ドクター・スリープのレビュー・感想・評価
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この作品だけでも面白い
丸の内ドルビーシネマにて試写会鑑賞。
90年生まれのためもちろんシャイニングはリアルタイムでは見てない世代。昔見た事があり、再度前日にU-NEXTでシャイニングを見た為ところどころシャイニング好きを擽るシーンはあった。
もちろんシャイニングを見てから鑑賞することに越した事はないが、では見てないとわからないかといわれればそうではないと思う。
超能力系ホラーアクションとしても楽しめるっちゃ楽しめると思う。予告では怖さを煽ってるが怖いというよりビックリするシーンがところどころあり、いい緊張感を保ったまま最後まで鑑賞する事ができる。
面白かったが、レベッカファーガソンの一味が能力を発揮することなく消えたり所々物足りなさも感じた。
ダニーが最後死ぬのもなんだかなぁ。ようやくトラウマから解放されたのになんか可哀想という情が先行してしまい納得いかなかった。
作品と関係ないところでいえば、ダニーはやはりシャイニングのダニーの可愛いさが改めて感じた。もちろん今作のダニーも可愛いんだけどね。
あとレベッカはカッコ良くもありとにかく美しい。彼女の演技に魅了された。ユアンももちろんかっこいいし、アブラの演技もなかなか良かった。
この作品は前作もそうだったが、総じて役者さんに恵まれていてとにかく見やすかった。
『シャイニング』の完璧な続編として相応しい、素晴らしすぎる作品でした!
これは凄い!凄すぎる!
こんなに完璧な続編を観たことない!
よく続編作るとコケるものが多いけど、『ターミネーター』に匹敵する完璧な完成度に感動しました!
観ている最中、何度鳥肌が立ったことか!
途中息継ぎするのも忘れるくらい、集中してしまって、動機と息切れが止まらなくて大変でした:(;゙゚'ω゚'):
こんなにも作品にのめり込んでしまうのは何年ぶりだろう…!
何が凄いかって、キューブリック監督の『シャイニング』と、スティーブンキング氏の描きたかった『シャイニング』が見事に融合しているところ。
『シャイニング』の結末が、映画と原作で大きく違ったものになっているので、スティーブンキング氏は、これは自分の描く作品とは全く違うものだと豪語していたそうですが…。
キューブリック監督の映像美は高く評価され、ストーリー云々ではなくひとつの芸術として後世に残されていったようです。
芸術性の高さを取るか、ストーリーの重要性を取るか。
続編を作るにあたり、フラナガン監督は悩んだそうですが、結果として二つの良い部分を融合した新しい『シャイニング』を完成させたという…!
なんて泣ける話なんでしょう。
・°°・(>_<)・°°・。
その監督の想いが、映画の随所に隠されているから凄く面白い!
隅々まで目を皿のようにしてみないと、この映画の素晴らしさは全て感じられない!
なので、一瞬たりともスクリーンから目を離さず観ることをお勧めします!
この映画は、もちろん単体として観ても、一つのサイコホラーとして凄く面白いのですが、キューブリック監督の『シャイニング』を観るとより一層楽しめるはず!
50%しか理解できない部分が、120%分かるので、ぜひ予習として観ることをお勧めします!
さらには、スティーブンキング氏の原作を読んでいるとより一層楽しめる!
なぜなら、作者が本来やりたかったこと全てを、この『ドクタースリープ』でまるっとやっているから!
このラストの素晴らしさは、是非映画館で体験して頂きたい!
あらすじやら、ストーリーの内容やらをここに書くとすべてネタバレに繋がるので書きません。
でも、一つの言えるのは、『シャイニング』を観てからこちらを観て欲しいという事。
日を置かないで、前日とかに観るとその違いが明確になってより一層楽しめるはず!
是非ともどうぞよろしくお願いします
\\\\٩( 'ω' )و ////
今回は、試写会のゲストに柳沢慎吾さんが登場!
彼の芸歴がちょうど40年で、この映画の年月と同じということから呼ばれたみたい。
凄く元気でこれで50代後半というからビックリ!
彼の1人シャイニングのお芝居がとてもリアルで面白かったので、あっという間の30分でした。
最後の最後まで笑わせてくれて、この映画のストーリーに全く合わないという前代未聞のスタートでしたが、とても盛り上げてくれたことに感謝(笑)
まだまだこれからも元気に楽しく芸を磨いていってもらいたいです(^O^)
Wendy......I'm home!
2004年8月9日のBBCnewsの社説から、”Shining named perfect scary movie”(The secret of making a scary movie has been calculated by university experts. )数学者もビックリの完璧な恐怖映画とされた前作「シャイニング(1980)」をIndieWireというサイトの2016年2月3日の社説から原作者のスティーブン・キングがこの映画のことを”大きくて美しいけれどエンジンのないキャデラック”と揶揄していたが....
「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019)」と同じ映画会社であるワーナー・ブラザーズが製作し、しかも「It」と同じ原作者の2013年に出版された同名の小説をもとにしている本作。ワーナー自体、この映画の制作にあたっては、計画だけは立案していたものの予算はまだ考えていなかったのに2017年の映画「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の大成功のおかげで、この映画が早くも日の目を見る運びとなる。
原作者であるスティーブン・キングがインタビューに答えている。
「ダニーが成長したときに何が起こったのか、25歳の時は、また35歳になった彼がどのようになったのか?といつも不思議に思っていたので、伝えるべき物語があると感じました…私が見たかったのは、崖っぷちに追い詰められた人がどうなるのかという事です。最終的にどん底に到達するまで、人って、本当に立ち直ることができないんです。そして、私はスクリーンでダニーならどうなったかを見たかった訳です。」
物語は、キャンプ場での出来事から始まる。キャンピングカーから一人の少女が降りてきて散歩に出かけようとすると母親から”あまり遠くに行かないで”という言葉を聞いてか聞かずか、湖のそばまで来るとシルクハットとしては腰の低い帽子をかぶったスレンダーで奇麗な女性が切り株に座っていた。彼女から造花のような花をプレゼントされるといつの間にか何処からともなく異様な感じの人に囲まれてしまっていた少女。造花、特に死を意味する場合もある。
話は、1980年にフラッシュバックし、ディック・ハロランによって邪悪な’モノ’を封じ込める方法を教えてもらったダニー。その子供のダニーが、大人になっても彼の精神は、’オーバールックホテル’での惨劇以来病んでいて酒浸りの生活を送っていた。それでも彼は、心機一転、別の場所で生活を始めて、やり直そうとする。ある町に着くと直ぐに友人もでき社会復帰のプログラムも受け、新しい職にも就いた。その職場であるホスピスでは、ターミナルの人の心を癒したことから、彼は人知れず「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになっていたが、そんな彼の事とはよそに、別の場所では、人の死の瞬間に口から吐き出される”steam”と呼ばれる人の生気であり、”Shining”の元でもある水蒸気のような気体を集めているローズ・ザ・ハット率いる”True Knot”というカルト集団が、その”Shining”の能力のある子どもを捜していた。
ある日ダニーのアパートの黒板の壁に13歳の少女アブラからチョークで書かれた文字が贈られてきていた。彼女は遠くからでもダニーの過去にはなかった現在の優しい心がわかるほど、”Shining ”の能力が高かったが、その能力の高さゆえに、ローズ・ザ・ハットの目に留まるところとなり、最大級の標的となってしまう....
映画紹介をする多くのサイトが、この映画を指して「シャイニング」の続編と言っているけれども....残り30分ほどの’オーバールックホテル’を忠実に再現したかのような場所で、前作の有名なエレベーターや迷路の場面を映像の中に取り入れたり、ジャックがドアを斧で叩き割ろうとした向こう側で、恐怖におののく妻ウェンディを別の女優さんで再現したりもしているが、個人的には徒労に終わっていると思える。何しろウェンディ役のシェリー・デュヴァルさんは監督の完璧主義が引き起こす厳しい叱責や何回ものテイクの撮りなおしによって、半分ノイローゼ状態になってしまっていた。そこまで彼女自身が自分を追い込んでまで取り組んだ成果が、この演技ができたといわれた名場面なのに....!しかもオマケのようにジャック・ニコルソンのクリソツさんをホテルのバーテンダーで登場させるとは...。最近観た「ターミネイター6」のように少年時代のジョン・コナーを完璧なCGIで復元したような高価な技術を使えとか前作の監督のような美的主義を追求してクリソツさんを使うなとまでは要求しないけれども趣味の悪さが目立つ。(ダニーに出されたウイスキーが’ジャック’・ダニエルって?)
その上、前作では敢えて監督が映画全体のシチュエーションを曖昧な設定にしたシナリオに書き上げたのは、”Shining”という特殊能力を前面に出すのではなくて、’オーバールックホテル’自体が、2つの次元の歪に立っているような場所として、また別の次元同士の緩衝地域として特殊能力が芽生え始めたダニーがその環境に反応してしまい、ナイフを持ちながら”MURDER”の反転文字を表す”REᗡЯUMレッド・ラム、レッド・ラム....”とつぶやくシーンにつながるはずが、この映画では意味が分からないところで登場している。つまり、原作者の自尊心から考えると、この映画は、1980年に公開されたキューブリック監督の映画を暗に否定し、スティーブン・キングが自ら脚本・製作総指揮をしたTVドラマ「シャイニング(1997)」のほうの続編という事か...?
ラストのシーンを含めて、納得ができないのが、ローズ・ザ・ハットというビランの存在。強力な”Shining”能力を持っているのにもかかわらず、人間臭くて浅はかな何者でもなく、しかも恐怖の’きょ’の字も、冷徹さの’さ’の字もない彼女のチンケぶりが、どうしても観ている者をドン引きにさせてしまっている。何故、そのような設定にしたのか? 疑問? 低能で、生々しくて、すぐにやられて、それで”終わり”! 服装もメイクも含めてセンス無し。言いすぎました。謝るくらいなら書くなってか?
ユアン・マクレガーの迫力という言葉が存在しない演技が、ジャック・ニコルソンの演技を引き立てるだけで、ただ単なるSci-Fi・サイキック映画に成り下がってしまっている印象が強く感じてしまう。
そんな辛辣なことはさておき。Seattle Timesが端的に評価をしている。「 『ドクタースリープ』は、緊張感、サスペンス性、寛容、犠牲といった言葉で表す記念碑的な成果であり、すぐに忘れることが、できない映画です。」というように評論家が支持をしているのはもちろんのこと、もっと多くの視聴者が支持をしている本作。安上がりに仕上げたようにも感じるのだけれども...?
人生の中で、逆転満塁ホームを何度も打てるわけがない。映画が凋落の一途をたどり、もう映画製作ができないのではないかという完璧主義者の思い....
何時か忘れたが、フランスの映画評論家のミシェル・シメントとの対談でのキューブリック監督の映画についての言葉.....
"ファンタジーは、主に無意識にあるテーマに最適であり、幻想的な物語は、おとぎ話や神話がかつて行っていたのと同じ機能で私たちにとって最高の役割を果たす" と....
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