運び屋のレビュー・感想・評価
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その身体から滲み出るオーラというか、陰影深さというか。とにかくその魅力に滅多打ちになる
颯爽と現れ展示会の空気をさらっていく彼の姿は何とも言えないチャーミングさに満ちていた。が、そこから全てを失った彼のほうが、身体から放出されるオーラというか陰影の深さが明らかに違って見える。イーストウッド作の主人公は、人々の真ん中よりも、こうしてアウトサイダーとして佇んでいるのがよく似合う。
ご老人が危険なブツの運び屋になる。たったそれだけでも物語として完璧なのに、御大はそれに加えてにわかに「この国のかたち」を描いているように思える。それは様々な人種間のやり取りに集約されるのだろう。この主人公に壁なんてない。誰とでもうまくやれる。時には差別的なジョークを介しながらも、それについて指摘されると、ああごめんな、と笑って謝る。そのやりとりが実に軽妙で、また愛おしい。
人々の分断なんて、我々は軽く飛び越えられるのだよ、という心の声がどこからか聞こえてきそうだ。この芳しい香りにまたしてもやられた。
歌が多くを語る
イーストウッドが自分の監督作の音楽を自ら手掛けるほどの音楽好きで、ジャズピアノを嗜むことはファンにはよく知られているし、カントリーシンガーを演じた『センチメンタル・アドベンチャー』のように、トレードマークとのしわがれ声で歌ってみせた作品もある。ただし、ここまでカジュアルなノリで歌いまくった映画も珍しい。イーストウッド扮する主人公は、ドラッグの輸送で全米をドライブしながら、カーステレオに合わせて歌いまくるのだ。
この主人公の老人のお気楽なノリは、彼の魅力でもあり、強面のギャングの心を軟化させ、また、彼自身を軽率に犯罪の世界に足を踏み入れてしまった遠因にもなっている。
巧いなあと思うのは、ガンで死ぬゆく妻を見舞った際には、カーステで流れていた「More Than Yesterday」の歌詞がそのまま愛の言葉になっていること。いかにもハリウッドらしいやり口だが、こういう脚本の妙にまんまと乗せられるのが、悔しいというよりも心地いい。
これはハリウッドに絶えて久しいスター映画
商売の近代化に後れを取った老園芸家は、家族との付き合い方にも失敗して、今や破産寸前の独居老人である。しかし、彼には商売柄アメリカ各地をトラックで旅するという経験があり、それを"買われて"コカインの運搬人というニュー・ビジネスにありついた。さわりだけでも実話とは思えない面白さがある上に、監督&主演(10年ぶり)のクリント・イーストウッドに余人には代えがたい適材適所な個性と味わいがあるから、冒頭から思いっきり震えながら笑える。もの凄くやばいのに、飄々と危機に対応していくイーストウッドを見ていると、むしろわくわくして来るのだ。相手が誰だろうが自分の経験値と、そこで培った価値観を元手に堂々と対応する主人公にイーストウッド本人の実像が重なる時、本作「運び屋」はハリウッドに絶えて久しいスター映画の再来を実感させるのだ。今年88歳のスターは、勿論、現役最長老。永遠には続かない贅沢な映画体験を、是非。
A・ガルシア、音楽アルトゥーロ・サンドヴァルのキューバ人脈にも注目
「人生の特等席」が2012年なので、あれから6歳位年を取ったイーストウッドがスクリーンに映っているのだなあと感慨。最近観た中では「マイ・ブックショップ」のビル・ナイなどもそうだが、老名優は皺が人生の年輪のようでそれ自体に味がある。本作は実話に基づくが、家庭人とは言い難かったイーストウッドの人生にも重なってみえるように作った点は自虐か、開き直りか。
意外だが、麻薬カルテルのボス役のアンディ・ガルシアとイーストウッドは初共演。ガルシアは、同じキューバ出身のジャズトランぺッターであり「マンボ・キングス」などハリウッド映画にも長年関わってきたアルトゥーロ・サンドヴァルの伝記映画で主演したことがあり、ガルシアが橋渡しになり本作の音楽担当が決まったとか。ジャズ好きのイーストウッド、さぞかし喜んだだろう。ただ映画全体の音楽の印象は、主人公が運転中にラジオに合わせ歌うカントリーのイメージが強いけれど。
たまらない空気感
イーストウッドは存在だけでアメリカ映画黄金時代の空気感を醸し出す。なぜこんなにも惹き付けられる撮り方ができるのか。天才だと思う。
ストーリーもゆっくりと進む割には無駄なカットが皆無で、長すぎずまとめられている。ギャングの子を懐柔していく様は心地よかった。
イーストウッド健在!
達成感も挫折感もない不思議な味わい。いろんな場面に自作のセルフパロディが散りばめてあるように思える。例えば『ミリオンダラー・ベイビー』。これはネタバレになるので詳細は明かせないが、病室で元妻を看取るシーン。ここは女優さんの演技が凄すぎて、本当に家族の臨終を見ている気になる。
それから『人生の特等席』での娘とのギクシャクした関係性とか、『パーフェクト・ワールド』での追う側と、逃げる側の付かず離れずの距離感なんかは、まるでもう一度あの映画たちを体感している気分になる。やっぱりイーストウッド作品特有のリズムとか、空気が全編にわたり支配していて、心地よく身を委ねられる。
隣で爆睡していたおデブさんのイビキには辟易させられたが、それすらも映画の一部に思えてくるから不思議だ。大抵は、派手なアクション映画で私自身、寝落ちしてしまうことがよくある。それは展開がわかっていて、おそらく主要な人物の誰も死なない、そして派手な音楽を伴うシーンでよくある。これは自分の意思とは無関係に起きることで、それを理由につまらない映画だったとも思わないようにしている。
だけどこの映画は、とても静かで展開もゆっくり。イーストウッドがド派手なアクションを繰り広げるはずもなく、一見して退屈な映画に思えるが、なぜか全く眠くならない。それは編集が巧みで、主人公の身の上に必ず何か展開が起きていて、大きな話の流れを忘れないからだ。それはセリフのひとつひとつまで磨き込まれ、含蓄のある言葉として身体に沁みてくる。そう言えば、字幕担当は、松浦美奈さんだったが、相変わらず的確でいい仕事ぶりだ。「99歳の老人だけが100歳まで生きたがる」なんて、セリフ以上に文字が語りかけてくる。
とにかく、イーストウッド健在。そして、またあの苦笑いが見られて良かった。
エイジ・ドライバー
原題:The Mule
高齢者のアールは頑固だが社交的な性格で仕事熱心。家族との時間をないがしろにする人生を歩んできたため孤独なのであった。
法の番人と犯罪組織、そしてアールの闇の活動が同時進行に描かれている。
主人公アールに扮するクリント・イーストウッドが監督も務めている。
『ベイビー・ドライバー』(2017年 公開)の老人バージョンのような内容で、若くないのでカーアクションと恋愛の代わりに、人との関わり方や家族愛をテーマにしている。
実話ベースと聞き、本当に驚きました。
もちろんキャラクターの性格や家族の話しは脚色だと思うけれど、
87歳の老人が10年間に渡り、麻薬カルテルの「運び屋」として、
一ヶ月に200キロ以上のコカインを、
シカゴへ運んでいたのは事実だという。
アール(イーストウッド)が機転を効かせてピンチを
切り抜ける描写がなん度もある。
❶まず、年寄りで疑われなかった。
❷運転が上手いし、法令を守る。
❸運転手に徹した。
❹楽しみながら仕事に励んだ。
中南部イチ美味いサンドイッチを寄り道して食べる。
アールは「運び屋」をやる前は食い詰めていて、家は競売に掛けられ、
娘の結婚式の費用も負担出来ない、と金に困っている。
「運び屋」をやるとなんと【ふた束】の報酬をもらい目を丸くする。
《金のありがたみ》
①新車に買い替えた。
②家を取り返した。
③退役軍人クラブの維持に2万ドルを寄付。
④孫娘の結婚式にお祝いとフリードリンクの費用を持てた。
⑤皆から尊敬されるそんざいになる。
やはりお金はいい物ですねー。
これなら悪いことをしても、お金は大事だし、ほしくて当然、
的な気持ちになってしまった。
鼻も引っ掛けられない老人が一端の要人になるみたいな?!
もちろんアールは最後にツケはキチンと払いますよ。
FBI捜査官でイケ面のブラッドリー・クーパーが出演してます。
本当に良い男でセクシー!!
その上司の警察幹部がローレンス・フィッシュバーン。
ラストが泣かせます。
長年、別れてから、嫌味ばかり言われる元妻のメアリー
(ダイアン・ウィースト)を看取るアール。
メアリーの最後は満たされた。
クリント・イーストウッド監督が、10年振りに主人公を自ら演じました。
この後に「クライ・マッチョ」2021年がありますが、
94歳になられたイーストウッド監督の、新作の便りは聞こえてきません。
あともう一本、観れたらどんなにか良いでしょうね!!
人は幾つになっても間違うし正せたりする
当初ストーリーラインはシンプルに見えたが、さすがクリント・イーストウッド、哀愁とスカした感じは健在で物語に滲み出るある種の深みと雰囲気を感じた。
確かに家庭での関係に失敗し、最終的には仕事にも失敗し、ドラッグの運び屋まで身を落としたが、麻薬カルテルに殺される危険をおかしても死にゆく元妻に会いに行き、娘とも和解することに成功した。それも90歳になって。。人間やる気になれば何歳になっても人生の優先順位を正すことができるという希望を、また勇気をもらった。
余談ですが、最後クリント・イーストウッド扮するアールが、DEA麻薬捜査官たちに空から前から後ろから挟まれて絶体絶命になった時、彼が大口径のリボルバー拳銃で捜査官を撃ち殺し、薙ぎ倒していくイメージが一瞬頭によぎったが、全くそうはならなかった。ダーティーハリーまた観たいなぁ。
美味しい仕事には罠がある
2024年3月29日
映画 #運び屋 (2018年)鑑賞
仕事一筋で家族を顧みず一人暮らしとなった老人が、借金で家を差し押さえられたため、メキシコの麻薬組織に雇われ運び屋を始める
気ままな行動が運び屋にピッタリだとのこと
どこかホンワリとしたクライムムービーでした
88点 人生とはなにか?お金で買えるものは何か?
まさかの監督業だけではなく主演とは!いやいい話だ。この手の作り方なんだと腑に落ちました。
ただ面白くは無いんだよなぁ…いい話だけど。ずっと盛り上がらないというか。展開がなかなかね。
お金だけでは買えないんだよな。時間もそうだけど信頼というか愛というか。それをギュッと2時間にまとめた映画です。人生ってなんだっけ?と教えてくれる映画です。
※分かると思うがアクション映画ではないです。ヒューマンドラマかな?
極上の人生ドラマ、隠し味は「西部劇」
イーストウッドおじいちゃんと言えば、頑固・偏屈・タフの3拍子揃った「俺様系おじいちゃん」を想像してしまう。
彼の演じてきた役柄がそんなイメージを植え付けているのだ。だから、今作「運び屋」のおじいちゃんもそんなキャラクターなんだと勝手に思っていた。
ところがなんと「運び屋」のアールは社交的で朗らか。ちょっとキザなところはあるけど、概ね柔らかい雰囲気の人気者おじいちゃん!
おじいちゃんウオッチャーとしては、完全に虚を突かれたね。
経営していた農場が差し押さえられ、一文無しのアールは、家族の中で唯一慕ってくれている孫娘の「結婚式の費用を出す」という約束を守れなくなる。
家族をほったらかし、仕事に邁進しすぎたアールは家族に拒絶され、孫娘の結婚式から締め出されそうになる。
結婚前のパーティーで出会った新郎側の友人は、そんなアールのオンボロトラックに目をつけ、運び屋の仕事を紹介する…、という流れで彼は縁遠い「運び屋」の世界に足を踏み入れることになるのが大まかなストーリーだ。
なんと言っても、アールのキャラクターが良い。どっからどう見ても、人の良さそうな可愛いおじいちゃんなのだ。
お金の使い途だって、孫娘の結婚式や退役軍人会館の修繕。怪しいタイヤ工房に常駐している刺青スキンヘッドの連中にも「タタ(じいちゃん)」と親しまれ、観てるこっちもほんわかした気持ちになる。
そんな優しいアールだが、彼自身は古い価値観の男だ。女性バイカーの集団に「息子よ」と話しかけたり、黒人男性へ差別的な呼び方をして注意されたり、全くアップデートされてない「時代遅れな男」。
ただ、アールが今までイーストウッドが演じてきたようなおじいちゃんと違うのは、そんな時代の変化をわりとすんなり受け入れて、全く相手を否定しないことだ。
だから最終的に相手にも受け入れてもらえる。
アールは古い男だ。家庭より仕事を優先し、外での価値を高めようとしてきたこともそう。それは変わらない事実だ。
そんな「時代に取り残された男」が、それでも「俺は俺」を貫き、常識では考えられない「運び屋」稼業を成立させる。
次第に周囲の人の好感を勝ち取り、状況のマズさと裏腹に充実した毎日を送っているのが、なんとも表現しがたい人生の不思議を感じさせる。
「時代に取り残された男」が、破滅の予感をさせながらきらめきを残す物語、という意味では同じくイーストウッドの「グラン・トリノ」や、西部劇の傑作「明日に向かって撃て!」とも共通するところがあるように思うけど、それをこんな可愛いおじいちゃんでもやれちゃうのは、ある意味衝撃だった。
どんな人生にも西部劇的なロマンはある、ということなのか。
もしくは「イーストウッド」というイメージが私にそう感じさせるのか。
それはどっちでも構わないと思う。映画から私が受け取った感情こそが、私を私たらしめているのだから。
変わっていく時代、変わっていく価値観、変わっていく関係の中で、それでも人の根本的なもの・好きなこと・大事なものは変わらない。
そんなラストシーンにじんわり感動できる、おじいちゃん映画の新境地。
おじいちゃん映画ファン以外にも、是非観て欲しい。
じいさんの運び屋
実話が元。
家族より仕事を取って生きてきたじいさんが後悔する。家族も金も失ったじいさんは、麻薬の運び屋になり家族を取り戻そうとする。
最高の運び屋となり金を稼いだじいさんだったが時間は金で買えなかった。
おもしろいが、放蕩爺には感情移入し難く
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仕事と趣味に生きて家族を顧みなかったクリント。
娘の結婚式にすら出ず、娘は10年以上口をきいてくれず、嫁からは離婚された。
ただ超優良ドライバーだったので、ある時麻薬の運び屋の仕事を受ける。
簡単に金が儲かり、孫の結婚式には参加して金を出すことも出来た。
ただ生来の自由奔放さが消えることはなかった。
麻薬を運んでる間に好き勝手に車を降りたり友人と会ったり。
でもマフィアのボスは「だから警察には疑われない」と気に入ってた。
しかしボスが部下の裏切りで殺されて代替わりし、ルールが厳しくなる。
やがて奴隷のように扱われ始め、自由に行動をしたらいつでも殺すと脅された。
そんな折、麻薬輸送中に元嫁があと数日の命との電話が入り、会いに行く。
まさか来ると思ってなかった妻は喜びながら死ぬ。葬儀にも参列する。
姿を消したクリントをマフィアは躍起になって探していた。
やがて見つかって命の危機が訪れるが、マークしてた警察により逮捕。
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家族を蔑ろにして来た男が90歳くらいで家族の大切さに気付く話。
クリントらしさは爺さんになっても健在やな。
ただこの話、面白くはあったのやが、どうもこの爺に感情移入できない。
全ては自分が悪いだけやんって思ってしまうんよなあ。
まあ歳が離れ過ぎてて同調できんってのもあったかも。
それより男前の刑事の方がよっぽど感情移入できたわ。
2人は逮捕より前に偶然会って、家族の会話を交わしてた。
逮捕時もその話をちゃんと覚えてて、他人へのリスペクトがある。
涙の再会、とはいかなかったが、2人はどこか心通じるものがあった。
あと刑事の上司、この人どっかで見たことあるなあ。
顔が悪人なもんやから、きっと裏でマフィアとつながってると思ってた。
ところが全然関係ない普通の良い上司やったw
人生の失錯
冴えない男を装いながら、実はめちゃくちゃな能力を備えた超人(そんなキャラはアチコチの映画では見かける)……そんな下地は無いのに、優能力者の様な余裕をまとっている。
他のヒーローとは違って、徒手空拳で進んで行く。
いつ失敗するのか……これってフラグじゃ?…とかドキドキ厭な気持ちにさせ続けられた。
そんなハラハラをよそに、周りの皆んなを懐柔させていくアール、これこそヒーローの持つスーパー能力に匹敵する能力なのかも。
しかし、周りを惹き付ける自由気ままな生き方にも失錯がある……。
そして、時間は買う事が出来ないモノだ。
どちらを選んでも選ばなかった方に失錯が生じる事になるのだが、最期の最後は仕事より妻を選ぶ。
奨励される生き方では無いかもしれないが、深く突き刺さる生き様だ。
何が悪いとかそれはダメだ、といった批判抜きに没頭させる力強さの在る作品。
運び屋
【ピロシの映画レビュー⑩】
邦題 運び屋
原題 THE MULE
⚫︎監督
クリント・イーストウッド
⚫︎脚本
ニック・シェンク
⚫︎出演者
クリント・イーストウッド
ブラッドリー・クーパー
⚫︎公開
2018年
⚫︎上映時間
116分
⚫︎製作国
アメリカ合衆国
⚫︎ジャンル
ヒューマンドラマ、ロードムービー
記念すべき!?第10回めのレビュー
ということで、、、
当時齢88のクリント様の監督&主演作品でございます。海外では割と一人二役、二刀流やられている方多いのかもしれませんが、日本人で監督・主演する人っていうと北野さんぐらいでしょうかね?古くは伊丹十三監督?
ところでメジャーの大谷くんなんて、もはや監督もやって三刀流?目指した方が良いのではと考えてしまう今日この頃。
話逸れましたが😂クリント様監督作品といえば、『硫黄島からの手紙』は名作でしたね〜。ニノさんの演技良かったですね←改めてレビューしたい。
ちなみにバチェラーの坂東さんも出演していらっしゃいます。
今回はNetflixでおすすめに上がっていたので、2回目の視聴。ストーリーは割と覚えていた。比較的新しい作品なんですね。
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️⚠️
家族との関係がギクシャクしている花職人の老人が主人公。
仕事一筋300年で家族を顧みてこなかったツケがキタ━(゚∀゚)━!ということで、総スカン的な扱いをされるわけですが、ひょんなことから麻薬の『運び屋』さんをすることとなり・ ・ ・。
ヒューマンドラマであり、若干ハード色もあるのですが、薬物を運送するシーンはまさにロードムービー。ピックアップトラックを新調したあと、熱唱しながら乗りこなす姿が渋くもあり、可愛くもあり、素敵❤️バッググラウンドソングの演出がニクい!
特に良かったシーンは、やっぱり妻に会いに戻るところですかね。2人のやりとりが泣かせます。
ストーリー的には基本淡々と進みますので、ハラハラドキドキしたい方には向かないかな?帰せずして犯罪の片棒担いでしまった悲しきお爺さんという悲壮感はなく、一貫として家族愛をテーマにした映画ではないでしょうか?かといって押し付けがましくもないのも良い。
キャスト面から見ると、娘役に本当の実娘(アリソンイーストウッド)が出演しているという!町山さんの解説も参考にすると、本映画は『女たらし』クリント様の人生が投影されているとも言えるようです。
年齢的には、中高年向きの作品かもしれません😆若い人には、50overになったら見て欲しい作品ですかね😅ワタスはこういう人間ドラマ大好きです🥰🥰🥰日本タイトルも珍しく適切だ(笑)
🎬️本作の名ゼリフ
『遅咲きなのよ』
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アールが育てた花! 家族の時間が経過した先に見えてきたもの
運び屋の仕事をしてきたアールは、仕事を
真面目にしてきた男性だったと思いました。
しかし、前妻のメアリーは家に夫のアールが
いない寂しい思いを募らせていたと思いました。
孫のジニーの結婚式に現れたアール。
華やかな花束も虚しくなるほど、冷たい
扱いをされたアールに声をかけてきた青年が
思い遣りがあったのが救いに見えました。
財産を失いそうになったアールにメキシコの麻薬組織の仕事が舞い込んだ!
車で荷物を運ぶ途中、警察にバレそうになりながら、機転を利かせて切り抜けるアールは
人生の酸いも甘いも噛み分ける、成熟した
男性の姿でした。
運び屋の仕事の途中でアールがメアリーの
葬儀に参加できたことは、家族の再生を
表現していました。
アールが警察に逮捕されて、裁判になったけれど
自分の人生間違いだらけだった。
と呟く場面は、悲しさを振り返る気持ちで
見ていました。
刑務所で花を育てることにより、家族の愛を
育てたかった心情が伝わるストーリーでした。
的年齢有り
晩年のイーストウッド作品は的年齢があり、若い人には面白くないかもしれません。
そんな時は、家庭や子供をもち、自分の人生を振り返るような時期が来たら今一度見てください。
全く違う景色が見えると思います。
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