新聞記者のレビュー・感想・評価
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思ってた以上に社会派でした
話題になっているので、とても観たかった。…のに、地元では、シネコンでの上映がなく、コミュニティシネマという39席しかない映画館でのみ上映。当然、毎回、売切れ。そのため、観られなかったこともありました。おかげで、今朝は、朝からチケット買いに行く羽目に…。一般料金ながら、シネコンのような立派な施設ではないし、前に大きな男の人がいて視界を遮るし、イライラしながらの上映開始でした。
でも、気になったのも最初だけ。すぐに、作品に引き込まれていきました。思っていた以上に、社会派の作品でした。
本当に、政府には、こんな情報操作する部署があるんだろうか?確かに、最近の日本のニュース番組は、どれも同じ方向を向いていて、反対意見を言えない雰囲気もあり、怖いと思うことはあるけれど…。松坂桃李くんに、子供が生まれたと報告してないのに、お祝いを差し出したシーンとか、とてつもなく恐ろしかった。こんな風に、個人情報を探られ、晒されるのだろうか。最終的に、松坂桃李くんは、子供のこととか考えて、貝になる決心をしたんだろうなぁ…。だから、彼女に、ごめんって言ったんだよね。どの映画でも、守るもの(家族)ができると、人は弱くなる。この後、彼女は、どうなったんだろう。
彼女と言えば…。やはり、日本人キャストが良かった。とても、ステキな女優さんだというのは分かりますが、日本と韓国のハーフで、アメリカ育ち?そんな無理な設定にするなら、日本人キャスト起用しましょうよ…。起用できなかったのか、しなかったのか分かりませんが、言葉、動き、流暢でなかったのが気になりました。
鑑賞記録
7月21日鑑賞。公開から約1ヶ月、しかも早朝回にも関わらず、そこそこの入り。
◯主演2人の熱演
我らが殿、松坂桃李は見てるだけで幸せになれるイケメンに違いないのだけれども、今回みたいな決してパーフェクトではない、人間臭い役が本当に上手いと思う(『彼女がその名を知らない鳥たち』の熱演も良かった)。無力さに涙し、一念発起して頑張るけど…スカッとした結末にならないのは、それが「現実味」なのかしら。ラスト付近で見せる「死んだ魚の目」は、この令和になってNo. 1の魂抜けっぷりでした。
『サニー永遠の仲間たち』で(自分にとって)お馴染みのシム・ウンギョンも、片言の日本語ながら表情、仕草など一級品の芝居を見せてくれた。泣きのシーンとか、凄すぎて笑ってしまいそうになりましたもの。
・我々観客が拾うべきもの
現代日本を生きる我々にとって記憶に新しい政治トピックがてんこ盛り状態の物語世界。原作者の望月さんとか加計問題でお馴染みの前川さんもカメオ出演してきて現実と虚構の世界の境界がハッキリとしない状態に。これに関しては、ごめんなさい、ノイズに感じてしまいました。アオイホノオの最終話に島本先生が出るのとは訳が違うと思うのです。明確な思想・メッセージを含む物語であるならば、せめて望月さんだけでも一歩引いていてほしかった…と思うのは、「出る杭は打たれる」的日本人の悪習でしょうか。僕たちは杉原と吉岡の葛藤で十分考えさせられてますから!
苦言めいたことを言ってしまいましたが、映画としての見せ所、面白さはなかなかだったと思います。新聞社と内調でのカメラワークと照明による空気感の違いの演出(新聞社はちょっと酔いそうになったけど)、娘を抱く姿勢と暖かな照明によって演出された本田翼の聖母感、緊張感を高める無音。テレビではできない、映画だからこそできる演出であったと思います。
圧力に屈することなく、事実を世に広めた吉岡。かたや、大義を果たそうとするも心折られた杉原。妻と娘とのささやかな幸せを、先輩の果たせなかった無念と天秤にかけてしまったのかなと思います。そしてそれを手放すことはできなかった。これを頭ごなしに批判できる人はいるのでしょうか。
巨大な力が小さな幸せを人質に取るような卑劣な行いを憎むべきであり、そのような不条理に対して、1人ではなく、力を合わせて向かっていく仲間が必要なのだと感じました。
形だけの民主主義
際どいストーリーの作品
選挙前に見てよかった!
ノンフィクションでは作れないものなのかな?
怖さと重さ
原作未読で鑑賞。
内閣情報調査室に勤めるエリート官僚と、真実を追い求める女性新聞記者の葛藤を描く硬派な社会派サスペンス。
新聞記者を描いた映画で思い出す一本に「クライマーズ・ハイ」があるが、あちらが強烈な熱を感じる作品であったのに対して、こちらはあり得そうな怖さとそれに抗う選択の重さを感じました。
信頼し慕っている元上司、神崎の不可解な死をきっかけに、組織に疑問を抱いた内閣情報調査室の杉原。
新聞社に送られてきた差出人不明のリーク資料の調査を始めるうちに、神崎にたどり着いた東都新聞の吉岡。
同じ事件の真相を求めた二人の主人公の選択は二人の将来をどう変えていくのか。
家族を持つ主人公のラストカットの絶望の表情は何を描いたのか?事件の終着点がどうなったのか気になるのと同時に、現在の日本でこういうことが起こっていても何らおかしくないと思ってしまう一本でした。
真実を知らしめたいという欲
私はこれが実話をもとにした真実の告発なのかただの都市伝説なのかを判別するすべを持たない。真実の告発であると信じれば、意欲作だと思える。でも真実だと思わず信じてしまうほどの説得力は映像からは感じられなかった。登場人物の葛藤もどこかで聞いたことのあるような域を超えていないと思ったからでもある。
一つ大きな違和感があった。本当に職務を全うする人なら、記者の父親にまつわる真相をわざわざ告げたりはしないだろう。真実に近づいたことへの賞賛の意味なのか、脅迫なのか、単に物語の都合上なのか。それとも、暴く方でだけでなく隠す方も、人は真実を知らしめたいものだとでも言いたいのか。人間味あるいは救いの表現だったのか。
この国の民主主義は形だけでいいんだ
これが映画
よくここまで描き切ったなと。
いろいろと考えさせられました。
鑑賞後、客席の後ろから拍手が起こって驚きましたが、これが真の映画なのだと教えてくれた気がしました。
この映画に出会えてよかった。
キャスト全員の演技が素晴らしかったです。
特にシム・ウンギョンさん。言葉の壁はあっても、そのブレなさが心地よかったです。
賛否両論巻き起こる映画をここまで作り上げた制作陣は大いに褒められるべきだと思います。
政治的な考え方はとりあえず置いといて、とにかく観てほしいです。それから考えるのもいいと思います。
選挙期間中のこの時期に被るように公開したこと、素晴らしい。
テレビも新聞もあまり報じないことが真実を物語っている気がします。
今ひとつでした
危機感
国家権力の不正に対峙する記者と官僚を描いた、王道の社会派サスペンスだと思います。
硬派な抑えたトーンで、俳優陣の多くを語らずとも意志や感情が滲み出るような演技も素晴らしかったです。
ストーリーとしてはフィクションであり、主人公達の共感出来る動機の描写や悪役然とした悪役描写はベタとも言えますが、やはり描かれる事件の既視感が不穏感をかき立てます。
過去の特高警察時代かどこかの独裁政権国家の話かと思わせられますが、モチーフは今の現実の日本ということが、改めてその異様さを突きつけてきます。
今のメディアや国家の在り方への危機感といった強いメッセージが伝わります。
ラストも、現在進行形の出来事として、こういう描き方にしたのかと、考えさせられます。
信じ疑う
映画の話題性は置いといて、特筆すべきは主演のシム・ウンギョンの演技力。配役との一体感、実存感が抜きんでている。冒頭の出勤したシーンでの動きに目が奪われて、思わず身を乗り出して彼女の表情を映画が終わるまで追いかけてしまった。
最近の現実の出来事をモチーフにしたような話の数々。ここまでの政治的主張を国政選挙中に見れることがこの国では稀有なことかもしれない。平日の日中にもかかわらず客席は満員。メッセージを叩きつけるのは、映画の役割。その意気上等。
社会と組織と個人の関係を問う。「辞めればいいのに」...しかし辞めれば、後に復活する望みを絶っているのは日本組織。それを良しとしているのはひと握りの個人ではなく多くの日本人だったりする。個人も社会も組織の論理を忖度し、閉塞感を安定と誤解する。最後は個人の意思。ラストシーンは観衆に投げかけてくる。
疑うという点で言うと、そんな研究をしようとするならば、大学院大学ではなく研究所だと思うし、民間委託は少し考えにくい。いくつかの事例を混ぜ合わせたような話ではあるが、現実味が薄れて、攻めた前半に対して後半は話自体が少し推進力を失ったように感じた。もう少し脚本に工夫が欲しかった所。
信念を貫くか? 家族を守るか?
「ごめん…」
わたしにはそう最後に
杉原が言ったように聞こえた…
本作『新聞記者』を観終わったあと
いろんな思考と感情が湧き上がり
誰かと議論を交わしたくなる…
そんな硬質な社会派作品。
真実を白日の下にさらし世間に公表すべきか?
家族を犠牲にし、今後の自分の人生を賭けてまで…
核兵器を保有しない国、日本。
外交手段や国を守るための抑止力として
生物兵器を開発してもよいのでは?
放射能汚染と同じぐらい、いやそれ以上の
人類が抑制することが困難なほどの
パンデミックを引き起こすとしても…
かたちだけの民主主義を善しとするか?
情報操作し国民を煽動して
混乱を避け、秩序を保ち
結果、平和がもたらされているのであれば…
もとより法の支配と民主主義を尊重する立場から
シビリアンコントロール下にある現在の日本において
すでに善し悪しを問うのはナンセンスなんだろうか…
文学者・三島由紀夫 氏があの世でさぞ今のこの日本を
「それ見たことか!」と憂い嘆いていることでしょう…
プロパガンダにまみれた世の中で
信念を貫くジャーナリズムは
はたして、いち個人のちっぽけな正義感に
過ぎないのでしょうか?
そんなジャーナルに目を通し耳を傾け
リテラシーを養い、吟味し、咀嚼し
そして影響力、損得を鑑み
どのように作用するか考えることしか
我々には出来ないのかもしれない。
そこには真実の審議とは関係なく
【是か、非か】ただそれだけの二択でしか
国民の主張できる幅がないのが実情…
〈 静と動 〉で例えるなら
最近の松坂 桃李さんの演技は
〈 静 〉の印象が強いですね!
またそれが各作品の役柄にハマっています。
安定の北村有起哉さん!
わたしには違和感なく物語に沿った
存在を醸していました!
シム・ウンギョンさんの起用は杞憂でした!
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