天気の子のレビュー・感想・評価
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やっぱり新海誠はこうでなくっちゃ
新海誠の最初の作品「彼女と彼女の猫」は、マンガ「ヨコハマ買い出し紀行」にも似たおだやかな感じが好みだった。
その後も新海誠作品は観続けている。
そんな自分にとって「君の名は」は、「主人公が元気」という点で新しい新海誠を観た思いだったが、同時に「背景が雑」と感じた作品でもあった。あの作品はテーマを深めていくというよりはミュージックビデオやコマーシャルのように、音楽と映像で観客の感情に揺さぶりをかけてくる、「映画」というよりは「映像体験」と呼びたくなる作品だった。
そんな評価をしていたので、今回の「天気の子」がどんなものなのか、かなり気にはなっていた。
映画館で観た感想としては、「前作で学んだことを継承しつつ、以前の新海誠作品に寄せてきた」というイメージ。雲や雨、都市といった要素を思い切り描き込んできたのは嬉しかった。やっぱり新海誠はこうでなくちゃ、みたいな。
「君の名は」で展開したジェットコースターみたいな作りは少し弱まったが、感情表現が大袈裟なのは前作同様。観客が感情移入しやすい作品になっている。
ネタバレになるので具体的なことは書かないが、いくつか疑問点があったのはも、前作同様といってよいだろう。
それはともかく、新海誠ファンなら観て損のない作品だと思う。
少年の思いに涙が止まらない
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廃墟マンションの屋上の鳥居をくぐり100%晴れ女になったヒロイン。
島から家出して東京に来た主人公とちょっとした偶然で知り合う。
少年はライターとも偶然知り合い、手伝うことで何とか生活する。
東京は記録的な雨が毎日続いてた。
少年はヒロインの能力を知り、晴れさせるバイトを開始。
好評ではあったが世間に知れ、依頼殺到のため休むことになった。
ヒロインは両親を亡くし弟と住んでたが、それが問題となった。
また主人公にも捜索願が出てて、3人は警察から追われる身となる。
晴れ女は昔から人柱となって、天変地異を収める運命にあった。
ヒロインも晴れを祈るたびに体が透明になって来てた。
そしてある日ついに消失。そして東京の連続降雨日記録が終わった。
主人公は警察に確保されたがヒロインの消失を知り脱走。
ヒロインが晴れ女の能力を得たという鳥居を目指す。
そこで再会、連れ戻すことに成功し、再び東京に雨の日が続く。
そこから少年は保護観察となり3年間ヒロインと会うことはなかった。
その3年間も東京はずっと雨が降りやまず、一部の土地が海となった。
そして高校を卒業した少年はヒロインと再会する。
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なかなかいい話やったなあ。
少年が一途な思いで警察を脱走してからなんて最高。
ライターのイキな姪がバイクで逃走を手伝ってくれるし、
ライターも最初は主人公を警察に連れ戻そうとするが、
最終的には警察を妨害してまで主人公を助けてくれる。
さらにヒロインの弟も同様に助けてくれる。
そしてついに鳥居に到着しての再会。泣けたわあ。
この後の2人はどうなるんやろ?いい未来が待ってるんやと思います。
わたくしの中でも大好きな映画に入る作品でもあります!
新海誠監督作品の中でも第二弾に入ります長編映画でもあり、恋愛と天気をテーマにした、ファミリー映画でもありました!
冴えない主人公が東京に逃げて東京で過ごすことを決意してから、ある、バイトで働くことを決めてそっから、順風低の暮らしが始まりますが、そこで待ち受けるヒロインとの出会いが大きく変わるきっかけにもなるからです!
まず。ヒロインと出会うきっかけになったのが、マックⓂ️🍔🍟で寝ていた主人公にハンバーガーをあげたことから始まりでもありました。
彼女の秘密を最初は知らない主人公でもありますが、
後に晴れ女だとわかることになります。
不良に出会ってしまった時は助ける主人公でもありますが。
そこから、徐々に二人の関係が引かれていくのもありました。
この出会いをきっかけに二人は一緒に暮らしますが、
その時に晴れ女だと知った主人公は、何か、出来ないかと思い始めて
行動するシーンもありました。
主人公とヒロインが晴れ女として世界中に晴れを提供する活動を始めてから
依頼は増えてきて、ますます、喜ぶ二人ですが、彼女の秘密は、まだ、たくさんあることに主人公は、知らなかったのもあります。
前作の登場キャラクターも出ていて君の名は。の繋がりがすごくありましたので、めちゃめちゃ嬉しかったです!観ていた自分は、
特に一番良かったのが、主題歌でもありました!RADWIMPSの曲は、挿入歌含めて全てが、完璧とも言えるぐらいにパーフェクトの存在でもあったため。実に最高なる時間でもありました!
ラストまで見逃せない物語には、観客側も映画にのめり込んでしまうぐらいに主人公とヒロインとの幸せが来るのか果たして二人が再開するのか、凄く気になってる部分もありましたので、是非とも見逃さないようにしてください!
最後の大丈夫という曲が一番大好きな曲なので忘れないように、凄く歌詞が印象に残っているので、一度聴いたらリピートするかもしれません!
まだ観てない方は、是非とも見てください!
新海誠監督の真骨頂
アニメで雨上がりや夏の青空を描かせたら、新海誠監督の右に出るものはいないだろう。美しい画面とは裏腹にストーリーは全然晴れやかな気分になれず、ずっと俯き加減な気持ちだった。こんな世の中、さっさと水没してしまえ、ということなのだろうか。
個人的には気象学者の荒木健太郎さんが本人役で出てきたのがツボだった。
100%の晴れ女と家出少年の決断!
鑑賞して『君の名は。』とほぼ一緒!って思いました。完全に映画の雰囲気・キャラクター・セリフ・音楽とこれでもかというくらい似ているので、内容自体は違うにしろ、最初は続編でも観ているかのようでした。
面白さは完全に「君の名は。」に軍配。その理由は登場人物への感情移入が出来なかったです。もう少し登場人物の背景を描いていればまだ違うかもしれませんが、例えば帆高の家出理由も単なる少年の我がままに見えますし、その他の登場人物も中途半端にお涙的な設定にしている感が否めません。
また、今回の映画テーマが悩ましかった。東京の大多数の命と陽菜1人の命(少年少女の愛)を天秤にかけないといけないという設定で賛否もわかれるだろう主人公たちの判断。『君の名は。』は多くの命を救うために戦う主人公たちに対して、本作は余りにも個人寄りの感情優先となり、行動は周りにも迷惑をかけてしまっている状況(後半の逃亡劇など)もあり、心から歓迎できるストーリーに感じれませんでした。
とはいっても、笑いあり涙ありでとても楽しく観させてもらったことにも間違いこともお伝えしておきます。風景や雨(水)を描き方が非常に繊細で綺麗でアニメなのに妙にリアルに思える背景には感動すら覚えました。
映画を盛り上げる音楽も相変わらず良く、RADWIMPSの音楽だけでなく全般的に音楽は素晴らしかったです。音楽あってこそ映画の価値も格段に上がっていますね。
ハッピーエンド・・・?
<<あらすじ>>
離島から東京に家出してきた少年・帆高と、“祈るだけで晴れにできる“力を持つ少女・陽菜が出会い、運命に翻弄されながらも自らの生き方を「選択」していく物語。
■安定の映像美
新海誠監督の作品を見るのは、これで4作品目になります。
『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』『君の名は。』『天気の子』
どの作品も圧倒的な映像美で日本のアニメ界の中でも随一だと思います。
■犯罪のオンパレード
家出は犯罪ではないものの・・・
①銃刀法3条違反
オモチャと思っていた銃が本物だったが、すぐに警察に届けなかった。
②殺人未遂罪
オモチャと思いながらも帆高は相手に銃を向け発砲。
その時の表情は意を決したかのような緊迫感ある表情で
内心は本物かも知れないと思っていたんだと思います。
幸い相手に当たらずでしたが、完全に殺人未遂罪ですね。
③公務執行妨害
帆高は一度警察に保護され刑務所に入れられてしまいます。しかしその後刑務所から抜け出し逃げてしまいます。作中では年齢が考慮されて見送られていますが完全に犯罪です。
④鉄道営業法37条違反
バイクから降りて線路を走る行為は犯罪。綺麗ごとで処理されていますが現実世界であれば逮捕案件です。
まぁ・・アニメなんだから、突っ込んだら負けよww
そう思いますけど、とにかくリアルな映像美がウリのアニメなので
犯罪を助長しかねない演出はよろしくないかと思います。
子供に見せたくないですね。
■子供がラブホ入れるの??
帆高×陽菜の2人きりなら、入れたと思うんですけど、明らかに小学生の凪も一緒で入れるなんて・・ちょっとフロントのおばちゃん、どこ見てるんですかー?!
ちなみにこのラブホのモデルは池袋のHOTEL DOMANI(ホテルドマーニ)だとか。
でもまぁ・・最近のラブホは家族で泊まれるファミリープランなんてのもあるから
あり得ないわけでもないのか。。。。一泊28,000円って高っww
でもまぁやっぱり子供に見せたくないわね。意味理解できてないとしても。。
■いずれ東京沈没でバッドエンドか?主人公にとってはハッピーエンド
このまま雨が降り続ければ数十年後には、東京沈没。
その後もずっと降り続けたら日本沈没?!こりゃバッドエンドだねぇw
帆高は地球と陽菜を天秤にかけて陽菜を取りました。
異常気象を収めるには、陽菜が人柱として雲の上で祈り続ける必要があるのですが、それを阻止してヒロインの命を救った。ヒロインは晴れ女の力が無くなり雨が止むのをただ祈り続ける普通の女の子に戻りました。
皆さんは、これをどう捉えますか?
自分が帆高くんだったら同じことしてたかも。
でも自分が陽菜(ヒナ)だったら・・皆が助かるなら人柱を選ぶかも。
帆高くんには悪いけど『有難迷惑』だと思うかもw
■3年間1日も止まずに雨が降り続いているのに??
終盤ですが3年間雨が降り続いていると言ってましたが
そしたら植物も光合成が出来なくなり、土壌も雨に流されたり、
根が腐ったりで朽ちてしまうのではないかと思うのですが、
桜の木が立派に育ってるのが不思議でした。
■メッセージ性は環境問題か?
異常気象は地球温暖化や環境破壊などが原因と言われています。
この映画でそこまで考えられるでしょうか?
異常気象の原因にクローズアップしていないので、そこまで考える人は少ないかも?
■安定のRADWIMPS
盛り上がりにかけて始まる曲。新海誠監督って、いつもこうだよねww
そしてまんまとハマりますww
音楽の入れ方相変わらず最高だなっ!
個人的は新海誠監督の作品は好きであります。
しかし無理な設定すぎたせいか、映像美は素晴らしいのですが
内容に粗が目立つと言いますか。。。
ちょっと他の作品に比べると残念な印象になりました。
私、『君の名は。』でも頭固いことばっかレビューしてるんで
レビュー読んで不快に思われたら、すみませんm(_ _)m
水に沈んだ世界を帆を高く上げて進む
言わせてください。凪くん最高。凪くんが良かった。とにかく良かった。凪くんという魅力的なキャラクター一人で、かなり個人的には高評価になっている作品だ。
正直、もっともっと凪くんばっかりで夏美にドギマギとかおっさんのパートはそこまでいらんかったかもしれない。
本当は凪くんが最高なので星5つにしたいが、さすがにいろいろ言いたいこともあったので4とした。
声優さんみんな上手いと思ったけど、本田翼ちゃんそんなにダメですかね??「こんなとこ腰掛けよ」とか良かったけどなー。森七菜ちゃんはうますぎて声優顔負けに感じました。
またチョーカーの青い雫や太陽の天使みたいな指輪、落ちてくる透明な魚のような雫など、細部のモチーフも魅力的に感じた。
一番好きなシーンはヒナの家でポテチチャーハンを食べるところ。なんか涙が出そうになった。
名前も良かった。陽菜、凪、は空が晴れ渡ったり海が穏やかになることを自然に表してるし、帆高は雨に沈んだ街を帆を高く上げて進んでいく、と考えると素晴らしい。でもその点夏美はちょっと安易じゃないかい??
あとなんかおじいちゃんの、「フン,何が異常気象だ。人間が勝手に騒いどるだけで,そんなものせいぜい100年200年の話じゃ。」的な話は考えさせられました。
以上は本当に個人的な断片への偏愛とでもいうべきものであり、以下は嫌だったなーと思うところです。
夏美、いくら姪だからってそのへんに下着置いとくとかなんか距離感が気持ち悪い。
見てたら、え、つきあってるんですか?て思いますよね。
拳銃を隠すのはなんか、なんかのお話の真似かな??
家出の理由ないんかい!?!?!?!?
女の子選ぶのはまあ一つの帰結だけど、ちょっと主人公が1人で浸りすぎて感情移入できん。あの青臭さは恥ずかしいというより、アホ!と言いたくなるような腹立つ感じの痛々しさだった。
せめておれがヒナとナギを守るっ!とかにしてくれ。ヒナばっかりかよ。
あと、ナギくんの彼女2人はその歳で複雑すぎる。友達2人でよくないか??
陽菜どうやって高校行ったの?暮らしは??
帆高親出てこないんかい!?家での理由ないんかい!???!???
まあ、もう一歩!って感じだったけど、個人的には色々と好きだったかもしれない。
絶対に東京水没はしてほしくないけどね。
天気の子
面白かった。
新海作品の中で一番好き。圧倒的な映像美にうっとりしました。
帆高くんと陽菜ちゃんが雲の上で再会するシーンをバックにグランドエスケープが流れた瞬間が鳥肌立ちました。
一番大好きな名シーンです。
この路線のままでいてほしい
新海誠さんの映画は初期〜言の葉の庭まで知っており、某前々々世な前作でがっかりしていたので本来見る予定はありませんでした。
前作はあらすじだけで苦手な部分があり、かつ一般受けを狙って今までと作風を変えたのだと感じ未視聴です。
「天気の子」もそうなのだろうと期待してませんでしたが誘われて鑑賞しました。
相変わらずの映像美は言わずもがな、得意の雨や光の描写をふんだんに使われていて目の保養です。
お寺?やビルの屋上の神社?だったり退廃的な雰囲気が好きな私にはかなり刺さるポイントが多かったです。
キャラは…キャラに魅力を感じるのは正直難しいところですが、前作の登場人物達がいたとの事で、そういうおまけ要素も楽しめる点なのではないかと思います。
新海誠作品と言えばハッピーエンドなのかバッドエンドなのか分からない、メリバなところだと思っているので、ご都合主義にならないラストは最高です。
若い感性に向けてのあるメッセージ
初視聴時は拒否反応が大勢。
映像の素晴らしさは素人でも分かるけど、ストーリー上の無視できない破綻点が気になって。
あれだけ水位上昇したら都市機能壊滅で高台に移住しようが生活圏として成り立つわけがない・・とかね。
で、今回二度目の視聴でそれら気になっていた破綻点が肯定的に納得できたということは正直ないけど、メインメッセージという点ではうっすらとポジティブに受け止めていいんじゃないかなという心持になれたかな。
それは老若問わず普遍的な「若い感性に向けての希望・夢」のようなもので、だからこそ200億近い興収を上げることができたのだろう。と
しばらく経ってまた見たくなるかもしれず、その時にはさらに違う受容の仕方をすることになるかもね。
これを面白いといえる人間
最初から見てても水はけという概念がなかったり、後半はコメディみたいになってたけど最初からリアリティがある映画ではないことに間違いはないしそれにつっこんでもしょうがないと思う。
それよりも映像美とBGMで魅せる映画なんだなという感じで見ていた。例えば子供が見た時には、水はけなんか絶対気にするところではないし、問題提起や自分たちの幸せのために東京をアトランティスにすることの善悪などについては考えずに、ただこの映画を面白いというと思う。なぜだかわからないけどこの映画を見て無邪気に面白いといえる人間でありたいなという風に思った。
そういえばもともとこんな監督だったわ
ド痛少年PV製作の巨匠こと新海誠さん。
『君の名は』は入れ替わり・ケイパー・ディザスター・恋愛など皆が大好きな要素をてんこ盛りにした事で毒消しに成功し国民的な監督となった。
テーマっぽい『独りを救うためなら周りはどうなってもよい』という少年のエモさについて良い悪いという事ではなく、
社会との軋轢を生む道具として、天気以外に拳銃を使ったことでテーマブレブレになり、周りの大人が甘やかしまくるのが最悪。
あと監督自身がコメントで『今作は賛否両論だと思います』って自己防衛しているのが寒かった。
天気は綺麗で本田翼は良かった。
言の葉の庭からの流れで鑑賞したが、、。
うーん、自分には前作の「君の名は。」の評価が高く、直前に「言の葉の庭」を見ちゃったから好みが分かれるだろうけど、今作はあまりピンと来なかったかなー。
新海監督の作品はリアルな男女の恋であったりそれを上手く配合したファンタジーとかなんだと思うんですけど、今作はそれが噛み合っていないと言うか、微妙な納得できない部分が多くてモヤモヤが続いたまま最後まで駆け抜けてしまった。
「君の名は。」で言うとお互いが入れ替わるとかリアリティーもないんだけど、丁寧な導入があったからかすんなりと受け入れる事ができたが、今作は何故に晴れにする力を手に入れられたのか?なぜ天気を操れるのか?等も感覚的にしか追いかけられないままに進んでいく。
また他の方も言っていた様に自分も銃の取り扱いには一番の違和感を感じたし、未成年と言う設定や発砲するって言うリアリティーの無さに少し冷めてしまったかなと、、。
しかしながらいつものドキドキ(これは新海監督の作品特有である)は感じたし、特に初恋に近い焦燥感や「たとえ世界を敵にしても」って言う一直線な恋の気持ちって言うのは共感を持ちながら見てしまった。
新海作品では「星を追うこども」に近いファンタジー感と言うか、今一入り込めない感じを少し感じた。
まあ今作は東京が舞台なのである程度は現実味があるのだが、、。
RADWIMPSの曲も良いのだが、やはり「君の名は。」の様な一体感や疾走感。
また気持ちを煽ってくる歌詞が今作は比べると弱かったかなー。
毎回書いているが、相変わらずの情景の美しさは素晴らしく特に雨の描き方は素晴らしい(雨好きですw)
「すずめの戸締まり」はまだ見れてないがどんな作品なのか楽しみだ。
トロッコ問題を思い出した
え、なんで!?というツッコミどころが満載で面白かった(笑)
映像はとても美しかった。
ひとりをが犠牲になることで、
世界中の人々の明るさや快適さを取り戻すことの是非を問うストーリーでした。
もう一人の重要人物が過去に行ったであろう世界を救う選択が痛々しくもあった。
自分にとって何が一番大事なのか?
目の前の好きな人を救うことで、
世界は崩れるが世界の人々は変わっていけるし、
自分たちも幸せに前を向いて生きていけるということだろう。
全員、大人気ない。
正直、よくわからなかった。
女の子の身体や恥じらいをわざと描くような描写も多すぎてなんだか苦手。
物語は島から家出をしてきた16歳帆高が、船の指示に従わず甲板に飛び出し転んで、助けた須賀という男のオカルト記事事務所に身元保証もない帆高が転がり込んでオカルト記事の取材手伝いを始める。
転がり込む前に、帆高は新宿の裏道で絡まれ、たまたま拳銃を拾ってしまっていて、親も帆高を行方不明者として捜索願いを出しているため、帆高は警察に追われて探されている。
須賀の元に転がり込む前に連日マックで夜を過ごし出会ったマックのバイトの娘、陽菜。陽菜は親を亡くし、弟を養おうとして売春に落ちそうになっていたところを帆高に助けられ巻き込まれていくが、実は晴れ女のようだ。天気を晴にできるが、代償として、いつか人さらいにあうという逸話もある。
15歳や16歳の少女少年達が、大人が思うよりもずっと、現実を背負い、大人との境目の年齢ながら、現実を生きている。
その中で、晴れ女雨男だと言っても、そうたやすく信じられる話ではないのだが。
見ていても、これが少年少女が素直に見聞きした話を信じてしまい、自身を晴れ女などと信じてしまった話なのか、はたまた語り継がれている逸話通り、人柱として天気と繋がる子が存在するのか、わからないファンタジー。
ただ、東京は大部分が海で、人が天候を見ながら入江の江戸を切り拓いていったのは確か。
長い長い歴史の中で、雨だらけの3年は自然の短期変動に過ぎず、異常というか自然の一部と捉えるのかは人それぞれ。
銃を見つけ、家出中だから交番に届けられないにしても、触ってしまう判断力のまだ子供な帆高達だからこそすんなり信じられる話なのかもしれないし、判断力が子供な帆高が思い込んでしまっただけなのか、わからない。
陽菜と帆高が一緒にうまくバランスを保てている時、陽菜の弟の凪の名前のように、天気の均衡が保たれるのかな?と思った。となると帆高は雨男?
なんにせよ、帆高が東京で出会う大人達は、アウトローだらけで、須賀はもっと早くに帆高からよく話を聞いて、少なくとも未成年を意思を持って働かせなくても済んだはず。
陽菜は弟を守りたい意志を児童相談員に伝えて、姉弟離れず過ごせる手段を考えて貰えることもできたはず。
なぜそうならないかは、雨男だ晴女だ以前に、帆高も陽菜も大人を信用していないから。
家出したり、親が亡き後お金の工面に困りながら生活をしたり。
もっと大人に甘えていい年齢なんだよと思うが、家族でない他人の大人が寄り添い親身になり、未成年の心情事情に合わせて仕事をさせてあげたり匿ってあげると、法を侵してしまう現実がある。法に則る警察では、少年少女達の理解が全く足りていない。
親の保護下にあるはずの年齢の少年少女達に、保護=終わりだと思わせて、かえって子供達を追い詰める息苦しい社会の仕組み。
世知辛い。
子供は親がいないと、社会的に本当に生き辛い現実。
そこが1番印象に残った。
事情がある子達の目に映る大人の世界が、優しくあったかく、信頼できるものであってほしい。
帆高が読んでいる本が、「ライ麦畑で捕まえて」なことからも、帆高は大人や社会に猜疑心や鬱屈を抱えて、家出をし、東京に来てそれを抜け出し大人になろうとしているのかな?とわかるし、実際本の通りに、話が進むごとに社会的な象徴である警察のルールからも逸脱していく。「ライ麦畑で捕まえて」からは何十年も経っているのに、そういう社会の構成員に、いつの間にか自分が大人としてなっている。
なんだかなぁ。
貧困ノンフィクション
ファンタジーだと思っていたら、気候変動と日本の貧困を題材にした社会問題を扱ったノンフィクションだったんだな。
家出少年と不法就労、親なし貧困生活の妹弟と児童売春(シングルマザーの死で貧困化)、売れないライターと喘息持ちの子ども(母親が死にシングルファーザーが働きながらでは育てられない)、就職先が決まらない姪(二人は半地下で同居)、銃犯罪、都内の廃墟化、そして気候変動がもたらす社会の不安定(水没し住居を失い質素なマンションで暮らす老婆が象徴的)。
世界がどうなっても君といたい。きっと大丈夫だ。
壊れた世界で生きていくにはそう言い聞かせるしかない世界の貧困の闇が悲しい雨に溶けていく薄暗い作品だった。
全然イメージが違ったなぁ。明るいボーイミーツガールだと思っていたのに…。こんなに暗い作品だったとは…。
ところで、気候変動視点で観ると、大切な何かを犠牲にしないと世界環境は救えない。彼らは世界環境を犠牲にして幸せを得ようとした。環境問題の本質は、人が自分が得た幸せを放棄できないことにある。そういう意味ではこれは、プラネタリーバウンダリーを迎えた世界の話。致命的な環境破壊を食い止められなかった若者達の未来の世界。
さらに言うと、セーフティネットがあるはずの彼らが、そこに感じる“息苦しさ”に耐えきれず、彼は家出をし、妹弟は親戚や児童福祉を頼らずに、年齢まで偽りバイトで生活している。
この、本来機能すべきセーフティネットの機能不全は何を意味しているのか。彼らを追い立てる“息苦しさ”の理由は本作では語られない。いじめ?親の過保護?児童虐待?
この語られない“息苦しさ”に共感が得られ、“それでも君と一緒なら大丈夫”、という甘い言葉に共感出来る若者が多いなら、それはこの日本が、本当にセーフティネットが機能しない貧困な国になってしまったから、なのではないかと思ってしまう。
穿った見方、というよりそれしか描写されていない、直接的な作品。
さて最後に、一人の犠牲で救える世界は本当に実在したのか?そんなんで世界は救えるはずはない、という前提に立つと、これは彼と彼女の主観的な世界観を“天気”で表現しただけ。
つまり、“晴れ(幸福)”た世界は自分を犠牲にしないと得られない。それこそ死なないと得られない(迎え火のシーンで空は死の世界に繋がっている)。なので、“雨(不幸、貧困)”の世界を受け入れて幸せになるしかない。という自己欺瞞が生み出した世界観なのかもしれない。雨でも幸せになる方法があるんだ、という…。
(つまり、あの時、彼は、廃ビルの屋上で、彼女を死から思い留まらせただけ…)
それだと救いがないので、そこはファンタジーの世界観を残しておくか。
それにしても、これは、エヴァだな。
シンジとレイとカジとリツコが転生した世界の物語だな。
嫌いじゃないかも…
新海さんの雨の新宿の描写は誰にも負けてないと思います。
どんよりした、無機質を上手に表現されてると感じました。
今回は天気を操る少女と家出少年の話で、序盤に主人公の彼が銃刀法違反する際、あーこれ鑑賞したのハズレかもと思ってしまったけど、今回は身近な天気の話で、中盤以降は楽しめました。
天気は天の気分だと…何か1つでも腑に落ちるシーンがあるのが新海作品の良いところでもありますね。
あいにく少年が何故、退屈だけを理由に家出をしたのか深掘りされてなかったのは銃刀法違反描写と入れ替えて欲しいくらい少し惜しい気もします。
私の中では新海作品では、言の葉の庭が一番好きなのですが、その次に君の名はと天気の子は同点くらいの扱いですかね〜
やはり銃は現実と乖離してて解せなかったけれど、ストーリー的には観てよかったですよ。
全1951件中、21~40件目を表示