ハウス・ジャック・ビルトのレビュー・感想・評価
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どう評価していいか正直分からない映画
殺人を通じて芸術を表現するシリアルキラー、と言えばなんだかありがちな感がありますが、本作はそんなテンプレを大きく飛び越えた、良くも悪くも悪趣味極まりない一本になっています。
正直テンポはひどく悪いし、あんだけ証拠隠滅が雑なまま何十人も殺して捕まらないわけがないし、途中から唐突にイメージ映像増えるしで、なんじゃこりゃって気持ちは常にありました。予告で途中退室続出って煽ってますけど、単に退屈なだけだったんじゃないかと…
しかし同時に、執拗にねちっこく描かれた主人公のこだわりが、頭にこびりついて離れないのもまた事実。それを表現するマット・ディロンがまた好演。何考えてるのか全く分からない、常に不穏な空気しか感じない不気味な主人公から目を背けられませんでした。
というわけで、一応折衷案的に点数はつけましたが、正直言ってプラスにもマイナスにも振り切りまくっていて評価不能ってのが本音です。
ちなみにグロ表現ですが、場面としてはそこまで多くないのですが方向性がめちゃくちゃに悪趣味。グロには慣れてる私もさすがに本作は胸焼けしました。グロ耐性ない人は絶対に見ちゃダメです。
狂気に満ちたブラックコメディ
あんま考えず見た方が良い
サイコパス殺人犯ジャックが語る5つの事件。R18だからまぁグロい。
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それにどこまでも残酷。一つ一つちゃんと倫理観とか向き合い始めたらこの映画見終わる2時間半までもたない。もうひたすら無で見ることをオススメする。
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第1と第2の事件は被害者の方も馬鹿なところあるし、どうせ殺されるし、いつ殺されるんだぐらいのテンションで見れる。でも第3第4は結構キツい。
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それでも救いは死体とかグロいシーンでも作り物ってわかりやすいの多いことかな。第3の事件とかその倒れ方人じゃないよねってちょっと笑いそうになったところも。
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スノーロワイヤルはスカッとする感じで人が沢山死んだけど、この映画はひたすら胸クソ。水曜の平日なかびに見るものではなかったかも。でもエンドロールもちゃんと見れば少しはスカッとできるかも。
いききってしまった感。
人間の性悪説を根底に芸術を語るのがラースフォントリアかと考えているが、残酷さもいくとこまでいってしまったらなんかもうひどすぎて笑ってしまう域に。 エンドロールの曲にやっと救われた。
罪悪と善とが絶妙にないまぜに表現されている「奇跡の海」あたりの作品が好きだけど、この作品もたけし映画的な楽しみ方ができそうな感じはする。
情報過多な不謹慎さ
ラース・フォン・トリアー初体験。カンヌ国際映画祭で100名以上の退場者を生んだ作品とは...?と不謹慎なワクワク感で臨む。
私の感覚が鈍磨しているのかなんなのか、R-18指定の鳴り物入り残虐描写も「こんなもんかあ」となり。まあエグいですよ。画的には悪趣味というかね。でも耐えられないものではなく、グロさが無意味に輝くという...(不謹慎ながら)。やりきるとコメディになる感じ...。
むしろ私が耐え難かったのはその縦横無尽なカメラワーク。切り替えだったりぐるぐる回ったり。本気で酔った。「エッセンシャル・キリング」以来の画面酔い。
物語は...殺人者ジャックと(最後に正体?が分かる)ブルーノ・ガンツの対話が不条理なスリリングさ。あらゆる論理と芸術で相手を煙に巻こうとするマット・ディロンと惑わされないブルーノ・ガンツの声のやり取り。歴史、美術、音楽、果てはワインの作り方...実は教養映画なんじゃねーのというかのような情報の盛り込みぶり。
「インシデント」といつまでも完成しないない「ハウス」、ジャックの常軌を逸した「実験」、そしてダンテの「神曲」!という予想をある種裏切るぶっち切りぶり。マット・ディロンのあのサイコパス表情が忘れられない...。
個人的には初っ端のユマ・サーマンが意味不明過ぎて凄かった。なんなんだあれは。ああいうのが心理戦なのか。
ジャックの「ハウス」についてはどことなく想像ができたが、ブルーノ・ガンツの登場の仕方(正体?)がわたしには意外過ぎて「えええっ!」となりました。そう来るのか...。
あとはあの不快を塗り固めた「音」と突き抜けたエンディングがヤバみを増してた。ザ・ベスト・オブ・不謹慎、不条理、意味不明。
ちなみに劇場で多くの人が笑いを堪えきれなかった様子のOCDの描写ですが、あれ超リアルですよ。OCDの人ならあの感覚が手に取るように分かるはず。あの不条理感が一番リアルだったなあ...。
たまにはこんな映画も
サイコー
シリアルキラーの内面に迫る
糞変態監督の大傑作
理解不能だった
旅だてジャック!
もちろん大変に非倫理的なアブノーマル・アート映画である。鬼才とも称されるラース・フォン・トリアーというデンマークの監督でカンヌ映画祭の常連なのだが、おそらくはシリアル・キラーと同じように一度「問題作」で脚光を浴びてしまったために、次の作品もより過激な「問題作」を作らずにはおられないのであろうか…彼自身がかなり重症である。想像していたよりグロさは控えめで、それよりジャンプカットばかりの手ぶれグラグラ映像で気分悪く吐きそうになったのだ。殺人の度にデヴィッド・ボウイの「フェイム」が大音量で流れ…それは主人公のジャックと監督のオーガズムをストレートに表している。僕はプータローだった1996年の夏から秋にかけて短い映画を作ったのだが、それが潔癖症の泥棒の話で本作の2番目の殺人シーンとかなり似ていて笑ってしまった。まあコメディ映画として逃げるしか無いのだ。エンディングで流れるレイチャールズの「ヒット・ザ・ロード・ジャック」に救われました。
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