老ナルキソス(2017)

劇場公開日:2019年3月30日

老ナルキソス(2017)

解説・あらすじ

ゲイでマゾヒストの老人の姿を通して“老い”や“生と性”といった普遍的な悩みを描き、国内外の映画祭で評価された短編ラブストーリー。ゲイでナルシストの老絵本作家・山崎は、老いによって自分の姿が醜く衰えていくことに耐えられずにいた。そんなある日、美しい青年レオとのプレイ中に倒れた山崎は老いの苦しみを打ち明けるが、若いレオには響かない。自分より醜い相手とならばと、自傷的な行動に走る山崎だったが……。山崎役を「そこのみにて光輝く」の田村泰二郎、レオ役を「神さまの言うとおり」の高橋里央がそれぞれ演じる。監督は「喧嘩番長」シリーズの東海林毅。「偏愛ビジュアリスト 東海林毅ショートフィルム選」(2019年3月30日~4月5日、池袋シネマ・ロサ)の1作として上映。

2017年製作/21分/日本
劇場公開日:2019年3月30日

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映画レビュー

4.0 題材と奥深さは視聴者への挑戦?

2025年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ショート作品は限られたシーンの表現を取捨選択する難しさがある。
つまり視聴者はどれだけ汲み取ることができるかということになる。
そしてこの作品
物語そのものを汲み取ることは簡単だったが、主人公ヤマザキの心理を推し量るのはなかなか難しい。
昔の彼は「それ」で良かったようだ。
老いたことで痛みが快楽としてでなくなり、痛みのままになってしまっていることが彼にとっては堪えられないことなのだろう。
若く美しい若者とプレイしても得られなくなってしまった快楽を、通りすがりのホームレスに依頼した。
寒い時期のビルの屋上
腕を縛られて殴られ蹴られ、「変態」と罵られて財布を奪われた。
彼自身が求め続けたものから受け取ることになった代償
絵本作家の性的マイノリティであり、マゾヒズム
絵本にあるのは自身を象ったミノムシ 孤独
そんな彼は、自身をナルシソスに例えている。
ここがこの作品の謎であり面白さなのだろう。
ナルキソスはギリシャ神話に登場する美青年で、自分の姿に恋をしてしまい、最終的には水面に映る自分に見惚れて命を落としす。
ヤマザキもまた、かつては自らの美しさに誇りを持ち、他者との関係よりも自己の美と創造性に執着して生きてきた人物
ただし、その絵本で表現しているように、実際には孤独と寂しさがあったと思われる。
自分自身を表現したいと思うのが人間だ。
そのためにあらゆるジャンルが存在する。
ヤマザキは、そんな自分自身が好きだった。
しかし今、同じ気持ちになれなくなってしまった。
レオのおかげで少し希望を取り戻したのだろうか。
最後にレオのお尻を見て武器で叩くしぐさをしたのは、自分の中に感じたサディズムだった。
この新しい自分の発見こそ、この作品が伝えたかったことなのかもしれない。

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R41

1.5 古希

2019年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

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いぱねま