パピヨンのレビュー・感想・評価
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旧作を知らない人向け
ベストセラーになった自伝小説の映画化で、しかも映画としてはリメイクという。
うーーーーん。
悪くないんだよ。
フラットに観れば、いい映画。
実に頑張ってる。
特に、ドガ役のラミ・マレックなんか熱演。
旧作を知らない人に、今の時代観てもらおうという意図としては、よく練られた作品です。
しかし、旧作を知ってると、比較対象が厳しい。
スティーヴ・マックィーンとダスティン・ホフマンが共演した1974年公開『パピヨン』だもの。
あれに比べたら、作品としても主役も、狂気が足りない。
全体にあっさり。
独房で発狂しない。
食い物が足りないのを、ムカデやゴキブリを食って2年間生き延びるシーンはカット。
島から逃げ出す潮流があっさり見つかる……etc
本作は時代的に表現できる範囲が狭められているように感じ、劣化版を見せつけられてる気がしてきて、もったいないおバケな印象になってしまい。
自分が、老害の一人になってしまった。
邦画の『椿三十郎』リメイク版を思い出したりして。
四面楚歌
1973年スティーブマックイーン版のリメイクで、フランス領ギアナの孤島にある刑務所に殺人の罪を着せられて終身刑で投獄された男の事実に基づく話。
1973年版を最後に鑑賞さたのは30年ぐらい前だと思われ、あらすじや流れは何となく覚えているし、かなり面白かった覚えはあるけれど、今作をみながら種々思いだしたレベル。
貧弱だけど金を持っている詐欺師のドガを取り込み再三脱獄を企てるパピヨンというストーリー。
原作は読んでいないけれど、そういえばただの金蔓として利用するだけじゃなくて男気あふれるし、出来る曲者というマックイーンらしい役どころだったなと思いだしたり、仕事や独房の凄絶さを思いだしたりしながら鑑賞。
Gも…wow.。
オリジナル版との比較が出来る程鮮明に記憶があった訳ではないけれど、看守や受刑者とのドロドロドラマや男臭さはそのままに、セットやギミックは現代の製作らしく安っぽさがなくなった感じなのかな。
73年版を見れば良いんじゃない?という感じや、これをみたらオッサン的にはマックイーンに浸りたいという思いが沸いてくるのは否めないけれど、これはこれで面白かった。
9割絶望。
脱獄のドキドキを感じられそうで、友達と2人でレイトショーに行って来ました。前作は観ていません。
出演されている俳優の方々の演技がとても自然で熱がこもっていました。その分良い映画ではあったのですが、この時代の囚人達に対して余りに人権の無さや、リアルな殴り合い殺し合いに段々と観るのが辛くなってきます(ーー;)
あの囚人達は殆どが本当に悪いことをしていた人間だったんでしょうが、ここまでの地獄だとさすがに同情してしまいます。
確かに辛いことが多いのですが、男2人の友情と絶望の中でも友を思いながら耐え抜く人間の強さが感じられます。人権や今の自分の環境について、自由についてを改めて考えさせられる映画でした。
レイトショーで観るには重すぎましたが、楽しむ映画というよりかは考える映画だったのかなと思います。
グロ、暴力、裏切り、残酷、多少のエロ、そして絶望に耐えられる方は観た方がいいです!
にしても、主人公のパピヨンは良いしr、、いや、良い身体でした。かっこよかったなあ(*´ω`*)
ドガの決断
人を罰するのも人、支えるのも人。
ドガは何故、残ることを決心したのだろうか。
平穏を求めたのか。
自信がなかったのか。
故郷フランスに残した大切なものを失い、帰る理由を失ったからなのか。
パピヨンの足手まといになるまいと考えたのか。
いずれにしても、今回のパピヨンは、前作のパピヨンとは異なり、パピヨンとドガの心の交流を中心に描き、過酷さとか不条理とか、マックィーン・パピヨンの生存や脱出に対するモチベーションとは別のストーリーがあったように思う。
抜け出すためには資金がいるとか、用心棒が必要という、最初の、ある意味合理的な動機付けが、ココナッツを巡るやり取りを経て、2人の関係性が、お互いを生かそうというものに徐々に変わっていく。
友情といった簡単な言葉で済ませていいかは別として、2人の気持ちの変化や揺らぎは、復讐心に似たパピヨンの脱獄への当初の強い決意を、生きて牢獄を出ようという、お互いの希望のようなものに変え、5年の独房生活をも乗り切らせることになる。
こうした希望を失わないという描き方は、どちらかというと、「ショーシャンクの空に」に近い感じだろうか。
しかし、ドガは、デビルズアイランドから出ることを最後に拒む。
「君が島を出たいというのと同じように、僕は島に残りたいんだ」と告げて。
この眩い太陽に照らされた、真っ青な空と海を望む断崖絶壁の場面では、ドガの気持ちに思いを巡らせ、胸が熱くなる。
出版社だろうか、自分の体験を本にして残したいというパピヨンに、編集者のような男が「これはあなたの物語なんだね」と問いかけるが、それに対してパピヨンは、「いや、男たちの物語だ」と答える。
おそらく、監獄の過酷さに加えて、ドガがいなければ、自分が生き残ることはなかったことを、希望を失わずに十数年を過ごすこともなかったことを、人々に伝えたかったのではないか。
この映画は、エンターテイメント性を少し抑えて、過酷な仕打ちを与えるのも人間だが、過酷さの中で支えになるのも人間であったことを描きたかったのではないか。
そんな風に思わせる作品だった。
余談だが、第二次大戦の少し前に、民主主義国家になっていたフランスで、このようなことがあったことは改めて驚きだ。
そして、僕たちのよく知らない国では、まだ、こうした事が行われたりしている可能性が高いことも改めて怖いなと感じざるを得なかった。
実話だと考えると…
前作も原作も知らないので、幸い?比較対象なく観ることが出来た
知っている人たちのレビューを見ていたから、いろいろと足りなさがあるのは理解していたけれど、知らない私は幸い?そこは気にせず集中できた
それでも、脱獄だから、ある程度は予想していたけれど、想像以上にしんどい監獄生活
絶望の中に希望を見いだすことの難しさ
ましてや、身に覚えのない罪でその監獄生活を一生送らなければならないとしたら・・・
私なら希望を見いだせるかな
見ているうちに、実際の体験を回顧録として書いた作品が基になっていることが信じられなくなってくるほどだったから
それにしても、孤島からの脱獄、しかも複数回
あんな感じのことを現実に実行したっていうんだから、驚きだ
そして、独房に入ったパピヨンを演じるチャーリーハナムの痩せ方がすごい
鍛えられた身体から、痩せこけた身体まで
毎回思うけど、俳優さんって本当にすごいわ
暗黒の独房から碧空の海へ。不撓不屈の男の唯一無二の物語
実話なんですね!
ラスト観るまで実話って忘れてた
鑑賞前に実話という予備知識はあったものの、信じがたいほどに酷い話だったの架空のドラマだと脳がマヒして観てました。
チャーリー・ハナムって、こんなに演技が上手い役者さんだと思ってなかったので、今後の彼の作品もチェックしていきたいです。
スティーブ・マックイーン&ダスティン・ホフマンの旧作を観たいなって思いました。
この壮大なサバイバル人生が実話だと
壮絶だ。絶対嫌だけど、ちょっと体験してみたいぐらいの冒険の物語。監督は欲張りなのか笑、すごい盛りだくさんで見応えはあるけどちょっと長かったかな。もう少しフォーカスを絞っても良かったかも。(試写会で未公開シーンも観せてもらったが、申し訳ないけどそこまではお腹いっぱいだった苦笑)
その割に、ふたりの友情が深まるストーリーが薄く、流れを追うより人間ドラマをもっと描いてほしかった。
独房での孤独を耐え抜くシーンにハイライトを持ってきていたが、主演のチャーリー・ハラムのどんどん衰弱していく身体と演技に役者魂を感じた。どれくらいの期間で撮ったか分からないが、筋肉質でシックスパックだった肉体が日に日にやせ細っていく姿は鬼気迫るものがあった。
脱獄シーンは『プリズンブレイク』に負けないぐらいドギマギさせてほしかった。あと、地獄島での生活に対するふたりの価値観の違いはもう少し具体的なシーンで伝えた方が最後締まったかも。(これは未公開シーンの農的な暮らしに少し現れていたと思う)
実話を大事に伝えたい気持ちは分かったが、サバイバルかアドベンチャーに振り切って緩急つけた演出も良かったかな。
でもしかし、これが実話とは恐れ入りました!
甘いあんこを甘くするのは......?
上から目線で言うとしたなら、よくできている映画なのかもしれない。前作の恐ろしい刑務所を別の角度で描いているが、最初に違和感があったのは、着ている服装が、罪人も刑務官も全員、真っ新さらなのがあったのだが、エンドロールでその回答があった。
前作の脚本家を知れば、今作がつまらないもので、何故無謀にも同じ内容の物を選んだのか疑問に残り、別のテーマなら間違いなく面白いものとなっているはずなのだが.......。
そして、監督自身がこの主人公の無鉄砲で勇敢な男がどうして、どちらかというと正反対の性格の人物と親友となったのかを描き切ってはいない。特に前作で人の勇気を試される場面がカットされている。それはハンセン氏病の村のシーン。これがなければ、この映画はただのゴミくずでしかない存在となる。パピヨンの人間性が描けないでいる。(塩のシーン。初めて知った。これがなければ人間は生きていけないことを。空気と同じ。)
ドガ役のラミ・マレックの鼻につく演技は、この映画を台無しにしている一つかもしれないし、そして、シナリオをつまらないものにしている要因かもしれない。この映画は、むしろ注目されるパピヨンよりもドガという人物がいなければ成立しない映画でそれを演じきれなければ、おかしなものとなる。今年、御年82歳になるダスティン・ホフマンがハリウッドの名だたる名優の中で名優として生き続けた理由を再確認すことが出来る映画となっている。
アメリカアマゾンではすでに配信されている。amazon.comでもう一度早送りしながら見たが、やはり有名なシーンは、今作では取り上げられていない。話は変わるが、amazon.comでは、手塚治虫の「do-ro-ro(2019)」が12話、配信されている。24話完結の半分だけ現在配信されていて、12話すべて見たが、アメリカの人たちのレビューは、正しいものと言える。(YouTubeで今はみることができる。)
皆さんは知らないことだが、シャリエールは前作の公開直前に亡くなっている。それが今回のラストシーンなのか?
でも前作も完璧でない! そのラストのエピソードは........?
以下は見ないでください。
前作1973年当時、マックイーンと写真を撮っているシャリエール本人ですが、この映画のアドバイザー的な存在だったかもしれません。そのことは、詳しくは忘れました。そして、ドガはパピオンの嘆願書のおかげかわかりませんが、正式に"悪魔島"から出所しています。ただ言いたいのは、アメリカだけのことではないにしろ"赤狩り"というものが存在し、映画作りに関してのことだけを取り上げるにしろ、映画史に残ることをしたディズニーやカザンの人柄がわかるものです。
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