ある船頭の話のレビュー・感想・評価
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初監督作はこんなものと云うべきか、言いたいことはわかるが映画として昇華させるには力不足と云うべきか、どちらにせよ期待していただけに残念でした…
映像は美しい(それだけが取り柄と言っていいくらい)。しかし人物たちもキレイ過ぎてリアリティがない。セリフも全て標準語にしたのも違和感を増すだけで首を傾げざるを得ない。監督の人脈かそうそうたる顔ぶれが登場するが殆どゲスト出演の域を出ない。セリフも説明的。父親を山に葬るエピソードを永瀬正敏のナレーションで説明するのではなく映像で語って欲しかった。川の精のエピソードも結局中途半端。必要なかったのでは。言いたかったことはわかるのでもっと映像で語る努力をして欲しかったな。
ビッグデータから導かれたAI作品みたい。
中途半端、あるいは分裂気味
オダギリジョーと柄本明の組み合わせということで見ましたが、うーん。テーマもありきたりな感じで、ラストの先をどーしていく!ということが問題のこの時代に、そこ止まりなのかぁ、なんだかなあ。そんな感じばかりが残りました。
「誰かのために俺も生きたい」こんなセリフが出て来ますけれど、えー?そーなの?オダギリジョーってこうなの???びっくり。
○○のために生きるって、その○○の中身が何かによって白くも黒くもなるってのに、誰かのために生きたーい、ってことなの?って、ここで、ドン引き。もう私の中ではテンションが完全に切れました。
映像美、あります。そして撮影は大変だったと思いますが、特筆すべきものとは思えない。
ラストシーンを見て、これはひょっとして、タルコフスキーのサクリファイスへのオマージュなのか?と思いました。
幻想風の味付けで、テーマそのものはセリフで表現される。けれど、いろんなことが語られたり、映されたりして、それも日本的というか叙情的だから水っぽくなって、それがために絶望度の抉られ方が練られている気がしません。理屈っぽいけど、中途半端。
近代化される過程で古いものが失われていくという、おんなじようなテーマのキルギス映画「馬を放つ」を見ました。これから近代化されるっていう国ならともかく、もうとっくに近代化で山河をボロボロにした挙句の果ての、その先頭で原発が爆発して、さらに修復不能な事態になりながら、まだ原発で儲けたい奴らがのうのうと生きているこの国で、今この映画か、という点で足がすくみます。批判なのかどうかもはっきりしない感じの詠嘆的批判(そんなのあるのか)。映画に限らず、これが今の日本の姿なのかなと思います。
主人公は字が読めない風なんだけれども、なぜか「ふう」が、「風(かぜ)」でもあることを知っているってところも、あーあ、なのでした。
映画って難しいですね。
音楽と映像が素晴らしい
映画館で見ないと、あとで必ず後悔する名作!
子供の頃、学校の先生がチャップリン作品を全作貸してくれた事がキッカケで、古い映画を特に好んで見る映画ファンになりました。
日本映画では、黒澤明監督や溝口健二監督や寺山修司監督など、ありとあらゆるジャンルの新旧映画に今まで出会い、多くの刺激をいただいてきました。
そして久しぶりに、私が望む全てが詰まった映画にようやく出会うことが出来ました!
ある船頭の話 すばらしいです。
映像美、音楽の優美さ、絶妙なキャスティング、衣装の芸術性、古い日本映画のようなカッコよさ、そして純文学のような美しい脚本に魂が震えるほど感動し、嫌なモヤモヤが全く無く、私はあまりの素晴らしさに驚きました。
映画を見る前は「10年前にすでに脚本が練られていたのなら…もっと早く世に出してほしかったな」とも思ってしまいましたが、鑑賞中「こんなに凄まじい映画…きっと今のオダギリ監督のキャリアでないと成し遂げることが出来ない程の…奇跡のスタッフが集結している…」とすぐに納得しました。
オダギリ監督の脚本に、クリス撮影監督、ワダエミさんの衣装、ティグランハマシアンの繊細な音楽、こんな贅沢な映画にはもう出会えないかもしれないとさえ思いました。
イタリアの映画作家の方達が、今作をヴェネチア国際映画祭で選ばれたのも当然です。
ただ一つ、
この作品は人によって全く違う感想をお持ちになる 相当二極化する作品だと感じました。
でも誰もが感動して涙する作品だったとしたら、こんなにも素晴らしさに震える気持ちには私は絶対になれなかったと強く思います。
とにかく映画館で多くの映画ファンに体感していただきたい!
そして映画ファンの皆さんが各々どう感じられるか劇場で感じてほしいです。
日本で見れるうちに見ておかないと本当に勿体ないです。
DVD化を待つ作品では絶対ないです。
ネタバレには繋がらないシーンで、私がかなり好きなカットを一つだけ言わせてください。
乗船されている時の草笛光子さんの着物の裾のあのカット。グッときました。
映像美 研ぎ澄まされた音響
風景
ライティング
とにかく映しだす映像全てが美しい
演者の声
舟を漕ぐ音
雨音
川の流れ
蝉の声
一つひとつの音にもこだわりを感じる
柄本さんはほんとうに素晴らしい演者さんであることをこの映画で改めて思い知らされ、また、若い川島さんの表情の変化もみどころである。
正直、予想をこえたクオリティでした。
オダギリ監督の次回作が待ち遠しい
風景は綺麗だか…
便利のために失ったものを見つめる
そこには失ってしまった大切なものがあった
何もない人間
村外れの川辺の小屋に独りで暮らす渡し船の船頭の話。
橋の建設が始まり仕事の終焉が見えてくる中で、流されてきた大ケガを負った少女を助け共に暮らす様になっていくストーリー。
主人公と仲の良い青年源三との描写がアクセントになってはいるけれど、村人や橋の工事関係者等、様々な人を渡しながら少しの会話を交わす日常が深掘りされるでもなくまったりたっぷり続いて行く…名前の由来の件では、トイチといえば奈良漬けだななんて脱線した思考が頭に浮かんだ程のまったり感。
その割にやけにサスペンスフルな少女の噂話が背後に流されているというね…。
世情を受けて変わって行く人と変わらない人の機微がどうのというには少女の件はエキセントリック過ぎるし、それをやるにはまったりがたっぷり過ぎて怠いし、と鑑賞している最中から感じてしまった。
ある意味「贅沢」な映画
オダギリ監督作品!
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