赤い闇 スターリンの冷たい大地でのレビュー・感想・評価
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((((;゚Д゚)))))))ウクライナ飢饉報道の実話
世界恐慌下でのソ連繁栄に疑問を持った記者の話。
疑問を持ちソ連へ、、、決死の覚悟でウクライナを取材、、、そこで見たものは!
実際 外貨獲得のためウクライナの農民を軍隊で囲み強制労働まがいなことをやっていたんあだとさ。凶作でも強引に小麦を搾取して餓死者が600万人だと。
スターリンがやった事。世界で人殺しナンバー1は?スターリンか毛沢東ですってよ。
ヒトラーなんて子供みたいなもんで、この2人は凶悪すぎ。
これをジョーンズという若手記者が暴くのですが、、、、。
作中、〝平等主義はていのいい詐欺〟とセリフ。これが全てでしょう。
共産主義は奴隷制度と同じなのです。共産主義という隠れ蓑を被った独裁主義と言った方がいいかもしれません。
皆平等というのですが労働者を管理・監視する存在が現れ次第に主従関係となる。
人の性格とか特性とか失われ、人が機械的な存在なってしまう世の中。
世界にそんな国がまだまだあるのが本当に恐ろしい事です。あの国とあの国は要警戒です。
退廃的な記者達のパーティーシーンや飢餓農村で子供達との食事シーン。
映像的に印象的な撮り方をしていてこの監督の他の映画も見たくなりました。
【”飢えと寒さが家の中を満たし、正気を失い・・”哀しき唄が雪原に響く。「ホロドモール」の事実を暴こうとしたフリーランスジャーナリストが寒き国で見たモノ。背筋が寒くなります・・。】
ー「ホロドモール」1932年~1933年にかけて肥沃な筈のウクライナ地方で起きた”人為的な”大飢饉。-
・イギリスの政治家、ロイド・ジョージの外交顧問を務めその後ヒトラーへのインタビューも行ったガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)はフリーランス記者として、ソビエトの経済繁栄に疑問を持ち、モスクワに乗り込む。
■怖ろしく、印象的なシーン
1.モスクワで出会った、ニューヨーク・タイムズ支局長デュランティ(ピーター・サースガード:怪演である・・)。(デュランティはピューリッツァー賞受賞者でもある。)にパーティに誘われるシーン。
裸女が多数踊り、アヘンの煙漂い、麻薬を打つ女性がソファーでひっくり返っている・・。デュランティは全裸で裸女と戯れている・・。驚くガレス。
ー徐々に明らかになるが、デュランティはスターリンの経済実験の実態を知っていたが、命を守るためなのか、真実を明らかにしていない・・。ソビエトに染まったのか?
きっと、自身の精神バランスを何とか保つための奇行であろうと推測。ー
2.同じく、タイムズ紙の女性記者エイダ(ヴァネッサ・カービー)はガレスと同じ思いでモスクワに来た友人の死の真相や”ウクライナに謎が・・”と執拗に粘るガレスに漏らす・・。
ー彼女なりの、記者魂を示そうとしたのだろう・・。ガレスに対する記者としての熱き思いに折れたのではないか・・。-
3.ソ連当局の目を欺いて漸く乗った列車の中で、エイダから貰った果物を食べるガレス。異様な目付きで見る薄汚れた人々。そして、ガレスが食べ終わった皮を列車の床に捨てると、争って奪い合う人々の姿。驚きを隠しきれないガレスの表情。
4.列車から飛び降り、雪中行軍の後、たどり着いた村で”穀物のたっぷり詰まった袋”を地元民に交じって運ぶ際の”これは、どこに運ばれるのか・・””モスクワだ・・”
雪が降る中、無言で荷物を運ぶ人々。
一人の女性がガレスに囁く・・。”男たちがきて、自然の法則を変えると・・”憲兵らしき男たちに連れて行かれる女性。逃げ出すガレスに向けて、無数の発砲音が響く。
ー真実が明らかになる、ショッキングなシーン。人々の虚ろな表情・・。-
5.漸くある寒村にたどり着いたガレス。幼い男の子と女の子に出会い、家に・・。そこで、振舞われたスープ。少し年上の女の子が無表情でスープを温め、肉片を刃の先に一片だけ突き刺しスープの入った椀に入れ、幼き二人とガレスに差し出す。
無表情で小さな肉片を口にする少女。ガレスが”何の肉?”と聞いても答えない・・。スープをよそってくれた女の子が”兄・・”と口にし、驚愕したガレスが裏口に行って見たもの・・。激しく嘔吐するガレス・・。
-武田泰淳の”ひかりごけ”を思い出す・・。-
6.デュランティがエイダに対して、ある文章をタイプライターで打たせるシーン。
-エイダの抵抗・・。職が無くなるのに、立派である・・。-
7.何とか、イギリスに帰ってからも、ソ連に人質に取られた技師たちを案じて、ロイド・ジョージ含めた政治関係者は彼を責める・・。
無念の涙に暮れる彼を子供たちもからかう・・。
根拠は、デュランティがニューヨーク・タイムズに寄稿した”彼の言っていることは、嘘。スターリンの実験は多少の犠牲を払っているが・・”という記事。
-デュランティ!お前、ピューリッツァー賞受賞者ではないのか! 政治関係者の判断は、当時の政局を考えれば、そうなるか・・。はあ・・。-
8.そして、漸く真実が記事になり・・
◆今作品では、冒頭、中間、ラストでジョージ・オーウェルが彼の代表作の一つである、「動物農場」をタイプし、モノローグで文節が流れる。これが、何を暗喩しているかは一目瞭然であろう・・。
<黒い大地と呼ばれた豊饒な土地を持つ、ウクライナ地方で僅か90年ほど前に起きた出来事を、モノトーンに近い色合いで寒々しく描き出した作品。
ウクライナ紛争の起因になっている「ホロドモール」の実態を明らかにした意義ある作品。
だが、”エンドロールで流れた言葉”に、戦慄と怒りを覚えた作品でもある。>
全体的にスマートで、映像もいい
一度予告を見ただけで、前知識なしで見たら大正解だった。実話を元にしているのだけども、話運びはスマートで、私には2時間あっという間だった。また、美しい光景はないのだけど、細かな工夫もあり映像が絵として素晴らしかった。
正にプロのジャーナリスト
事実を基にした作品のためそれなりに見応えはあるのだが、個人的にはあまり合わない作品だった。
まぁあの時代の腐った世の中を作品と言えども見るのはやはり気分が良くないと言うこともあるんだろうが、加えて最初から最後までダーティに、淡々と作品が進んでいくため途中で飽きてきてしまった。
ただガレスのような真実を追求するジャーナリストの姿には心は打たれる。
似たような仕事を人からの視点ではどういう感想を抱くのか気になるものだ。
ある意味、真実だから凄い内容
久しぶりに、会場での「試写会」が映画を見てきました! 会場を待って、映画が始まり、大興奮でした。 毎年、夏になると、ここ数年、ヨーロッパの戦争と言うか、第二次世界大戦のドイツモノなどが公開され、知らない歴史に触れられる事を楽しみにしていて、本作品も、今回大変に楽しみにしていました。 本作品、まずは、日本人には、予め予習と言うか、この頃のヨーロッパの事情を知ってから臨むと良いかな・・・・ 正直、当時のヨーロッパの事情が分からないと少し難解かな・・・・・ 本作品のお話が、実話と聞いて、本当にびっくり、「誰かの洒落た靴の下で、どれだけの人が涙をながしているのか(THE MODSの歌詞から引用)」 怒りというより、呆れてしまう・・・しかし、本作品の内容ですが、今でも現実に同じような事が行われているんじゃない、同国では、相手は○○だけどね・・・・・正直、何時も思うけど、大変に汚い国だな・・・・・ 本作品より1週間先い公開されるジュディ・デンチ主演「ジョーンの秘密」を後で見ると良いらしいね。 ある意味、話が続くと言うか・・・・ 本作品の監督のアグニェシュカ・ホランドって社会派の映画を作れるしエンターテインメント作品も作れるし、非常に器用な方ですが、本作品も、結構映像に凝っていて、カラーからモノクロ(シルバーカラーかも)になったり、要所要所にシュールに撮られている。 内容にメリハリがある意味、無いと言うか、淡々と話が進むので、出来れば、予習して見た方が良いかな・・・ しかし、この作品が実話と言う事で、主人公の方を考えると少し虚しくなるな・・・・・ 良い映画でした。
衝撃の実話
命懸けのジャーナリズム。韓国映画「タクシー運転手」に描かれた、光州事件に乗り込んだドイツ人記者のことが思い出されました。ウクライナの惨状をポリフオニーで歌い上げる子供たちの合唱が悲しく響く、雪のシーンが印象的。悲しいけど実話なのですね。「タクシー運転手」のように歴史の知られざる一面を知ることが出来るタイプの映画が好きな人にはオススメです!
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