閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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色々考えさせる映画
こんなに色々と考えさせられた映画は久し振りだ。
閉鎖病棟で歳の離れた友人となった、秀丸、由紀、チュウさんの物語。家族より優しく強い絆で結ばれた彼らの悲劇と再生が描かれている。
秀丸が2回目の殺人に至ったのは必然と思えたし、裁判での由紀の訴えを聞き、人生を諦めていた秀丸が再び立ち上がろうとしたラストは感動的だった。
結局、人を救うことができるのは人なのだ。実に感動的で良い映画だった。
精神病院が選ばれたのは一般社会からの隔離空間(物理的にはそれほど遠くなくとも感情的には遠い)としてと理解したのだが、他に理由はあるのだろうか?
健常者と精神病患者との境目なんて曖昧で、漠然と感じていた距離なんて実はないのではないかと感じたが、これが作者の意図?
死刑執行失敗の件、要る?死刑失敗して障害を残してしまったものの隠蔽するために閉鎖病棟に押し込んだ結果秀丸の人格が形成された、というシナリオだと思う。が、秀丸ってモンスターと呼ばれるような普通の人から乖離した性格ではなく、(過去に突発的な感情で殺人を犯してしまったものの)穏やかな常識人じゃないか。死刑執行失敗の件は映画的なインパクトはあるが蛇足と思う。
長編原作のある映画あるあるなのだが、時間の限られた映画では説明しきれないディテールも多く、原作を読みたくなる。(原作があることを知って、深読みし過ぎてしまうこともあるが。原作読んでもたいして違わなかったり笑)
伝えたいことは、それぞれの朝
サブタイトルがある映画はあまり好きじゃない傾向にあるけれど、この映画はこんな素直なサブタイトルでも、ずしりと重い何かがある。
精神病院の描写は確かに弱い。絶対にありえないシーンも多い。
ただ、何を伝えたいかと言うと、精神病という周りから白い目で見られる人々の心の拠り所ということ。
そして、そんな人たちも、そんな現実から這い上がろうとしている、ということ。
それぞれ色々抱えながら外へ飛び出し、生きていけるんだ。というメッセージが伝わる。
ラストのシーン。淡白なエンディングこそ、それぞれ。を象徴するシーンで非常に良かった。
映画としてはこうなる
鶴瓶の罪状は妻と浮気相手、病床の母親の殺害で死刑執行されるも生き残ってしまうと言うのは悲しい。
入院患者も皆一様に悲しい人生を送っているのはよく分かる。
どの患者も精神科では見掛ける症状でさすがに精神科を知ってる人が書いたとは思う。
ドラマとしては患者の望むささやかな幸せの部分と、実際には本当にどうしようもない患者もいると言うのも分かる。
時代背景がハッキリしないが、タイトルが閉鎖病棟なのに玄関先に患者が出歩いているから、どこまでも出ていける状態で結構昔の精神科っぽい。
だが急性期で暴力行為に走りやすい患者の重宗が閉鎖から出てきている事から病棟内でのトラブルになっているのはいただけない。
あれだけの易怒性を持っている患者である重宗が好き勝手しているのは他の患者の治療にも悪い影響があり、しかも看護師付き添いで売店に行き、エスケープされているのはアホらしくなる。
ただ、重宗を悪役として描いているが精神科患者としては描いていない気がするのは不思議だ。
精神科患者も様々であるが、その本質は社会的弱者である為、主人公を含む三人以外は普通に生活することは困難だろう。閉鎖された世界で生きるしかないのだ。
もし我を通し、他人を傷付けた時は退院は叶わない。退院しても適応できなければたちまち困窮し、また舞い戻って入院となる。
では誰のための入院なのか?
本人を守る?
家庭や地域に迷惑だから?
相模原の事件では少ないながらも犯人に同調する意見も見られた事から、作品のように理解と寛容さは拡がらないのが悲しい。
話は戻るが、物語のラストはやや現実感に薄く、私自身は心揺さぶられる事はなかった。
レイプされたユキが病院で働こうとするとか精神が強すぎる。あれはムリがあると思う。
期待しすぎました
最初、近所での上映が全くなくて、兵庫県でも姫路だったか、その1店舗、大阪は寝屋川か、岸和田の一店舗のみで。レンタル待ちになりました。
コロナの影響で映画館復帰した映画がまさかのこの映画!!!
感動しました!
見れないと思ってたから。
見れない間に期待が大きくなりすぎて。
実際にみたら。。。
うーん、そうかそんなもんかって感じです。
普通に見てたら、それでも星3.5ぐらいかなぁ
綾野剛君はどんな役でもするんだなぁ
不自然さはありますが
患者と医療従事者との関係性が近すぎることや病院のセキュリティにリアリティがないという不自然さはありましたが、病院の存在が逃げ場のない由紀やちゅうさんの様な人達の最初的な居場所でもあることを知りました。由紀の様な女性がいることは安易に想像がつくので、病院に入院する前に何かしらできることはないかと、同じ女性として苦しくなりました。彼らが現実社会で背負っている『過酷さ』を作品から想像して自分が持つ偏見をなくしていくことが、観客がまずできることなのでは?と思います。
それぞれの人生
この1本で
怒り、辛さ、悲しさ、悔しさ
色んな感情になって
ついついのめり込んでしまう話だった。
世間や家族でさえも精神科患者に対する偏見があって
「狂っている」という目で見られることの辛さとか
リアルに表現されていた。
患者さん一人一人の
これまでの人生とこれからの人生と
みんな痛みを抱えて生きてること
助け合っていかなきゃいかないこと
めちゃくちゃ考えさせられた。
優しさ、思いやりが故の殺人、
どんなにいい人でも簡単に"悪者"になってしまう、
こんな悲しいことがあることが辛い。
それぞれの賛、それぞれの否
レビューを見ると、賛否両論。まあ、それも分かる。
精神病院を舞台にした所謂“感動ポルノ”。
瓶さん演じる秀さんは2度殺人を犯し、それぞれ事情も分からんではないが、他に選択肢は無かったのか。最初は話し合いや離婚、2回目は証拠の写真もあるのだから病院に伝え、あのクズ男に法の裁きを下すとか。(自分が法の裁きを下されてどうする!?)
どんな理由あれ、殺人は殺人。そんな慕われる秀さんを弁護する為、皆で奔走。ヒロイックな描かれ方。
その他、ツッコミ所や難点多々。(これについては追々)
でもまあ、それらに目を瞑り、感動的なヒューマン・ドラマとして見れば、個人的にはそう悪くなかった。
ある殺人を犯し、死刑執行されるも、幸か不幸か失敗して生き永らえた秀丸こと秀さん。
幻聴に苦しむチュウさん。
その他、多くの入院患者。
世間から離れた長野県の“丘の上”の精神病院で共同生活を送っている。
ある日、若い女性・由紀が入院してくる。
彼女は妊娠しており、入院早々病院の屋上から飛び降り自殺を図る。
奇跡的に軽傷で済んだが、お腹の子は助からず。でもそれ以前に、生きる気力がまるで見られず。
周囲に一切心を開かないでいたが、秀さんの陶芸をきっかけに少しずつ交流を持つ事に…。
死ねなかった死刑囚。
強迫観念の青年。
そして由紀は…。
親からのDV。義父からはレイプ。お腹の子は…。
それぞれの理由で心に傷を負った者たち。
それぞれの理由で家族から遠ざけられた者たち。
それぞれの理由で社会に居場所が無い者たち。
そんな彼らが見付けた傷の癒し。
そんな彼らが見付けた寄り添い合える相手。
そんな彼らが見付けた唯一の居場所。
全くの他人が不思議な縁で出会い、こうやって交流を深める様は素直に心温まる。
3人と昭八っちゃんが許可が下りて外出し、束の間の楽しさを満喫するシーンは見てるこちらも噛みしめるほどの幸せが伝わってくる。
それにしても、瓶さんもすっかり役者だ。肩書きは落語家でコメディアンでもあるが、減量し、終始車椅子、複雑で繊細な演技はそうそう出来るもんじゃない。また、ある理由から親を殺めるシーンは非常に哀しく…。
綾野剛も『楽園』に続きの難演を見事に体現。
でもやはり金星は、小松菜奈だろう。
感情を抑えたり、感情を爆発させたり、本作の登場人物で最も難しい役所。それでいていつもながら魅力的。
ビルの間で嗚咽するシーンは胸に迫る。
クライマックスの法廷シーン。秀さんをヒロイックに弁護する為に用意されたかのような感じも否めないが、あの涙の弁護と感謝の訴えは胸に響き、目頭熱くさせ、本作最大のハイライトだろう。
小松菜奈は同世代の女優でも難しい役が多い。演じる側にとっては辛く大変かもしれないが、それは類い稀な実力ある証拠。業界も我々も、彼女に期待しているのだ!
こういう作品には憎まれ役が必要。渋川清彦のクズっぷりと言ったら!
看護師長役の小林聡美がさすがのハマり役も付け加えておきたい。
平岩紙演じるキモ姉も良かった。
平山秀幸の手堅い演出。
リアルで生々しい厳しい現実と言うより、温かい眼差しで見つめた良質のヒューマン・ドラマ仕立て。
さて、ここから難点・不満点。
まず、入院患者たちの描写。それぞれ個性的で悲喜劇もそれなりに描かれてはいるが、掘り下げには浅く、単なる背景に過ぎない。もっと巧みに絡ませる事出来なかったものか。
それから、この病院緩すぎない? 娘に会いに行くのと、そんなに簡単に外泊出来るの? それで孤独死して、洒落にもならないどころか、大スキャンダル級の大問題。
渋川演じるトラブルメイカーだってそう。彼は何処が悪いの? この病院じゃなく、もっと適した別の入れるべき場所があったのでは…?
で、彼を監視していた看護士、勤務中に雑誌を立ち読みしたせいで。オメー何やってんだよ、懲戒処分モンだぞ!
先にも述べた通り、何故秀さんは証拠の写真を消すように言い、自分で殺人を犯したのか。おそらく由紀への辱しめを世間に見せたくない為だろうが、結局証人に立った由紀本人が何があったか話し、あれ、秀さんのした事って…?
病院を出た由紀がその後どう生きたか説明不足。証人に立った時看護士見習いになっていたが、身寄りも無く、金も居住も無く、一体どうやって…?
そして、“立ち上がる”ラストシーン。でも、後もう一幕欲しかった。
…以上、細かい点を言い出せばキリないので、この返で。
あくまで本作は、一度は社会から外れた人たちの新たな旅立ち。立ち上がり。明ける朝。
自分の心の傷と闘って勝った者、よほどの凶悪でない限り自分の罪を悔い改めた者、
そんな人たちにも、きっとやって来る。
朝は来る
それぞれに事情を抱える秀丸さん、チュウさん、由紀の3人が病棟で出逢う。
とても悲しい過去の事情と、病棟内での出来事がとても残酷で、途中で見るのが辛くなった。人は、希望があれば生きていける。分かってくれる人が居れば生きて行ける。それぞれに朝は来る。最後は少し元気を貰える。そんな映画でした。
残念なのは、全体的にちょっとディテールが雑だった事。秀丸さんの立場が曖昧だったり、チュウさんの病状や精神状態が良く分からなかったり、話の流れにも影響するため、なかなか落ち着いて見れなかった。
目を閉じて横になってるのを見るまで小松菜奈に似ている女優さんがいる...
目を閉じて横になってるのを見るまで小松菜奈に似ている女優さんがいるなと思って誰だか気がつけなかった。顔ぜんぜん違って見えた。
自分の状態が良い時に観ないと気が滅入るかもしれない。泣けはしないが最後の裁判は心に残った。
悲しいドラマなのは判りますが、、、
死刑になっても死にきれなかった患者、家庭に訳ありの患者など色々な人間が病院にて語る悲しいドラマ。
なんですが、
私的にはこれが「精神」病院か?と言うのはいささか疑問。
紹介状無しに簡単に精神患者だと入院出来る体制?
どこにでも行ける開放的病院内?
金属バッドや軟式ボールがある?普通プラバット&ゴムボールじゃね?
陶芸用ナイフって、危機管理どうなってんの?
「老人ホームや逃げ込み寺、精神的ならぬ人格社会不適合隔離病棟じゃないんだから。」と思わせる内容。
入院まではいかない、又は通院でOKそうな人間もいる訳ですし、この括りは何とかならなかったのか?と正直な所です。
(この体制がホントだとしたら、こんな簡単な判断の緩みが刑事事件でも精神的理由にて刑を軽くするのでは?と想像してしまいます。)
他のレビュアー様が言う通り、何でもありすぎる設定が醜く、私にはホントに利用しなければならない患者さんや精神科さんを軽く侮辱しているのでは?と思ってしまう程。
俳優陣演技が凄いわけでも無く。主役3人も他映画と変わらず。
重く考えさせられる映画に対して何を使っても良いと言う考え方は嫌いです。
重く考えさせられる映画ならばリアル重視でお願いします。
ツッコミどころと胸糞
俳優さんたちの演技力は凄いです。
でも他の方が言ってる通りまず閉鎖してない。
精神病棟で屋上を解放するな。せめて柵とか塀とかあるでしょ。その時点で悪い予感が。
予想通りツッコミどころのオンパレード。集中できません。
病院側の怠慢がえぐい(それ含めて伝えたいことであっても普通にメディアに取り上げられるレベルです)。もはやそれぞれの人物の生き方どうのより病院に対しての怒りしか湧きません。
そのせいで何を伝えたいのか分からない、小松菜奈がかわいそうなだけ。俳優さんたちの努力を粉々にしてます。
凄く失礼ですが、これを見て感動したって言ってる方が正直怖いぐらいです。
倫理観疑うって言ってた方に同感です…。
~「事情を抱えてない人間なんて、いないからね。」~
【賛否両論チェック】
賛:様々な事情を持つ人々の日常が赤裸々に描かれ、厳しい風当たりの中でも必死に生きていこうとする姿に、思わず考えさせられる。
否:精神疾患の辛さや偏見、女性への乱暴等、内容的には軽い気持ちでは観られるものではない。
かつて自身の妻を殺めてしまった秀丸や、幻聴に苛まれ家族との縁が切れかけてしまうチュウさん、他にも1人1人それぞれの複雑な事情を抱えながら生きる、閉鎖病棟の患者達。そこへやって来た由紀の存在が、秀丸達の心にわずかな変化をもたらしていく様が、由紀自身が直面するDVという哀しい問題と共に、変にオブラートに包まれることなく赤裸々に描かれていく中で、その厳しくも現実的な姿が胸を打つ部分が沢山あります。
しかし同時に、それでも完全に立ち直ることが難しい精神疾患の辛さや、理解なき偏見から来る孤立、そして理不尽な暴力等、主人公達を取り巻く難しい環境の数々に、思わず考えさせられてしまうのも事実です。思わず目を背けたくなってしまうようなシーンも結構あるので、観る人は選ぶ内容かも知れません。
簡単に気持ちでは観られない作品ですが、決して見過ごしてはいけない実社会の一部分を、是非ご覧になってみて下さい。
タブー、日の当たらないところにスポット
精神病院を舞台に、精神病患者にスポットを当てた作品。上映時間がもう少し長くてよければ丁寧に表現できたと思いますが、いかんせん映画の枠に納める必要からか少し無理な演出が。
でも心の奥を突く作品に描けたのは、平山監督の力か。
浅はかな決断を下す映画
うーん。
タイトルから想像していた、「閉鎖病棟」というディテールが、徹底的に抜けてて、観ていて「はあ???」となりました。
閉鎖病棟の中をある程度知っている人からすれば、勝手に入院患者が外に出歩くなんてまずありえない(要所要所に鍵がかかりまくっている)。あと窓もそんなに開きません。(飛び降りたりしたら大変だからだと思います)
レイプ事件が起きて、それが物語の主題のようになってしまって、「精神患者の状態や実態を描く」ことから、かなりずれた構成だったと思います。
これでは、実際の精神に障害をもたれる方々を誤解する影響もなくもないのではと、観ていてかなり不満でした。
問題のレイプ事件が例えば本当にそのようなことが起こったら、病院の責任だと思います。
陶芸室にも鍵をかけてなく、問題のあった患者にもその時に人をつけていなかった訳です。
そのような事態を防げなかったのは現実的に考えれば病院の責任となるところを、なぜか他の患者が「裁かねば」と思っている…。これは大変おかしなことです。
院長が出てきて、二度とこういうことが起きないようにと謝罪し、対応するのが現実だと思うのです。
それではドラマにならない?
いやそれならば、こんなドラマは観たくもないです。
あともっとディテールに関して言えば、出演している患者の役者の演技、設定というのでしょうか、何の病名をつけられた患者なのか、観ていて分かりませんでした。これは演出不足だと思います。「それっぽく(精神病患者を)演じて」みたいな感じで現場が進んだとしか思えないような印象です。これも観ていて腹が立ちました。
あと、これは個人的意見で、全く非賛成があっていいのですが、本当に、例えばレイプをした人には「死ぬべき」というのが妥当な考え方なのでしょうか。
自分はそうは思いません。
「生きる価値がない」とまで役者に言わせていますが、それはどうかと思います。
罪を償う、刑罰を受ける、心から反省し謝罪する…
被害者の方にとって、何が今後の人生に大切となることなのか、自分にはまだ想像が及ばない範囲でありますが…
どんな加害者でも裁かれる権利はあると思うのです。
残念なことに、自分はそのような「生きる価値がない」と思える人も含めて、皆が生きているのが「多様性をもった社会」であると考えています。そういったタイプの自分には、この映画の下した決断が、とても浅はかなものに見えました。
心に強く迫ってくる作品
心の病を抱える人たちと集まる丘の上の病院が舞台。綾野さん、小松菜奈さんなど役者さんが見事に心の病を抱える役柄を演じています。かなり刺激の強いシーンも多いので子供には見せ難い映画ですが、人と人とのここはの交流、どんな困難があっても生きていこうとゆう姿勢が心な強く迫ってくる、いい映画でした。
よくできているのに少し残念
原作のむせび泣く感が、、、全く感じられませんでした。
でもどこが悪かったのかは、、、わからない。
役者さんは上手だったと思うし、味があってキャラクターらしさもあって、脚本もよくまとまっていたと思う。メインどころ全員にバランスよく魅せ場もあり、憎まれ役もしっかりいやらしく仕事をして、上手にまとまった作品だと思いました。
・・・だからなぜ、原作のような心をたたいて揺さぶられるような衝撃と激高の感情が動かなかったのが…謎です。
でももう一度見て理由を確かめたいとは思わない。原作を知っていた個人的には少し残念な印象が残りました。
患者役の役者さんすべてが精神疾患患者だった
精神疾患患者が心も体もあれだけ自由ではトラブルは避けられないかって、そういう現実と対比する作品では無いな。
それよりも彼らが実生活を送るには一歩踏み出す勇気が二倍も三倍も必要なんだって事、焦らず、立ち止まったり、一歩進んで二歩戻っても、また前を向いて歩くための助けにならなきゃって話だよね。
特に極端に走る精神疾患患者を鶴瓶は見事にやりきった!
最低トラウマ映画
小松菜奈はこんな役をやってなぜこの映画の番宣で笑っていられるの?プライドはないの?溺れるナイフでも結構やばかったのにこれは本当にもう、、、、
最初から最後まで全部忘れたい。トラウマ映画。
副題に含意が込められている
原作は未読。1994年の作品であり、原作者の帚木蓬生は精神科医でもある。
映画は現代に寄せてあるそうだが、それでも2006-08年の設定である。
様々な精神障害の患者が集まる閉鎖病棟の風景。まず、看護師長の小林聡美が鍵を開けて病棟に入り、鍵を閉める描写から始まる。閉鎖性の暗示。
精神障害患者の役というのは、巧くやらないと一種の物真似芸のようになってしまう危うさを秘めている。脇を地味ながらも堅実な演技巧者で固めているのもそこが理由なのかな、と思う。ひとりひとりの個性が際立つ。個人的には駒木根隆介&大窪人衛コンビの組み合わせの尊さに感動した。坂東龍汰さんも表情が大変良かった。
死刑執行に失敗し、精神病院をたらい回しにされてきた秀丸は、死刑囚とは思えぬ程の穏やかさで登場する。そして、精神障害者の中でも回復しているように見えるが、感情の昂りに対処できず幻聴に苦しむチュウさん。義父からDVを受け母にも捨てられ、心を閉ざす由紀。行き場所のない3人が穏やかに過ごそうとしていた日々を破断するように、事件は起こる。
人生全く思うようにはいかない。傷つけられるし傷つくし、病も得ることもあるし、罪を背負うこともある。自身も負わなければならないものを抱えながら、それでも互いを思いやる3人の姿に心を揺さぶられる。
余りにも壮絶な体験をしても、必死に立ち上がる役を演じる小松菜奈の凄さにやられてしまった。彼女の法廷での語りは本当に泣いてしまった。あの言葉をあの場所で語ることの過酷さを思う。
綾野剛の平静から危うくのたうち回る描写、そして不安を抱えていても立ち上がる姿、最後に秀丸にかける言葉も素晴らしかった。
そして、笑福亭鶴瓶。なんとなしに「何を演っても笑福亭鶴瓶」になりかねないキャラの濃さを持つ彼だが、今回は喋くりの役でないのもあってか、非常に抑制の効いた演技を見せたな...と思う。ラップ巻いてダイエットした甲斐があったね...。平山秀幸監督は「鶴瓶さんは撮影のないときは完全に『家族に乾杯』になっている」と仰っていて、スイッチング能力の高さやべえなと思った。
ラストシーンが、仄かな希望を思わせる。あそこで終わらせるというのが好きだ。
惜しむ...というか凄く難しいのは、渋川清彦は「悪」として完全に自分の役割を演じきってはいるのだが、描き込みがあまりないので、とにかく悪ってだけで終わってるな、というところ。しかし、そういうキャラクターでないと立ちはだかれないのか。
あと、笑福亭鶴瓶の躊躇いのなさ。彼は絶対に自身の為した過去に葛藤と後悔を持っているはずなのに、なぜあんなにも躊躇無く行動に移れたのだろうか...?為したからこそ...?優しさ、は残酷な悲しみでもある...のだろうか。
ちなみに余談だが、死刑執行で死刑囚が蘇生する事案というのは、映画でも語られるとおり1件だけ事例がある。明治時代である。「石鐵県死刑囚蘇生事件」がそれで、原因は処刑器具の欠陥である。この作品に限らず「死刑囚が死刑執行後蘇生した」という作品は幾つかあるが、あくまでフィクションである。現代ではまず起こり得ない。というか脳への酸素の供給が止まるのであれだけ吊られていれば脳への障害は避けられない気がするのだが...まあフィクションだし、野暮な突っ込みではあろうな...。
スカーレット
朝日を拝むのは「なつぞら」か。狸の焼き物など朝ドラオンパレード。
小松菜奈がレイプされまくる話。不愉快。
#MeTooネタか?
最後はクララ。盗作もほどほどに。
綾野剛が発作を起こしたときに入ったのが閉鎖病棟のようだけど、それ以外は極めて開放的。表題の必然性が稀薄。そもそも、ストーリーとして綾野剛、要るか?ただのイケメン枠。なんの役にも立たない。
小松菜奈の病院逃走後の回想も必要ない。「それぞれの朝」というコピーのためだけに無理矢理やっただけ。小松菜奈自身は熱演だったけど、必然性のないシーン。
重箱の隅が気になる者としては家にも帰れない小松菜奈がそのあとどこに保護されたのかのほうが重要。警察に行っていれば鶴瓶は罪を犯さなくて済んだのにね。
綾野剛の発作の対応も渋川清彦の扱いも病院がずさんなだけ。というか、あんな病院ない、ありえない。見ていてイライラする。それでいて医者と小林聡美の上からドヤ顔は理解できない。なぜ医師会推薦映画なのか?
死刑は規定の時間絞首したら執行したことになり、解放しなくてはいけない。そっからおかしい。
もっと冷静に考えて欲しい。
不貞を働いたくらいで殺しが正当化されるか?3人も。
なついた女のコの復讐で殺すまでするか?
やり過ぎでしょう、いくらなんでも。ハンムラビ法典だって過剰な復讐を禁止したのに。
「咎めますか?その優しさを」
咎めるよ。殺人なんだから。優しさではない。
90万人が涙して、映画館でも泣いている客がチラホラ。
この国の倫理観が恐ろしくなった。
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