窮鼠はチーズの夢を見るのレビュー・感想・評価
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日が差すあの部屋にもう一人息遣いが増える未来を想う。
たしかに肌色多めで、個人的には男性の生身の身体にちょっと苦手意識があったので多少懸念していたところもあったけれど、ほんとうに美術品のように美しくため息が出た…あんなに美しい生き物があって良いのだろうか…丸出しの欲をぶつけ合っているというのにどこかとても不確かで、だからこそここで息をしている互いを確かめ合うような一瞬…
テレビから流れる映画の台詞(J‘attends…で丁度帰りを待ってたところに帰宅したりとかね)があの夜の2人とリンクしているところや、窓を伝う雨が白い肌に影を落とすのが、本当に私は好きで、美しかった。
それから、すっごい短絡的かもしれないけど、観てて完全にBGMがチャットモンチーの『染まるよ』だった…
「でも もう いらない」のあの天才的な間と転調が今ヶ瀬の指元やら口元から漏れるずーっと煙に溶けて見えていた…儚くて消えそうで、なんでこっちがこんなに他人の恋愛で苦しくなるのだろうと思ってしまった…
終盤の海のシーンの美しさは勿論、「心底惚れるってその人は例外になるってこと」みたいな台詞が世の真理すぎて全ての感想があの夜明けの海に沈んだ。
成田凌の演技見たさに見ました。 映画を見る前に、インタビューを読み...
成田凌の演技見たさに見ました。
映画を見る前に、インタビューを読みましたが、目をうるうるさせるようにしていたということで、ついそこを見てしまいました。
子犬のようにまとわりつく成田くん、すごいいじらしくて可愛かった。
好きだと言われると嬉しくなり、断れずにフラフラする恭一のことを嫌いだといいながらも、大学から諦めきれずに一途に思い続けてしまうのは、理屈じゃなく、どうしようもないことで、それは痛いほどわかりました。
ノンケな相手に好きといい続けて、自分を受け入れてもらおうとしようとか、かなりの勇気だと思う。拒まれたら生きていけなくなるくらい辛いはず。
大倉は…興味は全くないですが、ジャニーズなのにそこまで?とはびっくりしました。本当に体当たりの演技を頑張ってました。監督は基本順番で撮影したそうで、その最初の戸惑いから、今ケ瀬が次第にいなくてはならない人になっていくところへの移り変わりはよかった。
恭一は、誰にも優しく、淡々とくるもの拒まず、本当にその人を好きじゃないだろうに、つい優しくしてしまう、ずるいやつ。あれは女の子も勘違いしちゃうよね。
ゲイが集まるクラブへ一人で行ったのは、今ケ瀬を探しにいったのかと思ったけど、自分なりに理解しようと思ったのですね。
でもどうしても受け入れられずに泣いてしまうシーンが良かった。
あと、レストランで同じ席に着いた恭一と元彼女、今ケ瀬と今ケ瀬の元彼の4人の視線だけの映像。お互い楽しそうに会話をしてるけど、実は視線で探り合いしている感じが凄かった。
全体的に言葉少なく、そういう目での会話、カメラワークがさすが行定監督だなあと思った。
そして、今ケ瀬と二人、ソファーでテレビを見ながら、ポテチを食べていて、今ケ瀬がテレビを見ながらも、ポテチを恭一の前に出して、それを恭一が食べるところがなんかよかった。
そしてラストシーン。ちゃんと婚約者に別れを告げて、今ケ瀬を待つと決め、部屋でゴミ箱に捨てられていた灰皿を洗ってテーブルに置き、いつも今ケ瀬が座っていた椅子に座るところ。何気ないシーンだけど、初めて恭一の一途な愛を感じました。
カールスバーグ
想像以上に生々しい映画で驚きました。でも、そんなことが気にはならないくらい、良質な恋愛映画でした。男性同士の恋愛を扱ってはいますが、恋愛を一度でもしたことのある人なら誰でも共感できる作品です。
行定監督が撮る恋愛は生々しくて、心に刺さります。特に成田凌さん演じる今ヶ瀬の表情は繊細で、壊れそうで、美しくて、本当に素敵な役者さんだと改めて気づかされました。生まれ年のワインをもらった時の嬉しそうで苦しそうな今ヶ瀬の表情は、涙が出ました。また「やらせてくれるんですか?」と言っている今ヶ瀬を家に入れた後、しばらくドアのカットが続いたシーンがとても好きです。中での会話が想像される余白でした。
人はみんな、今ヶ瀬か大伴先輩、どちらかなんじゃないか、と思いました。大好きな人といると他に何もいらないくらいに幸せなのに、同じくらい苦しくてたまらない今ヶ瀬。自分を愛してくれる人が欲しくて、ずるい態度ばかり取る大伴先輩。恋愛をしている時、人はみんなどちらかに当てはまる気がします。「大伴先輩みたいな人大っ嫌いなのに。」というセリフが印象的です。人を好きになるのに、好みのタイプとか関係なく、ただその人だけが例外になってしまう感覚は全国民が共通に持っているのではないでしょうか。恋愛が楽しい人も、恋愛に疲れた人も、ノンケでも、ノンケでなくても、どんな人にも見てもらいたい作品です。
マイル消化で観ました。
が、!ムビチケ残しときたいくらい良かったです。久しぶりにもう一度見たい映画でした。表情といい流れと終わり方とが、ちょっと苦しくて重くて、誰しも恋愛で別れを体験した事のどれかに重なる部分があるのではないかと思います。完璧な人を好きになる訳じゃないって言葉が沁みました。そうなんですよね…。
流石な行定監督。
チョイと複雑な恋愛を、リアルに伝えてくれる監督の作品。
責めてましたね。
最初のカメラワーク😅
いやいや、なんとも。。
異性愛より、同性愛の方が純粋で愛を感じてしまい、少しばかり、悔しいですけど。
成田凌の愛らしさ、大倉くんが、少しずつ受け入れて愛を確信していく過程も無理がなくてとても良かった。
全体的にやりすぎ感が強いね
一流企業で働く20代後半の大伴恭一(大倉忠義)。
ある日、会社のロビーに大学の後輩の今ヶ瀬渉(成田凌)が立っていた。
「いまは興信所で調査をやっているんですけど、調査対象が先輩なので、どう報告しようかと悩んでいて・・・」と恭一に告げる今ヶ瀬。
調査依頼主は恭一の妻、恭一が浮気しているかどうかの依頼だった。
調査報告書には恭一の浮気現場がバッチリが写っていた・・・
といったところから始まる物語で、その後、恭一の優柔不断で流されやすい性格や、大学時代の今ヶ瀬が恭一に一目ぼれしてその後も延々と思い続けていたことなどが描かれていきます。
腰の据わらない浮気性の男性に、惚れる粘着質の執念深い女性と構図は、昔からよく見られる恋愛ドロドロ劇の定番で、執念深い粘着質女性を、ゲイに置き換えたところが目新しいレベルで、同性愛の純愛ものという触れ込みだったのだけれども、ロビーに立っている今ヶ瀬の姿をとらえた初めのショットから、個人的には「ちょっと違う・・・」という感じがしました。
作り込みすぎた今ヶ瀬のキャラクターにドン引きしてしまい、なんだかゲイ版『危険な情事』を見せられた感が無きにしも非ず。
恭一の、腰が据わらず優柔不断で流されやすい性格は、相手も大切にする気持ちなど微塵もないが、自分自身を大切にする気持ちもさらさらない。
そんな彼が、今ヶ瀬に抱かれ(!)、去られた後に、新宿二丁目のゲイクラブを彷徨するシーンは、彼がはじめて自分の心を探ろうとしていることの表れであり、興味深かったです。
大倉忠義と成田凌の身体を張った生々しいラブシーンは見どころだけれども、もう少し隠した方が個人的にはよかったと思います。
ちょっとやりすぎ、ポルノ的に思えました。
高いスツールに鳥のようにうずくまる今ヶ瀬の姿は、アラン・パーカー監督『バーディ』を思い出しました。
また、今ヶ瀬が愛用する黄色い陶器の灰皿はシェル様形状ですが、女性器も連想させます。
棒状のタバコと併せて、そこいらあたりをどう読み解くか・・・結構、難問です。
興味深い内容ですが、全体的にやりすぎ感が強く、同じくやりすぎ感が強かった同監督の『世界の中心で、愛をさけぶ』と同じレベルの評価としておきます。
何度も観たくなる作品
2日前に1人で観に行きました。
余韻に浸ってしまい窮鼠のことしか考えられなくなる、2日しか経ってないのに既に2回目観に行きたくなる、これまでファンではなかった大倉さんと成田さんのこと好きになる…
こんなふうに思える作品に出会ったのは初めてです。
元々BL好きなので、正直言うと濡れ場目当てで行きました。濡れ場はたしかにすごくてこの映画の見どころでもあるのですが、それ以上に萌え袖の成田凌やいちゃいちゃしてる2人が可愛くてきゅんきゅんします、そして苦しくなります。
BL好きではない方でも楽しめる映画だと思います。
悲しいんだけど画が綺麗っていう残酷さ
原作は未読。
主演の2人の演技に圧倒された。
主人公の大伴恭一役を演じた関ジャニ∞の大倉忠義さんにびっくり!
ごめんなさい。生粋のアイドルかと思ってました。
なんて素晴らしい役者さんなのでしょう!
来る者拒まず、去る者追わず…感情を表に出さないアンニュイな雰囲気の恭一にぴったり。
ずっと無表情だからラストの涙を際立たせるんだね。
露出度の高い性描写の数々。
しかも同性との絡みはJでは初めてかもしれない。
新境地に拍手です。
もっともっと大倉くんの映画がみたい!
成田凌さん演じる今ヶ瀬渉の激しく恋焦がれる潤んだ目が忘れられない。
好きな人に好きって言えない苦しみが、一途な可愛い今ヶ瀬くんから伝わって来る。
恋愛って残酷だわ…
行定監督の演出なのか、せとな先生の原作なのか?
主演の2人は勿論だけれど、登場人物一人ひとりが際立っている。
人はそれぞれ顔や性格が違うように、恋愛への考え方も違う。
女性たちの様々な愛の形が見えた。
浮気調査を依頼した恭一の妻・千佳子の痛快なまでに身勝手な離婚宣言とか、
恭一と不倫してる肉食系の瑠璃子のしたたかさとか、
大学時代の元カノ夏生が今ヶ瀬に抱く意地悪なジェラシーとか、
常務の娘たまきが選んだ青いカーテンの相性の悪さとか…
激しい今ヶ瀬の愛との対比が、愛とは何かを観る側に問いかけてくる。
同性同士の恋愛に戸惑う恭一は知らず知らずに今ヶ瀬の沼に引きずり込まれていく。
髪の毛くるくる触ってポテチ食べるシーン。
笑いながら耳かきするシーン。
あと、2人が暮らす部屋の白いカーテン越しに窓から入る光。
屋上で笑い転げてふざけ合うシーン。
ピンクのジッポと灰皿。
そして、椅子。
…隅々までこだわった演出や大道具小道具が秀逸。
愛すれば愛するほど、自分らしく生きられない。
愛すれば愛するほど、苦しくて一緒にはいられない。
悲しいんだけど、画が綺麗っていう残酷さを描かせたら天下一品の行定勲監督にノックアウトされた映画。
追い窮鼠しなきゃ。
てことで2回目は大ヒット御礼舞台挨拶付きで鑑賞。
初リアル大倉さん拝顔。びっくりするくらいカッコいい!
成田凌の好演は一見の価値あり
とても純度の高い恋愛映画でした。
大学生の頃からずっと片想いを拗らせてるなんて、男女だと割とありがちなシチュエーションだけれども、男同士だと少し違ったフィルターを通して見てしまうのは、まだまだ自分に先入観や固定観念があるのだと思い知らされます。
主人公の恭一が、今ヶ瀬と過ごすうちに、人を好きになることや愛することの価値観が変化していく様子がとても丁寧に描かれていました。
特にキュンとして嬉しいけどズルい苦しいと思ったのが、今ヶ瀬が恭一からワインをプレゼントされ、恭一が何気なく来年の話をするシーンです。恋愛は嬉しくて苦しくて辛いけど楽しい、そんな複雑な気持ちが成田凌さんからものすごく伝わってきて涙が止まりませんでした。
途中、展開の早さに???となったり、これは膨大な行間を読めってことなのか?となったりすることもありましたが、映画自体はよくまとまっていて面白かったです。
アジアン料理屋での地獄のキャットファイトは最高でした。楽しかった。
最後、恭一は今ヶ瀬と生きていく決心をしたのに、片想いの相手が急にこちらを向いて怖くなって逃げ出した今ヶ瀬が切なくて切なくて…。この後に救いがあると信じたいです。
一緒に観た友人がチーズ出てこないじゃんって言っていたのには笑いました。
後、ブロークバックマウンテンがあまり好きじゃない人はあんまり好きじゃないかも…と個人的に思います。
ハマりました。
大倉さん、よく引き受けたなぁ…と。
同時期に公開の『リスタートは…』が不自然極まりなかったので、あまり期待せずに鑑賞しました。
こちらは至極自然に違和感無く、観られました。
なんか恋愛のツボが自分と全く同じで、物凄くハマりました。
好きな男のパンツを洗う喜び。
好きな男の繕い物をする喜び。
好きな男の耳掻きをする喜び。
恋愛は追いかけてはダメってのが信条の私ですが、とことん追いかけるのもアリなんだと気が付かされました。
ワタルはホントに人を愛せる人で、
恭一は人を愛するという事を知らなかった人で、
『だって男と女だよ!』と云っていた夏生先輩は、人を本気で愛することの出来ない人。
私の見解です。
しかし、成田さんはマルチな役者さんですね。素晴らしかったです。
窮鼠はチーズの夢を見る
誰かを好きになることに明確な理由など無くてもよいのです。「一目惚れ」っていうロマンティックなものがこの世には存在しますが、それも誰かを好きになるきっかけとしては充分なのだと思います。恋愛において誰しも相手に求める条件というものがある程度あると思いますが、多少条件に沿えない相手だったとしても、好きになったのであればそれは例外になってしまうらしいです。ただしそれは相手の持つ倫理的・道徳的によろしくないところも飲み込んでしまおうということではないと思います。相手のよくないところを指摘できてこそ、相手の本質を観れていると言えると思うのです。「心から相手と向き合う」とはこういうことなのでしょう。それを歪な形ではありながらも唯一体現していたのが今ヶ瀬だったのではないでしょうか。
愛する人には喜怒哀楽全てを伝えたいけれど、誤解や軋轢が生じるリスクもあり、素直に伝えるのは決して容易ではない。「1ヶ月に一度、半年に一度でもいいので、そばに置いてくれませんか。」なのに「お前はもう要らない。」でしょ。相手との温度差を感じる時ほど凍えるものはないと思います。その反面、たったいっときでも同じ温度で重なる時の喜びはこの上ないものだとも思います。髪を撫でる指、分け合う煙草、誕生日のディナーへ向かう足取り。どれも素敵なシーンでした。
結局大伴は今ヶ瀬と再会してどう変わったのでしょう?きっと優柔不断で自分の意見を言えない自分と向き合えるようになったのではないかと思います。よく「恋人は自分を映す鏡」だなんて言いますが、直向きで自分の意見を容赦なく言える今ヶ瀬を通して大伴は自分自身をようやく認識できたのだと思います。最後に二人が共にあの部屋に佇むことはなかったけれど、元通りになったカーテンと、そこから差し込む柔からな光と、空になった灰皿に、私は希望を感じました。
感情移入できず
原作未読です。
BGMが最低限で、淡々と物語が進む序盤は興味深く観てたんですが、中盤から流れに違和感を感じ、展開に乗れませんでした。
まず、まだ先輩後輩の段階で突然同居してましたよね?いくら流されやすいタイプとは言えノンケの恭一が自分に気のある今ヶ瀬と同居した理由が分からない。
で二人で髪の毛触ったり乳首つついたりして戯れてたので、え、もう深い関係に…話の展開早い…って思ってたらそうでもなく、相変わらず恭一の気持ちは今ケ瀬に傾きつつも愛情に至らず、体の関係まで結構な時間がかかる。そしていざ気持ちが通い合っての初めてシーンでは躊躇なくノンケの後ろに挿入するという中々のハードさ。ローションのボトルが無意味にオシャレなのも謎でした。わざわざ詰め替えてるのか?
オシャレと言えば、恭一の部屋もちょっとお洒落すぎです。仕事柄センスは良さそうだが、離婚直後の男の部屋にしては小物周りまで細々と統一感ありすぎだし、今ケ瀬の部屋も特にアジア好きとかいう情報もないのにやたらエスニック調で違和感を覚えました。
なんか書き出したらキリがないな…。今ケ瀬というか成田君は芝居は素晴らしかったですが、ちょっと可愛いすぎ?ちょこんとスツールに体育座りしてんのが私は苦手でした。往年の千葉雄大か。あれをやるのはハタチまでにして欲しい。しかも髪型のせいもあって時々ノンスタの井上に見えたし。
大倉君はひたすら男前でした!あんまり興味なかったから驚きました。ただベッドシーンの尻はもう少し綺麗に見える角度から撮ってあげて欲しかった。この映画は男を魅せる映画でもあると思うし。
あと今ケ瀬ってほぼストーカーですよね?まあ恭一がはっきり拒否しないからでしょうけど。それにしても付きまとい過ぎかな。恭一も女性関係クズだし、どちらもイケメンじゃなかったら成立しない設定だとは思います。
ゲイバーのシーンもとってつけた感じだったし、ラストの海のシーンも展開通りの場所に入れときゃ良かったのでは?って思ったし、全体的には面白く観たんですが、感情移入はできませんでした…。
恭一?
行定監督作品はそこまで好きでもない。
原作は昔読んでとても良かった記憶がある。
ジャニーズは興味ない。
そんな自分が見た感想。
この恭一はなんでモテるんだ?
って思ってしまった。良くも悪くもただの高収入イケメンっていうか。。
流され侍感があんまり感じられなくて、ナツキのセリフが原作から切り取ってはっつけただけみたいで、自分は終始違和感あった。
何だろう、隙がある感じがしないキャラに見えたのかな?
原作の恭一から無くなってしまった要素のような。。
単純に大倉くんが好みではないから認めたくなかったのかもしれないけど。。
でもかといって他の誰だったらよかったのかもよくわからない。
というわけで恭一に関しては終始、なんだこいつ?と思いながら見ていたけど最後だけは共感できた。
イスに座ってる画も好きだと思ったな〜。
成田くんはとても良かった!
ちょっと女っぽすぎる感じもしたけど、メンヘラ感がとても良かった。セリフもなんだか説得力があったなぁ。
女性陣も好きでした。ナツキ良かった。
最初の恭一どうなん?っていうところでつまづいてしまって、目まぐるしく展開するストーリーでもないので没入できなかったのが悔しいけど、全体的にはよかったと思う。
惜しげもない体当たり演技、大変満足しました
以前BLドラマにどんばまりしたことがあり、その後BLへの理解が深まりBL作品を追いかけています。
男性同士カップルの何気ない日常はそうしたドラマで描かれておりますが、気になるのはその先の事だったので、その欲求に十分応えてくれているこの作品は最高でした。
成田凌は他の作品でのサイコのイメージがどうしても拭えずにおり、今回も元カノに対して猟奇的な行動に走るのかとハラハラしていましたが、純粋に人を愛する演技で良かったです。ねっとりとした粘着質なキャラクターはハマり役で、改めて演技の振り幅を感じました。
欲を言えば、こちらの作品は映画のみなので、ドラマでもっと日常のホッコリシーンや大学時代の片思いシーンでキュンキュンした上で、その先を観たかったです。男性同士ならではの切なさはなかなか短時間では伝わりにくいように思えました。評価関係なく個人的には、推しの俳優の作品でこうしたBLの恋愛のその先を惜しげもなく表現してもらえたなら、どんなにハッピーだったろう、この点はいつまでも心残りです。
求めるものが手に入りそうになる怖さ
どっちの気持ちにも共感できました。
他人からの愛情を、信じられない、不安。
だけど、愛されたい。自分のことを愛してくれてるであろう人をそばに置きたい。
好いてそばにいてくれるなら誰でもいい。
だけど、愛すことが出来ない。自分を愛してないから。
他人に見せるの自分は偽物。そんな虚像を愛されたところで、その愛すら偽物。
そんな気持ちに、入り込んできた成田凌君。
何を求めるわけでもなく、ただひたすらに自分を、求めてくれる。
本当に愛されるってこーゆことなんだ。ありのままの自分を愛される心地よさに身を投じていく。
気づけば求められることを求めてしまう。
…本当に大好きな人が、自分の方を向いてくれる。
その幸せを噛み締める。だけど、その先を見るのが怖い…いつかなくなってしまうなら、自分で壊してしまいたい。永遠が約束されないのなら、これ以上好きでいたくない、辛い、、、だけど好き。
純粋に相手を求める気持ちって、こういうことなのだと思いました。コントロールしようとしても抗えない気持ち。それが心底相手に惚れるということ。
なんだか、今までの恋愛と2人の気持ちが、被る場面があって、懐かしく、切ない気持ちになりました。
見てスッキリではないですが、誰かを心から愛して、誰かに心から愛されたいとそう思わせられる映画でした。
愛の形は人それぞれ。そして今ある事実が全て真実、つまり本意なわけではない。複雑な感情がいくつも絡み合っている、そんな繊細な映画でした。
原作とは乖離した作品
はっきり言って最低。
原作ファンによる押し付けはあまりしたくないが、原作と同じ物語として見るなら理解が浅すぎるし、原作とは別物として見るなら説明不足で意味がわからない。この映画は、少女漫画原作などにありがちな「女はこういうものが好きなんだろ」という観客への舐めた態度すら感じられず、どこに焦点を当てていいかを判断しあぐねている、監督の力量不足を感じた。これをお得意の「BLを"超えた"愛」などと表現するならば笑ってしまう。監督、脚本家、キャストが一度でも原作をしっかり読んだのか(読んだのならばなぜこんな結果になったのか)疑ってしまう内容だった。
最も違和感を感じたのは、二人の主人公・大伴と今ヶ瀬のキャラクター描写の飛躍である。大伴は他人から愛されることを最大の望みとし、だからこそ他人に流されやすく、自分の意見をはっきりと主張しない甘えた人間だ。そこにつけ込み、彼を流すために強かに振る舞いながらも、実は奥底にゲイである自分自身への後ろめたさ/自信のなさと病的なまでの大伴への恋をひた隠しにしているのが今ヶ瀬である。本作では、大伴は原作に登場しない浮気相手と何度も逢瀬を重ね(ご丁寧に乳房まで映したこのセックスシーンを削ればもっと撮れたものがあったはずだ)、仕事中に部下に対し執拗に視線を送る。「流され侍」などではなく、ただの女好きのクズである。また、今ヶ瀬に関して言えば彼の原作での強かさが消え、ただ健気に大伴に尽くす、犬のように懐いている後輩として描かれる。原作の今ヶ瀬は、断じて、萌え袖はしない。原作の大伴は、断じて、あのようなオシャレなデザイナーズマンションには住んでいない。
加えて、ストーリー展開としても大伴のクズさが際立った内容だった。原作の中で数回しかない大伴から今ヶ瀬へのアクション(音信不通になった今ヶ瀬を大伴が見つけ強引にタクシーに一緒に乗る、タチ役をする、など)がほぼカットされる、あるいは丁寧に描写されておらず、大伴が「流され侍」から今ヶ瀬という存在によって徐々に変化し、自らの意志で今ヶ瀬に向き合うという心の動きが全く伝わって来なかった。同様の問題点として、原作ではそれぞれの心の声が非常に重要であるにも関わらず、本作では心の声を一切排し(そしてそれをカバーする描写もなかったため)登場人物の心情の読み取りが困難だった。
また、女性モブへの扱いも失礼だった。原作でも何人か女性が登場するが、重要なのは夏生とたまきだろう。たまきはこの映画の中で数少ない満足できる配役だった。一方で夏生は、配役というよりも描かれ方が不服だった。文脈からある程度予想は可能だが、そもそも夏生が大伴の元カノであることは一切明言されていない。そして、夏生は大伴の元カノの中でも今ヶ瀬が「一番まともで、一番嫌い」な存在として特異だが、本作では今ヶ瀬vs夏生という対等で熾烈なライバル関係があまり出ておらず、夏生はせいぜい体のいい当て馬で終わった。夏生ほどのいい(怖い)女が勿体無い使われ方をしていた。
監督は何がしたかったのだろうか。ゲイバーに大伴を行かせ、ゲイのテンプレートのような人々の好奇の目に晒されるという原作にはないシーンをわざわざ描くことで何を伝えたかったのか本当にわからない。この二人は他のゲイとは違う、二人だけの高尚な愛情があるとでも言いたかったのだろうか。そんなものはないのに。そんなものがないからこそ、この物語は意味があるのに。
本作は、原作の印象的なシーンをパッチワークのように強引に繋げた、原作への愛も理解も情熱もないものと感じた。
大倉君が良い‼️
もともと原作のファン、成田凌のファンだったので、大変楽しみに出かけました。もちろん成田凌の今ヶ瀬は想像通り素晴らしかったですが大倉君演じる先輩の甘えた表情は原作を上回りました!ストーリーは原作通りというか原作に沿った行定監督のオリジナルでこちらの方が原作の少女漫画っぽさを払拭した感じで大人向けだと感じました。どちらも好きです‼️
大倉君の先輩の甘い魅力に逆らえる人はいないと思います。
先輩の罪は重い。ラストシーンは観てる者への想像によっては悲しいものになるかもしれませんが、二人に幸せが待ってると信じたいです。
マモちゃん大勝利だよ!
来る者拒まず去るもの追わずの恋愛スタイルのプレイボーイ恭一とそんな恭一のことを学生時代からずっと好きな渉2人の恋愛もの。
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私はこういうBLもの大好きなんですけど、単純にBLが好きなだけでしょって言われたくないから映画自体の善し悪しもちゃんと見ないといけないと思ってて、その1つの基準がこれが男女だったとしても面白いか、成立するかってこと。
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例えばおっさんずラブの場合、はるたんが女だとすると急にありきたりなラブコメになってしまうし、まず上司のおっさんが熱烈にアピールしてくるとか今だとセクハラになっちゃっておっさんずラブというタイトル自体成立し得ない。でもこの映画は、男女だったとしても面白い、普通に人と人とが愛し合う話。
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あとこの映画、恭一と渉が向かい合ってる時は心が通じあっていなくて同じ方向を向いている時は心が通じあっている論が当てはまる映画だと思う。2人の和やかなムードの時は絶対並んでソファーに座ってる時だし、寝る時も向かい合って寝てるシーンってなかったんじゃ?あとは濡れ場の時も(物理的な問題もあるのかもしれんけど)。
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反面、キスをする時だったり、2人が喧嘩し合う時は向かい合ってる。特に最後らへん、行為の後に恭一が渉に一緒に暮らさないかと向き合って話すと次の日渉はいなくなってしまう。お互いが素直に思い合っていることを言葉にしてしまうとたちまち二人は上手くいかなくなってしまうように見えた。
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そんなことはいえ、渉はあのビールを頼むシーンからもうずっと渉は勝ってる。マモちゃん大勝利だよ!ってずっとニヤニヤしながら見てたんだけどね(笑)作品混ざってる(笑).
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とりあえず、大倉がここまでさらけ出してるのも凄いし、何より『愛がなんだ』のあのマモちゃんの成田凌がメンヘラ男を演じてるの最高だった。成田凌とりあえずめっちゃ可愛い、大倉かっこいい最高。
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キャストは良いが中だるみのある長い映画
原作未読です。
良かったところは良かったけど、少し長いなと思ってしまいました。離れてくっついて離れてくっついて離れて。これで終わるかなと思ったら別の女が出てきたり。ちょっと中だるみのある映画でした。
ただ、出てくる女性陣たちはみんな魅力的でした。
一人目の妻は、実は妻も不倫してたってのもびっくりしたし、大倉くんに気持ち悪いって言ってたのもなんか衝撃的で。こういう女が一番怖いなと思いました。
二人目のセフレはあんまり印象に残ってないけど、すごく身体張ってるなと思いましたね(笑)
3人目の元カノ?はなかなかクレイジーでしたね。成田凌とのバトルは女の怖さやいやらしさが全開で、もっと見ていたかったです。そして、その前の4人で飲食してるときの撮り方がとても印象的で、楽しそうなのにどこかマウント取り合ってるかのような、何か不穏さを感じさせるシーンで一番気に入った場面です。
最後に部下の女の子。この子はただただ可哀想でしたね。お母さんとの指輪のシーンではあんなに幸せそうだったのに。。。その後お母さんは出てきませんが、別れの後きっとお母さんも悲しんでたに違いありません。突然出てきた父が速攻死んでしまうのはちょっと無理矢理すぎて笑えました。
大倉くんは優しい人だけど、みんなを傷つけないようにしようとして返って周りを困惑させて誘惑したように思わせちゃったりする天然クズボーイという印象です。思わせぶりなこと言っちゃって、取り返しつかないことになってます。ジャニタレだけど演技よかったです。
そして優勝はみんなも誉めている成田凌です(笑)昨年くらいに「愛がなんだ」という映画も見ましたが、ちょっと変わった役をとても自然に演技することができていますね。今回はずっと片思いしてた人を追いかけ回す役ですが、相手を見つめる瞳等セリフ以外でもちゃんと相手を好きな感じが伝わってきました。
以上のようにキャストはとても良かったと思います。ストーリーがもうちょっとスピード感あると良かったかなという感じです。
全72件中、41~60件目を表示