閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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優しさとは
死刑執行されても生き残り、世間に出すことができないので精神病院をたらい回しにされてきた主人公。
義理の父親から性的虐待を繰り返しされて、妊娠。母親からは義理の父親を奪った女と目の敵にされている女子高生。
幻聴に悩まされたり薬物中毒だったりと世間から隔絶された世界に生きる人々が生活する病院が舞台になっている。
行き場のない人たちが描かれていく中で、一人一人が様々な過去を抱えながら生きていることを丁寧に描いていた。
生きるとは何か?
生きる価値がないと、人が人を裁くことができるのか?
人権とは?
優しさとは?
問いかけを視聴者に突き付け続けられる。
人を殺めることは絶対悪が前提だが、人の尊厳を考えさせられた作品。
まぁ、しょせんドラマですわな
古臭いけど良く出来たフィクションドラマ
管理ガチガチでは無い、比較的アットホームな精神病院で起こるドラマ。それ故のメリットはドラマに優しさや暖かさを生み出すが、リスクとして事件(レイプ、殺人)が簡単に起こっちまう。『ああ、そこはメリハリよ。あまりにもヤバイ患者は別扱いの強固な管理が必要じゃね?』と思ったが、ま、これもフィクション、ドラマですからね。何か事件が起こらないとね。
主要人物達の演技は良かった。その中でもやはり鶴瓶の役がね、グッと来た。ハマり役だ。ただ古臭いよ、昭和の臭いがする役だよ。故高倉健でも合う役だよ。あ、俺的にはカッコーの巣より、幸せの黄色いハンカチの健さん役を思い出した。だから、ね、古臭い。そこが良いんだ。
ラストの、車椅子から何度も立とうともがき、暗転。ほほう、やられたよ。不覚にも涙が出たじゃないか。
医学でも、法律でも、社会規範でもなく、人のあったかい感情なのだ。
多数の人と同じ倫理や道徳を持てない人は、「心のおかしな人」とされ、社会と隔離される。その理不尽さは、理解のない家族によって生み出されることが多い。その悲劇を近代から多くの文学や映画が描いている。平山監督は、それをもっとストレートにわかりやすい材料で表現してくれた。
「心の病」とされる人の描写には賛否があるかもしれないが、平山監督が描きたかったことはそこじゃない。最後のシーンにいろんな思いが詰まっていると思った。「秀丸さん」の「生きていてもしょうがない。わしなんか生かしたら、税金の無駄や」の本心の思いから、「難儀でも生きていこう」と立ち上がる気持ちの変化は、あまりにも切なくて、泣けてきた。そして、もう生きていてもしょうがないと思う心を、生きてみようと思わせるものは、人の優しさしかないのだ。そうさせるものは結局、医学でも、法律でも、社会規範でもなく、人のあったかい感情なのだ。そう感じた。原作は確かに山本周五郎賞がよく似合う。
帚木蓬生の小説「閉鎖病棟」を読みたくなった。
人間は帰る場所があると強くなれる
タイトルなし(ネタバレ)
いろいろ批判的意見が多く聞かれる映画ですが、私は感動しました。
途中、DVシーン等観ていて目を覆いたいような辛い場面もありましたが、自分の為ではなく、自分を支えてくれた他人の為に勇気をもって挑む姿に感動し、途中から涙が止まりませんでした。
殺人という行為は許されるものではないですが、エンディングで優しいメロディが流れ出すと、他人を思う優しさに包まれて幸せな気分にさえなりました。
ディアドクター同様、鶴瓶さんの演技にはすっと引き込まれてしまう上手さがあり、綾野剛さんは悪役から刑事、楽園やこの映画のような難しい役どころなど、幅の広い演技の出来る上手い役者さんだなと思いました。
失礼ながら小松菜奈さんはきゃぴきゃぴの若手女優だと思い込んでいたので、しっかりとした演技のできる女優さんなんだなとかなり印象がかなり変わりました。
役者の演技◎。内容は???
精神科病棟を題材にしたものだということで、興味がわき見に行きました。
前知識なしで行ったのもあるのか、思ってた内容とだいぶ違うし、結局何を伝えたいのか、訴えたいのかよくわからなかった。
何より、ツッコミどころ満載で内容に集中できなかった笑
まず、この精神科病院やばくない!?というのが一番の感想です。暴力ありまくるし、火事寸前なるし、外泊した患者が亡くなるし、患者病院からいなくなるし、殺人起きるし、落ち着かない病院だなぁと。
病棟鍵閉めて管理してるのに、患者ふつうに病院玄関前に見守りなく出てるわ(すぐに患者いなくなりそう)、外出・外泊も患者一人で簡単に許可出るわ、暴力沙汰起こしてる患者の見守り甘すぎるわ、妊娠・義理の父親・挙動不審の患者で怪しさ満点なのに退院させるわでちょっとあり得なくないか??
綾野剛演じる患者も退院するにあたって、入院生活何年もしてて、外の世界久しぶりなのに、試験外泊もなく退院させちゃうって、そりゃ退院するの患者も不安になるわ。
役者の演技はみんな素晴らしかった!!静と動がしっかりしてて、精神科疾患の特徴も捉えられてて違和感なかった!!
それだけにストーリーが惜しすぎる・・・!!
あと、精神科の患者が極端に描かれすぎて、逆に偏見生みそうな感じがして不安で仕方がなかった。精神疾患持ってても、福祉のサポートなどを利用して地域で暮らす人はたくさんいる。そんな人たちが偏見なく過ごせる社会になってほしい。
オーバーリアクションは弱者への差別
この映画は人を選びます。精神疾患というカテゴリーについて知る気がなく、知らない病に対して差別的な認識しか持っていない人しか感動できません。上記に当てはまる人にとっては、この映画は「医療現場のドキュメンタリーかつ患者たちのハートフルヒューマンドラマ」のように映るでしょう。
そんなものに共感できるほど、私はレイシスト側に堕ちていません。私には差別の現場に見えました。
精神的な病に冒された家族を持つ方々は、この映画を観てどんな気持ちになりましょうか。私が彼らの立場なら、怒りにふるえるでしょう。
制作陣はもう少し配慮できなかったのでしょうか。評価されればされるほど、配慮されるべき立場の弱者が蔑ろにされるようで、悲しさがこみ上げてきます。レイシストが共鳴して、ホルホル増長しているようにしか見えません。。。
鶴瓶兄さんは役者であると同時に噺家でもあるんだから、演じる中で「これはアカンやろ・・・」ってなってほしかったです。
いつもの
弱者を描こうとして弱者を取材せずに作り上げた駄作
左巻きが好きそうな題材だなーとチェックしてたのですが、いざ見てみるととても褒められたモノではありませんでしたね・・・。
伝えたいことはわかりましたが、伝え方がひどすぎます。
日本の映画って左巻きが作る題材になったとたん、極端に取材不足になるのと、それでも大絶賛する人が溢れるのは何故なのでしょうか。
少なくとも心療内科の知識を少しでも有する人間が見たら違和感しかありません。
左巻きの連中がどれだけ精神的弱者について知ろうとしていないのかが浮き彫りになっているように感じます。
原作があるものと聞いていましたが、いったい何十年前の病院という設定なのでしょうか。現代風にアレンジするだけの能力が作成陣にはなかったのでしょうか。
釣瓶師匠はいい仕事してますが、作品自体がガタガタなので活かし切れていません。監督の力不足です。
日本映画の悪いところが満載
普段、洋画を主に観ているかもしれないが違和感が半端なかった。
第1に、精神病患者の演出がステレオタイプでかつ過剰。映画のなので多少のオーバーな演出には眼を瞑るが、落とした観劇のチケットを食べるや、ヘッドギアをした青年がここは楽しいといいながら、窓の外に向けて手旗信号で家に帰りたいのアピールなどなど。あまりに
極端すぎて、ぜんぜん映画の世界の中に入っていけない。
第2に、主演の3人による絶叫シーン。そもそも感情が昂って絶叫するってこと、内向的な日本人がするのか。
外交的な欧米人が行うことは画になる。恥の文化の日本人が人前で感情を全開にして、号泣・嗚咽することが想像できない。(これもまた日本人へのステレオタイプかもしれないが。)もちろん幻聴の病、殺人、レイプとそれぞれ重い背景を抱えての絶叫なので、わからないでもない。しかし3人みな絶叫はいささか、やりすぎの気がする。
第3に、ストーリーの展開がご都合主義過ぎる。映画冒頭、義父による暴行により妊娠がわかった少女。ふらふらと病院の屋上へ行き、そこからの飛び降り自殺。未遂に終わったが、お腹の赤ちゃんは亡くなり本人は無傷。
そんな都合よく精神病院の屋上へ行けますか?そんな都合よく無傷で済みますか?その後の病院の管理体制は問題にならなかったんですか?ツッコミどころご満載です。
最後に良かったところを述べると、やっぱり小松さんはかわいいということと、最後の鶴瓶さんの「クララは立った」シーンは笑えたというとこ。
閉鎖病棟ではなく開放病棟
金銭も自己管理で、所持品(特にカメラは病棟内に持ち込めない)も自己管理、よく外に出ている、1994年が原作だとしても、閉鎖病棟ではないなと思いました。当事者研究のポスターがありましたが、1994年にはやってないです。日本では北海道のベテルの家がはじめたのは2001年から。任意入院も1998年(法律に明文化)から。そのかわり健常者からの差別的行動や言動は入れすぎなくらい入ってます。製作者が本当に表現したかったのはなんなのか?正直、あきれるおもいです。役者には罪はないと思っています。人に煩わしく扱われた人々が助け合って生きる姿だけは2点の価値があるとおもいます。あと、医療従事者の仕事が責任問題に発展するレベルで、ぜひ、映画館に観に行ってください。悪い見本としてなら最高の1本です。あくまでフィクションとして見てほしいです。そこにあるのは誰かがイメージする精神障がい者の世界で、現実と同じところは助け合うところだけ、製作者はもう少し勉強してほしかったと悲しい気持ちになりました。
意外にストレートな表現だった。
何十年前の病院やねん!
病院スタッフが鈍感すぎ。
精神科医療の専門家なら、由紀が入院した時の顛末には百歩じゃなくて億歩譲るとして(屋上の対応はありえん)、最初の退院の様子を見た時に、DVとはわからなくても、何かしらの手段を講じるはず。それでも、18歳という微妙な年令ー児相は関与しないけれどまだ未成年で入院させるのは本人の意思だけではできないーで、退院させてしまったとかの描写があるのならともかく…。
あの程度で保護室というのも、良い薬がなかった時代ならともかく…。しかも2度目の発作では、秀丸の関りで落ち着いているのに、病院での最初の発作の時はスタッフの関りで悪化しているって…( ゚Д゚)。
また、誰もが突っ込む重宗への対応。ありえん。
手続きふまない自主退院や、外泊後帰ってこない人への対応も、単に映画の都合上、描かれていないだけだと願いたい。
チュウさんの退院時の対応。もっとPSWとかが、退院してもやっていけるように、慎重に慎重を重ねて環境調整・お試ししてから退院させるよ。
そして何より家族の苦労も知らないでの発言。
病棟内の構成も、映画的にインパクトのある人・場面ばかりを集めたかな的な…。
うつ病の人だっているはずなのに、画面にはそれらしい人はでてこない。
チュウさんみたいな方の方が多いはずなのに…。
さらに、?なのが、あの程度で死刑?だったら、世の中死刑囚だらけだ。
あくまでフィクションであることを強調するかのような設定の数々…。
精神科医療に関わるものとして、
精神科病棟に入院と告げられてしまった当事者・家族と関わるものとして、
どんなふうに描かれているのかと恐る恐る鑑賞。
ああ、こんなの入院前の当事者が観たら、入院拒否されるなあ。自殺されかねないなあ。親子心中されないように気を配らねば。
精神科医療・入院とはを考えるには、この映画より、強烈に誇張・コメディ化されているけど『クワイエットルームにようこそ』の方がいいかもしれない。
原作未読。
精神科入院患者に「読め」と勧められた作品。積読になっていてご免m(__)m。きっと、当事者にとって人に勧めたくなるような作品なのだろう。
けれど、映画はどうだ。
監督はこの映画を通して何を描きたかったのだろう。
何年も前から脚本を温めてきたと何かで読んだ。その過程で、精神科医療についてのリサーチはしなかったのだろうか。
監督の頭の中は描き出されているが、実際の精神医療の現場の、温かさ・やりきれなさ・矛盾等々、一言では語れない雰囲気が出ていない。
当時者目線ではなく、当事者を”外”からみての雰囲気で作ってしまった、やっつけ仕事のような映画。なんでこうなる。
そして、手ぶれする映像。それで何を表現したかったのか?登場人物の不安定な気持ち?そんな小細工しなくても十分演技で表現できる役者を揃えているのに?反対に、監督の、この作品に対する腰の引け具合・腰が据わってない様が露呈している。
『愛を乞う人』の監督作品。
『怒り』『そこのみにて輝く』で、繊細な演技に魅了された綾野氏。
『渇き。』で印象的だった小松さん。
『かもめ食堂』の小林さん。
『ディア・ドクター』の鶴瓶師匠。
と期待度UP.
木野さん、渋川氏も出演されていて、と芸達者だらけなのに、不発。
綾野氏は器用な役者で注目しているけれど、今回は器用さに驕ってリサーチ怠った?出演作が目白押しだもの。
最初の発声は神木君か?というような感じで、「役に合わせて発声も変えている」と昔読んだインタビュー記事を思い出して、期待度UP。繊細さは出ていたけれど…。
でも、幻聴と一緒に生きる運命を背負ってしまった人の思いがなおざり。自分自身を自分でコントロールできないってどういうことか、わかる?〇〇しなきゃいけないけれど、ついあとまわしにしてしまうなんてレベルではないんだよ。原因とかなくて、ある日突然そうなっちゃうんだ。描いていた将来とかが、一瞬飛んでしまうんだ。「賽の河原」と表現された方もいらっしゃったっけ(そのあと取り戻す人とか、別の将来を見つける人もいらっしゃるけれど)。
尤も、一口で「幻聴とともに生きる運命を背負ってしまった」といっても、お一人お一人違うから、簡単ではないけれど。
(㊟幻聴は、統合失調症にしかない症状ではありません。別の状況でも起こりえる)
小松さん。インタビューを読むとそれなりに”調査”はしたらしいが…。
これも”DV被害者”と言っても、何歳から被害を受けていたかで、表情・症状の出方は全く違う。つい最近被害にあいだした設定なのかな?役作りが中途半端。
渋川氏。『半世界』しか知らなかったから、そのふり幅の大きさに驚いたけれど、ただの粗暴な人にしか見えなかった。
薬物中毒。どんな経緯で薬物にはまったのか。薬物に手を出すまでの性格。そして、中毒治療がどのステージなのか。離脱症状の出方。なんの薬物なのか。薬物によっては脳器質への作用による性格変容もあり得るのだけれど。
『レインマン』のホフマン氏。
『ギルバートグレイプ』のディカプリオ氏。
ともに、自分が演じる症状を持つ方々の特徴をつかむために、何か月も施設に通ったと聞く。
『7月4日に生まれて』のトム様は、日常生活も車椅子で過ごしたという。
日本にはそこまでやる覚悟のある役者はいないということか。
残念。
三人とも、個人的には注目株。だからこその苦言。惜しい。
そもそも、監督が何年も企画を温めていたけれど、”病”について何も調べなかったのだろう。
そんな中途半端な思いで、この企画に携わって欲しくなかった。
それでも、木野さんのはりついたような笑顔とか、
脇を固めていらした方々が、特徴を持つ愛おしい人々を愛おしく演じられているので☆2.5。
≪2024.5.4追記≫
この映画を観て感動するくらいなら『むかしMattoの町があった』マルコ・トゥルコ監督作品。2010年2/7と2/8に放映されたTV映画の方が格段に良い。イタリアには精神病院がない。その運動の中心となったバザーリア医師を中心として精神病院を描いた実話ベースの作品。
自主上映か、大熊一夫氏著作についているDVDでしか鑑賞できないのがもったいない。
未来はきっと明るいはず
社会的入院
奮い起つような感情が何も湧かなかった。綺麗事のお芝居感が正直な感想。
言いたいこと伝えたいことはわかります。私の心が異常なんでしょうか。
精神科病院に入院している人を役として演じる姿は
心のどこかで素直に賞賛できないのも正直な感想。
よく特徴を捉えて演技されてるとは思いますがやはり辛いものがある。
快く思えない、見れないと思う人もいるかもしれない。
鶴瓶さんも小松菜奈さんも綾野剛さんも皆さん魅力的ですが、
心の奥底まで突き刺さるような渾身の表現力とまでは画面から伝わってこなかった。鶴瓶さんの演技はTVで見るいつもの鶴瓶さんと変わらない。
笑顔を出さない演技はされているけれど10年ぶりとはいえ新境地を見せて欲しかった。
最後の場面、もっと必死にもがいて震えて汗も涙も鼻水もいっぱい垂らすぐらい汚い表情でなんならもう失禁してズボン濡らすぐらいまでして諦めていた感情を奮い立たせて立ち上がろうとする姿を画面いっぱいに見せつけて欲しかった。
この映画の最後はそれぐらいの渾身の表現力がないとこの題材に釣り合わないし
観ているこちらの心にまで響かない。と願望ですが少し残念に思いました。
小松菜奈さんも虚ろな眼差しが魅力的ですがあの泣き叫ぶ場面も涙を流して欲しかった。鬱積された感情を顔がグチャグチャになるぐらいもっとさらけ出して欲しかった。そういう映画を希望します。
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