罪の声のレビュー・感想・評価
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事実を超えた?「ギンガ・萬堂事件」
この作品は、「グリコ・森永事件」をフィクションで再構築して、その実像を示したという面と、事件に関わった、あるいは巻き込まれた人々の人間模様という二つの面で楽しむことができる。また、登場人物として、事件記者の阿久津と犯人側の家族の曽根の関わり方もとても興味深く描いてあった。事件の構図については、当時の社会状況なども反映させながら、なるほどなと一定の説得力はある。学生運動の闘士が社会への抵抗と嘲りで「愉快犯」めいたことをしたり、本当の目的が、会社の信用を落として株価操作で儲ける事だったりというのは少し当たっているかもしれない。現実の事件が、社会に恐怖を与えるだけで、犯行の意図が分からないまま終わってしまったのも、犯人集団の内部事情でうまく説明されていたように思う。事件のフィクション化は映像的にも成功していると言えよう。
阿久津と曽根の関りは、小栗旬と星野源の本気の演技がとても見ごたえあった。二人の活躍がこの映画のすべてと言って過言ではないだろう。ただ、二人の役割が少々説明臭く感じたのも事実だ。阿久津は報道の姿勢・あり方に疑問を持っていたが、過去の未解決事件に向き合うことで、報道の使命みたいなものに気づく。曽根は知らずに犯罪に協力したことに苦しむが、同じような境遇の姉弟に心を寄せることにより救われるみたいな形になっている。確かにそれでストーリーとしては成立しているが、製作者の意図したほどには、その思いは映画からは伝わってこなかったなあ、という感じである。
事件の展開を描くのはとても優れているが、人間を描くのは今一つという感じの映画であった。
大人の身勝手に翻弄される子供たち
実際にあった、菓子メーカー連続脅迫事件の真相に迫ったフィクションです。
誘拐事件に始まり、毒入り菓子で消費者を恐怖に陥れ、警察をあざ笑うかのような挑戦状などで世間を騒がせた挙句、未解決のまま終わりました。脅迫テープには子供の声が使われました。
導入部から阿久津(小栗旬)と曽根(星野源)の出会いまで、ぐいぐい引き込まれて観てしまい、時間の長さを感じませんでした。
ただ、関係者が多くて戸惑うのと、事件の全容がつかみにくいです。経緯を最後まで詳しく説明してくれた方が、事件への興味が深まったと思いますが、主題はそこではないのかもしれません。
35年前に犯罪に巻き込まれて以来、悲惨な人生を送ってきた子供と、35年も経ってから、自分が犯罪関係者であったことを知り苦しむ子供、過去は消せませんがどちらも前に進もうとします。
子供たちを演じた方々はそれぞれ素晴らしかったです。両者を取り持つ小栗さんもとても良い演技です。
一方で、35年前のままの人間もいます。
子供を犯罪に巻き込むのは大人です。
また、大義名分があれば、多少の犠牲は仕方ない、という考え方は嫌いです。昔は戦争、現在は、例えば原発、基地、経済や都市災害の対策なんかも。
本作のキャスティングは、古館寛治さん、松重豊さん、市川実日子さんなど好きな俳優さんが出ていて、かなり私の好みでした。
出だしからうまく物語の世界に誘導されました。
現実の事件を題材にしているフィクションですが、ノンフィクションでは?と思えるくらいにハラハラ・うるうるしました。
グリコ森永事件が世間を騒がしている頃、私は中学生で、正直事件の詳細は記憶の彼方でした。
映画を観ているうちに、テレビや新聞で毎日報道されていたこと、家庭や学校で話題になっていたこと、おやつが既製品から母の手作りのお菓子になったことなど、当時の記憶が様々に蘇りました。
一般人の私は事件の結末の記憶も曖昧ですが、警察や報道関係者の方だにとっては、忘れられない事件のひとつなのでしょうね。
理想の社会をめざして学生運動した首謀者たちが、ヤクザと組んで犯罪を起こすことで社会を変えようとする気持ちが全くわかりません。
まして、その犯罪に子どもたちを巻き込むなんて。
どんなに目標が立派でも、手段が非合法なら良い結果にはなりません。
人生因果応報なのだと早く気づいて欲しかったです。
個人的には、第二の故郷であるイギリスの風景を観ることができてすごく嬉しかったです。
主な舞台は関西ですが、序盤・終盤に入っているイギリスの街並みはスパイス的に効いていると思います(^^)
コロナ禍でヨーロッパを訪れるのは難しい今、どこでもドアでヨークに飛んで行きたくなりました♪
映像の質が高いと思いました
面白かったです
この事件の事は覚えており
小栗旬も出演しているので
観てきました。
この事件の真相は
こうだったのか、と思えるくらい
でした
俳優さんも熱演でした
感動するところもあり
姉の友達が心配する場面と
最後の母親と再開する場面などは
うるっときました
演技がすばらしい
事件のことはよく覚えていました。
キツネ目の男はあの人では?という報道も、当時週刊誌などでよく見出しになっていたように記憶しています。
実際にこういうことだったのでは?と思わせるようなストーリーには引き込まれました。
主役ふたりはもちろん、出てくる役者さんが皆すばらしいかったです。この人誰だっけ、見たことある顔なんだけど、という方が何人もいて、あとで名前を確認して納得しました。
見終わるまで142分の映画だとは思わなかったです。
聡一郎の回想シーンは圧巻でした。阿久津と曽根がほとんど言葉を発しなかったのがとてもしっくりきました。
聡一郎が母親と再会するシーンは泣けました。
上質のエンタメ作品でした。
想像を超える面白さ
面白そうだと思い観に行った作品だったが、想像を超える面白さ。
作品の長さが気にならない引き込まれるような作品。
登場人物の多さから長くなる印象があるが、丁寧に紐解いていくので、分かりやすくスリリング。
様々な人々の人間模様や情報を知っていることでの生き方の違いなどを改めて感じた。
自身の境遇がいかに恵まれているかなど考えさせられる作品。
小栗旬の人間味にも惹かれる。
『声』
フィクションだけど、まるで事実のようで見ていて引き込まれました。テープに録音されていた『声』から事件が始まる。いや、起こった昔の事件の真実が解き明かされる。時効を迎えた事件を今更掘り起こす必要があるのか…これってみんなが思うことだと思う。でも、映画を見ていると、時効を迎えたとしてもその事件で苦しんでいる人がいる限り、事実をはっきりさせる必要があると感じた。主役だけでなく脇を固めている俳優も演技上手で見て良かったです。
圧倒
証言を辿る。
ノンフィクションかと思わせる作品
原作からして、これは真実なのでは?真相?と思わせる内容である。
しかし、当時、警察が相当大規模で捜査したにも関わらず、キツネ目の男は結局割れなかった訳ですよ。
それが新聞記者が探って、あっさり見つかるんか?って話ですよ。
似顔絵は報道されてるのだから、警察には相当タレコミがあったはずで、それらを全部当たってるはず。
見終わった後で考えたら、おかしい、やっぱりフィクションだなって。
今、探っても犯人には辿り着けないでしょう。
映画ならではのテンポの良さはありますが、
そのテンポが逆にウソくさい。そんなにとんとん拍子で進む訳ないです。
後半、子供の声の1人が、TVに名乗りでた辺りで、「あ、これ完全にフィクションだ」と。
これが真相だと、ノンフィクションだと思ってる方々が世の中いるようです。マジで。
ヤバいですね。
主役2人の関西弁がイマイチで、その辺り、大阪、京都の人はイヤだろうなぁ。
ただそれらを引っくるめて、面白い作品ではありました。
登場人物多過ぎる(笑)。
登場人物が多過ぎて、誰が誰やら。
細かい設定や背景は話の流れでカバー出来るから問題ないが、その細かい所の話に付いて行けなかった。場面転換、接する相手が変わっていくが、その理由を見逃していたようで理解できなかった。
小栗旬は素晴らしかった。あと、宇野祥平も良かった。宇野祥平はこの役のために10㎏の減量をしているのだとか。
映画冒頭で、星野源演じる曽根俊哉が自宅から父が生前に残したカセットテープを見つける所から、一気に関心を引き込んだ。
グリコ・森永事件をモチーフとしたギンガ・萬堂事件に使用された子供の声が、カセットテープに録音されてたのだ!
この事件では3人の子供の声が使用されている。1人は曽根俊哉。残りは生島姉弟。姉は事故死しているが弟の生島聡一郎は生きていた。
何も知らず幸せに暮らしていた曽根俊哉と対照的に、ボロボロの生島総一郎。生島総一郎は最後に母と再開出来た。ハッピーエンドだけど必要だった?それに比べて、曽根俊哉は入院中の母が家に戻って来てカセットテープを処分しようとしていたことから、この声のせいで今苦しんでると言ってたけど、生島総一郎に比べたら大したことなく、余り感情移入出来なかった。
また、母親が過激派の社会運動家で、その夫の兄がそのリーダーって設定も凄い偶然だ。曽根達雄らの犯罪グループには、株価下落を狙った利益獲得の狙いがあるが、この母には得るものが何も無い。それなのに子供の声を利用させるとは、非常に軽い奴だ。浅過ぎて、アホかと。余命半年程度で、その後死んでしまうけど。
学校にて、生島望の友人の子(おばさん)の話を聞く曽根俊哉。望みが姿を消した頃に電話のやり取りをしていたとか。そこで、犯罪の声が自分であるとおばさんに伝えているのに、何故、警察に通報しなかったのか?もしかしたら犯罪グループは当時捕まっていたかもしれないし、望も死なずに済んだのかもしれないな。
エンドロールに流れるUruさんの振り子も良い。
11月14日と15日の件は、付いていけず理解出来なかった。
たんたんと進んでいくが…
すごくよくできた脚本でした!
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