フォードvsフェラーリのレビュー・感想・評価
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WASP vs ヒルビリー
「これぞハリウッド映画!」と叫びたくなるような気持ちの良いハッピーエンドかと思いきや、存外そうでもなかった…。
なので、最後の『殿堂入り〜云々』という文言で溜飲を下げておくんなましというところか。
ストーリーとしては、作品タイトルにある対立構造が大枠としてある中で、更にフォード社内でも副社長(経営陣)vs 主役の二人(シェルビー&マイルズ)の間で絶えず綱引き。
この社内綱引きに関しては、即ち『WASP vs ヒルビリー』という昔から存在する映画的文法にしてテッパンの構造。
特に油断ならない副社長は、以前某TVドラマで見たキャッチーなセリフ『敵は味方のふりをする』がバチコーンとハマる憎まれ役。他人の手柄を自分の手柄に書き換える、ある種の才能の持ち主ですね…。
いやしかし、いかにも傲慢なWASPがデカい顔して首突っ込んでくるからこそ、夢を追うことに真っ直ぐな主人公たちが生き生きと映るのです。
それと、個人的に印象に残ったのは、マイルズの奥さんが、自身が運転する車の中でマイルズを怒るシーンでした。
『私が、夢を追うアナタの応援をしないと本気で思ったの!?』とでも言いたげな激しい勢いで、取り繕うように嘘でごまかそうとしたマイルズに向かって怒りを放つ姿に絆の強さを感じてジーン。
どうすれば、そんな強い絆が作れるのだろう。欲を言えば、その辺りもぜひ描いて欲しかった。
とはいえ、レースシーンは見応えあり、クルマ好きなら楽しめること間違いなし!
そうでない人もきっと楽しめる作品に仕上がっているかと。
私はクルマ好きなので、最後までしっかり楽しませてもらいました!
死ぬかもしれないスリルの中で、
首のしまるようなスピードを体感できるぞ!
2020年 5本目 ★★★★ 「やりたい事をやるだけさ。だから上手くいくんだよ」
レースシーンの本物感と男の友情を軸にしたドラマの妙
今回、早期から何度も予告編を観て久々の本格的なレース絡みの映画として期待しての鑑賞だったので、気合いを入れて最大級画面のグランドサンシャインを選んで公開週末に早速足を運んだ。
その昔、今や伝説となってしまった劇場「テアトル東京」のシネラマ・スクリーンで『グランプリ』を観た。
それから暫くしてマックィーンの『栄光のルマン』も劇場で、パチーノの『ボビー・デアフィールド』も旧丸の内ピカデリーで観て、残念ながらニューマンの『レーサー』だけはテレビ放映時だった。
今回の作品も、それらに負けず劣らず、期待を裏切られる事は無かった。
レースシーンの撮影には特に、前述の『グランプリ』と『栄光のルマン』のカメラワークや画角等が参考にされたとの事。
それがレースの臨場感や迫力に大いに貢献している事がわかる気がした。
それに、『栄光のルマン』の時代から、すっかり変わってしまっていてそのままでは使えないル・マンのコースを撮影用にほぼ完全再現して敢行されたという拘りに感動というか脱帽というか.....
出演陣も皆良い感じで好感を持てたのは勿論だが、なんと言ってもクリスチャン・ベールの素晴らしさに打たれた。
レース・シーンの本物感と、このクリスチャン・ベールとマット・デイモンの二人の男の友情を軸にしたドラマ部分の良さが(感動が)絶妙なバランスで描かれており、それがこの映画を一段上の作品にしていると思った。
今回のアカデミー賞の主演男優賞ノミネートを見て、なぜクリスチャン・ベールが入っていなかったのか?、それがとても不思議に思えてなりませんね。
文句なしの星五つ
ただただかっこいい!
フォードが何かとかル・マンが何かを全く知らずに鑑賞しましたがめちゃくちゃ良かったです!
とにかく車が走ってるシーンがかっこいい。
その他にも組織の中で戦うことの難しさ、男の友情や家族との関係、会社の看板を背負ってレースに出るということ…など見どころ満載です。
そして最後はしんみり。
マット・デイモン、サングラスかけてガム噛みながらレースを観ているだけでなんであんなに素敵なんでしょ!?
クリスチャン・ベイルはこれアカデミー賞ノミネートなしなのが不思議なくらい。
この2人もほんとかっこよくていいんですよ。
もう本当に全編かっこいい映画なのでおすすめです!
ただただ楽しい!
思わず拳を握りしめる熱き男達の闘い
現場VS副社長
久しぶりに興奮と感動の素晴らしい作品を観ました。153分という時間もあっという間の面白さです。主には主役の2人キャロル・シェルビー(マット・デイモン)と元レーサーで自動車整備工を営みつつ再起を図るケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)を中心としたレース大好き現場の人達と自分の出世第一で嫌なヤツ代表のフォード社の悪代官レオ・ビープ副社長の嫌がらせと闘うお話です。フォード社の良い人代表のリー・アイアコッカ役をウォーキング・デッドのショーン役でお馴染みのジョン・バーンサルが演じてましたね。余談ですがアイアコッカといえば私も当時読んでましたが彼の著作「アイアコッカ―わが闘魂の経営」は大ベストセラーとなりましたが、フォード社の元社長であり、その後クライスラー社の会長も務め自動車殿堂入りもして「アメリカ産業界の英雄」とまで称されるようになり、大統領選出馬の話まであった人です。世界で最も美しくセクシーなスポーツカーを作り続けるフェラーリ社のエンツォ・フェラーリと醜い車を大量生産する自動車会社とまで言われたフォードとの確執も面白いです。マット・デイモンとクリスチャン・ベールが主演をしていて面白くない訳が無い!この2人、お互い役を交換しても素晴らしい作品になりそうです。
今、熱くなれるものが君たちにあるかい?
アカデミー編集賞、音響編集賞の2部門受賞も納得の迫力。
第92回アカデミー授賞式終了後のレビューです。
本作は編集賞、音響編集賞の2部門を受賞しました。
実際の車両を使って撮影したレース、クラッシュシーンの迫力をスクリーンで体感すれば、この2部門の受賞には納得の一言です。同じく迫力ある映像と音響を特色とする『1917』と競り、『1917』は録音賞(と撮影賞、視覚効果賞)を受賞しています。これは恐らく、『1917』が撮影時の音の取り込みが重視された一方で、本作は現場の音に、当時の車両のエンジン音を取り入れるといった加工の見事さが受賞に繋がったのだろうと想像します。
それにしても当時のレースドライバーは、現在ほど頭部の保護力が十分ではないヘルメット(フルフェイスですらない)のみで身を守り、パワーステアリングもないのに時速200キロメートルを超える速度でレースを展開していたとは。しかもシートベルトも締めないドライバーまでいたとか…(当時はその方が火災事故の際の生存率が高まると考えられていた)。にわかには信じがたいですが、当時のレースの死傷率が現在と比較して極めて高かったことを考えると納得です。
主役のシェルビーとマイルズの関係性の描写が実際とはやや異なるとか、車両開発に携わっていたフォード社の多くのエンジニアに脚光が当たっていないとか、映画として脚色する上での齟齬を指摘する声もありますが、これはレースを通じた二人の男の人間ドラマとして作る上で仕方のない部分でもありますし、全体的な完成度を損なう程ではありませんでした。
本作は間違いなく、劇場の大スクリーンで観るべき映画でしょう。ただ4DXは死ぬかも笑
スピード感 良し!
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