イン・ザ・ハイツのレビュー・感想・評価
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ラテンのアツさと勢いに圧倒される2時間半
いや、アツいですね。
端的に言えば、移民の悲哀と小さな夢の大切さと地元愛の話。ラップを多用したラテンのノリで、とにかくテンションが高い。ペーソス漂うシーンもあるが、歌と踊りの力強さが全てを救ってゆく。
誰が歌っても歌唱力折り紙付きなのはもちろん、ファンタジックな場面がキャッチーで美しい。繰り返し現れる群舞のシークエンスはどれもキレッキレでド迫力。後ろのモブさんまですごいパフォーマンス。音響のいい映画館で、指先にビリビリ振動を感じながら見るのがお勧め。
この作品の批評で、「ミュージカル映画に苦手意識がある人でも、ラップがミュージカル特有の不自然さを大きく緩和するから大丈夫」という評価を読んだ。ラップの導入がミュージカルの革新だというのだ。
英語圏の人はそうかも知れない。でも私のような字幕に頼る人間は字幕読みがペースアップしただけで、ラップだから自然だなあとはならなかった。
冒頭のアバンは完全に歌のみで、ラップに乗せて主人公の設定やら主要登場人物の説明が矢継ぎ早に語られる。音楽聴いて、入れ替わり立ち替わり出てくるメンツを把握し、説明を逃さぬよう字幕を見る。
朗々と感情を訴えるようなミュージカルナンバーと違い、いきなり忙しい。もしかして全編このペースなのかと不安がよぎった頃にタイトルが登場して一息つく。設定を把握すればラップは気にならなくなるけど、最初はそんな感じだった。
物語部分は極めてオーソドックスで結末も大体想像通り、ほぼダンスと歌の勢いで2時間23分をぶっちぎる作品なので、ミュージカル苦手層にとっては正直苦手レベルは変わらないのでは?という気はした。その辺はもう好み次第というしかない。
「らしい」ミュージカル映画を受け止める構えで見れば、これほどクオリティに満足出来る作品はそうない。心臓マッサージのように力尽くで元気を叩き込まれる感じで気分が上がる。ウスナビ役のアンソニー・ラモス、奥田民生系の愛嬌顔で親近感を持ちやすかった。
困難があっても夢と希望を大切にするプエルトリカン魂の感触が、音とリズムから伝わってきた。自分自身の小さな夢と希望を、もう一度振り返りたくなる作品。
エンドロールの後に、原作者リン=マニュエル・ミランダ演じるかき氷屋さんの後日談のおまけつき。
差別や孤独など移民の悲哀
移民問題の現実を描いた映画
鮮やかな色合いの映像と、歌とダンスが満載の明るいミュージカル映画。
中南米の国からの移民問題をしっかり描いていて、リアルだった。
戸籍問題から、大学で学ぶことも仕事をすることも不動産を借りることも、
何もかも移民であることが見えない壁になる。
もしも自分ならどのように対処するかを考えさせられる。
「止まるなイケイケ!」「地元のカーニバル!」老若男女のダンスがみどころ
イン・ザ・ワシントン・ハイツ・・・ここが故郷
ニューヨークのワシントンハイツ。
そこはラテン系の移民が多く住む地域です。
ここでコンビニを営むウスナビ(アンソニー・ラモス)は生まれ故郷の
ドミニカ共和国に帰って父が残した店を再建したいと思っています。
映画はウスナビが集まった子供たちに昔話を聞かせる・・・
その設定で進みます。
そしてもちろん広いストリートを縦横に歌い踊る
エネルギーに満ちたミュージカル。
「生活苦」や「終わりなき借金」や「人種差別」も、
明るく歌い踊ってしまう。
ウスナビの店では常連さんがコーヒーやパンと一緒に必ず宝くじを
買います。
なんと9万6000ドルの当たりくじがウスナビの店から出たのです。
「誰に当たったか?」
「その使い道は?」
ラストにわかるのでお楽しみに!!
ウスナビは長年の夢・・・ドミニカに帰ることをとうとう決めます。
その当日の朝、
密かに思いを寄せるバネッサから、思いもかけぬプレゼントが!!
このラストシーンはとても素敵でウルウル来ちゃいました。
ウスナビがドミニカ共和国行きをどうしたか?
その結果はレビュータイトルにあります。
ともかく全編に流れる陽気なカリブ海系のラテンミュージックが、
パワフルで明るい。
移民たちのエネルギーが圧倒的でした。
移民の歌
現代最高のミュージカル
音楽から物語が入ってくる最高体験。
ラテンミュージカルは楽しい
ハイテンションな長編MV
移民という問題を掲げるテーマ性は良いが物語への没入感、感情移入に書ける部分があると自分は感じた。その理由は物語が音楽とダンスで共感やパッションを誘引できているが見せられるダンス風景は俯瞰視点であり四人(ウスナビ、バネッサ、ニーナ、ソニー)の動向を織っていくフォーカスがアブエラによって結ばれてはいるがそのフォーカスが移り変わるたびに没入を阻害しているからだと思う。
ストーリーとしては、貧しい移民たちが住むワシントンハイツの中で個性ある人達に囲まれて食料店を営むウスナビが故郷に帰る決意をある決意に進ませるまでを彼と町の人々との熱い交流の描写の中で描ききっている。歌詞は自嘲的ではあるが可笑しくなるジョークやユーモアも織り交ぜられていて所々気持ちを和ませながらウスナビがバネッサとの関係をどうするか、ソニーが不法移民の自分の境遇をどう解決するか、大学から帰ったニーナは何を決意するのかそれぞれの追って見ることとなる。
最後に、もしこの作品を各国に住む移民の家族が一家団欒で見たり、仕事終わりに酒を片手に見たならば、結構その感動は高いのではないかと夢想する。
俺には合わなかった
故郷って
それぞれの
貧しい暮らしの中で歌を通して、自分を表現する事を忘れない。
それぞれが夢に破れたり、挫折を経験したりして悲しい姿がある。
それでも歌の力ってすごいなって単純に思った。
悲しみの中にも歌がある事で力強く観ている人を元気にしてくれるからです。
映画としては、スラムドックミリオネアとララランド出して割った感じです。
主人公と恋仲になる女の子が可愛いなって思うのと妄想の中で走っていくところが幻想的でとても良かった。
小間切れのミュージックビデオの様になっている。
一言「劇場で見なきゃ、ダメなやつじゃんこれ!」。
「ラップミュージック」なんですね。
ドミニカからの移民である主人公たちの、「自分の本当の故郷ってどこ?」。
ストーリーはざっくりこれだけなので、わかりやすい。
若いって悩むよねえ、いろんなこと。
そして何より、圧巻の「マスゲーム的群衆ダンス」。
町中が歌いながら、キレッキレに躍る。
思い出すのが「ラ・ラ・ランド」の、冒頭ハイウエイダンスシーン。
あれが1.3倍速になって、延々と続くという凄さ。
劇場の大音量で、観たかった・聞きたかったなあ。
街の親世代・祖母世代も出ていて。
若者の夢をアシストをしたり。
随所に「にくいなー、そうくるってさ」な、粋な展開もありました。
140分の若干長めですが、元気になれる快作。エンドロール最後におまけあり。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「この界隈じゃ、少し歩けば誰かの大きな愛に当たる」
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