黒い司法 0%からの奇跡のレビュー・感想・評価
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Lives matter
白人警官による黒人に対する行いが社会的争点となった今年に象徴的な一本。差別問題なのか当時の捜査の杜撰さを扱った話か分からないほどデタラメな対応。日本人として笑えぬところ。
白人の変化がストーリーの肝となる。終始、象徴的に背景に入ってくる看守、そして検察官。なによりも供述を変えたマイヤーズを演じたティムブレイクネルソンの演技が印象に残る。しかし、白人の変化に希望を寄せるといっても、これは30年前の話で、今年起きた事象を考えると、ループ感が否めない。
この話のポイントは、むしろマスコミの役割かもしれない。流れを変えた60 minutesエドブラッドリーのレポート。真実を伝えるメディアにどれだけの信任を示せるかが、こちらの課題かもしれぬ。
見応えありました。
1980年代のアメリカの南部は、まだこんなのか?
貧困の黒人は、犯罪者?そんなアラバマ州で死刑囚になったジェイミーフォックスの無罪は取れるのか?
勝ち目ない闘いを粘り強く闘う
若き弁護士マイケルBジョーダンがいいね。
「フルートベール駅で」を観た方が良い!!
ありふれた内容でテンポも悪いので、とても退屈で内容が頭に入って来ませんでした。主人公の表情が終始乏しく、逆境を撃ち破るぞと言う気持ちには全くさせてくれませんでした。黒人差別の問題は語り尽くされていると思うのですが、私たちを取り巻くワクチン、5G、長時間労働、非正規労働、放射能、汚染水、食品添加物、遺伝子組み換え、種苗法、自由貿易、経済特区、新自由主義等の問題は全く話題に挙がらないので、気が気じゃないです。
重厚しかし見やすく面白かった
面白かった。
よくある裁判物と流れは変わらないけど、
それでも苦難に次ぐ苦難。差別に次ぐ差別。
それも、最後まで覆らなそうなまま
話は進めから目が離せない。
そういう意味では作りは半沢直樹。
しかし、「評決のときと言いアメリカという国が
いかに黒人を差別して来たかが分かる作品だった。
こんな事じゃ外を歩くのは怖いし、
一人でいるのも怖い。
常に誰かが自分が何をしてるか知ってる人がいないと
真実も証明出来ない。
しかもそれが黒人同士だったら何の意味もない。
国の分断は今に始まった事じゃないんだなと思いました。
ジェイミールフォックスの「何が起きたんだ?」という
台詞とキョトンとしてる演技が泣かせた。
マイケルBジョーダンの「権力者が真実を曲げても
希望があれば前に進める」という言葉は映画だけじゃなく
現在のアメリカに向けて言ってるような気がした。
これが実話とは!
これが実話なのか。人が人を裁くとはどういうことか、成熟した社会とは何なのか、改めて問われるような作品である。エンドロールで示される衝撃の数字に、思わず声を上げてしまった。アメリカの抱える負の遺産を思わずにはいられない。
マイケル・B・ジョーダンの感情を抑えるような演技がとてもいい。これからも注目していこう。同じくアベンジャー組のブリー・ラーソンも、脇ながら要所要所でいい演技をしている。
「上級国民裁判」により、日本の司法が試されている今こそ観るべき一本!
黒人差別が根強く残るアメリカ南部を舞台に、死刑囚の弁護を専門に行うため北部より移住してきた若き弁護士ブライアンが、冤罪により収監された黒人男性ウォルターを救うため奮闘する、実話を基にしたリーガル・ドラマ。
主人公ブライアンを演じるのは『クリード』シリーズや『ブラックパンサー』のマイケル・B・ジョーダン。製作総指揮も担当している。
冤罪により死刑囚となってしまった男ウォルターを演じるのは『アニー』『ベイビー・ドライバー』の、オスカー俳優ジェイミー・フォックス。
ブライアンを助ける人権活動家エバを演じるのは『ルーム』『キャプテン・マーベル』の、オスカー女優ブリー・ラーソン。
特に意識してないのに、なんか最近ブラック・ムービーばかり観ている気がする…😅それだけたくさん作られているってことかな?
原題は『Just Mercy』。直訳すると『公正な慈悲』とかになるのか?
身分や人種によって量刑が変わることがないよう、公正な裁きを求めて活動する弁護士ブライアンにぴったりの言葉ですね。
『黒い司法 0%の奇跡』…。こんなダサい邦題じゃ、視聴意欲がなくなるよ〜。わかり易けりゃ良いってもんじゃないでしょ💢
まぁ、それは置いといて。
映画の内容は素晴らしかった!
死刑というセンシティブな問題を扱い、そこに存在している人種差別を鋭く抉った社会派映画。
個人的に死刑反対!…というスタンスではないですが、死刑とは確固たる司法制度の下に行われるべきであり、そこに人種差別や身分差別が介在してしまうようでは、大いに問題があるでしょう。
我が国日本も現在「東池袋自動車暴走死傷事故」の刑事裁判が行われており、司法制度の根本を大きく揺るがしています。
日本でも身分による量刑の増減があるのか。そういったことが明らかになるこの機会に、本作のような映画を鑑賞し、司法について考えるのは大事なことではないでしょうか?
話が脇に逸れたので本筋に戻します💦
まず本作の役者陣の演技、良かったです!
今現在、体制との戦いが最も似合う漢、マイケル・B・ジョーダン!
闘う男を演じさせたらこの人の右に出る役者はいない!いつもギリギリの戦いを強いられているような気がする笑。
個人的にMJ好きなんだよな〜。野性と知性を兼ね備えた男って感じがする。
MJ演じるブライアンが、幾度も人種差別を受けながら、それでも立ち上がり続ける姿には感動した。これでこれを観て心が震えなければ男じゃねぇ😤😤
地方検事や保安官の役者も上手かった。あんなに映画の登場人物にむかついたのは久々だったなぁー。
全体的に少し説教くさいところはある。
人種差別について思うところがあるのはわかるが、ちょっと映画の表面に出過ぎていたかも。
黒人の過去や死刑について、説明的なセリフが多すぎて座りが悪く感じるところはあった。
南部の白人の観客は凄く気まずかっただろうな〜、とか思っちゃった。
とはいえ、差別に真っ向からぶつかるブライアンの姿は熱い!
誰がどう考えても狂った判決なのに、それが当たり前のようにまかり通っていることへの恐怖をすごく感じたし、こんな戦いにどうやって勝つんだよぅ…と、クライマックスギリギリまで思わせてくれる構成は見事👏
最後の最後、ブライアンとウォルターが勝利を掴んだ瞬間、熱い涙がこぼれました…😭
また、熱い人間ドラマだけでなくミステリー的な要素も楽しむことが出来る。
真犯人が結局分からず仕舞いというのはモヤモヤするけど、まぁ実話ベースだから仕方ない。
いや〜、しかし黒人差別についての映画となるとほぼ全てアメリカ南部が舞台になりますね。
アメリカ南部へ行ったことがないのでよく分からないのだが、今でもそんなに酷いところなんだろうか。
公民権運動のシンボルである「アラバマ物語」の記念館があるのに、全く差別がなくなっていないという皮肉めいた描写がトゲのように心にささりました。
差別を差別だと思っていない、それが普通のことだと思っちゃてるんですねぇ…。差別がなくならないわけだわ。
一点気になったのは、本作でブライアンが出会う死刑囚はみんな冤罪だったり不当に重い量刑を受けた人たちだったこと。
でも中には正真正銘の悪人も居るはずで、そういう人と相対したとき、ブライアンはどういう態度を示すのでしょうか?
この世の中には立派な人が沢山いるんだなぁ、と感心させられる一作。本物のブライアンはまだ現役バリバリで活動しているんだと思うと不思議な気持ちになる。また一つ学ばせて頂きました。
差別や死刑を描いた映画だが、そんなに暗くはない。ただドスンと重いパンチを喰らわせてくる一本。
ブライアンの戦いぶりはまるで『クリード』のアドニスのようなので、『ロッキー』シリーズのファンにもオススメ!
心に闘志が宿ること間違いなし!🔥
※アメリカは州によって死刑があったりなかったり。
どの州で死刑が存在しているのか調べてみてビックリ!殆どが南部じゃないですか。
人種差別の根強い南部で死刑が採用されていることに強い違和感を覚えました。
大体、アメリカにおける黒人の人口割合は大体12%くらい。
それなのに、アメリカの全死刑囚の中で黒人が占める割合は42%にも上ります。
これは単に黒人に凶悪犯罪者が多いからなのでしょうか…。それとも…?
作中、差別的な保安官と地方検事が登場します。
映画によく出てくる保安官って一体何者なんだろう。なんとなく分かった気がしているけどよくわからないぞ?
と思っていたところ、たまたま読んでいたレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』の後書きで村上春樹がわかりやすく解説してくれていました。
簡単に言うと郡の警察のトップのことなんですね。
ちなみに保安官も地方検事も住民による一般選挙によって決定されるらしい。
作中のエンドロールでも説明されていたが、強引な捜査でウォルターを有罪にしたネイト保安官は6回再選され32年間も保安官を務めた。
つまり、あんな人種差別的な冤罪事件を起こしておきながらモンゴメリー郡の人々は彼を選挙で選び続けたわけです…。
2019年までネイト保安官は在職し続けたんですから、アラバマって凄いところなんですねぇ…😞😞😞
黒人に偏見を持つ人々が警察のトップである保安官を選挙で選ぶのだから、その保安官も黒人に対し偏見を持っている可能性は高くなる。
さらに地方検事も選挙で選ぶのだから、もしその地方検事も黒人に対して偏見を持っていたら…。
黒人に対する不当な逮捕、冤罪がまかり通るのも当たり前な気がしてきた。システムがそうなってるんだもん。
馬鹿じゃねぇの…☠️
人に嫌われるのはいい、でも家族への脅迫は・・
映画「黒い司法 0%からの奇跡」
(デスティン・ダニエル・クレットン監督)から。
映画「グリーンブック」(ピーター・ファレリー監督)では、
「才能だけでは十分じゃないんだ。勇気が人の心を変える」を
ピックアップしたが、アメリカ南部の黒人差別は、
昔はこんなにすごかったのか・・と考えながら観ていたが、
メモの年代を見て驚いた。
ずっと昔の話ではなく、ほんのちょっと前の話だったから。
映画「グリーンブック」でも私は既に生まれているし、
今回の作品では、私はなんと成人として働いていた。(汗)
そんな年代に、こんなことが起きているとは・・愕然とした。
さらに、差別撤廃のために立ち上がった主人公だけでなく、
それを応援しようとした、白人にまで火の粉が降りかかる。
非難覚悟で活動している自分は何されようと諦めているが、
「人に嫌われるのはいい、でも家族への脅迫は・・」
と訴えた白人女性の気持ちが心に刺さった。
現代でも変わらない、匿名での誹謗中傷や脅迫は、
自宅に爆弾を仕掛けたなどの家族まで巻き込んだ脅迫だったから、
その卑劣さが際立った。
最後に残った感想は、主人公に卑劣な態度をとった警察官たちは、
何も処分されないのだろうか・・という疑問。
弁護士が身体検査だと言われ、全裸にさせられたシーン、
理由もなく車を止めて降りろ、と銃口を向けたシーンなど、
この屈辱こそが、主人公の絶対に諦めない、という
執念に繋がった気がする。白人たちは自業自得だな。
こういうのを見る度に思う
世の中は狂ってるって。その証拠としてこういう話はいくつもある。
失礼ながら肌の色で括らせて頂くが、こういった不正義が日常茶飯事な黒人社会に深い哀れみの意を表明します。
責任はちっぽけな自尊心しかない怠惰で怠慢な警察、検察、判事、政治家にあり。
差別は今も尚・・・勝利に導くものは正義
実話に基づく映画が増えていく中でも、その良し悪しは別れますが、この映画は傑作だと思います。
とても感情移入のしやすい黒人側の視点で描かれていた物語で、ブライアンと言う人物の正義を心に決めた若き弁護士男性が、如何に残酷な社会や富裕層を中心とした弱者を差別する人間との闘いを、観るものに訴える力強さのある脚本と、心に響く演者のエネルギーを感じる内容でした。
ただ、邦題があまり魅力的ではないので劇場に観に行くのを躊躇ってしまう方は少なくなかったのでは?
とてもよかったのですが
久しぶりに、見ていて体が熱くなる素晴らしい映画でした。ちゃんと映画館で見ておけばよかった。。。一つだけ気になるのは、最初に聖歌隊のエピソードで出てきた黒人の青年、あれから出てきたかな。なんかモヤモヤ。
HOPE!
ブライアン スティーブンソンの若い時の自叙伝。トランプより有名な人かもしれないだろうと冗談を。貧しい人、少数民族の人たちが司法、監獄などで人権平等に扱われる活動(EJIEqual Justice Initiative)をつづけていて米国のヒーローである。ここに基本的人権尊重思想に一生をささげているブライアンのスピーチを載せておく。
Bryan Stevenson: ブライアン・スティーブンソン - TED Talks (コピへしてみて)
(TED 日本語)が、日本語字幕が彼の英語より早く出てしまうのでちょっと聞きにくいかもしれない。でも、ないよりいいと思う。かれの思想を広めるため一役かってくれているTed Talk 日本語に感謝する。
この本は2014年出版で 1988年のアラバマ州で死刑囚だったウォーター マックミランのケースを例にとって無実を証明した作品。アラバマ州の裁判所にこのケースを持っていったことにより、勝訴。ブライアンは米国で有名な弁護士で、多くの場所で彼の経験やこれからの司法のあり方についてを話して希望を与えている。EJIによって、百四十人の死刑人が救われていると。(何年から何年までの統計かわからないけど)それに、ブライアンの秘書の(?)エヴァ(EVA Ansley)の存在も大きい。ブライアンとマックミランは2013年に彼が死ぬまで、友達だったそうだ。これははエンドロールに。
ハーバーという死刑になった人が自分が電気椅子で死刑になる一日前、看守はなにかいるものがない?何が飲みたい?などと一日中聞いてくれると。でも、こんなことなんて監獄に入ってもなかったし、入る前も一度もなかった。べとナム戦争から帰ってきて、障害者になった時だって、3歳で母親が亡くなった時だって。。。。。。。ここに国や社会の問題点が隠れている。監獄に入るまえにこんなに声をかけられていたら、監獄に入らなかったんだよ。お互いに、困った人を助けると大袈裟に考えないで人に声をかけてあげることが必要。
この映画では検察側はだれかを犯人として捕まえることに趣をおき、人間の命一人一人が大切だということや、事実を証明する証拠集めを怠っている。それに、もちろん人種差別。黒人は何もしなくてもその存在だけで犯人にまつりあげられてしまう社会。
笑ってしまうのはモンロー郡は『アラバマ物語』
To Kill a Mockingbird | Atticus Finch's Closing Argument (コピペしてみて)
の発祥の地だから、ブライアンに数人の白人はこの美術館に行ってみたかと聞く。この意味は白人の被告弁護士フィンチが黒人の無罪の青年を死刑から救えなかった話だが。どういう意味でブライアンに聞いているかわからないが、『努力して人を助けようとしても水の泡?』『ブライアンがフィンチ(白人)と同じ弁護士だから?』『黒人が白人女性を殺したという似たケースだから?』『ただ、単に有名な本だから?』『このほかに誇れるものがないから?』などと勝手に解釈している。なぜ、ここで『アラバマ物語』を出したのか知りたいね。
映画の最後の方で『60 Minutes 』From the 60 Minutes archives: The true story behind “Just Mercy” コピペをしてみて!英語版
というテレビ番組に出て、アラバマ州に2審告訴してする模様が載っているが、これをみただけでも、冤罪マックミランが無実だということが証明されている。こういうようにマスコミに載せることにより、より無実が証明しやすく、一人の命を救うことができる?
ブライアンもマックミランもパトカーに捕まるシーンがあるが、気を付けてみるとわかるが、両方とも両手をハンドルの上側において手を開いている。手に何も持っていないと知らせてる。マックミランは車からでるよ、とかドアを開けるよとか言って警察に知らせてる。警察の前でベストをつくして、この場を無事におわらしたいという気持ちがあるが、黒人男性は警察の前でこういう行動をとることを親から教わると聞く。私はにはこの必要がないし娘にも教えなかった。全く差別、極まりない!!
構造的レイシズム、司法の不平等、監獄制度の改善の公正さをブライアンは訴えているが、私たち市民が一人一人することがあるはずだ。こういう影に隠れている社会の問題点を認識して、私たちに何ができるかをかんがえることだと思う。行動に移すことはもっと重要だが。
最後に黒い司法の意味だが、『黒い』というのはなんのため?
アメリカの人種差別はホロコーストレベルだ
数十年前の事実に基づく映画、盛らずに丁寧かつ詳細につくられている。
えん罪は多々あるけど、このケースは、アリバイ有り、動機なし、何の関連も無いのが明白なのに、白人と浮気しただけの黒人が、殺人犯にでっあげられ、死刑宣告され、それがいろんな支援で無罪を勝ち取る。
なんと、こんな最初から無罪と分かっている人を死刑にする場合が多い、アメリカは無法地帯か。
偽証させる人にも、何も無くても、死刑囚の独房に入れちゃうし、アメリカの警察や裁判所、検事、全ての組織が腐敗していて、白人のほとんどは鬼畜レベル。
現在も続いている。
この映画はみんな観る義務があると思う、アメリカの恐ろしさを知るべきだ、そう感じました。
白人より差別主義な邦題
折しも白人警官の黒人男性への暴行をきっかけに広まった暴動がロドニーキング事件規模に拡大している。
黒人の怒りはいかばかりかと想像してみるが、まわりに日本人しかいない日本人が想像してみても、立体に見えることはない。
が、このような映画を見ると、怒りがこみあげる。
おちついてかえりみると映画が冷静なことに気づく。
登場人物は熱いが、描写は泰然としている。
そつがない、のではなく理知。たんたんとしている、とも言えなくはないが、冷たくはない。
カメラのこっち側は、取り乱すことなく、いたずらに描写を煽らない。
いわば大人が撮った映画、の感じだが、その「大人」はわれわれの知りうる大人よりも、ずっと大人の感性を持っている──そんな映画だった。
ショートタームは、狭い組織内、短い期間内、少ない人物間、小さい事変のことを、フレッシュな躍動で描いてみせた。
ガラスの城もこの映画も「情感たっぷり」を、まったく使わずに描いて、観る者の胸に情感がたっぷり拡がる。
そんな芸当ができる監督が日本に・・・(以下割愛)
マイケルBジョーダンとジェイミーフォックスが出色だった。
監督にならって観衆として冷静にみるとシェリフと検事の憎まれ役が生きている。
ハリウッドには昔から黒人を虐める役を得意とするPoor Whiteの系譜がある。
ウィドマーク、パランス、スタイガー、ボーグナイン、ニコルソン・・・。憎々しいほどいい。事実上かれらが映画を盛り上げるからだ。黄金時代はドイツ将校顔と酷薄な面構えには大きな需要があった。
悪役でならすとその役者は躍進する。前述しかり。デフォー、ファスベンダー、ブリュール、ショーンビーン・・・。
あくまで冷静で煽ることはないが、監督は「敵」を周到に描いている。それがシェリフと検事の憎々しさにあらわれていた。そしてじっさい映画の主張を担っているわけである。
ときどき田園のロングがはさまる。それがきれいで、人界の汚濁をきわだてた。
ところで「黒い司法」ってナニ?
黒が悪だと言っているわけだよね。
腹黒、黒幕、暗黒、一般に黒が悪を意味することは知っています。
でも、なぜ、黒人が白人の司法に虐げられる映画のタイトルに「悪」を意味する「黒」を持ってくるのでしょうか。
この邦題を付けた人は映画を見ていないか、色覚異常です。観た人全員を、酩酊させて遠心機にかけたうえで、邦題を募集したとしても「黒い司法」などという、とちくるったタイトルは挙がりません。
真剣にリコール案件だと思います。
それでも闘い続ける
アメリカ公開は昨年末、日本公開は今年の2月。
今アメリカではコロナ感染と共に、白人警官による黒人青年暴行死、それに対しての抗議デモが全米過去最大級に拡大。
タイムリーな今に、レンタルリリース。
今回のアメリカ社会の問題もいずれ映画化されるだろうが、本作も実話に基づく作品。
ハーバード出の若き黒人人選弁護士ブライアンは、エリートの道を蹴って、アラバマ州へ。
あの『アラバマ物語』の舞台となった町だが、皮肉にも1980年代のアメリカ南部のそこは、人種差別の掃き溜め。
白人は勿論黒人からも白い目。エリートが何故こんな地に…?
冤罪の死刑囚、貧しい人々の支援を買って出る。
死刑囚監房で多くの死刑囚と面会する中、ある一人の死刑囚と出会う。
彼の名は、ウォルター・マクミリアン。通称、ジョニー・D。
18歳の白人少女を殺した罪で死刑。
…が、話を聞き、事件の概要を調べてみると、衝撃!
有罪となるにはあまりにも不確かな証拠。
デタラメな証言。
家族や知人によるアリバイもある。
逮捕され、裁判もナシにこの死刑監房へ…!
100%の冤罪。100%の人種差別。
この地では、白人は皆、黒人にこの囚人服を着せたがっている。
この地では、白人は皆、黒人を死刑にしたがっている。
見てたら怒りしか沸いて来なかった。
こんな差別が平然とあっていいのか!
これがあの『アラバマ物語』の舞台の現状か!
斬新な作品ではないものの、ド直球のストーリー、ド直球の裁判モノ!
冤罪を晴らし、人種差別と闘う主人公の不屈の精神。
何度も何度も何度も何度も無罪の訴えを無視され、諦めかけていたジョニー・Dも再び闘う決意をする。
当初はこの青臭い理想主義のハーバード出のお坊っちゃんを信じていなかったが、奔走する彼の姿に…。
ブライアンもまた、諦めないジョニー・Dの姿に…。
築かれる絆と、友情。
何故ブライアンはこんな苦闘に身を投じる…?
一見エリートのブライアンだが、生い立ちはこの地の黒人たちと同じ。
世界を変えたい。
人種差別という、敵。
エンディングの実録映像で、ある冤罪黒人死刑囚が白人から言われた「有罪者は顔で分かる」。
仰る通り。白人保安官、白人検事のムカつく顔と態度。
権力を使って、ことごとく妨害。
どっちが罪だ?
差別が蔓延るが、探せば中には、無実を証明出来る証拠や協力者も居る。
それは鬼に金棒レベル。いや、勝機のチャンスはほぼ確実と言って良かった。が…
阻まれ、打つ手ナシに追い込まれる。
そんな時、再び希望が…。
ピンチと逆転の連続。裁判モノはこの二転三転があってこそ!
本当に見せ場も醍醐味もたっぷり!
実力派たちの熱演…いや、“闘演”と言った方がいい。
一人一人に誠実に寄り添い、決して諦めず闘い続けるブライアン。マイケル・B・ジョーダンの真っ直ぐな姿。
言動一つ一つでジョニー・Dの境遇を体現。ジェイミー・フォックスのさすが見事な名演と存在感。
ブライアンの協力者エバを演じるブリー・ラーソンも劇中さながら好助演。
余談だが、ヒーロー映画出演経験ある3人(の内2人は敵役だったけど)。今作では現実社会の悪と闘う狙ったキャスティング…?
メイン以外の人物やエピソードも印象的。
ジョニー・Dの隣の房の老黒人死刑囚、ハーブ。ベトナム戦争のPTSDから我を失い爆弾を作ってしまい、それによって…。PTSDや犯した罪に苦しみ続け、ブライアンの尽力も及ばず、遂にその時が…。涙ナシには見られない!
デタラメな証言でジョニー・Dを死刑にした白人囚、マイヤーズ。トラウマや白人権力に脅迫され…。自分の保身が優先だったが、この男にも自責の念。前証言を撤回してくれるか、ジョニー・Dの命運が懸かる証言席へ…!
実話基なので結末は分かり切っているが、
憤りを感じ、ハラハラスリリング、そして熱いメッセージと感動。
約140分、喜怒哀楽を揺さぶられた。
期待以上の見応え!
死刑囚はそれほどの罪を犯したのだから、その罰を受けて然るべき。
しかし、中には…
真実をねじ曲げられ、不正や差別によって、不条理に死刑宣告を受けた人たちが今もたくさん居るだろう。執行された人たちも。
作品の舞台では、黒人がほとんど。
その怒り、悲しみ、無念…。
アメリカで奴隷制度が廃止されて100年以上。本作の時代から約40年。
にも拘らず、アメリカでは今も尚続く人種差別。
これはもう単なる問題ではない。アメリカの闇だ。アメリカの病気だ。
それを正さなければならないアメリカのトップが、人種差別主義の独裁者。デモを辞めなければ軍を出動させるなんて、それを裏付ける言動だろう。
いつか、そんな無念が晴らされる日は来るのだろうか…?
時に真実は歪曲され、理想だけではやって来ない。
希望を諦めず、闘い続ければ、その日はきっと…。
これは正しき者の闘いの物語!!心して見るべし!!
これは1988年に起こった殺人事件を元に事実に沿って作られた人間模様の物語。
差別や偏見と闘い、冤罪を勝ち取るまでの感動のストーリーでした。
今、黒人の差別や人権が叫ばれる中、興味をそそられる内容だったので、見ずにはいられなかった。
劇中には黒人の嘆きが大いに盛り込まれていて、見ているこっちまで気分は黒人に・・・・
見ていくにつれ、彼を連行し、裁きにかけた保安官がとっても憎くて堪らなくなった。
差別に抗い、真実を追求するブライアンの貪欲なまでの奉仕精神には本当に感服する。
彼らの自由への闘いは世間の注目を集めて、世論そのものを動かして、ついには無罪放免を勝ち取っていくその場面。
思わず涙が零れた。
これを見ていると正しき者には必ず救いの手が差し伸べられるのだと勇気が貰えそうな締め括りで本当に見てよかったと心から思った。
僕は人権派ではないけれど、本当に差別と偏見について、真剣に考えるべきなのだなとつくづく思った。
いろんな意味で考えさせられた2時間ちょっとだった。
囚人マイヤーズを演じた無名演者は助演男優賞だ!
ほぼ100%真実を映画にしたもので、演者も実在人物と似ていて、とてもリアルな映画だ。
撮影・演出・脚本すべて問題なく創られており、とても観やすかった。
脚本的には最後をもっと盛り上げてもよかったと思うが、簡潔にまとめた事で
本映画が「エンターテイメント映画ではなく、社会派映画である」という印象を与えたかったのであろう。
しかしこの映画は黒人問題を訴えている映画ではなく、冤罪事件をあつかった裁判映画である。
裁判映画なのに、製作者は差別問題に論点をすり替えた点は悪質だ。
映画の序盤では白人警官・検事たちの悪道ぶりを散々見せて
映画を鑑賞している者に”南部の悪状況”を刷り込み、
鑑賞者からの同情心と共感を得た上で、凶悪犯たちを偏った方向から見せているが
しょせん殺人者用刑務所に収監されている者はみなクズであり、同情の余地はない。
まして劇中に出てくる爆弾犯に至っては「心が病んでるから、たまたま殺人を起こしてしまった」のであって、「悪いのは社会環境である」というのは
罪人に対して、偏った擁護である。 死んだ子供も浮かばれない。
それがアメリカと日本の違いとは思えない。
映画の様に南部が非常に暮らしにくい場所なら、僕なら他の場所に移住します。
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