新聞記者のレビュー・感想・評価
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スイーツの欺瞞
朝生の名物MCがよくぞ映画にしたと寸評しているが、よくぞな印象を持てなかった。主人公らは、弱者であり、被害者であり、闇に拮抗し、屠られた者たちに寄り添い、正義をつらぬき、誠実に生きてる──ことを、強調し過ぎだと思う。また生物化学兵器は飛躍が過ぎる。
原案から台詞おこしをしているせいか話が単調だと思った。ストーリーと言えるほどのものがない。これを藤井道人監督に振ったのは、同監督が、陰影や間合いや心象風景やゆっくりのパン/ズーム/ズームアウト等の技巧的作風だからであろうと思った。
つまり、内容が無いから、空気感で乗り切ろう──という気配があった。映画のwikiにも、同監督について『企画を持ちかけられた当時、新聞も読むタイプの人間ではなく、政治にも無関心だったために自信がなく、オファーを2回断っている。』とあった。
政治を知らず、興味もない。
水脈という言葉が猖獗をきわめていたとき、やたら水不足の問題を取り上げてるんだなあと思っていた。──ほどである。
各々の事情が政治に左右されることがある。今の私なら親の介護の問題である。子を持つ親なら保育所の問題かもしれない。
ただし私たちの生活を向上させるのは自助であり、政治とは関係がない。例外もあるだろうが、基本的にはそういうものだと思う。が、平和に慣れるとその基本が揺らいでくる。ひょっとしたら、幸福に収まっているように見えるけれど、俺たちほんとはすげえ虐げられているんじゃないか──とか、思ったりする。この地球の国々の趨勢と日本を比較するなら、戦争もない、犯罪も少ない、迫害もない、差別も少ない。だけど、なんかウラがあるんじゃなかろうか。なんか儲けてる奴がいるんじゃなかろうか。──と妄想してみるのは自由である。
政治に秘匿するところがあるのは当然だと思う。世の中には、おそらく陰謀もはたらいているに違いない、とも思う。
だが、そうだとして、そのことの何がわたしやあなたに関わってくるか──を知らない人間はいない。今ここに自分がいるのは、自分が為しえた結果であり、政府にからめとられた結果ではないことを、自分がいちばんよく解っているはずだ。
この映画の好評は、おそらく日本人は──政府ってやつは1984みたいに俺らを操ろうとしているにちがいない──みたいな妄想に、ものすごく飢えているんじゃなかろうか。と、思わせた。
しかし偏向報道によって大衆操作するのは政府というよりむしろ新聞だということも、わたしたちは知っているはずである。なぜこの映画自体が、一種のプロパガンダでないと言い切れるだろう。
この原案を書いた女史について、
『通常の官房長官記者会見では記者の質問は1人が2~3問で10分程度だが、2017年6月8日で望月は加計学園問題と伊藤詩織の訴えに関して、40分の時間をかけて23回の質問を繰り返したことで注目を浴びるようになる』
と、wikiに記述があった。
ネットではこの記者のスタンスとして「それでも私は権力と戦う」や「大きな声で、わかるまで、私にできるのは、質問し続けること」などのタイトルを見つけることができる。
わたしはヴェロニカゲリンやエドワードスノーデンやメリーコルヴィンが「それでもわたしは──」と言うなら信じられる。その活動に、死のように大きな代償が隣接しているとき、発言は壮語にならない。しかし、この記者は、この平和な国で、いったいどんな対価を払って「それでもわたしは」と述べているのだろうか──という素朴な疑問を感じずにはいられない。
すでにひと昔前のことだが、特定の女性にスイーツという形容をあてることがあった。所謂、インターネットスラングで、wikiには
『(雑誌の)コピーを鵜呑みにし、メディアに躍らされている女性たち。
ケーキやお菓子といえばいいのに、あえてオシャレな感じを装ってそれらを「スイーツ」とよぶ女性たち。
女性誌に出てくることばを実践する女性。
雑誌やテレビ番組が仕掛ける流行を追うことがオシャレだと思いこんでいる女性。
テレビや雑誌などの流行に影響されやすい若い女性。』
と説明されている。とうぜん嘲弄の意図があり、不適切発言に相当するが、個人的な認識としては、もっと広義である。
たとえば、この記者はスイーツだと思う。
女性を利用していると思うし、なんら迫害されていない豊かな生活を顧みず、コンプライアンスに庇護されて、劇的なヒロインを演じ続けることができる厚顔は、同和ヤクザと変わりがない。そのおぞましい錯誤を、曖昧な形容をつかって、かろうじて誹謗を回避して、たとえるとすればスイーツが適切だと思う。
わたしは政治を知らず、興味もないので、実際を解らないが、もし質問を23回繰り返せば、統合失調症あるいは重篤なADHDと見なされ、会社なら馘首になり、学校なら特殊学級へ転属になる。
まっとうな世界ならば、そんな人を、世のなかの不文律を守ることのできない病人と見なすことに、すこしも不合理はない──のである。いかなる管理者であれ、一ミリもためらわずに追放するだろう。
「それでも私は権力と戦う」は、言葉選びが間違っている。抵抗や障壁が無いか、不明瞭なことに「それでも」を冠するのが滑稽だからだ。わたしはある日、それでも起き、それでも歯を磨き、それでもスタバへ寄って、それでも仕事をこなし、それでも一杯やって、それでもテレビを見て、それでも寝た。
すなわちこれらは信念とも正義感とも無縁のattitudeだが、それを信念や正義感だと考えている人に、わたしたちは時間を割かない。壮年の政治的スイーツが持っている、堅牢な固定観念を知っているからだ。面倒臭いので通り過ぎるのを待つだけである。
この女性新聞記者は、不運にも、あなたに対峙してしまった常識人が、あなたと意見交換するつもりなどさらさらなく、ただ単に、あなたが喚き疲れて、次の標的を探すために去ってくれるのを待っているだけだ──ということを、知っているだろうか。
転じて、政治の世界といえども、そこはイデオロギーのぶつかりというよりは、スイーツのような観念のバケモノとの戦いではないかと思うことがあるし、日々、政治のニュースはそれを裏付けるものばかり、ではなかろうか。
ラストが流石すぎる
ドキドキの展開、考えさせられる
「この国の民主主義は、形だけでいいんだ。」この言葉に尽きる。
扇動活動家か妄想癖のある人しか楽しめない
すごく興味があったので楽しみにしていたのだか、いざ見てみると興醒めもいいところ。
ジャーナリストとは、真実を突き止めて広く国民に知らしめ、国の在り方を正す機関だったはずだ。いつから十分な証拠もつかめないまま騒いで虐められるヒーローじゃなきゃいけなくなった?
森友学園問題、加計学園問題。ともに、多方面から取材したか?政権打倒の立場からしか裏とりしていなくないか?洗脳されるのがこわくて、お上の言い分なんて調べられないのか?
この映画の記者のやり方は、不確かな情報だけで「どっち側に着くか」を描写したものである。つまり扇動のお手本をやって、国から圧をかけられて、おめおめ屈してしまったという情けない仕上がりを悲劇的に描いただけのものであり、そこに感動を抱くことは私にはできなかった。
新聞記者は社是の右も左も関係なくお上と馴れ合い、賭け麻雀に興じてでもお上から情報を聞き出そうとするような努力をするものだ。さて、彼ら記者はしていたか?
映画の彼らはヒーローであり、常に権力からの圧力にいじめられていたが、実際の記者らが日々行っているようなどろどろした苦労や筋を曲げてでもしなければならない努力、したたかさが足りないように思ったのは私だけか?
ピッカピカの作業服しか着てない作業員だけで下町ロケットを描こうとしたような非現実感があった。
日本アカデミー賞を選考する人たちは、その辺を気にせずにいられてすごいと思った。
日本の映画は、リアリティーよりも勇気ある与党批判こそが映画を評価する上で価値のある事と認識すれば良いのかな?致命的に汚染されていると感じたのが、わたしの正直な意見だ。
イソコはそんなに可愛くないぞ
すげぇ盛ったな
ずいぶんべっぴんさん連れてきたね。
人によってはノンフィクションだとまでいわしめるこの映画だが、まず突っ込ませてもらおう。ノンフィクションだと思ってるヒトは、イソコさんと、この女優を見比べてみることから始めてくれ。本人は生まれも顔つきもこの映画とは大きく違うぞ。
事実に基づいた作品といいながら政府に毒ガス計画まで用意させたのか。もはやどのへんが事実に基づいているのか怪しいな。
中には完全に映画に呑まれてその気になって政権批判してるヒトがたくさん出てしまってるけど、それは架空のウィルスパニック映画を見て現実の製薬会社を非難するのと同じくらいお馬鹿な事だぞ?
◯◯なハズだ!でものが言える、信じてもらえると思っているヒトが相当量いるということが、本作の受賞でよく分かった。
そりゃ、コロナが流行ったら訳もわからない情報に翻弄される訳だわ。
ただ映画として
新型コロナ禍の最中
見る前は安倍政権の批判映画だろうと思って見ていた。そして序盤はそうだった。
だが、途中から安倍政権というよりは国家とメディア、その協力者という昔からある構図の話になっていく。
そしてここからネタバレになるが、国家の陰謀がレベル4の生物兵器を製造出来る研究施設の設立であるという事。
それを阻止する為に良心にかられた官僚と圧力に屈したくない新聞記者の苦闘という話になっていく。
中国の武漢にはレベル4の生物研究所が3つもあるらしい。武漢からパンデミックが続発している理由がそのせいと言われているが、これだけ短期間で新型のウイルスが出てくると都市伝説で片付ける方が難しくなっている。
中国、ロシア、アメリカ、フランス、イスラエル…核戦争よりもこれらの軍事目的での生物兵器開発戦争で人類は滅ぶのかも知れない。
〝コロナ後〟のメディアと政治の役割について
コロナ禍のただ中、かつ先の見通しもまったく立たないタイミングで鑑賞したということも大いに影響していますが、コロナウィルスが世界的に広がったことの大きな要因のひとつが『グローバル化』にあったということを前提にした場合、収束(終息)後の日本において、政治やメディアが果たすべきことの優先順位がとても明確になったように感じました。
コロナ後の国家目標は、シンプルに国民の命を守る体制を早期に築くこと、そして、若い世代の未来のためにそれを100年単位で持続できるオプションを複数備えること、の二点である、と私は考えます。
国民の命を守ること、極めて単純化すれば、それは水と食の安全を確保すること。
(最盛期の古代ローマが今に残る水道橋で水と衛生を確保し(テルマエ・ロマエを見よ❗️)、ローマ街道で物流(経済・軍事)を支えた結果、実現したパックスロマーナをイメージすると分かりやすい)
全国どこでも水道水を直接飲める国は、国土交通省のHPによると世界でも十数カ国しかありません。
水が清潔ということは、当然衛生面の恩恵も計り知れません。間違っても、現在の日本が築いたこの恵まれた水道システムや水源をグローバル化の一環の中で、他国所有を許してしまう〝民営化〟などがなされないように、メディアはチェックしなくてはなりません。
そして、水と食を守るということは、当然国土の安全あってこそなので、派生的に外交(防衛)、人材(教育)、インフラ整備(経済)などの施策もその延長線上に立てられていくはずです。この時、メディアは日本の安全を守る政策であることが優先順位として盛り込まれているかをチェックして欲
しいのです。
一方、日本の〝食〟については、カロリーベースの自給率が40%をきる現状は、国際情勢によって輸入が止まる事態が発生した場合、即、国民が飢え始めるということであり、少なくとも憲法改正やギャンブル法案よりは優先順位が高いはずなのに、声高に叫ぶ人が政界でもメディアでも少ないのはどうしてなのだろう。
グローバリズムが金科玉条となって以降、貿易障壁というネガティブな文脈で農業を批判する傾向があるが、フランスもアメリカも自国の農業への補助金等の保護政策が手厚いことは専門的な文献でなくてもわかることなのにあまり公平には報道されていないように私には見えます。
コロナの影響により都市部で失われた雇用がそのまま農業の人手不足の穴埋めになるなどと単純には言えないのは十分承知しています。
土いじりは絶対無理とか、年単位での成果(収穫)よりもっと早く成果が出せる仕事の方が好き、という人もいるでしょうし、食材費はあまりかからなくても、見かけの収入が一気に上がるということもないわけで、都市生活に慣れた人はどうしても不向きな方が多いと思います。それでも食糧確保の観点から、何かしらの人材がマッチする仕組みを作っていただきその結果、補助金の一部が農業従事者の人件費に回ったとしても、アメリカやヨーロッパの国が穀物や乳製品を日本向けに回してくれない事態に備えることができるのなら、税金の使い道として、まったく文句はありません。強い農薬に耐えられるために開発された遺伝子組み換えの穀物を大量に輸入するよりは、未来を背負う若者たちに対して少しは誇らしく思えるはずです。
コロナ後の経済復興については、ほぼすべての分野にわたってグローバル化に依存し過ぎた弊害が明らかになったこと、コロナがトラウマとなりしばらくの間は従来のような外国人消費や交流が当てに出来ないこと、などを踏まえて、食の安全・自給率アップを絡めて複合的に考えることが必要だと思います。
メディアの役割ももっとシンプルに、政権が本当に国民の命を守るための政策を考え実行しているか、を常にチェックし、優先順位を国民に知らしめてくれるようになって欲しいと願っています。
世論調査の報道なども、目先の首相の人気度が分かるだけで、たとえば福島の汚染水処理について国民全員が改めて考えなければいけないということがわかるような設問にするなどの工夫が無いような気がするのですが、いかがでしょうか?
流れに身を任せてはいけない
第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル)。
原案は未読。
正義と信念を懸けて、真相を暴こうとした新聞記者。職務に葛藤しながらも、藪の中の真実に迫った官僚。両者の戦いを通して、日本社会とメディアの深い闇に迫ろうとした作風は、忖度や自主規制が蔓延する風潮に風穴を開けるかの如く、孤高ながらとても勇気に溢れていると思いました。
反政府ととられかねない内容ながら、オファーを受けた俳優たちの本作にこめた想いが画面越しに伝わって来ました。杉原役の松坂桃李なんて人気・実力共に絶好調な時なのに。
吉岡役はことごとく断られたため、なんのしがらみも無い韓国女優シム・ウンギョンが務めたところに残念な気持ちを抱かざるを得ず。実はそう感じたのも印象操作の賜物か?
鑑賞中、中学1年生か2年生の国語の授業で、「メディア・リテラシー」と云う題名の文章を習った記憶が蘇りました。
その時初めて情報と云うものを意識し、ひとつの事柄に様々な捉え方が存在していることを認識した覚えがあります。
SNSが普及した今こそ、垂れ流される情報を取捨選択し、何が正しくて何が間違っているのかを判断することが大切ですが、それ自体が操作されたり故意に流されたものだったとしたら、何をよりしろに自分の考えを表明すれば良いのか?
とにかく、提示されるものについて考えることをやめてはいけないと思いました。すぐに鵜呑みにするのではなく、まずなんでも疑問を持ち、考える。あらゆる方向から物事を確認して自分なりの意見を持つ。ありふれたことかもしれないけれど、そのことの大切さ、重大さを痛感させられました。
※修正(2024/06/24)
題材は素晴らしい、中身は薄味
映画ファンはどんな事があろうとも見に行きます。
日本アカデミー賞を受賞したらしく、再上映しているとの事で鑑賞。ホントは公開日に見に行きたかったけどね。
素晴らしい。
ようやったと思いますよ。
拍手を送りたい。
新聞記者の女性と内閣府である官僚の男性が国に立ち向かう話。今にピッタリかな?
始まりはいい感じ。
内閣府の霧がかかったようなのは闇を表しているようで、非常に趣深い。
新聞記者の父、官僚の赤ちゃんと上司。
様々な面で命について知らされる。
命と共に社会の裏側も。
まぁまぁ難しいが、難しさがイヤにならない。
なんというか心地よく見れる。
星3.5にしたのは何故?一番の理由としては、
飽きる。ずっと同じペース。
2人が出会ってから展開があるかと思いきや、特になし。引き込まれない。
田中哲司は好きだし今回も良かったんだけど、
怒鳴るシーンや大声出すシーンが無かったので何とも言えなかった。欲深すぎですね。
とにかく、惜しい。
私が好きなだけですけど、騙しとかあったら良かったな。映画館で見る意味があったのに。映画館である必要あったかなぁ...。
詰まってるんですよ。だけど、結果的に浅い。何が言いたかったの?って。。
誰か教えて…
誰か教えてください…
なぜ最後、杉原は吉岡にごめんとつぶやいたのか…
自分の名前を公表してもいいというほどに腹をくくったのに、(恐らく本当に公表すれば内閣府にはいられないし周囲からの有言無言の圧力で官僚でもいられない気がするのだが、、)
内調で上司から、お前がリソースなのはわかってる、それでも許してやる、外務省に戻れる道を探ってやるからそのかわり持ってる情報は全て忘れろみたいな脅しにのってしまったということなのか?
そんな道が本当にあるのか?
そしてそれよりもわからないのは、政府が生物兵器にも使える技術を要する大学新設を隠していたという情報は既につかんでいるのに、ポストに入れっぱなしで読んでいなかった先輩神崎からの手紙に「今回の大学新設で首相の友人に多額の資金が流れた」、それが神崎の背負った十字架ということがわかったとき、あそこまで驚いたのはなぜなのか?
新聞記事が誤報だったから???
近い将来、国会議員になる望月記者が想像できる。
東京新聞の望月衣塑子記者は菅官房長官の記者会見での質問で有名になり、そのベストセラーを原案にしたということであるから、この映画の政権に批判的な立ち位置は明確である。
そして、実際に起きた事件を題材として、政権は悪、政権が隠す真実を暴こうとする記者は善という設定で物語は進む。わかりやすい。
しかし、設定はわかりやすくても、大きな違和感がいくつもあったので書く。
一つ目、内閣情報調査室のリアリティのなさ。
多くの公務員が働く職場であるが、東都新聞の編集部とは全然違い、室内も廊下も真っ白でかなり薄暗い。各職員の机の上にはパソコンだけがあり、書類はなくてすっきりしている。皆がスーツの上着をきちんと着て、パソコンに向かってツイッター上で世論操作をする役所ってありえるのか。ダークなファンタジーのようでリアリティが感じられなかった。
二つ目、新聞記者の仕事の描写。
シム・ウンギョンが演じる吉岡記者は、公開情報をネットで検索して、ツイッターで自分の意見を発信する。喫茶店で役人に質問をする場面もあったが、大学の獣医学部新設に隠された真実は、役所内の人間に機密書類を盗み見させて容易に全貌が判明する。そこが政権の悪い企みが明確になるポイントとされているのであるが。記者の仕事はその程度のものか。もっと歩いて多くの人に当たって稼ぐのではないか。
三つ目、フィクションでありながら現実との境界があいまいであること。
吉岡が働く新聞社は東京新聞ではなく東都新聞であるが、讀賣新聞や朝日新聞は実名が出るし、望月記者や文部科学事務次官が実名で登場する。その必要性がわからない。
要するに、政権は国民に真実を明らかにしない、政権は悪だという望月記者の事実認識と見解を、現実とフィクションをまぜこぜにして映像化したということだろう。
配給がイオンエンターテイメントともう1社であり、イオンの経営者が旧民主党の岡田克也代表の実兄であることを考えあわせると、近い将来、岡田代議士に近い国会議員になっている望月記者の姿が想像できる。
マスコミ志望の学生さん、MUST SEEです
黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」に匹敵する、と敢えて言っておこう。
この映画で描かれているのは、本当に今日本で起きていることにかなり近い。
現政権批判は明らかで、保守層にすればなんじゃこりゃって言いたくなるような映画かもしれない。
政治的な「色」は抜きにしても、なかなか物語も、映画としてもよくできている作品。
主演の韓国人女優、シム・ウンギョンも相当がんばってあの役を演じたんだろうね。アメリカ育ちの帰国子女記者という設定に無理はなかった。
松坂桃李も存在感あるいい芝居だった。
一部マスコミは、本作を黙殺したようだけど、そんな狭量ではいかんね。
読売に近い日本テレビが仕切る日本アカデミー賞にも輝いたのは、あっぱれです。
今頃鑑賞ですが…
昨年の封切時見逃してしまったのでオンデマンドか劇場か悩んだ結果、間も無く期限の『6ミタ無料鑑賞券』を使ってアンコール上映で鑑賞。色々昨今の不安な状況もあるので、郊外のかつ朝一番の上映回で臨んでみたところ名古屋の映画館ではありがちな混み具合(というかガラガラ具合)!自分含めたった2名の観客で上映開始。
正直このテーマで真っ向から製作した会社、スタッフ、キャストにエールを送りたいと思います。前半現実とリンクする内容に驚きましたが後半の展開は「少し無理があるな〜やっぱここは描ききれないのかな〜忖度しちゃったかな⁈」感満載で少し残念な気分に。
最後の主役お二人の口パクセリフは、色々考えさせられました!
キャスト陣に目を向けると‥松坂桃李さんは『居眠り磐音』でも感じましたが表情、所作で演じるいい役者さんですね。ラストシーンの蒼ざめた表情はセリフなしでも(実際口パクでしたが)伝わってきたんじゃないでしょうか。
シム・ウンギョンさん、とてもいい演技をされてましたが役柄とはいえ日本語の辿々しさが気になってしまったのと、どうしてもイモトアヤコに見えてしまっていけませんでした。
高橋和也さんは『毎度お騒がせします』で中山美穂さんの若干情けないお兄ちゃんだったのに、もうこんな年代の役なんですね。そのまま歳をとった感じですが。
色々突っ込みどころはありますが、幅広い世代、特にこれからの日本を背負って立つ(であろう⁈)若い人たちに観てほしいですね。いい映画だと思いますよ。
なんか賞など取るんじゃないでしょうか?えっもう取ってるってか⁈
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