ゴーストランドの惨劇

劇場公開日:

ゴーストランドの惨劇

解説

「マーターズ」の鬼才パスカル・ロジェが6年ぶりにメガホンをとり、絶望的な惨劇に巻き込まれた姉妹の運命を、全編に伏線と罠を張り巡らせながら描いたホラー。人里離れた叔母の家を相続し、そこへ移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。奔放で現代的な姉ベラとラブクラフトを崇拝する内向的な妹ベスは、双子でありながら正反対の性格だった。新居へ越してきた日の夜、2人の暴漢が家に押し入ってくる。母は娘たちを守るため必死に反撃し、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにしてしまう。事件から16年後、ベスは小説家として成功したが、ベラは精神を病んで現在もあの家で母と暮らしていた。久々に実家に帰って来たベスに対し、地下室に閉じこもるベラは衝撃の言葉をつぶやく。出演はテレビドラマ「ティーン・ウルフ」のクリスタル・リード、「ブリムストーン」のエミリア・ジョーンズ。

2018年製作/91分/R15+/フランス・カナダ合作
原題:Incident in a Ghostland
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2019年8月9日

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(C)2017 - 5656 FILMS - INCIDENT PRODUCTIONS - MARS FILMS - LOGICAL PICTURES

映画レビュー

4.0仕掛けは巧いが、鬼畜度は「マーターズ」が上

2019年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

パスカル・ロジェ監督の前々作「マーターズ」を観た時の衝撃は忘れられない。苦痛が極限を超えて聖性を帯びる展開に唖然とし、道徳や良識に縛らない突き抜けた強烈な表現に“映画の自由さ”を感じたものだ。ただしその次の「トールマン」は暴力描写ではなく意外な真実で驚かせるストーリーテリングに長けたサスペンスだった。今作は再びバイオレンスホラーに戻ったが、鬼畜度は抑えめになり、劇中の“真実”と“虚構”を巧みにコントロールする仕掛けであっと言わせる。終わらない悪夢を観客も追体験することになるだろう。仕掛けを知った後で、散りばめられた伏線を答え合わせ的に観直したくなるタイプの作品でもある。

10代のベスに扮したエミリア・ジョーンズの熱演は特筆に値する。ベスの振れ幅の大きな感情をリアルに表現した彼女の魅力が、作品の出来に大きく貢献した。現在17歳、さらなる活躍が楽しみな女優だ。

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高森 郁哉

5.0読み終わっても全てが曖昧な小説(考察癖じゃ勝てないって)

2024年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

幸せ

長目です。すみませんが。

これ未だにどこからどこまでが現実と妄想と小説で
果たしてその現実部の時系列は正常に並んでるのか、
おばさんの家とお母さんの存在という夢幻の世界を軸に
全くの妄想なりそれに絡む悪夢なりを次々思索する
ちょっと異常な小説家を描いた映画なのか、
メタ映画、メタ悪夢、メタマトリョーシカが
楽しめるような曖昧加減の筈が、無粋な製作の手に掛かり
初心者向けにされちゃったんじゃないかなあ、と感じます。
『ちょっとこれじゃ訳判んねーじゃん』と頭悪い製作から
言われてなかったら、もっとぐちゃぐちゃにゅるにゅるに、
パスカル・ロジェなら、彼の監督履歴からのこの映画の
タイミングと、何故敢えてこのジャンルで来たか、とか
考えるともっともーっとブッとばしてた感じだったかも!
余計なびっくりどっきり驚いたカットも
製作の口出し故挿入せざるを得なかったのかも!
最近の人はホラーって急にワッと言って驚かせて
ナンボだと思ってる人多いらしいけどさあ!
絶対そんなびっくりどっきりカット要らないからさあ!
コントじゃないんだからさあ!
そういう人達こそ廃れつつあるお化け屋敷を
守れよ!映画なんか百年早いわ!
あああ、製作が口出す前の純度濃度鮮度激々々々高い
夢のようなパスカル・ロジェのホラーを観て確かめたい!
怖い夢と美し過ぎる妄想と大人が書いて売れた小説と
少女の書いた夢のような小説とをもっとシェイクして
落差が美しく激しい!と悩んじゃって、
正解は観た人の数だけ存在する的な、
そんなんだったかも。
という、期待値過大気味な人一人の採点です。

だってあのタイミングで警官が来て、
来た理由を説明補間して(しかも理由がゆるゆる!)、
更に変態が実は銃所持者でーって妄想展開甚だしく無いか?
ラブクラフト登場に結晶するなんて何だか臭って来ないか?

まあまあ、それでも残ってるシーン、
夢か現か判らないが何処かモヤモヤしながらも
母娘で呑んでコッテリ語らうシーンとその後の不穏な
シーケンスがコッテリコッテリしてて凄い。
更に主人公目線が続く、その直後の不穏な(濃厚な?)
スローを見せられているのかと思う程の長回しや
悪党両名出てないカットの方がチカラ入ってる感じの
周りの不穏な(美味な?)お人形さんのセリフ多めで
生きてる人間よりよっぽど大活躍なシーンや。
観てる我々に挑んでないか?てくらいの不穏な(刺激的な?)
カット盛りだくさんで(ただのオッサンの感想です)
来てます。
剛力ジャイアンの美少女の足一本釣りからの
直後お姫様抱っこでベスの首が反るシーンからの一連の
恐怖の抱擁タイム、果ては“だるまさんがころんだ”までが
まるで濃厚なラブシーンだったような。
あそこはエクソシスト並の「美しい映画」だったと思う。
毎日こんな事ばっか考えてんだろうなあやはり。
以前マーターズについて、
「エクソシストと並び評されるべき」と書いたが、
こちらは「悪魔のいけにえと並び評されるべき」か。
マジ怖えよ。
にしてもやはり、
ディレクターズカット、というかセルフリメイクを待つ!
アート増しで頼む!それまで死ねない!
勿論エミリー・ジョーンズ起用で!
「マザー」、「マーターズ」、「トールマン」の
超斜め上を飛ぶ、ブッ壊れ方の完成された映画を望む!

やっばりパスカル・ロジェって男は
答えの出ない問いしかブツケて来ないから。
それらを飲み込んだ上での結果や立場や感情や
各々の葛藤や後悔や。
つくづく無責任なイイオトコっているじゃん?

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equinox

4.5セットのこだわりが凄い

2024年5月29日
iPhoneアプリから投稿

ラストに分かるドンデン返しで悲しくなりますね! この監督らしい意地の悪いオチでめちゃくちゃ面白かったです!
 しかし一筋縄ではいかない変化球ホラーを作るのは流石って思います。

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お主ナトゥはご存じか2世

4.0絶望的な恐怖に姉妹の運命は!

2023年9月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

鑑賞し終わっての率直な感想…
うぅ。。。疲れた~
でした。

映画を観ていて冒頭からラストまでずっと緊張感が絶えませんでした。手に汗握り思わずぎゅって何かをつかみたくなってしまう映画と言うのはまさしくこういう映画でしょう。この先何が起こるのかが全く想像がつかないので不安感が絶えないのです。

内容がものすごく濃く、展開もめまぐるしく変わるのですが、それでもって約90分という短い時間で描き切っているところも素晴らしい所です。

小道具の使い方も本当に上手いと感じますね。不気味な人形や古びた家の雰囲気(家の構造すらも不気味)、映画で何度も出てきたタイプライター等。怖いと思わせる雰囲気を格段に上げてくれるには十分すぎました。ホラーはやっぱり小道具も大事なんですね。

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だいふく