劇場公開日 2019年11月8日

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ひとよのレビュー・感想・評価

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5.0全ての登場人物に共感!

shironさん
2019年10月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

田中裕子さんをキャスティング出来た時点で、名作確定でしょう!!
人物の過去が透けて見える、大好きな女優さんです。
他にも筒井真理子さん、松岡茉優さん、韓英恵さんと、なんとも豪華!
旬の実力派女優さん達のフルコースに大満足でした。

一つ一つのエピソードがどれも印象深く、一つ一つのシーンが目に焼き付いているのですが、どれもネタバレになりそう…
せっかく白石監督のティーチインで貴重なお話しが聞けたことですし、裏話などを紹介しつつ、個人的に感じた事をレビューしたいと思います。

元は戯曲だそうです。『母帰る』ですねww
三兄弟のキャスティングについては、佐藤健さんが決まって、そこから年齢などのバランスを考えてオファーしたらしいのですが、
インタビュー中に何度か「どうなるか楽しみだった。」とおっしゃっていたのを聞いて、
自分が白石監督作品のどこに惹かれているのかがわかった気がしました!

私はとくに『日本で一番…』や『牝猫たち』で描かれる、人の欲望で出来たような繁華街が大好きなのですが
70年代のアバンギャルドな映画に通じる熱量を感じて興奮します。
白石監督はきっと、自分の伝えたいテーマやメッセージよりも、フィクションの中のリアルをフィルムに焼き付けたい派に違いない!(←あくまでも個人の意見です)
だから、あんなにも生々しく映像が迫ってくるのか!
完璧な作り物の中で起こる化学反応を楽しんでいるように感じました。
「こんなシーンを撮りたい」よりも「このシーンはどんなシーンに出来上がるのか?」を楽しんでいるような。
でも、それって役者に対してもスタッフに対しても信頼が無いと出来ない事ですよね?
そう言えば、監督はお気に入りのシーンで笑うらしいのですが、佐々木蔵之介さんが感情を爆発させるシーンは、牽引車に乗っていたこともあって、笑いながら撮影していたそうです。
佐藤健くんの熱量はもちろん、松岡茉優ちゃんのアドリブ。三人が兄弟に見える瞬間や(←中庭のタバコシーンは、直前にしていた雑誌名の会話をそのまま追加したそうです)
役作りの為に半年の間、他の仕事をセーブして白髪を伸ばした田中裕子さん。別の作品に出演しているうちから吃音の練習を始めた鈴木亮平さん…。
「役者ってすごいなと思う。」という監督の言葉には
役者に対してのリスペクトと、冷静な眼差しを感じました。

自分の理想プランに近づける事をしない分、早撮りに違いない。
だから、年に3本も公開出来るのだな。_φ( ̄ー ̄ )
早撮りと言えばクリント・イーストウッド監督が有名ですが、似ているようでいてちょっと違うかも?
その場で起きる生の感覚を大切にしているのは同じかもしれませんが、イーストウッド監督は役者が芝居をしすぎないように意識している気がします。
白石監督は逆にもっとやれ!もっとやれ!って感じですよねww
イーストウッド監督は「正義とは?」を描き続けていて深い感動に包まれますが、白石監督の作品には逆に“正しいこと”への価値観を覆す手厳しさに痺れます。(たとえば『牝猫たち』の子供を預かる男とか。)
でも、両方に共通するのはユーモア!
とくに『ひとよ』は笑えるシーンが多かった!
クスクスやニヤリではなく、声を出して笑えるのに、映画のトーンを壊さず物語が途切れない。
笑いが入ることで、複雑で面倒くさい人間達が豊かな愛すべき存在になる気がします。
聞き手の方が「音尾琢真 大喜利」と名付けていましたが、ホント音尾さんは笑いを持っていってました。
そして、実は物語のキーマンでもある。
監督曰く「タクシー会社は疑似家族で、本当の家族より家族らしいところがある。」
「血の繋がっている家族と、疑似家族。その中間に位置するのが、音尾琢真さん演じる “いとこ” の進。」なるほど。確かに中間で、一連の被害者でもあるけれど、遠慮なく感情をぶつけるほどの近さは無い。
橋のシーンでの音尾琢真さんのセリフは物語のキーポイントとなっているようです。

愛するシーンの数々を書き連ねたい気持ちですが、ネタバレにならなそうなシーンを一つだけ。
やはり私は母親目線なので、再会のシーンに胸が熱くなりました。
それまでの思いの深さを感じさせる名シーンですので、ご堪能ください。

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shiron

3.5笑っちゃうけど笑えない、愛せないけど愛しちゃう

2019年10月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

悲しい

家族ってそういうもの。最後に頼れるのは家族だけど、いつもとらわれてしまうのも家族。みんな家族について何かしらのいろんな悩みを抱えながら生きている。「家族の病」ってやつ。

最初の印象は、なんだか飄々とした映画って感じ。あれだけ耐え難い複雑な過去を持ち、15年ぶりに再会したのにあっさりしすぎって思ったけど、結局家族ってそういうものなのかもしれない。内にはいろんな想いに引っ張られていても表面上は普通に素っ気なくしてしまう。

この映画もそんな家族のようなあり方をしていた。真面目な中にもくだけたネタが散りばめられていて、思わずくすっと笑ってしまうけど、笑っていいのか迷うぐらい。それを一番物語っていたのが、エロ本を盗んだ母のことを兄弟三人で談笑するシーン。

真剣な想いも、怒りも悲しみも、笑いのツボも、そして愛情もどこかすれ違ってしまうもどかしい家族愛を描いたチクチクするハートフルな物語。

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映画野郎official

4.5あなたのひとよは?

さん
2019年10月1日
iPhoneアプリから投稿

家族を思って母が下した決断は自由を与えたのか、奪ったのか・・・
母の愛、母への愛情、空白の15年間により素直になれず腫れ物を触らないように生きてきた子供達の愛憎の感情がたまりませんでした。
「自分にとっては特別な夜でも他人にはただの夜にすぎない。」
すごく考え深い言葉だなと思いました。

#試写会#filmarks#ひとよ

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結

4.0正解が無い

2019年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

観る前から分かってはいたが、重い。重すぎる。キャストが素晴らしく、直ぐに引き込まれる。観ていて苦しいが、時々ある笑いが効果的。正解が無いテーマ。

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ちーきー

4.0家族の再生の物語

2019年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

子供たちを守るために母が決断した事件の日から15年後母と再会した兄妹たちと母の家族の再生の物語。
自分にとっては特別な夜でも他人にはただの夜にすぎないは深いなと思いました。 お父さん役はきっとあの人を起用したかっただろうなと思いました。
デラべっぴんは個人的にツボ。

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たのくら

5.0ははよ…、この一言に尽きる。

ガーコさん
2019年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

怖い

開始5分で、作品に引き込まれるとは…!

これは『万引き家族』以来の衝撃でした。

家族を描くという意味では、同じなのですが、その中身はかなり異なった世界。

子供たちを父親の暴力から守る為に、母親が殺人者になるという…。
しかもその母親役を田中裕子さんが演じているのですから衝撃的!

田中さんの優しそうなイメージからは想像もできない殺人者としての姿。
子を守るためとはいえ、15年も留置所に服役していたというのがなかなか想像できない…。

しかし、いざその姿を見ると、完全に夫を殺して15年後に帰ってきた、母親の姿に見えるのですから恐ろしい…。

対する、残された子供たちの15年後を演じているのが、佐藤健さん、鈴木亮平さん、松岡茉優さん。

幼い頃の衝撃的な事件を胸に抱えながら、近所の人たちから色々と酷い罵声を浴びせられながら、必死に生きてきた3人。

父親の暴力から解放されて、自由を手にしたはずだったのに…。
将来の夢も希望も諦めた30代の落ちぶれた兄妹の姿がそこにありました。

中でも、佐藤健さんの落ちぶれっぷりはなかなか凄い。
髭を生やし、今生きている世界全てを憎んでいるかのような、やさぐれだ目に思わず鳥肌が立つほど。

また、鈴木亮平さんのインドアな雰囲気も素晴らしく板についていました。
家族がバラバラになってしまったことに、不安を抱え15年経っても、過去の事件を引きずっている…という暗い性格。

対する、松岡茉優さんの底抜けた明るさが対照的で痛々しい…。
バラバラになった家族をどうにか繋ぎとめようと、必死に明るく振る舞う演技が天才的に上手いです!

こうして改めてみると、超実力派の俳優3人が揃っていることこそが、この映画の最大の魅力なのかもしれません。

4人が親子の柵の中で、もがき苦しみながら生きる姿がとてもリアルで、見ているだけで心が痛くなりました。

あの時、父親を殺したことは果たして正しいと言えるのか?

人としてのモラルと、母親としての責任、そして何よりも、子を思う母親の愛情。
その全てが複雑に絡み合った家族の絆に、私の心は揉みくちゃになりました。

家がのタイトルは『ひとよ』ですが、私の中では『ははよ』というタイトルに変えたいくらい…。
それくらい、親が子を思う強さを感じさせてもらいました。

今回は、完成披露試写会での鑑賞!
佐藤健さん、鈴木亮平さん、松岡茉優さん、音尾琢真さん、佐々木蔵之介さん、監督という豪華なキャストの方々。

音尾琢真さんは、監督の映画に出演するのは9回目だそうで、連続出演していることが何よりも嬉しいとのこと!
これからも監督の映画にキャストとして出演したいと、熱く語られていました(笑)

松岡茉優さんのキャラクターにも注目!
彼女の底抜けた明るさは、映画のキャラクターそのもの。
普段の彼女も、こんなに明るいのかと思うと、こんな楽しい彼女と一緒に共演できる皆さんは幸せだろうなと思いました。

佐藤健さん曰く、この映画のアクションシーンにも注目だそうで、佐藤健さんが、佐々木蔵之介さんに蹴りを入れるシーンは、手加減せずに真剣に演技したとのこと。

映画を観るまでは分かりませんでしたが、鑑賞後なるほどあのシーンだったのか!
と納得しました(笑)

クランクアップから3ヶ月もないスパンという、異例の短さでの舞台挨拶でしたが、とても素晴らしい作品を観させてもらいました!

いつもいつも、ありがとうございます!

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ガーコ

4.5ひとよ…一夜、人世、人よ

2019年9月19日
iPhoneアプリから投稿

「ひとよ」一夜、人世、人よ …
たった3文字の言葉なのに、なんて深いタイトルなのだろう。
そして鑑賞後、何日たっても稲村家族のことが忘れられない。

劇団KAKUTAの桑原裕子さんの原作を白石和彌監督が映画化したと知り、居ても立ってもいられなくなった。

震災という出来事で福島を見る目が一夜にして変わってしまったと言う原作者。
復興、再生という言葉が行き交う平成末期の日本で生きてきた私たちだけれど…
失ったものが大きすぎて、魂を深い深い海に置いてきてしまったような虚ろな日々だった。
再生とはなにか?
どう歩み出せばいいのか?
答えのない出口をモヤモヤと何年間も探し求めているみたいに。

一夜の出来事で壊れてしまったタクシー会社の家族。
その姿を通して「再生」について考えさせられるヒューマンドラマ。
俳優陣の演技に魅了され、スクリーンから一瞬たりとも目が離せなかった123分間。

長男鈴木亮平さん、次男佐藤健さん、長女松岡茉優さんという稲村三兄妹。
親に翻弄される波乱に満ちた人生。
それぞれの苦悩や葛藤、そして家族への想いを体当たりの演技で魅せてくれる。
今までみたことがない、奥行きのある3人の演技に目頭が熱くなった。
佐藤健さん演じる雄二の家族との埋められない溝のような距離感が自分と重なって…胸に棘が刺さるみたいに思えた。

そして、母親役の田中裕子さんの存在感。
あの時こうすれば良かったとか、こうしなきゃ良かったとか…人は後悔しがち。
でも、母親こはるの姿を通してある種の恐怖すら感じるような、子を守るブレない母親像をみせられた。

心に傷を負った家族にスポットを当ててくれた本作の役割はとても大きい。
そう、幸せな家族ばかりが家族じゃない。

子のため夫を殺めた母
”信じ”つづけた長女
”苦しみ”つづけた長男
そして、”許せなかった”次男
…家族の苦しみは何年たってもなかなか終わらない。

でも、蔑まれようがカッコ悪かろうが…そこに生きる家族の姿に再生への〝希望〟がみえた気がする映画。

ああ…またまたハマってしまった白石ワールド。

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紅いりんご飴🍎
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