーンがあったのですが、私も大昔に同じ無線機を使っていたのでめっちゃ懐かしかったです。
最後に小栗旬が若い時の原辰徳に似ているのが気になってあまり映画に集中できませんでした。

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canghuixing

5.0さすがの野木亜紀子脚本!

2020年10月30日
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泣ける

悲しい

知的

滋賀県草津市のイオンシネマ草津にて、公開初日の初回上映を鑑賞。

かつて日本中を震撼させ迷宮入りしてしまったグリコ・森永事件をモチーフにした塩田武士氏のミステリー小説を小栗旬さんと星野源さんのダブル主演により映画化。
あたかも「たぶんそうだったんじゃないか劇場」的なリアリティーをもって、この未解決事件の真犯人像と事件の真相に迫るミステリー。

物語としては、小栗旬さん演じる35年前に時効を迎えていた劇場型犯罪の真相を追う主人公の新聞記者・阿久津と、幼少期にこの事件の脅迫テープに自分の声が使われていたことを知ってしまう、星野源さん扮する、京都在住のテーラー店主・曽根俊也を軸に、35年も前に迷宮入りした事件を掘り起こして一体どんな意味があるのかと自問自答しながらも、知らぬ間に犯罪に加担させられ、ある意味、被害者でもある「声」の主たちを巻き込んで事件の真相を巡る謎解きを行っていくというヒューマンミステリー的なお話し。

あいにくとベストセラー小説の原作は未読でしたが、私自身も、グリコ・森永事件については、京都府という、あの事件の顛末に関わる地域に住んでいる土地柄から、事件の当時はすごく怖かった印象が残っていますが、一体どの様に、この事件を料理されるのか楽しみにしていましたが、さすがに野木亜紀子さんによる脚本担当の作品だけあって、見事なバディムービーとして昇華させてくれていました。

あくまでも原作者の憶測によるフィクションであるのは分かりながらも、とても重厚なストーリーに、長尺な事もつい忘れてしまうほどお話しに引き込まれてしまいました。

お話しの展開や内容が内容だけに、「グリコ・森永事件」の真相とは謳えなかったのも理解出来ましたが、劇中の事件の犯行グループの行動のあらましはあの事件そのままでしたので、未だにあの事件をよく覚えている私からすれば、よく些細についてまでも調べ上げてあって、スリル溢れる内容にもなっていて面白かったです。
小栗旬さんの自然体な演技や、星野源さんもさすがにミュージシャンだけあって音感に鋭いのか、京都弁を上手く駆使してられて素晴らしかったです。

また端役に至るまで、中高年代の昔ながらのオールド映画ファンには懐かしく嬉しい豪華キャストだったのも堪らなかったですね。

私的な評価としましては、
現実のグリコ・森永事件を知らなかった世代でも楽しめるミステリー映画になっていたことでしょうし、 勿論、あの事件を鮮明に覚えている世代にとっても楽しめる作りの映画になっていましたので、文句なしの満点評価も相応しい作品かと思いました次第です。

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HALU

4.5この国の大人たちは未来を信じている

2020年10月30日
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観終わった後に不思議とそんな感想を抱いた。
子供が出てくる作品を続けて観たからかもしれない。

信じている、というより、祈っているという言葉が近いかもしれない。

入れ替わり立ち替わり様々な人物が登場するが混乱することもなく、いつのまにか没入させられていた。
パズルのピースが次々にハマっていきダレもない。
最後までハラハラしながらのめり込んだ。

たったワンシーンで登場人物の背景を伝えてみせる説得力のある演技も多く、時にはほっと一息つかせるような緩急もあり、飽きずに楽しめた。

子供たちの未来を祈る大人がいる、だからきっと、まだ、大丈夫。
そんな、希望を感じさせてくれる映画でした。

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彬