劇場公開日 2020年1月10日

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フォードvsフェラーリのレビュー・感想・評価

全541件中、21~40件目を表示

3.0レース映画としては地味だが俳優陣の演技がすばらしい。

2024年7月15日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

知的

1966年のル・マン24時間レースがメイン。
フォードVSフェラーリというタイトルであり、実際にフェラーリとの対決は描かれるが、むしろメインはフォード側の内幕になっている。

大企業のフォードは衰退の危機感から、さらなる発展を目指していた。そこで、ル・マン24時間レースを連覇していたフェラーリを買収しようとする。しかし、交渉は決裂、フェラーリの社長から侮辱的な言葉を投げかけられて、フォードの社長は自社でル・マン24時間レースの優勝を目指す。
雇われたのが、ル・マンで唯一優勝経験のあるアメリカ人ドライバー、キャロル・シェルビーと、イギリス人レーサーのケン・マイケルズだった。シェルビーはレーサーからは退いており、凄腕レーサーのケンをサポートしていた。このふたりがフォードを優勝に導くために頑張るのだが、大企業内部のパワーバランスや駆け引きがあり、シンプルに優勝を目指して突っ走る、というわけにはいかない。

レースシーンは多い。かっこよく撮れてはいるが、それが売りになるほどのものすごいショットはない。むしろマット・デイモンとクリスチャン・ベールの絶妙な演技が最大の売りだろう。大企業に雇われながらも互いの信頼関係をはぐくんでいく男たちの姿だ。

本作の制作が発表された2018年は、アメリカ経済の成長がやや鈍化してきた頃。
フォード社長同様、これからの発展に危機感を覚えていた企業も多かったのではないか。
そして、成功した大企業が新しいことをはじめようとすると、さまざまな障害が発生する。その中の一つが、組織が肥大化したことによるフットワークの鈍さではないか。
本作が描きたかったのは、そういう状況で必要なもの、大切にすべきものはなんなのか、ということだったと思う。

本作は、製作費154億円、興行収入326億円。
映画の内容としては地味な印象だが、かなりのヒットとなった。
レース映画なのだから、もっと派手なショットが見たかったというのはあるが、演技達者な俳優陣のおかげで安心して観られる映画ではあった。

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あふろざむらい

3.5テレビ画面でも感じれる没入感

2024年6月24日
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泣ける

楽しい

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吠えない狼

4.5素晴らしい

2024年6月16日
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笑える

悲しい

興奮

勝手なイメージでもっと硬い作品を想像していたが、ユーモアもありストーリーにも引き込まれた。サラリーマン的悪役も立場的に仕方ないよなと若干同情。ラストは少し悲しいが、実話とのことで納得。良き映画でした。

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hal

4.07000回転の世界

2024年6月13日
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マットデイモン扮する元レーサーの カーデザイナーキャロルシェルビーは心臓が弱ってレーサーを降りた。キャロルシェルビーはポルシェチームにクリスチャンベール扮するケンマイルズがドライバーとしての能力を聞かれた。

フォードはフェラーリ提携に失敗しコケにされたのでレースに参戦するようになった。キャロルシェルビーはフェラーリを負かせ勝利をもたらす男としてフォードと組んだ。

7000回転の世界。マットデイモンがいいね。自信満々で貫禄があったね。

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重

3.57000rpmの世界に興奮マックス!

2024年6月12日
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個人的には推し推しキャストではないのだが、アカデミー賞2部門受賞ということで鑑賞。
さすがはアカデミー賞2部門受賞作品、観終えて世間の評判通りであることに納得。車にあまり興味がなくてもじゅうぶん熱くなれる作品だし、車好きなら当然興奮マックス間違いなし。7000rpmでフェラーリを一気に抜き去る姿はまさに圧巻で、トリハダ全開。
本作はメカによる熱さだけでなくヒューマンドラマ的要素もしっかりあるあたりが広いファン層にうけたのだろう。
個人的には本作は少々焦点が拡散している印象を受けたので評価星4つ未満としたが、クリスチャン・ベール推しにはたまらない逸品だと思うし、各サイトで高評価なのもじゅうぶんうなずける。

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いけい

3.5車に興味はないけれど

2024年6月12日
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悲しい

怖い

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七味唐辛子

4.0熱き男たち

2024年6月9日
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泣ける

怖い

興奮

好きな車の開発と
ル.マンの優勝を架けた
男たちの熱き想いのドラマ
危険を伴う二十四時間耐久レース
フォードの売り手の策略に
怒りを覚えながらも優勝に導いた
…喜び
二人の友情に乾杯。

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しろくろぱんだ

4.5アクション映画としての資本主義構造映画

2024年6月8日
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基本的には次から次へとハイスピードアクションの興奮と回転数が上がって悲鳴の様な音が続く最高の娯楽作品でありながら、我々が生きている企業化する社会の嫌なところをまざまざと見せつけられる、というなんつーバランスなんだ!と驚かされる映画でした。
企業化する社会の重荷を一身で背負うマッド・デーモンは、別の作品でもアメリカの闇を1人で抱え込んでいましたが、今作も素晴らしい背負いっぷりでした。
娯楽作品でありながら、資本主義の呪縛からの脱走を描ききっていて、なるほどこれは名作だと納得です。
画面の中の表情を切り取るときの照明の明るさがスピルバーグを連想させるマンゴールドの画もとても良かったです。

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あした

3.07000回転の世界へようこそ

2024年4月2日
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今から60年くらい前のお話
すげえ奴らがいたんだ
素晴らしいコンビだった

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千恵蔵

5.0痛快、最高です。

2024年3月31日
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興奮

劇場で見逃してたのがNetflixで観れるようになったので、観ました。最高でした。
これ、劇場で観たかったー。

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Tak

2.5車の運転

Kさん
2024年3月24日
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K

5.0強烈に面白い!

2024年3月21日
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泣ける

興奮

幸せ

Netflixの新着で表示されたので、何の気もなしに視聴。

・・・強烈に面白い!

クリスチャン・ベールはもちろん本物の俳優で、この映画でもまた新しい顔を、本物の顔を見せる。魅せる。
マット・デイモンも、カトリーナ・バルフも、ジョシュ・ルーカスも良い俳優だ。

十分ではないと自分を振り返る男への妻の愛・・
心が震えだす。
無茶なスピードを出して感情を吐露する愛。
泣いてしまう。
夫婦の愛に視聴者も包まれつつ、最高の素晴らしい場面を何度も見せられる!
子供に語る父親の瞳に、意図せぬ光か?偶然の映り込みだと思うけど、それを残した演出か・・・
もし意図的なら、恐ろしいほどの勇気と才気のある監督だ。
フォード二世の涙。緊迫の場面でのあの看板。
レーサー同士の目線で闘う緊張感!
泥臭さ(油臭さ?!)や気迫。
家族愛。

レース業界の表裏を知ったような気持ちになる。(実際はどうあれ・・)
事故はあるし、企業広告というビジネスでもある。

筆舌に尽くしがたい感動というのはこういうことだ。

シェルビーの涙が、エキゾースト・ノイズに沈んでいく・・・

素敵な映画。
「映画」を、「映画」を見たい気持ちなら、これを見てください。

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鷹さん

3.5車好きなら、1℃は体温が上がるはず。

2024年3月17日
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アメリカが熱を帯びた1960年代の空気を感じられる。
エンジンを始動した時の車種特有の旋律や高回転域での高音域を抑えられた野太いサウンド、タイヤの摩擦音。これにカメラのアングルがあわさり、とにかく上がる。ラストのルマンのシーンはまだもう少し観れる。
ケン&シェルビーのパートナーシップを前にして、ポンコツ首脳陣の描かれ方は脚色もあるだろうが、現代にも通じるものを感じた。

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そろそろだな。

3.5純粋な思いと企業。。

2024年3月17日
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相容れぬものなのか。
too pureなところが映画的でありマット・デイモン繋がりかNIKEに通じるところがあって。

本当に手に汗握りながらむていた。
初めてF1を見たが、裏の背景とかに思いを馳せながら魅入っていたので面白かった。
死と隣り合わせというか、あんなスピードで視野の悪い雨の中走行とか、ハンドルを一瞬振り間違えただけの恐怖とか、本当に普通の人には無理だなと。
凄まじい動体視力が必要だし、心も身体も強くないと。

クリスチャンベールのギークぶりや、飄々な姿が良かった。

兎にも角にも主演の二人が素晴らしかった。
1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。

ケン・マイルズに感動。

始まりは社長のフォード2世の人間らしさから始まっていて、相容れないだけではないのかなと思った。

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emp

4.0人間ドラマが楽しめる

2024年3月17日
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楽しい

興奮

マット・デイモンとクリスチャン・ベール共演で楽しめない訳がない。
ただ、他のキャストは知らない人ばかりだった。
フォード社長役はそれっぽくて良かった。
いい決断をしても報われるわけではないが、切り替えの速さも大事と教えてくれる映画。

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ねこ

3.0普通

2024年1月22日
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クリスチャン ベールが誰かわからなかった。ジローラモかとおもった。マット・デイモンは非イケメン俳優の代表格だとおもうんですが、なんかいい感じに老けてきて普通程度の見た目になってる感じがする。

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関学にチー牛はおらんのんじゃ

4.0すごく良かった。

2024年1月17日
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興奮

レビューが消されてました。
概要省略。鑑賞日、劇場名不明。

すごく良かった。これだけにします。

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りあの

5.0痺れる名作

2023年10月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

ル・マン24時間耐久レースで、フォードを勝たせた2人の男の話です。
2人の男の名前は元レーサーのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)
そして45歳の現役レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)。
終始ワクワクしっぱっなしで、非常に観ていても熱がこもる。
車の爆音とタイヤが焦げる匂い、そして男のロマン。
1960年代、「ル・マン24時間レース」で4連覇を誇る
フェラーリ(イタリア)
フェラーリに挑戦してル・マンで優勝して、アメ車のクオリティと実力を
世界に見せつけたいフォードのオーナー、ヘンリー・フォード2世
(トレイシー・レッツ)。
優勝請負人として選ばれたのがアメリカでただ1人、ル・マンの
優勝レーサーであるキャロル・シェルビーだった。
シェルビーは心臓病で現役を引退している。

フォードの参戦一年目は惨敗。
翌年1966年のシーズン。
偏屈で嫌われ者・・・フォードのイメージに合わないと呼ばれる
ケン・マイルズをシェルビーはル・マンで勝てる男は狂犬ブルドッグの
ケンしか居ないとフォード2世を説得する。
金で両頬を叩く嫌味なオーナーのフォード2世。
シェルビーもケンも嫌っている。
フェラーリの会長もヨーロッパ全土の人々と車関係者だって同じ。
しかし目的はひとつ。
「ル・マンに勝ちたい、頂点を極めたい!!」
限界に挑む車と男たちの世界だ。
限界に挑む男・ケン・マイルズ。
直線道路を時速320キロ以上で走り抜く勇気。
24時間16・46キロメートルを走り抜く車の耐久力。
ル・マンのコースの3分の2は一般道でデコボコの山道でカーブには
フェンスもハンクもないのだ。
殆ど一睡もしないで夜間も走る。
1966年のこのレースは夜間、土砂降りに見舞われた。
ガスと雨飛沫で何も見えない。
勘と集中力と気力だけが頼りだ。メカがシリンダー一個故障しても
一巻の終わり。
クラッシュして火を吹く車。
コースアウトして脱落する車。
文字通りの『24時間耐久レース』
クリスチャン・ベイルは前作『バイス』から33キロ減量して偏屈な
イギリス人を入魂の熱演。
どこか間抜けな男で私は笑い泣きしてしまった。
ラストでフォードの狡猾な提案を結局は呑んでしまうお人好し。

フォード2世役のトレーシー・レッツはこの映画にある意味で
貢献した。
シェルビーに無理やりレーシングカーに乗せられ、あまりのスピードに
半泣きで肝を冷やす演技で笑わせた。

ル・マン24時間耐久レース、1923年から戦争中の中断を含み
100年の歴史を誇る今に続くレースだ。
男たちの意地と勇気。
そして車会社の血の滲む努力と駆け引きが様々なドラマを生んできた。
悲劇の主役なのにどこか飄々と演じたクリスチャン・ベイル。
常識人でもあり大人で優しい男シェルビー。
マット・デイモンの円熟した演技に惹きつけられた。
本当に大好きな映画だ。

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琥珀糖

4.0もういいか? アイスが溶ける

2023年9月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

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カズユキ

4.0満足の出来。4DXで見たい

2023年8月20日
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鑑賞方法:映画館

まずは久々に大興奮できるカーアクションだったと言っておきたい。後々、いろいろと小言めいたことを書いたとしても、すべては愛情の裏返しと受け取っていただきたい。とにかく大満足の出来栄えで、生まれて初めて、4DXで見たいと思ってしまった。これまでさんざん4DXのことをこき下ろしてきただけに、自分の手のひら返しに恥じ入るばかりだが、この映像にはぴったりはまると思う。

ここでは4DXの欠点については触れない。

最近のカーアクションはCGを多用した、あり得ないシチュエーションを写実的に映像化したものか、大掛かりな段取りを踏んでサーカスのような動きを実現したものに二極化されると思う。それぞれに良さがあり、映画の華、大画面で見るにふさわしい演出の一つだろう。

しかしこの映画ではむしろ逆行しているというか、退行しているというか、見せ方としては非常にオーソドックス。目新しさがないのに、これほどの迫力で車が走り回る映像は見たことがないし、もちろんモータースポーツのライブ実況中継でもお目にかかれない。それは、俳優の演技と、映像、車の挙動、美しさ、編集、音響、そして音楽までが見事に練り上げられ、総合芸術として最高のレベルを実現しているからなのだろう。その時点で、大きなアドバンテージ。映画の成功に非常に貢献している。

次に歴史上の事実に則って描いてある、おとぎ話としての側面。これが実に素晴らしい。アメリカの自動車産業が、華々しい躍進を遂げていった20世紀中盤、デトロイトの街並みを彩った自動車たちが、生き生きと走りまわる様子はいい意味でも悪い意味でも、アメリカを象徴する歴史の一コマだ。そして、今日それほど変わっていないようにも見える。走っている車が変わっただけで、自動車が町をデザインし、人々の生活を形作ったことを雄弁に映像で語っているのだ。

映画業界のトレンドである多様性、LGBTQなんて言葉はみじんも感じさせないキャスティングとストーリーは、特定の白人向けに作られた忖度なしの映画で、かつて私のあこがれたアメリカが確実にここにある。つまり、町の骨格はこの時代に形作られ、発展していったが、そこに異物が入り込み、ウィルスのようにクニを蝕んでいった結果、今のアメリカになったのだということを深く考えさせられる。

もちろん、その多様性と、包容力、寛容の姿勢こそがアメリカの強みであり、分断や拒絶、階級社会の生み出す弊害は映画でも散々見せられてきた。そこに問題意識は持っているし、『スリービルボード』『グリーンブック』『ゲットアウト』などの映画が評価されるのは、日常において相互理解を難しくさせる壁を描き出し、それに風穴を開けるドラマが人々の心を打つ証拠に他ならない。

にも拘わらず、だ。

ここまで振り切って白人社会バンザイ!自動車産業よ再び輝き出せ!アメリカが強かった時代を思い出せ!なんて謳っている映画に本当に久々にお目に掛かれた。日本ではちょうど成人の日に重ねるように公開されただけに、むしろ今の若い人たちにこの映画がどんなふうに映るのか感想を聞いてみたい気もする。アメリカに依存し、自動車で越えていった日本は、もうかつての隆盛を失いつつある。

あえて注文を付けるなら、マット・デイモンはもう少し老け込んでこの役に挑んで欲しかった。ちょっと中途半端に若い無謀な自信家にしか見えない。いや、もうそんな時代に突入し、私の認識だけが古い価値観にとらわれているだけなのかもしれない。マットもいつまでも若手じゃないってことか。

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うそつきカモメ