黒い司法 0%からの奇跡のレビュー・感想・評価
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法は厳正なものであるべき
法は神聖だとは言わない。だが、権力者の都合で解釈を勝手に変えて良いものでもない。そんなことをしてたら、いずれ誰も法に従わなくなる。法で治められていない国家は、諸外国からも相手にされなくなる。
さて、この映画は法が歪められた社会に敢然と立ち向かった若き黒人弁護士の実話を元にした作品である。
前半で彼(ブライアン)は、一人の死刑囚(ハーブ)の命を救うことに失敗する。そして、その死刑が執行される様子を、映画は執拗なまでにじっくりと描く。そのことで、死刑制度の持つ残虐さを、観客は理解する。
ところで、『死刑台のメロディ』という1920年代を舞台にした映画にも電気椅子が出てくるのだけれど、1980年代になってもほぼ同じデザインだったのにはちょっとびっくり。
ジェイミー・フォックス演じる被告人ウォルターの再審請求も、何度も壁にぶつかる。完璧なまでの証拠と弁論さえ、因習に執われた裁判所によって拒絶される。
訴えは上級審に上り、ブライアンは、問題の根本は警察や社会に深く根をおろした黒人差別にあること、法が富める者に奉仕する存在になっていること、そんな社会を変えなければならないことを熱く述べる。
この場面もまた『死刑台のメロディ』で、バンゼッティ被告が「移民であることが裁かれる。思想を持ったことが罪だと裁かれる」と訴えたことに通じるように感じた。
結末は、実に爽快感に満ちている。何度も挫折しながら最後に栄光を勝ち取るストーリーは、エンターテインメントとしても上出来だと思う。
あと、刑務所の若い看守がレイシストから脱却する様子もなかなかいい。
闘う事の難しさ
43本目。
実話ベースの映画。
映画と分かってはいるが、腹がたってくる。
でも今はマシになった方なんだと思う。
彼の正義もあると思うけど、幼い頃に親がどんな言葉をかけてやるのもスゴく大事なんだと。
プルーブン・イノセントって海外ドラマを観たけど、少し影響されてるのかな?
マイケル・B・ジョーダンの立ち姿がいいけど、それ以上に目がキレイ。
冤罪と死刑制度を考える
日本にも冤罪事件は沢山ある。
その中で、最も知られたものの一つが、現在、最高裁に特別抗告中の袴田事件ではないだろうか。
日本で冤罪として認められたケースを見ると、やはり警察や検察の捜査段階での決め付けが、大きな原因のように考えられる。
証拠のでっち上げもあったことは間違いない。
しかし、アメリカの場合は、これに人種差別の問題が絡み、白人の市民感情も手伝い、冤罪が容易に生まれる状況になってしまっているのだ。
住民の安心な生活には対立は必要ないにも拘らずだ。
このアメリカ社会にあって、映画が取り上げたブライアンや支援団体の揺るぎなき姿勢は、2時間ほどの物語の中ではとてもドラマチックに見えるが、実は非常に地道で忍耐が必要だ。
ブライアンが「絶望こそが正義の敵だ」と言うが、死刑を待つ身にしてみたら、絶望以外の感情なんてないに等しいのではないか。
日本の弁護士会が後押しする再審請求の大変さも伺えて、頭が下がる想いだ。
そして、死刑制度。
オウムのテロ事件や、秋葉原の無差別殺人事件、神奈川県の障害者施設の襲撃殺人事件などを考えると、死刑制度自体を再考するのは日本では困難だと思うし、裁判中の女児虐待死事件を報道で目にして、こんな父親を生かしておくな!とか、つい考えてしまう自分もいて、感情に依らず思考を巡らすことの困難さを改めて思い知る。
ただ、僕は、人間は理性的な存在であると信じている。
だから、この原題タイトルが、Just Mercyなのではないかとも思う。
そして、僕は全ての国民が、この現代社会にあって、人が人に死刑を宣告し、これを実施することが、ある意味残虐で、本当は適当なのか常に自問自答はして欲しいと思う。
こうした思考を巡らすことも、きっと正義に繋がると信じているからだ。
死刑に立ち合い、衝撃を受けるのは、遺族だけではない。
実行に携わったら後味も悪いに違いない。
今、世の中では、食肉用の牛や豚の命を絶つ際、出来るだけ苦痛を感じないようにする試みが広がりつつある。
人の絞首刑はどうだろうか。
そんなところから考えて、感情に依らずに議論してみたって良いのではないか。
映画の物語に胸は熱くなる。
だけど、この映画は、そのもう一つ先を僕達に問うているのではないかと思うのだ。
良心を取り戻す物語でもあった
エンドロールとともに正直考え込んでしまった。死刑制度維持派の自分にとって、あまりにも大きな事実が突きつけられたからだ。被害者遺族の心情、犯罪への抑止力を考慮すると死刑制度の廃止は時期尚早と思っていたが、この映画を観終わって、その考えは大きく揺らいだ。
この手の映画にありがちな、過剰な演出はなく、淡々と物語は進んでいく。他の映画では、どちらかというと感情むき出しの熱い演技をするマイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソンが感情を抑えて、闘志を内に秘める。ノンフィクションである原作をそのまま再現しているように感じた。こう言った演出が、より真実味を増して見ている自分にグサッ、グサッとささる。特に、ブライアンが刑務官に屈辱的なボディチェックをされているシーンなんかは、見ているこっちの頭が沸騰しそうなのに、ブライアンは、正義の実現のための耐え忍ぶ。
アメリカのミステリー小説で60年代、70年代のディープサウスでの人種差別や黒人の貧困問題が題材にされることが多いが、80年代後半になってもここまでひどい差別が続いているとは思わなかった。警察、検察、裁判所、陪審員全部がグルだったら、絶望しかない。
ブライアン、エバの正義へ戦いであるとともに、検事や偽の証言をした人間が良心を取り戻していく物語でもあった。
10%の害意
1989年~アラバマ州モンロー群にて、冤罪の死刑囚への支援団体で活躍する実在の弁護士が、実際に為し得た偉業の話。
クリーニング店での18歳の少女の殺害事件で犯人とされ死刑囚となった、ジョニー・Dの冤罪を晴らす件を軸に物語が展開していく。
判りやすくそう切り取っているから、そう表現しているからというのもあるだろうけれど、あまりにも唐突な逮捕劇と、その背景にある杜撰だったり、無理矢理仕向ける様な証拠で、禄に裁判で審議されることもなく死刑囚となったことが衝撃的。
冤罪じゃないにしても、重過ぎる判決とかいくらでもありそうだしね。
又、日本でもそうだけど、再審のハードルの高さにも憤りと遣る方無い思いが湧いてくると共に、差別はあまり関係ないけど袴田事件を思い起こさせられた。
勿論現在も特に南部では人種差別が激しいというのは知識としてはあったけど…
題材となった話以降の実際の活動では黒人以外の案件もあったのか、作中での直接的な表現では貧困者としているが、高々20年ぐらいしか経っていない最近の話で、これでもかという程の人種差別っぷりに驚いたし、最後の字幕は恐ろしさを感じた。
つらつらと面倒臭いこと書きましたがw映画として…テンポ良く、判りやすく展開や感情をみせていて、オチが判っていてもドラマとして面白かったけど、オチが判っているから感動とかはあまりなかったかな。
実話の重み
中盤まで黙々と落ち着いた進行ですが、押し潰されそうな重圧感の連続、最後
の感動とカタルシス、十分に堪能しました。
主演のマイケル B ジョーダン、「クリード」でファンになりましたが、今回は一皮むけた感じで更に良い。彼の代表作になりそうな…
‘’正義にはまだ間に合う‘’ ‘’絶望は正義の敵だ‘’ などの台詞が印象的でした。
[追記]
NASA の黒人女性職員を描いた「ドリーム」や、黒人大リーガー、ジャッキー ロビンソンの半生を描いた「42 世界を変えた男」などに共鳴した方には特にお勧めしたいです。
Just mercy
すごく昔の話かと思ったら90年代の話で、今も現実に起こっていること。
『ブラック・クランズマン』や『グリーン・ブック』でも散々描かれているけれど、黒人や貧困に対する差別は想像できないほど根深い。
命の危機まで感じながらも諦めたら目の前の人が死んでしまう、信じる正義だけで奔走する弁護士やサポーターたち。
黒人ながらにハーバード大を出ているのにただ人助けをしたい、そんな突拍子もない熱い思いに観ていくうちどんどん寄り添い応援したくなった。
何を信じ、何を成して生きて死んでいくか。映画館出る時には背筋がシャキッと伸びて歩いていました。
大真面目に造ってるんだけど腰砕け
大ざっぱな理由で捕らえられ、大ざっぱな陪審で有罪にされ、大ざっぱな理由で死刑判決を受けた…ので、彼を救おうとする若き黒人の弁護士の話なのは予告でわかる。
で、郡裁判所の再審も検察側が勝ってる(原審死刑判決維持)のにも関わらず、州最高裁から再審命令が出たとたんに
検察「困りました…やっぱり起訴やめときまーす」
という、検事はなぜそう判断したよ?という心理の遷移とかなーんにも分からない作品。
ただ黒人の若き弁護士、差別と冤罪と闘って、カッケェよ!ってだけの映画。ひとことで言えば、雑。
とてもよかった
明確な冤罪がそのまま通ってしまうのは恐ろしいことだ。それと同様に真犯人が野放しにされたまま放置もひどい。てっきり真犯人が白人の上級民で、それを伏せるための冤罪なのかと思ったらそうでもないようで、単なる職務の怠慢なのもひどい。有力者に対して勇敢に立ち向かう人は素晴らしい。
何時になったら差別は終わる
本作品大変に素晴らしい内容でびっくりしています。
本作品が実話と言うのも大変にびっくりしているのと同時に、1987年と言うと、今から33年前・・・50年も前の出来事と言われれば納得出来るのですが、1987年に、まだまだこんな話が有るんですね・・・・大変にショッキングな実話です。
テーマが非常に重く大変に重厚な作品ですが、なぜアメリカとと言う国は、黒人に対して差別をするのか、黒人が人道的、ひとりの人間として扱われていない現実に大変にショックと怒りさえ感じさせられます。
主人公のマイケル・B・ジョーダンの演技も大変に素晴らしく「クリード」とはまた違う一面を見た気がします。
ジェイミー・フォックスなども同様、出ている俳優さんたちが、実際の人物としっかり同化していて、本物の人間を使って当時の様子を撮ったような錯覚さえします。
何にせよ、諦めてはいけない、諦めなかったら道は開かれる、また、99%が善人であり、ほんの1%が悪人であり、どんなに考え方が違いが有っても熱心に説いていけば必ず正しい道は開かれる・・・・
我々の普通の生活に置きかえてみても大変に刺激ある映画の内容だと思います。
本作品がアカデミー賞にかかれば本当に嬉しくなるな・・・・
本作品、実際に主人公のモデルの弁護士さんがプロデューサーとして本作品に協力しているそうです。
PS
しかし、毎度思うのですが、本当にこんな差別が有るのなら許せない!
チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジョン・リー・フッカー、ハウリング・ウルフ
ロックやブルースを作った神様にこんな差別は本当に無礼だ!!
2/13 試写会
Based on a true story. 今を生きる私達へのアラバマ物語 --- これは映画を大きく飛躍させるような作品ではない。ただ、これは全人類必見の血の通った名作である。これはもしかするとあなたが今までに幾度となく見てきたタイプの"予想"できる作品かもしれない。ただ、心突き動かされるのに理由なんていらない、パワフルな法廷モノの新たな金字塔。見過ごすには惜しすぎる。ブライアン役マイケル・B・ジョーダンとマクミリアン役ジェイミー・フォックスの名演がより素晴らしいものにしていることは言わずもがな、個人的にはキーパーソンとなるラルフ役ティム・ブレイク・ネルソンも良かった。自身で脚本も担当して、それらを紡いでいく監督デスティン・ダニエル・クレットンの手腕は傑作『ショートターム』然り素直に心掴まれ気持ちを持っていかれる。彼の盟友ブリー・ラーソンも彼女らしい一本気な正義の人を体現している。中には「こういう"実話"モノもういいよ」と思う人もいるかもしれない。ただ、それは大間違いである。こうした人間の尊厳を踏みにじる差別と迫害の歴史、いや悲しいかな現在まで続いている状況は、だからこそ何度だって語られる価値があるし、その一つ一つの"実話"に人生振り回されたり尽力したりした人たちがいることを忘れてはならないのだから。大きいも小さいも使い古されたも新しいもない。根本に訴えかけてきて、ぐうの音も出なかった。
EQUAL JUSTICE INITIATIVE 彼らが長年にわたり無償で行ってきた活動はまさしく"正義" --- それによって多くの人々の命が救われてきたことに感慨と尊敬の念を覚える。ただ、作品自体は決して楽観視することなく最後にはまだまだ変わらないといけない現状もしっかりと取り上げる(ex. アダム・マッケイ作品、スピルバーグ『ペンタゴン・ペーパーズ』)。あの保安官は本気でムカつく。直近で言えば『リチャード・ジュエル』を見ても思ったことだが、こんなにもずさんな捜査が(少なくとも)20世紀末比較的近年までまかり通っていたなんて驚きだ。しかも本編最後の最後に出てくる誤審による死刑囚の数にはもっと愕然とさせられる。ふざけるな。黒人だからってなんだ。美談で言ってるわけじゃなくて純粋にその感覚が分からない、白人至上主義なんてバカげてるし憤りしか覚えない。実際、本作主演マイケル・B・ジョーダンが脚光を浴びた『フルートベール駅で』でもそうした警察官によって殺された実際の青年を演じており、この数年でそうした状況に直面する実際の人物をまた演じていることからも、(非常に残念ながら)圧倒的な数であることが伺えるだろう。
「生来有罪」「推定有罪」IN GOD WE TRUST
強い信念と希望を捨てずに
ワーナー・ブラザース試写室にて試写鑑賞。
とても見やすく、理解しやすく、そして共感し、まさに作品に支配されてしまった。
話の軸はM.B.ジョーダン演じる弁護士ブライアンとJ.フォックス演じる無罪の囚人マクミリアンのエピソードとなる。
およそ30年前にアラバマで起きた殺人事件。無罪を主張するマクミリアンに対して十分な証拠もなく、囚人のデタラメな証言で殺人犯に仕立てあげられ、死刑になるのだから恐ろしく思う。
それもたった30年前までこの州では頻繁に起きていたというのだ。
ストーリーとしてはきちんとマクミリアンの無罪が認められるから安心して見られる。
最後は検察側にもブライアンの真実の声が届き無罪を認めるから見ていてスッキリする。
この作品は冤罪を無罪にするだけではなく、ブライアンの強い信念、決して希望を捨てない姿になにより心を打たれた。
日本に住む自分にとって、冤罪により迫害を受けるという恐怖はゼロじゃないにしてもなかなか想像はつかない。
ただ社会に出ると、自分の正義や真実を否定され、時に悪や嘘が正義、事実としてまかり通る時は少なからず誰しもが経験はある事ではないか。
この作品を見てると仕方ないと受け止め流すのではなく、強い信念と明るい希望を常に持ち続ける事が大切なんだと改めて感じた。
被害者のマクミリアンも劇中で、事実でない事を言われ続け生きているとそれが真実と思い込み生きる希望を失ったと語ってたシーンがあった。
自分の中の正義や真実を失った時人は死んでしまうんだと改めて感じさせられる。
ブライアンは数多くの冤罪者、必要な法的擁護を得られなかった囚人を援助してきたわけだからあくまでマクミリアンは数多くの一部に過ぎない。
横の房のレイも30年の時を経て自由を得たことを最後に知ることもできた。
この作品を通してアメリカで起きてた差別の事実を知る事ができ、同時に自分自身の生活、生きることに対して、改めて希望をもたらせてくれる。そんな作品だった。
腹黒の白人検事の方がよっぽど黒い気がしたよ。
白人の腹の中は真っ黒黒。
真実を全て撤回し、自分たちの発言のみを有効とする。
改めて、アメリカってジャイアンみたいな国だなって思いました。
黒人差別というから、凄く昔の話かと思ったら、30年前の事件だったというから驚き!
テレビもパソコンもある情報社会の時代に、こんなにも時代遅れな差別が存在していることに衝撃を受けました!
黒人が事件に関わっている、怪しいと思ったら、即刻逮捕する白人達の身勝手さが腹立たしい。
自分たちのいうことは全て正義だ真実だと、証拠もないのに決めつける司法の世界が酷過ぎます…。
弁護士のブライアンが必死に証拠を揃えて、無実を訴えようとしても、根拠なんかひとつもなく訴訟を撤回するその惨たらしさ。
検察側の態度があまりにも酷過ぎて、後半は言葉にならないくらいの、悲しさと切なさが込み上げました。
それでも、ブライアンは冤罪の人たちの命を少しでも救おうと必死に証拠を探して訴え続けます。
事件を起こした人の10人に1人が冤罪だったこの時代…。
何が真実で何が偽りなのか?
根底の部分が分からなくなりかけている中で、1人でも多くの人の無実の罪を救おうとコツコツと努力し続け、掴み取ったブライアンの正義に感動しました。
でも…、ブライアンの訴えも虚しく死刑が執行されてしまった人もいるというから悲しい。
今でも続いている冤罪事件の訴訟で、1人でも多くの人の無実が証明されて欲しいと心の底から思う映画でした。
最後に…。
マイケルBジョーダンさんのつぶらな瞳がとても可愛くて、弁護士にぴったり。
そして、ジェイミーフォックスさんの、情に訴える熱い演技が素晴らしかったです!
素敵な映画をありがとうございました(^^)
邦題は = No Mercy
警察の検問。保安官が職質する前に主人公は既に車のホイールに手を置いて無防備・無抵抗であることを示している...しかも細部にわたり指を広げて何もない事を、しかし
いつも通りの黒人に対する仕打ち、見ている者に憤りを感じさせる映画の掴みには最高なものとなっている。
ロースクールを卒業した主人公のブライアン、彼に対し母親は…
I know you got your law degree now,
and you think you're grown,
but you're still my child.
And I'm the one that has to deal with your funeral arrangements
if you get killed down there.
ここでちょっと、”you're still my child.” というフレーズ...幾度となく外国映画の世界では聞いたことがあるけどテレビドラマを除いて一般の日本の家庭で表立って聞いたことが今まであったろうか?しかも大の大人になって...この会話がこれから彼が人生をかけて挑まなければならない裁判へと駆り立てる前触れとなっている。
十代の女性殺しの容疑で収監され死刑がまじかに迫り、精神のはけ口を失ったウォルター....彼のピジン英語が弁護を引き受けるブライアンに対しても寄せ付けない。
You're rich boy from Harvard,
you don't what it is down here.
この言葉より戦う勇気さえウォルターはそぎ落とされている。しかも映画のプロットは、弁護士ブライアンの苦闘が分かり易く描かれていて協力者のエバの家族にかかる脅迫電話であったり、確実な目撃者証言を得ても証言者の過去を利用して諦めさせることを警察も関与をしているように描いている...その姑息さが見ているこっちも保安官・警官・検事にムカツキ...この野郎!って・・・
Johnny D is old,
Herb, you more ancient.
その上、戦争の影響でPTSDを発症し、言葉をまともに話せない死刑囚ハーブ。自分の気持ちをはっきりと言葉に表せない彼の素朴すぎるほど素朴な極刑のシーン・・・・・!
そして終盤になると足元を完全にすくわれる弁護側....一体全体、アラバマの司法はどうなっているのか?.....なんてかなり感情移入をしてしまっている。ウォルターの言葉が蘇る....
You know how many people been freed from Alabama death row?
”None.”
先日鑑賞する機会のあったタランティーノ監督の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」…登場人物のチャールズ・マンソン。このチビが・・・失礼、死刑制度を復活させた人物だと思っているけど、そのカリフォルニア州の知事が、死刑執行の一時停止書に署名している。全米一の死刑囚その数730人以上・・・アラバマ州は全米一の死刑執行数のテキサス州には負けていても一人当たりの人口に占める割合は、全米一...その意味は
カリフォルニア州が死刑執行制度を停止した理由?この映画を見れば回答が分かります。
映画解説の通り、ノンフィクション部門で賞を獲得している”Just Mercy: A Story of Justice and Redemption” 2014年出版の作品を原作にしていて、具体的に言うと主人公のブライアン・スティーブンソン本人のお話で、近年、発行部数が刑法の量刑に関する参考書のジャンルで上位を占めている。
ラストの結審...このシーンが個人的には印象に残る場面となっていて、後ろで喜ぶ黒人たちをしりめに傍聴席を占めている地元白人たちの顔や態度が....実際のところマイケル・ハーディング演じる地元保安官のテートがその後も保安官として再選を成し遂げ、定年の任期まで仕事を全うしている。
ひとりの少女の殺人事件。南部の多くを占めるプアホワイトの人たち、彼らのはけ口・ガス抜き的存在を維持してくれる社会とそれを支える保安官。反面その犠牲になる黒人と彼らの反発…の構図を考えるとユニバーサルリサイクルのシンボルのようなメビウスの輪のようにあらぬ方向から見ると蒙昧な者にとっては混乱を導くだけの....そんな映画になってしまっている…でも一般の視聴者にお勧めの社会派ドラマということに間違いがない…この人ジェイミー・フォックスの冗談かよ?と思えるほどの過去における ”黒人至上主義” 的発言などを含め混乱中の卑怯者は映画の評価は自ずと☆3になってしまう。
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