THE UPSIDE 最強のふたり

劇場公開日:2019年12月20日

THE UPSIDE 最強のふたり

解説・あらすじ

日本でも大ヒットを記録したフランス映画「最強のふたり」のハリウッドリメイク版。スラム街出身で職もなく、妻子にも見放されたデルは、全身麻痺で車椅子生活を送る大富豪フィリップの介護人として働くことになる。秘書のイヴォンヌをはじめフィリップの周囲の人々は、キャリアも教養もなく、お調子者のデルを雇うことに否定的だったが、周囲の反対をよそに、フィリップとデルは互いにひとりの人間として接し、充実した日々を送る。しかし、フィリップは誰にも言えない秘密を抱えており、ある日、ふたりの友情を揺るがす出来事が起こる。主人公デルを「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」のケビン・ハート、フィリップを「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のブライアン・クランストンが演じたほか、秘書イヴォンヌ役でニコール・キッドマンが共演。監督は「それぞれの空に」「ダイバージェント」のニール・バーガー。Amazon Prime Videoでは「人生の動かし方」のタイトルで配信。

2019年製作/125分/G/アメリカ
原題または英題:The Upside
配給:ショウゲート
劇場公開日:2019年12月20日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9

(C)2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.

映画レビュー

3.5 文化の翻訳可能性と不可能性

2019年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

元の仏映画「最強のふたり」の原題はIntouchables。仏語で「触れ合わない、触れられない」の意味だそう。全身麻痺で外の世界との接触をほぼ断っている富豪フィリップと、底辺のアフリカ系移民で疎外された存在のドリス。そんな二人が出会い、壁を乗り越えて心が触れ合う関係になるという反転が面白さと感動の核になっていた。

リメイク版の「The Upside」はどうか。介護人役のケヴィン・ハートは、成功した黒人コメディアンというパブリックイメージがあり、触れられない、疎外された存在からは離れてしまった印象だ。米仏の社会における黒人の立ち位置の違いがあり、単純に置き換えただけではニュアンスが変わってしまう。仏映画で米国の黒人バンドであるEW&Fの曲が流れて踊るという文化的ギャップで楽しめる要素も、やはり翻訳しづらい要素だっただろう。

丁寧なリメイクだが、魅力の核があいまいになったように感じた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
高森郁哉

3.0 2人の間に芽生えるケミストリーは。。。

2019年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

最近のフランス映画で興行的に最も成功した作品を、果たして、ハリウッドがどう作り直したか?全身麻痺の富豪と、介護人に選ばれた貧しいけれど、型破りな青年の間に育まれる友情は、舞台をパリからニューヨークへ、介護人役をオマール・シーからケビン・ハートに変えたことで、移民問題という世知辛さはほぼ消滅。また、秘書役に大女優ニコール・キッドマンを迎えたことで、後半の展開が大きく変わった。しかし、つくづく実話の力は大きいと思う。ともすると出来過ぎにも思える感動物語が、国籍が変わっても観客の心を繋ぎ止めるのは、友情はどこにでも芽生えることを身を以て証明した男たちが現に実在しているからだ。惜しむらくは、ハートと富豪役のブライアン・クランストンの間に、オマールとフランソワ・クリュゼが育んだようなケミストリーが、最後まで漂ってこないこと。これはもしかして、俳優の個性や演出の問題ではなく、今のアメリカの空気を図らずも映した結果なのだろうか。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
清藤秀人

4.0 キャスティングの妙

2025年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

当時、アメリカ映画としてリメイクされると聞いたときは、期待と不安が同時に沸き起こった。くだらない駄作として闇に葬られる不安と、もしかしたらあの時以上の感動を味わえる傑作になるかもしれないという期待。

今回、大きかったのはキャスティングだと思う。特にブライアン・クランストンとニコール・キッドマンのふたり。どちらもオリジナル版の役作りに沿ってはいるが、それぞれに役を膨らませてもいる。これは想像に過ぎないが、このふたりほどの成功を収めていれば、ある程度は役に注文を付けることも可能なのではないか。

一時期、ひどかったのはハリウッドリメイクにあたり、「ホワイトウォッシュ」と言われるキャスティングに批判が巻き起こったこと。例えば原作では黒人の男の役をハリウッド版で白人が演じる。それは映画としての完成度や芸術性、リアリティよりも興行成績が重視されたということ。制作側からすれば映画がヒットしなければ、興行的に成功しなければ意味がない。もちろん今でもそれは基本的に変わってないのだろうが、「多様性」が叫ばれたり、女性の監督がオスカーを獲得したりと、映画産業もずいぶん様変わりしたのだろう。

さてオリジナルとリメイク版の最大の違いは、キャスティングだと思うのだが。
あえてフランス版とアメリカ版という解釈で進めさせてもらう。

金持ちと貧困層という考え方はフランスでもアメリカでも同じ。大金持ちのわがままな障がい者にスラム育ちのギャングくずれが関りを持ち、お互いに大きく成長する。こんな現代の寓話と言ってもいい美しい実話を、本能的に誰もが好きになる。

大きく違うのは、最初に挙げたクランストンとキッドマンの関係性。
どこか夫婦にも似た愛情と、それでいていつでも破綻しうるビジネスパートナー。
だがそこには常にキッドマンの忍従と、自己犠牲で成り立つ脆さがあった。それが限界を超えた時、クランストンはすべてを失う。

それを映画のクライマックスに持ってきたことで、よりキッドマンが光る演出になっている。

これは制作側のアップデートなのかそれとも役者側の注文なのか。
「やあジョージ。脚本を読ませてもらったよ。すごく興奮した。僕ならきっとこの役を上手に演じることができると思う。ところで、最後に死んでしまうのは無しにならないかな?」
なんて会話が、まことしやかに交わされているんじゃないかと想像してしまうのだ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
うそつきかもめ

3.5 重いテーマだったがデルの気さくな演技で気楽に観れる

2024年10月15日
PCから投稿

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
かちかち映画速報

他のユーザーは「THE UPSIDE 最強のふたり」以外にこんな作品をCheck-inしています。