ひとよのレビュー・感想・評価
全257件中、181~200件目を表示
ただの夜
どんな一夜だったとしても
他のみんなにとっては、ただの夜
誰が死のうが新しい命が産まれようが、
ただの夜にすぎない
時代背景が3~40年前位なのかな?
まだDVとか世の中では見て見ぬ振りしてた時代
あんなに傷だらけの子供たち
今の時代では普通に学校行ってるとか有り得ないから
あの時代の子供たちが親になって、
またその子供たちも親になってて
きっとトラウマで自分にされたのと同じ様に自分の子供を傷付けてるんだろうな
家族でも分かり合えない事ばかりだよ
蛙の子は蛙
だけど、こはる母さんの優しさは本物だね
子供たちを傷付けまいという思い
自分がこんな父親と一緒になってしまった申し訳なさ
そんな奴から子供たちを守れない自分の惨めさ
田中裕子さん
「共喰い」と近い感じかな、と思いましたが
子供たちと向き合って、自分が壊した家族の形を
必死に取り戻そうとする愛嬌のあるお母さんでした
松岡茉優の兄弟喧嘩は迫力たっぷり
兄ふたり居たらやんちゃに育つもんね👊
弓さんの家族
二三子の家族
堂下さんの家族
本当に何も問題ない家族なんて居るわけない
誰か一人で抱えず、皆で分かち合えればいいと思う
でも、そんなに簡単に行かないのが人間
家族だからこそ素直になれない時もある
簡単な一言を探すのが大変
体いっぱいに紋々入ってるその後の堂下さん家族が最後は気になってしまいました(><)
子ども一人ひとりの受け止め方は違う
凄惨な殺人を起こして15年後に帰ってくる母親を迎える3人の成人した子どもたち その15年の間に起った苦しみは想像できるのだが、怒りや恨み、寂しさなど入り交じった感情がよく描かれていると思いました 親はいくつになっても親で、幼い時の出来事までしっかり覚えている 子どもの方は年齢も違うから異なる受け止め方をしているが、おとなになっていくにつれ、同じ苦しみを共感しているきょうだいだからこそ、異なる受け止め方をしていても、同じ方向を向こうとするところがよかったです きょうだい3人母親を心の中で恨んでいても、きょうだいとして母親に向かう 白石監督ということで構えてみましたが、いい終わり方だったと私は思いました(11月14日 TOHOシネマズ二条にて鑑賞)
まずタイトルありき、セリフありきの為か、ちぐはぐな印象
また殺人事件・・・・続き過ぎ!とはいえ、佐藤健さんと鈴木亮平さんは私の知る限りでは「メイちゃんの執事」「天皇の料理番」でも共演していて(ともに佐藤さんの好演が光っていたドラマです)相性は良いはず。
他にも佐々木蔵之介さんや筒井真理子さん、と良い俳優さんばかりで期待できそう・・・・
なのに、つまらない。全く響きませんでした。
タイトルの「ひとよ」は、「一夜」・・・・・それは何てこともない日常のうちの一晩かと思えば、ある者にとっては人生が決定的に変わってしまった夜となり、ある者にとっては悔やんでも悔やみきれない、消し去りたい夜となり、またある者にとっては、たった一夜限りの、二度と訪れない幸福な夜だった・・・・
そして「人よ」・・・・・人ってやつは、なんて愚かで、また愛おしい存在なんだ・・・・といったところでしょうか。
でも、うーん、印象的なセリフを言わせたいが為に、話を無理に持って行ってる感じです。セリフにも話にも合理性が無いというか・・・
母親は殺人を犯したのに、「これからは自由に生きられる、何にでもなれるんだ」とか「私は今誇らしい」とか、舞台でキメ顔で言えば、わーっと拍手が来るのかもね。
母親とすれ違ってしまって、「私は宇治金時が憎い!」とか。
「私たちには特別でも、他人にとってはなんでもない」とか。
よーく考えると、あれれ、大したこと言ってないぞ。
あれだけ嫌がらせをされているのに、妻が夫の母の事件を知らないのかとか、嫌がらせの張り紙やり過ぎじゃないかとか、そういう場面で本当にそうなるの?そう言うかな?というのが多々ありました。
そもそも子供たちは被害者なんだから、無責任に非難する人がいる一方で、同情や支援する人が、身内の外にも必ずいる筈です。
見せ場を作りたいが為に、場面場面がぶつ切りで、人物の描写は類型的です。
親が犯罪を犯して子供が巻き込まれる、という点で、「台風家族」と比べてしまいます。両方ともMEGUMIさんが出てるし。
「台風家族」は良く出来た脚本で、伏線の配し方がうまかった。舞台のような演出も成功して、ファンタジー要素がすんなり受け止められました。
本作は原作(未見ですが)の演劇的な部分を映画化するにあたって、脚本が失敗だったと思います。
俳優が熱演するほど、嘘くさく、シラケてしまいました。
唯一良かったのが兄弟げんか。今そんなアホなけんかをしている場合か?するんですねー、これが。
自分でも驚くほどの低評価になってしまったのは、公開時期のせいなのかもしれません。
秋になって一斉に重たい映画が公開され、飽きてきたのかもしれません。
もう少しストーリー性が欲しかった
家族の闇
相手の為に取った言動は本当に相手の為になるのか?
決して楽しい内容ではないが、心につきささる作品。題名の「ひとよ」は「人よ」だと思っていたが、「一夜」だったのか?両方を示しているのだろう。たった一晩で人生が変わる。たった一つの行動が家族を崩壊に導く。佐藤健さんの重たい表情、鈴木亮平さんのどもりあるつたない話し方、松岡茉優さんの今まで感じていた清純派イメージを払拭した一皮むけた演技は特に凄くて驚き!田中裕子さんの母の子供に対する思い、佐々木蔵之介さんの変貌姿、みんな素晴らしい演技力でした。俳優の演技力を最大限に引き出した映画のような気もします。父から子供を守る為にとった母の行動は、子供達に重たい影を落とす。犯罪者の家族のつらい境遇をグッと感じた。親は子供を思う為に行動したとしても、果たしてそれは子供にとって本当に良かったことなのか?これは犯罪者家族という非日常の世界かもしれないが、多かれ少なかれ親の思い子供に届かずではないが、食い違いのある親子関係家族関係いえ、家族だけでなく人間関係にはあるのではないか?時が過ぎても一度幻滅し受け入れることができない感情は簡単には戻せない。家族だから・親だから血縁関係の絆があっても受けた傷を癒せるかは本人次第。でも本人の考え方ひとつで状況は変われるのかもしれない。相手の為にと思ってとった言動が実は相手を傷つけてしまっているのかもしれないことを教えてくれる映画だった。
面白かった
・始まって早々、土砂降りの中、田中裕子の影のある演技で子供たちに人を殺しましたと宣言するシーンがとても良かった。
・母親が父親を殺しましたと子供たちに宣言するシーンが迫力があって良かった。
・タクシー会社の生活感や汚さもリアルでとても良かった。
・母親が帰ってきてバックで次男を引きそうになった時、またやっちゃうとこだったわねって言い方が自然にこぼれたように言ってた所が面白かった。
・次男がデラべっぴんを万引きした時に母親がどうにか警察を呼ばないでもらって帰るところで中学生で母親にそういう所を観られるのも地獄なのにそれを読みながら歩かれるという地獄の重奏がとても良かった。
・佐々木蔵之介が始終、何かつまづくと親のせい、親のせいっていうセリフがささった。
・冒頭の次男が運転して母親をおいかける伏線と後半の回収で物凄い泣けてきた。何かバラバラになった兄弟がまたひとつにっていうのがとても良かった。
・ラストのカーチェイスから海へと飛び込もうとするのを車体で止める所までが物凄く良かった。グレートスタントマンやトランザム7000にも引けを取らない名シーンだと思った。終始、感情を押し殺したシーンが続くので気分があがった。
・父親が子供たちに暴力を振るっているシーンが辛かった。
・母親が自分たちのために父親を殺すといったただただ苦しい状況にもし自分だったらと思ったら耐えられなさそうだと思った。
・バックで追突して死ぬかなぁっていうのが少しひっかかった。
一夜であり、人よである
長い年月が、家族という繋がりをぎこちなくさせ、それでいて一人ひとりの思いがとても不器用であり、家族とは何かと考えさせられる作品。
配役は文句なしでハマっていたし、ストーリーも的確に進んでいた印象。
犯罪ってとても難しい問題で結局の所、当人たちにしか分からないこともあるわけで、 思い って善にも悪にもなるものだと感じた。
登場人物が泥沼多過ぎ笑
どんなことがあっても家族は家族だ
復刻号作ってんじゃねーよ
子供は親に責任を押し付ける。
親は子供に希望を押し付ける。
私自身の子供としての在り方を考えさせられる、いや、考え直させられる映画だった。
自分の人生に納得がいかない時、何度親を責め立てただろう。
呪いのようにこびりつけばいいと思って放った言葉の鋭さ、その残酷さに全然気付いていなかった。
親も人間、兄弟も人間。
わかっちゃいても距離が近いと自分本位な言葉を投げつけがちで。
他人より繋がりが深い分、複雑で微妙だったりする。
でも自分も大事だし…と思ってしまうけど、バランスを見ないとね。
自分の人生にきっちり責任を持ち、自分の人生に魅力を感じながら生きていかないとね。
犯したことは正しかったか間違いだったか、何が正解で何が不正解か、そんなことじゃない。そんなの誰もわからない。
ただ、そのせいで上手く回らない物事が多いのも事実。
踏ん切りをつけること、一つ区切りをつけることが大事だな、と思った。
そのために爆発して燃え尽きてみることが一番だったのかも。
こはるは自分が正しかったとまっすぐ思っているわけじゃない。
度胸なんかじゃない。
あまり語られない彼女の15年間、そこにあった葛藤や苦しみなど容易に想像できる。
でも、「これで良かったと」思い聞かせないと、到底生きてはいけないから。
子供たちの人生を否定することになるから。
子供たちだって、あれで良かったなんて心底は思えないだろう。
母が父を殺したことで苦しんだ日々は本物。
こはるを恨まずにいられない気持ちだってある。
手に入った僅かな自由も本物。
どうしようもない。ぶつけずにいられるだろうか。
私もこはるののうのうとして見える態度には少し苛ついた。
ジレンマを抱えて悶え苦しんだ先に、曖昧でも何となく気持ちに落としどころが出来て良かった。
三兄弟が庭でタバコを吸うシーンが大好き。
最後の家族写真も大好き。バナナとタッパーは、さすがにね。
稲丸タクシーの社員一同がこれまた曲者抱え者。
堂下の盛り盛りな人物像には驚いた。クセが強いんじゃぁ。
しかし彼の心からの叫びには頬を引っ叩かれたような衝撃を受けた。
あ、親ってこういう気持ちなんだと少し分かった気がする。
色々と重なりすぎて現実味は無いけど、それがとても映画的、エンタメ的で面白かった。
胸にのしかかるこの物語を受け止めつつ、きちんと映画として味わい楽しんで良いんだと思える。
所々で入る謎ギャグも、過去と現在をすれ違わせた演出も好き。
歌川のマレットヘアが気になりすぎる。
家族の重み、苦しみ、悲しみ、慈しみ、愛しみ、全てぐちゃぐちゃに混ぜ込んで、エンターテインメントに昇華してくれる映画だった。
「何でもできる、何にでもなれる」という言葉が今現在の私の身に染みる。
三ヶ月後の私は何をしているんだろうか。
それにしても、こはるの「またやったかと思った〜」の一言には笑った。
お母さん、流石にブラックが過ぎるでしょう。
脚本が心に響かなかった
母帰る
田中裕子がいい。歳を重ねたもののふてぶてしさ、覚悟、つらさを見事に体現した姿に拍手。子供を護るために暴力夫を殺め、その十字架を負いながらも飄飄と生きていく。彼女はなぜ、15年経ってから家族のもとに帰ったのか。その心情を思うとやるせない。
殺人者の子供というレッテルと闘い育った3兄弟。そこに現れた母親。葛藤や確執は明らかに存在して、空気が淀むところだが、重くなりすぎずに展開するために、ちょいちょい挟まれるネタ。中でも3兄弟が中庭でタバコを吸いながら「デラベッピン」(エロ本)の話をするくだりが、好きだな。朗らかすぎて一気に和む。
どもり症の真面目な長男に鈴木亮平、向こう気の強い次男に佐藤健、愛嬌のある末娘に松岡茉優。ケンカはすれど仲の良い兄弟に、ホームドラマ感も漂わせながらも、辛い過去を背負わせる。
彼らの台詞が幾つもの伏線となって、ラストに結実する。冒頭の田中裕子の「これからは自由に生きられる」とか、中盤に出てくる佐藤健が長男に向かっての「あんただって憎んでるんだろ」とか、痴呆症で徘徊する母親を持つゆみの「私はこはるさんを責められない」とか。うまく考えられたセリフの多重性と、その回収が小気味良い。
そういえば、本作のタイトルも平仮名で「ひとよ」として、意味深げに見せる。冒頭すぐに 一夜 として落ち着けて物語を貫く。脚本の高橋泉さんのセンスに脱帽だ。
最後に 堂下さんは、その後どうした?
絶対観た人に言わせたかったに違いない。間違いない。
今年一番の作品
身内だからこその感情のぶつかり合いを
あの日みた夢 あの夜の覚悟 そうして辿り着いた“今”
タイトル『ひとよ』には
〈一夜〉と〈人よ〉とのダブルミーイングが
込められているそうです。
さて、今回は「舞台演劇」の話題を通して
本作にアプローチしようと思います。
というのは原作者・桑原裕子さんが
演劇畑の方だからです。
2021年に日本国内で初となる
公立大学で演劇やダンスを本格的に学べる
学校ができるそうなんです。
そこの学長に就任が決まっている
平田オリザさん作・演出の戯曲『転校生』(1994年)から
桑原さんの演劇人としてのキャリアがスタートしました。
この演目『転校生』は代々、
キャストやスタッフを一般の高校生から募って
〈高校生と創る演劇〉を根幹として
若き才能を育み、世に送り出してきた
いわば、演劇界の登竜門的役割を担ってきた
大変意義のある企画プロジェクトです。
そんな夢を掴んで演劇の世界に飛び込んだ桑原さん。
役者、脚本、演出をこなす
華やかな才能をお持ちの彼女でも
表現者・クリエイターとして、
また現代を生きるひとりの人間として、
色々と思い悩むところもあるのでしょう。
人間が等しく、思い悩むように…
桑原さんの舞台をみて、そう思う。
彼女の手掛ける戯曲の多くは、現代の日常を描きつつも
人間の普遍的な部分を見つめ直すような群像劇。
わたしたちのオーガナイズされた想い、苦悩を、
掬って、救ってくれるような群像劇。
そんな舞台演劇の趣きと、
白石テイストが十二分に作用して
映画『ひとよ』は完成されたひとつの作品に
仕上がっているとわたしは思いました。
家族が織り成す人間ドラマが描いたのは、人間賛歌。
親子間だけではなく一個人としてのヒトの資質を問う。
さすがのキャスティング! みんな、いちいち、巧い!
ムダのない流れ、飽きさせないメリハリの効いた構成!
白石組ここにあり!
過去の由縁を幾つも経て今という岸辺に辿り着いた
夢みた未来とはかけ離れるている今だけど
正解でも間違いでも決めるのは今の自分
過ぎ去った過去こそ笑え
明日を肯定するための今日だ
…と、映画と舞台併せて受けた心象を言葉にしてみる。
かなり偏った捉え方だけど…
桑原さんの『荒れ野(あれの)』の再演、来月観劇予定♪
全257件中、181~200件目を表示