罪の声のレビュー・感想・評価
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ふたつの矜持
原作は未読。
昭和のあの大事件をモチーフに、パラレルな世界線で展開される謎解きサスペンス。
なかでも令和へと時代が移りゆく中、あえて過去の事件掘り返すそのワケを
エンタメへ昇華するためなのかと論議するメタ要素は鋭く記憶に残った。
また不条理や格差が広がる社会において、しかしながら同じことは繰り返すまじというメッセージも、モチーフになった事件を思い起こすほどキレイごとなく響いてくる。
原作の落としどころがどこにあるのか知らないが、劇中においてはこの2本柱を消化すべく、
出演者の派手さからは想像できない地味な、しかしながら目の離せない展開が続いている。
脚本家、野木亜希子さんを知ったのは「MIU404」でと出遅れたが、
それもこれも野木さんならではの巧みさがふんだんに引き出された構成だからだろう。
「時代」を感じさせる作品世界を、今旬の役者が演じるところも感慨深い。
後々見返すほどに味の出てきそうな1本と観る。
モチーフの事件が事件だけに、絶対に「きめつ」を観に行く人は知らないだろうし、見ないだろうなぁと思った。そんな反「きめつ」的立ち位置なるも、劇場は混雑していてホッとしたかな。
アイツが犯人なんだって。めでたしめでたし
初めて予告を見た時、面白そうだなと思いつつ難しくて暗い雰囲気が続くんだろうな...と思った。
最近、暗めの映画ばかりで見るのを躊躇っていたが評価が高いのでそこそこの期待で鑑賞。
面白かったです。
小栗旬×星野源タッグ良きでした
非常に上品な作品で、大人が見る映画って感じ。
昭和の未解決事件を追うことになった新聞記者の阿久津(小栗旬)は、真相を求めて残された証拠を元に取材を日々重ねていった。
役者、音楽、映像良き。
主演の2人はもちろん、松重豊や古舘寛治などベテラン勢が揃っているのでそれだけで見応えあり。
毎度毎度書くんですけど、松重豊はホントにいい役者さん。大好き。居るだけで場が引き締まるんですよ
とても美しい京都や海外の街並みが音楽によってより美しさを増し、上品な作品に仕上がっている。
映像美としても見応えあるので、映画館で見るべき映画ですね。
中々難しい部分もあり、推理要素もあって小栗旬と星野源と一緒に事件解決に向けて行動している気持ちになれる。たまにはこういう映画も良いですな〜
と、今の段階だとベタ褒めのようにみえますが、個人的にはしっくりは来ませんでした。
どうも落とし方が気に食わなかった。
どれも中途半端に終わってしまい、腑に落ちないまま。え?そんだけ??とラストには唖然となってしまった。はい、解決しました。就任、終了。なんだそれ
んでどうなったのかを知りたいのに、それを明かさずに終わるのはどうかと思うな。
記者は結局何をしたのか、何を得たのかと疑問に思った。やっぱり面白おかしく事件や事故の内容を記事に書くのが、記者の仕事なのか...。仲間たちも何しとんねん
全体で見ればそこそこ面白かったので★3.5ということで。めでたしめでたしじゃないよ!ってね笑
ノンフィクションだと思ってしまいました。
昭和後期の未解決事件と新左翼運動をかけ合わせる原作の妙味
原作に書かれている細かい部分の説明や前振りが省略されているので、映画では強引な展開のところもなくは無かったが、400頁強の原作小説の世界観を損なうことなく、よく140分の映画に収めたなあと納得させられた。
新聞記者出身の塩田武士氏の緻密な事件調査にもとづく骨太の小説をどう描けるか。映画を観るのも迷っていたのだが、結局は気になって映画館に足を運ぶことに。
出演する俳優陣には映画をヒットさせるための客寄せキラキラ俳優はおらず、脇役陣は名バイプレイヤーで固めており、サスペンス調に偏りすぎることなく作品自体も想像以上に見応えがある作品だったと思う。
内容に関しては必然的に原作小説に関することになってしまうため、映画のレビューの場であるため控えたい。本作が気に入られた方はぜひ原作の一読をお薦めする。あわせて本チャンのグリコ森永事件に関する本やNHKスペシャルを観るといろいろな自分なりの仮説が出てくるのでは。
とても丁寧な演技
典型的な日本映画の空虚さ
Voices of Sin
子供たちには罪は無い
予想以上
限りなくホンモノに近いフィクション
実存する未解決事件を扱ったサスペンス映画であり、豪華キャスト・スタッフが作られているということで今年必見の1本だと思っていたので観ました。特に、野木さん脚本の映画ドラマはヒット作ばかりでどれも面白い!という要素強めで観にいきました。
感想
素晴らしかったです。この映画を観るためにグリコ・森永事件を大雑把に調べたのですが、序盤の事件概要の説明は実存する事件そのものでした(映画では銀河・萬堂事件、犯人は怪人二十一面相→くら魔てんぐなど)。別名に置き換えられているだけで、ノンフィクションな部分なので緊張感が凄まじかったです。その後の今作の事件解決に向けた動き、真相もコレが事実だったのでは⁈というほどにリアリティがあり、目が離せませんでした。
今作のメインキャラである俊哉と阿久津のバディ感が緊張感を緩めてくれて、所々温かい気持ちにしてくれたのも好感触です。
真相についても、やるせない苦しい気持ちになりました。ラストは感動しました。
野木さん、流石です!
子供たちの人生が報われることを祈ります。
総評
フィクションなのに、ノンフィクションドラマの様な緊迫感に圧倒された。何故、この事件を解決できなかったのかと思ってしまうほどに熱中できた。
最後に、仮にモデルになった実存の事件の犯人が生きていたとして、今作を観ていたならどう思ったのだろうか⁈気になります・・・。
展開を追うのに少し苦労するものの、運命を狂わされた人々の苦悩が十二分に伝わってくる作品
小栗旬演じるちょっと拗ねた感じの新聞記者と、物静かだが芯の強い、星野源演じるテーラーという、主人公二人をはじめとした、俳優達の見事な演技が光る作品です。最も感情を揺さぶる演技を見せるのは、生島望演じる原菜乃華で、出演時間自体は短いものの、強烈な印象を残します。
本作は1984年に起きた『グリコ森永事件』に着想を得た同名小説を原作としており(実際の事件名を伏せている解説や評論が多いのだけど、何か決まり事でもあるんだろうか?)、一応「フィクション」と銘打ってはいますが、本作の事件描写はかなり実際の事件に忠実なものとなっています。
物語の発端となる録音テープは早い段階で登場するため、何のために誰が作ったテープなのか、未解決となった事件の真相は、といった、物語上の謎を解き明かしていく本題に最短距離で突入します。土井裕泰監督の演出は無駄がなく、前述の通り演技巧者の俳優揃いのため(梶芽衣子の演技も素晴らしいし、佐藤蛾次郎、火野正平の元気な姿を拝見できたことも嬉しい!)、比較的長い上映時間に退屈を感じることはありませんでした。
ただ、それでも膨大な要素を上映時間内に収めきれなかったのか、主人公二人が行く先々で随分都合良く手掛かりを見つける都合良さが目に付いたり(台本の練れていない推理アドベンチャーゲームをしているような気分になることも…)、「父の○○の兄弟の△△の子供の□□」とか、台詞上での人物関係の説明が多く、特に中盤までは頭の整理が追いつかない状態でした。映像で状況説明している場面も多かっただけに、丁寧すぎる説明台詞が、かえって展開の足を引っ張っていたようで残念。
映像は全体的に抑えた色調と柔らかな光源が多く、人物の顔に陰影を付けることで、彼らが引きずっている人生の影をとても上手く表現していました。特に宇野祥平演じる生島総一郎の登場場面は、ちょっとやり過ぎなほど彼の鬱屈を描いています。一方、昭和時代の描写はちょっと色があせてほこりっぽい感じを強調して現代と描き分けられていたり、テーラーの店舗はちょっとイラストと見紛うばかりに鮮やかで美しかったりと、場面毎の映像技術、美術共に素晴らしいです。
『グリコ森永事件』を下敷きにした作品としては、高村薫原作で映像化もされた『レディ・ジョーカー』などがありますが、『レディ・ジョーカー』の方は犯行グループと警察に焦点が当てられていた一方で、本作はむしろ犯行に巻き込まれて人生を狂わされた人々が描かれているという違いがあります。しかし興味深いことに、事件の過程で犯行グループがどう変質していったのか、という語りには似通った部分があります。そのため、この二作に目を通すことで、互いの作品への理解がより深まるかも知れません。
結末はちょっと踏み込みすぎ、まとめ過ぎな感もありますが、それを差し引いても十分見応えのある作品です。
最後までわからないサスペンスと人間の葛藤
グリコ・森永事件が元になっています。懐かしい。たしかに大事件だった。
スタートから最後までとても楽しめた。
犯人は誰なのか、、、というサスペンス要素はもちろんですが、人間の葛藤のようなものも描かれています。
確かに、、切ない。
おふたりはもちろんですが、宇野祥平が良かったです。
テンポがとても良いので、間のびせずに、どんどんストーリーが進んでいきますが、ひとつの手がかりが行き詰まると、次々と手がかりが見つかっていくがちょっと気になりますが、2時間映画なのでこれで良いかと。
実在の事件を元にしていることで、リアリティがある。あと、学生運動の辺りがかなり好き。
私の母も学生運動に参加していたらしい。ちょっと怖くて、詳しくは聞けなかったけど。亡くなるまでずっと選挙はあの党に入れ続けていた所をみると、全てが過去のことと思っている訳では無い、、、と。
もちろんテープに私の声は録音してないですが。
犯人にも理解ができる。当時であれば、大義名分があるのでそういう考え方になるのもわかる。
でも、そのために犠牲になってきた人がいることまで、想像できなかったんだけど。共感してしまうところもある。
Uruの歌も良かった。
大満足でした。
選べなかった未来
よもや!よもや!だ!❓❓
過去の事件を過去だけのものとしない映画
あれだけ情報量の多い原作を140分の映画として脚本にまとめる野木さんの素晴らしさと、それを映像として生きたものにする土井監督、役者の方々がとても素晴らしかった。
過去の未解決事件をモチーフとしているフィクションの原作だが、まるでその結末が実際のものではないかと思うリアリティは映画でも伝わってきた。
この映画、原作の素晴らしいところは、今日もどこかで事件はおきていて、被害者と加害者がいる。
そして、その周りには家族や恋人、友人と関わる人々がいて、悲しみや苦しみは被害者と加害者だけのものではなく、今という時間だけのものでもない。
悲しみを背負い、未来を生きる人がいる事を私達はどう受け止めるかを考えさせられる。
もし、自分の幼い頃の声が事件に使われていたら、
もし、自分の家族だったらと考えたら中盤から終盤にかけては胸が苦しくて度々、涙が溢れた。
紛れもなく、過去の話で終わらせない素晴らしい今の映画だった。
役者の方々の顔をうかべながら、また原作を読もうと思う。
サスペンス・ミステリー的要素は少なめ
小栗旬の記者役はハマってましたね。
星野源のテーラー店主役も似合っていました。
素晴らしいキャスティングと演技に大満足。
周りを固める役者さんも火野正平、橋本じゅん、正司照枝など良かったです。
ただ映画は無駄な場面も多く、サスペンス要素を含みつつもココ一番の盛り上がりという箇所もなく、どんでん返しがあるわけでもなくといった感じでした。
何を期待して観に行ったかによって感想が大幅に変わるかもしれません。
私はサスペンス・ミステリーを期待していたので、ハズレっぽい。
長すぎる時間を2時間以内にまとめることで、もっと良い映画になった気がします。
それにしても「割烹しの」の板長さん、すぐに喋っちゃいますね(笑)
キャスティングに☆を追加しておきます。
声の重み
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